小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ上橋さんの純和風ファンタジー。人の心の声が聞こえてしまう「聞き耳」の力を持つ少女小夜と、とある屋敷に隠し育てられたお殿様の息子、霊狐の少年野火の運命が絡み合い、先祖たちの血塗られ、憎しみに満ちた領土争いに巻き込まれていく。
死のにおい、呪術、復讐など全体的に薄暗い雰囲気なのだが、それを裂くように走る野火の健気さ、小夜のまっすぐな気持ちが火花となって光り、とてもうつくしい。どこまでも応援したくなる二人だったから、ラストは感無量だった。人の世で生きていくことはかなわなくとも、二人が一番幸せになる道を選んだのだから、それでいいのだ。
たった370ページほどの物語で、魅力的なサブキャラクターも多いので -
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猫愛にあふれた作品ばかりで、読んでいる間、ずっと幸せな気持ちだった。
なかでも、『爪切りのニャンニャンパーク』は最高だった。
なんだか、コミカルなイメージのタイトルなのに、あんなに泣かせてくるなんて反則。『天空遊園地まほろば』、絶対に読む。探すぞー。
『猫をかぶれば』も、可愛くて好き。私も、猫をかぶっておいた方がいいタイプの人間だしw
収録作品がWEB astaが初出のものばかりというのに関係があるのか、冒頭、主人公のモノローグみたいな章がある作品がいくつかあったのは偶然なのか?
とりあえず、その後単行本・文庫本になっているかどうかを確認しないとだな。初出表記があれだけなのはちょっと不親切な気 -
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「エスキース」(下絵)というタイトルの絵画の誕生からその後を綴った連作短編集
「エスキース」は一般的には草案や下絵の意味
この作品では下絵の意味で使われている
書いた上に色を乗せる「下描き」ではなく、作品のモチーフを理解する上での試作としての完成品
4つのお話+エピローグ
・メルボルンで出会ったブーとレイの期限付き交際
留学期間が終わる前、ブーの知人の画家がレイにモデルになってもらい描かれた絵
・「エスキース」を見たことで額装の会社に入社した男の元に、エスキースの額装依頼が来る
・一時期アシスタントに来ていた弟子が漫画のヒット作を生み出し、喫茶店で対談インタビューを受ける事になったベテラ -
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長岡弘樹『新・教場 2』小学館文庫。
木村拓哉主演の映画『教場』の原作。初めのうち、個人的には木村拓哉は風間公親の器ではないように思っていたのだが、テレビなどで何度か目にしているうちに木村拓哉の風間公親もありかなと思うようになった。本作の表紙イラストはかなり木村拓哉の風間公親に寄せている。
さて、本作であるが、プロローグとエピローグに加えて六話が収録されている。
何時ものように情け容赦無い風間公親の鋭い眼力は、警察学校に入校して来た門下生たちを次々と篩に掛けていく。ここで疑問に思うのは、全国にある警察学校で月に1ヶ月に1人が脱落するのは普通なのだろうかということだ。
ということもあるが -
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本作が2作目とは思えないほど丁寧で綿密な小説だった。
冒頭のバラバラ死体、スーツケース、火、札束、杖、武蔵野線、自殺。衝撃的な場面描写に一気にこの小説への興味がわき、緊張感ある物語に誘われ読み始めた。
犯罪者東郷の婚約者の誕生日ウエディングドレス、真面目なベンチャー企業の社長、並木理伽に対する結婚詐欺という2つの相反する東郷という人間の心情。
不可思議な事件の捜査で明らかになる様々な伏線の回収に、無理なく引き込まれる快感があった。
犯罪者に対する一方的な断罪ではなく、このような方法でしか自らの怨念を解消でくなかった犯人に同情すらしてしまう。
様々な要素を丁寧に積み重ねて物語を帰結させる作者の -
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私に選択なんてさせるべきじゃなかったのだ。お父さんと梨花さんが自分たちで決めて、私を納得させるべきだった。小学校高学年になると言ったって、まだ十歳なのだ。
正しい判断が、そのあと悔やまない判断が、できるわけがない。
百十二通の手紙よりも、三百万円のお祝い金よりも、価値のあることを言おうとけれど、間に合いそうになかった。
どうしてだろう。こんなにも大事なものを手放す時が来たのに、今胸にあるのは曇りのない透き通った幸福感だけだ。
すごく大きな事件が起きるでもなく、半分は少しずつ挟まれる回想で生い立ちを知る構成。家族が何度も変わることによる波は不自然なほどなくて、それはつまらなさではなく温かさ
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