小説・文芸の高評価レビュー
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青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』を読んだ。
物語の中で、小町さんが言う。
「書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたということに価値がある」
この一文に、はっとした。
本に“すごい力”があるのだと思っていたけれど、そうではなくて、
その本をどう受け取ったか、どんなふうに自分と結びつけたか、そこに価値があるのだと。
たしかに、「ぐりとぐら」の印象的な場面が人それぞれ違うように、
同じ本を読んでも、心に残るところはまったく違う。
それは、本が違うのではなく、
読んでいる“その人”が違うから。
私は、自己啓発本でなくても、小説でも歌でも、つい自己啓発的に -
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ネタバレあのとき、噛み合っていなかった会話。噛み合っていなかったけど、噛み合わせたかった会話。そんなことが自分にもあったのだろうか。あったとしても、思い出せないのは、この話を読んだ後の自分としては、残念でならない。
過去にしたことや言ったことが、今の誰かにとってどんな影響を与えているのか。いい影響でも悪い影響でも、一人の人間が誰かに影響を与えていると考えるのは烏滸がましいと思う。だが、自分の覚えていない、無意識の言動が何らかの形で他人に残っているのだとしたら、それがいいものであって欲しいと願うばかりだ。そう思わせるほど、この短編たちは恐ろしい。非現実的でありながら、いつか自分の身に降りかかるのではな -
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ネタバレ葉桜と魔笛が読みたくて購入。
私は、ただ美しい物語ではないのではないかと感じた。
妹は本当に彼と付き合って、深い仲になっていた。戦時下、時代的にもしそれが世間にバレたら命を絶たなければならないほどの秘密。
姉の手紙により、姉に知られる訳にはいかず嘘をついた(予めバレた時の用意をしていたのかもしれない)
姉は姉で、妹だけ恋愛を楽しんでいた事に嫉妬心を抱いた。
魔笛を吹いたのは厳格な父親かもしれない。けどそれは妹のためというより、自分も知った事を妹に知らしめるため。
妹が急逝したのは、自ら命を絶ったから。
全て知っていた姉が、抱えきれずに晩年告白という形をとった。 -
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四つ子ぐらし
最初、「なずなちゃんなんでそんなこというの⁉︎」と思ったけど、リメイクで再利用することができて良かったと思った。自分も縫い物やミシンとかできるようになったら、きれなくなった服をリメイクしてみたいと思った。
スイッチ!
まつりがこんなに問題児なアイドルのマネージャーになったのが可哀想だと思った。だけど、この本で一番印象に残っている物語が、スイッチ!だから人気な理由がわかった。しずるもひどいと思った。それになによりまつりに自由時間を差し上げてほしいと思った。毎日毎日マネージャーしてたら、倒れちゃうんじゃないかと思った。
泣き虫スマッシュ!
ことりちゃんと笠置ちゃんの関係が良 -
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いやー、良かった。
私は多様性を認める、寛容な人間でありたいと強く思っていたが、そういう考え方こそが多様性を認めないということに気付けた。
例えば、LGBTQ+。この人たちの性的指向を認め、同性婚もできるようにして、ストレートの人たちと同じような環境を作ることが多様性へと繋がると信じてた。けど、それは全てのマイノリティを認めると見せかけているだけで、人と人の恋愛だけを認めていることになる。この本には、それ以外の性欲の形が出てくるが、LGBTQ+を認めることが多様性だ!と謳う世界こそが、人ではないものに性欲を持つ人たちにさらに窮屈な思いをさせている。
終盤の言葉で、結構心にズキズキ響く言葉もいく -
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2022年発刊の短編集
「爆発物処理班の遭遇したスピン」
爆発物を処理できなくても、楽しめる。
波動関数が理解できなくても、引き込まれる。
鹿児島に生まれた思考が、1935年のアメリカへと跳ぶ快感を読む。
理屈よりも 物語の推進力に身を委ねたい一編。
「ジェリーウォーカー」
冴えない映像クリエイターが辿り着いたキメラ創造という設定の奇抜さが魅力。
舞台は(読後の空気として)アメリカらしき近未来を感じさせ、SF性と現実的な承認欲求の絡み合いが印象的。
短編ながらラストの収め方はシャープで、余韻を残す締めで満足感がある。
「シヴィル・ライツ」
弱小反社の底辺組員の市民生活。
佐藤究が、反社と -
Posted by ブクログ
二人で居るのに、互いの気持ちが違うのは、孤独であることよりも寂しく、悲劇…。
を物語に見事仕上げてくださった作者さまに感謝
広告代理店で働くバリキャリな涼子と自宅で美容室を営んでいる孝之はもちろん、ふたりのまわりにいるキャラクターたちも魅了的
人間性は別として、物語を盛り上げるうえで、、という意味で
村山由佳さんの恋愛ものって凛としていながらもヨワイところもある女性の描き方が素晴らしく、今回も濃厚なチョコレートケーキとエスプレッソをいただいたような満足感…
村山由佳さんの作品、やっぱり好み♡
500ぺージ以上の大作で本の厚さが凶器となっているって思ったのは、ここだけの話
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