小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレやっと読めた。面白かった!
最初手に取った時はこんなに分厚い本を私は読めるだろうかと気後れしたのだが、次の展開が気になりまくるストーリーと読みやすい文章のおかげで、特に後半はノンストップでがーっと読み切ってしまった。
食べ物についての描写がとにかく豊富で斬新な気がして、この物語にとって食べるという営みを描くことがどれだけ重要であるかが、縦横無尽な表現を通してひしひしと伝わってきた。
ネガティヴ・ケイパビリティについての本と同時進行で読んでいたのがなんだかよかった気がする。数多のもやもやや梶井の不可解さに対して短絡的な解を決して求めず、じっくり向き合い、たまに過去の己の振る舞いを反省もし、根気よく観察を続ける里佳を見ながら、とてももどかしくてしんどいだろうとこちらまで辛くなったが、それでも考えることから逃げない里佳のしぶとさが素晴らしいし尊敬できるなぁと思っていた。
旧来の「家」の在り方に縛られているのは男も女も一緒、本当にその通りだと思った。とにかく仕事は辞めちゃだめだよ、と後輩に言う里佳がよかった。ある程度自由を謳歌するためにはある程度の経済力が必要になることを身をもって知っている人なのだと思った。心のままに生きることを自分にもっと許してみようと思える本だった。柚木さんの本は初めて読んだが、他の本も読みたくなったし、この本もまた読み返したい。 -
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先が気になってどんどん読んでしまったけど、ときどき胸が苦しくなって、休憩が必要だった。
昨夜は夢でうなされて3回ほど叫んでいたそうだ。
(主人は私の叫び声で起きたらしい)
ゴミを溜め込む側も依存する相手を常に探している母親も、なにかしら辛くて生きづらいからそうなっているのだろうけど、その人たちのもとに生まれた子はどうしようもなく辛いしやり場がない思いを抱えるんだろうなぁと感じた。けどその親たちもまた子どもの時親から同じような思いをさせられたのかもしれない。
読んでて辛い気持ちになったけど、なんとなく最後は折り合いをつけて生きていく方向に進んでいく感じで、辛いは辛いけど、まあそうだよねぇという納得のいく終わり方だった。 -
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辻村深月さんの作品を読むのは、『本日は大安なり』『ぼくのメジャースプーン』『凍りのくじら』に次いで4作目になります。
瀬戸内海に浮かぶ島・冴島からフェリーで本州に通う、4人の高校2年生の物語です。
冴島は、元大学教授で島おこしに長けた村長の成果もあり、Iターンやシングルマザーの移住が進んだ島として成功しています。まだまだ島民同士の確執も残っていますが、基本的には平和な日常で、特に大きな事件が起こるわけではありません。
ただ、小さな事件の裏側に島が抱える深刻な問題が垣間見えるところもあり、それを見聞きし、関わっていく高校生たちの清々しさや、彼らに手を差し伸べる大人たちの温かさに、心が温かくなりました。
約10年後でしょうか?島に戻り、看護師として働くことになった朱里が乗るフェリーに向かって、〇〇(ネタバレになるので伏せます)になった衣花が「おかえりなさい、朱里!」と声をかけ、朱里が「ただいまあ」と返す場面が、うれしくてたまりませんでした。最後は大きな満足感に包まれました。
ハッピーエンドが大好きな私にとって、これまで読んだ辻村深月さんの作品の中で、最も好きな一冊です。 -
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面白かったー!わくわくドキドキ。読後感も気持ちよく、経営者がどんなに大変かっていうこともよくわかった。
社会で今一番注目されており、まるっきり素人の私ですら興味は尽きないAI のある一つの使い方を見せてもらった。これは社長が面白いと思いながら積み重ねてきていた知見が役に立っている。頭のいい子なことはもちろんだけど、環境が人を作るっていう事もすごく理解。
貶めようとする悪玉はいるけど、それにしても次から次へと、悪いことが降りかかる。私ならもう無理だー。すぐに諦めてしまうだろう。経営者とは責任重大。毎日ヒリヒリ、頭フル回転なんだろう。そう考えると刺激的なんだろうが、とてもじゃないけど私とは違う人種だよなあと、思う。
でも、本当に面白かった。 -
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ネタバレシングルマザー、父親のことを隠す、
までは他の作品にもあると思います。
しかしその隠していた切実な理由、
息子の成長していく今と母親の過去が
交互に描かれている。
くすかはこう育ったから、息子にバースデーパーティーを開いてあげたかったんだと気づいた時、言葉にならない気持ちでした。
くすかの自分がされて嫌だったことは、できるかぎりしないように、されたかったことはしてあげられるように。そしてあらたの父親への後悔を秘めつつ育てている。
あらたが育つにつれ、終盤くすかは過去から解き放たれたように感じた。
くすかと時生の恋の物語でもあり、
くすかとあらたの家族の物語でもある。
そしてくすかと庭田さんの長い友情、
あらたと匠人と陽菜の強い親愛。
愛の物語だと感じました。
とくにp.141の「もう降参しよう、ぼくたちはいっしょにいるしかないと思う」なんて可愛らしい愛の言葉なんだと震えました。
老若男女に読んで欲しい物語。
気が早いけれど本屋大賞獲って欲しいと思うぐらい、素敵な作品でした。
くすかの名前の由来が気になりすぎます…
またp.96の「X公園の白鳥ボートは、乗ったら別れるってジンクスがあるから乗らない方がいい」。井の頭公園じゃん!!と一気に親近感が湧きました。 -
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ネタバレ読み終えて、心がホッとする物語でとても好きだと感じました。
自分の過去を受け止めているからこそ、
今悩んでいる人たちに向き合える楓。
ペンション・ワケアッテにくるお客様たちの心をほぐし、スッと軽くしてくれる。
そしてそんなお客様を通して、
楓も自分の過去を受け止めたままではなく
前に進もうとする姿に心惹かれました。
また、勝一の博識さが個人的には面白かったです。基本的にはお客様視点の物語でしたが、
勝一視点の物語も読んでみたいなと思いました。
宿泊されたお客様から、お手紙が届く宿。
それだけできっと素敵な宿だなと思います。
ペンション・ワケアッテに私も泊まりたいです。
余談ですがペンション・ワケアッテのイントネーションが気になりました。
本来の意味通り分け合ってなのか、
訳あってなのか…………? -
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ネタバレこんなにも面白いファンタジーがまだあったのか…!と驚きました。
わたしは獣の奏者で本に夢中になり、守り人シリーズやハリーポッターを読み育ったけれど、まだまだこの世に、こんなにも早く続きを読みたいファンタジーがあるのか…!とうれしい悲鳴をあげています。2巻がはやく読みたい。
初めはノベルスで、文庫化されたのも2003年とのこと。2003年はまだ3歳だったので知らなくても仕方がないと思いつつ、こんなに面白い本を未だ読んでいなかったなんて悔しいときう気持ちと、楽しみがまだまだあるという嬉しい気持ちでいっぱいです。
戦士であるウォルと美しい少女リィの組み合わせ。これにハマらないファンタジーファンはいない!!!そう思います。どう考えたって波乱が巻き起こることは間違いなし。
また、 ウォルの進退だけではなく、リィの謎も気になります。リィが単純に女の子、というだけではなくいわゆる異世界からきた、本当は男だったというところ。リィはどこからきたんだ、男に戻れるのか、ウォルが王になったらリィはどうするのか。続きが気になって仕方ありません。
続きはどれくらいあるのかと軽い気持ちで調べると、とても長い。外伝含めて22巻か…と思いきや、本シリーズ終了後の物語として……「天使たちの課外活動」…?これは知っている…!新刊が出ていたのを見た…!えっ…?いまだに続きが刊行されている?!と大変驚いています。
楽しみが倍以上増えた気がします。
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Posted by ブクログ
ネタバレまごうことなき青春小説。
なんてきらきらと美しく、淡く、儚い光なのだろうか。未来を選べるひとだけが出せる光。
その光は、いつかどこかで変わってしまう。
完全なものへと変化していくのか、
どこかで儚く影へと消えていくのか。
そんな不安定な光。
本作では音楽がテーマですが、音楽だけではない。わたしたちはスポーツ、勉強、いろんなことで競い合って挫折を経験する。
なぜなら大半の人はどんなに頑張っても、自分より上でまぶしく光る人がいるということを自覚してしまうから。自覚してしまった時にどうするのか。瑞葉は自分が引くことを選んだ、それが最善だと信じた。 けれど腸が煮えくりかえるような思いをしたはずだ、自分自身に対して。挫折を味わったことのある人は、読んでいて苦しく逃げ出したくなるかもしれない。
けれど、あの時の自分は間違っていなかったと思わせてくれる作品でもあった。
金子さんはなぜこんなにも学生生活の描写がうまいのか……。読んでいて学生の頃の気持ちに戻ったようでした。
個人的にはバンドが好きなので、たくさんバンド名がでてきて面白かったです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ多感な少女の苦しさや、本人にも捉えることが難しい感情なんかを、すごく的確に優しく描いていてとても読みやすかった。自分と重なる部分もあって、すっかり物語に入り込んでしまった。
小説なのに絵本を読んでいるみたいな感覚。
自然に溢れた暖かい暮らし、「魔女」みたいに不思議で達観したおばあちゃんとの生活。
鶏が死ぬ描写や、苦手な隣人を受け入れられないところや、祖母と母に少しぎくしゃくした関係が見えるところ、「おばあちゃんにうまく誘導されている」というまいの気付き。
まいは多感ゆえにとても聡い子だと思う。
おまけのお話?の中で、彼女らしく生きている様子を見られてよかった。きっとそれは、西の魔女が教えてくれた修行のおかげなんだと思う。
人の死というのはどうしてもドラマチックで悲劇的に描かれがちだけれど、この物語はそうではないのも面白い。そんなおばあちゃんの価値観や、おばあちゃんと暮らした記憶、教えてもらった色々なことが、まいに根付いてまいを強くする。
私もこの本を読んで感じたことを胸に、魂を成長させながら生きていきたいな。そして成長した魂がいつか肉体を脱出する。死ぬのが怖くなくなったと言うと嘘になるけれど、おばあちゃんの教えはまいだけじゃなくて私の心も軽くしてくれた。
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