小説・文芸の高評価レビュー
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生存本能、生存戦略、そして辿り着いた生存超越。体の中の細胞たちが命を繋げと休むことなくささやく世界では、私たちの心や悩みさえも、種を存続させるための効率的な仕組みの一部のように感じられます。これまで当たり前だと思っていた生きる意味が、実は生物としてのプログラムに過ぎなかったのかもしれない。そう気づいた時、物語は単なる生物学の話を超えて、一人の人間の尊厳を問いかけてきました。
作中を通じて感じたのは、自分という存在の多面性です。ある側面では社会の仕組みに適合するマジョリティとして振る舞いながら、別の側面では誰にも理解されない切実な孤独を抱えるマイノリティでもある。私たちは常にその両端を揺れ動 -
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ネタバレ2026.01.02
本書の良さは序盤は人によってはクドイと感じるくらい丁寧に、登場人物の日常を明らかにするための背景描写があり、かつ、終盤には疾走感のあるイキイキとしたアクションが描かれるという小説としてのバランスの良さにある。
ネタバレになるが、確かに、ある登場人物の女性は「男を見る目がない」と思うし、男は女性の前で見せる顔とは違う顔で生きているのだなとも思う。これに対し、男性たちは良い人、悪い人、いろいろだが、「そうだよな」と腑に落ちる行動をとるところにも納得感がある。登場人物それぞれの心と行動のありようが人間らしく描かれることに好感を持っている。 -
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ネタバレ「生きとるものは、そう容易く括れんのよ」
実在の本草学者、畔田翠山(幼名十兵衛)を主人公にした、少し幻想譚も混じった歴史小説。
主人公は人との交わりが下手、自分の感情を表情や言葉にするのが苦手で、嫌いな言葉だが今ならコミュ障と揶揄されるタイプの人物。だが、その観察力や洞察力や粘り強さなど、本草を学ぶ素質に溢れており、師匠の桃洞先生はしっかりとそれを認めていて、導いていく様子はとても良い。
桃洞先生の孫、良直がまたいい味出してるんよねぇ、要らんことばっかり言うし、しゃべり方はケンカ腰が常で否定から会話を始め寄るし、どっちか言うたら彼の方がコミュ障っ気があると思うんだが…。それでも、コメディリ -
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新興宗教と癒着のあった大臣が刺殺される事件。
物語は2部構成で、前半は犯人の手記、後半は事件当時、現場に居合わせた作家によりノンフィクションの小説。同じ事件が2人の視点で書かれていることは珍しくないが、フィクションとノンフィクションになっているのが目新しく感じた。最後の一文、読み終わると、思わず感嘆の声が…。
そして、すぐに最初のページに戻って、読み返したくなる小説。めちゃくちゃ面白い。
おそらく現実に起こった事件からインスピレーションを受けて書かれた物語だと思うが、作家さんの想像力、いくつかのピースで、こんなにも心に残る物語を作りあげていく力に圧倒される。 -
Posted by ブクログ
明けましておめでとうございます♪
今年もよろしくお願いします(*^^*)
こちらは 昨年読み終わってたけど、レビュー間に合わなかった作品(-。-;
どうもレビュー溜めがちで。。
今年はもうちょっとチャチャっと出来るようにしたいなぁ~←(きっとムリ~)
これなんか凄かった〜!
読んですぐ まだ記憶に新しいあの銃撃事件が頭をよぎった。
母親が新興宗教にのめり込んでしまった、いわゆる宗教二世のお話。
ちょうど山上被告の裁判員裁判も始まったとこで、すごいタイミングで読んでしまった。
あの事件をモチーフにしてるのは明らかだけど、もちろんこれはフィクション。
ごっちゃにしちゃいけないよな〜