あらすじ
漕げよ、漕げ(ロウ・アンド・ロウ)、 あなたの舟をーー
夫婦の歪みと「再生」を高解像度で描く、デビュー30年にして到達した恋愛文学の極致。
東京の広告代理店に勤める43歳の涼子は、3歳年下で美容師の夫・孝之と結婚して13年。毎日の生活にうっすら不満を抱えつつ、表面的には凪いだ日々を送っていた。ところが、20代の美登利を美容院のアシスタントとして招き入れたことで少しずつゆらぎが生まれて......。気づかぬうちに"深い川"に隔てられた二人は再び漕ぎ寄ることができるのか?
夫婦、そして、男と女の心理を細密に描き出した傑作長編。週刊誌「サンデー毎日」の人気連載がついに単行本化!
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Posted by ブクログ
村山由佳さん著「Row&Row」
「PRIZE」2026年本屋大賞3位、おめでとうございます。
今回の本屋大賞は非常にいい作品が多く「熟柿」も含めて上位3冊はどれが本屋大賞でも納得できるほどだったと感じている。
本作品は「PRIZE」以前に執筆された作品だが興味深かったので購読。
物語自体は凡庸で簡単に言ってしまえば不倫が絡む夫婦物語。
性描写も多く、官能小説顔負けの物語でもある。
ただ本当に凄かったのは登場人物達の心理描写。圧巻だった。
夫婦間に元々あった細かな互いへの違和感が夫の不倫を機に細かな一つ一つが繋がっていき大きな亀裂となって深い溝を作っていく。
それに至る互いの心理の描写力、凄すぎた。
物語の善悪の感想はさておき、怖いなと感じたのは理性が壊れていくその状態。
この物語の中でも幾度と描かれていた。
対人上の関係の中では常に誰かの目の中に自分が写っているのだから、本来ならば自分という個を自分自身でコントロールすべきだろう。
言葉では簡単なのだが、実際には無理に近い困難さがある。
言動行動を含め自らのコントロールは時に間違いだらけ。今回のこの物語も多々そのケースが多く見えた。
人間関係全般に言えるのだが、そうしたコントロールミスで一番みっともないのは言い訳を事後に考える事。
見繕った言い訳ほど見苦しいものはない。
間違いを間違いと認め、言い訳を考えない、作らない。これに限るかと感じる。
この作品、人間の弱さと人間の厭らしさを特質して感じられる作品だった。
自分もあらゆる面で気をひき締めてゆかねばと感じさせられた。
Posted by ブクログ
二人で居るのに、互いの気持ちが違うのは、孤独であることよりも寂しく、悲劇…。
を物語に見事仕上げてくださった作者さまに感謝
広告代理店で働くバリキャリな涼子と自宅で美容室を営んでいる孝之はもちろん、ふたりのまわりにいるキャラクターたちも魅了的
人間性は別として、物語を盛り上げるうえで、、という意味で
村山由佳さんの恋愛ものって凛としていながらもヨワイところもある女性の描き方が素晴らしく、今回も濃厚なチョコレートケーキとエスプレッソをいただいたような満足感…
村山由佳さんの作品、やっぱり好み♡
500ぺージ以上の大作で本の厚さが凶器となっているって思ったのは、ここだけの話
Posted by ブクログ
分厚いのに読み進めるうちに続きが気になり、
あっという間に読破してしまいました。
読んでいて心を動かされる作品でした。
やはり自分自身としては因果応報を願う心があって、
ミドリが不幸になる事を期待してしまう部分と、しっかり慰謝料請求しない点に少しモヤモヤが残りました。
Posted by ブクログ
♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~
どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。
久々の、長編もの。
久々の、村山由佳さん。
揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!
不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
ごく普通の夫の姿だ。
姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!
マイホームが夫の仕事場である場合、
妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。
バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
「でっかい決断っていうものはな、
慣れた場所にいたんじゃ
いつまでたってもできねえもんなのよ」
矢島の言う通り!
結婚、仕事、子育て、
女性が抱える問題は、いつの時代もたくさんある。
涼子のように仕事を生きがいにしていても、
病気や老いや、先々の不安はつきもの。
支えあう友人や仲間が必要だ。
Posted by ブクログ
村山さんの作品を読んだのは始めてだった。
初めは、本の分厚さにきっと途中で断念するだろうなと思ったが、読んでいくとどんどん世界観に引き込まれていった。
後半はどうなるの?どうなるの?と続きが早く読みたくてしかたなかった。
まさかの結末になったが、この夫婦が同世代ということもあり、自分のことのようで読んでいてわかるーと思う部分がたくさんあった。
どこの夫婦にもこういう時があって、それを乗り越えて熟年夫婦になるか、離婚するかという結末になるんだなと改めて思った。
Posted by ブクログ
アラフォーの子なし夫婦、孝之は美容師、涼子は大手広告代理店のキャリアウーマン。高収入で仕事もできる涼子にコンプレックスを持ち自尊心が削られていた孝之に、ひとのものを欲しがるタイプの美登利が急接近。男としての自信を取り戻した孝之は不倫に溺れる…というシンプルな恋愛小説かと思いきや、男女のプライドが巧妙に絡み合った読み応えのあるお話だった。
終盤にかけて孝之のいい加減さに苦笑い笑
Posted by ブクログ
自分と重なる部分が多くて、、読んでいて何とも言えない気持ちになった。
誰の気配も感じることのない休まる場所が欲しい。
休日も外に出たい訳じゃない本当は。
Posted by ブクログ
家に居場所がないってわかるなー。
お風呂入ってても洗面所に気配感じたら嫌っていうのもわかりみが深い。
バリキャリではないが、夫婦間の微妙なズレに共感しまくり。
Posted by ブクログ
40代子無し夫婦、夫は美容師、妻は広告代理店で働くキャリアウーマン。
夫が経営する美容室は経営順調とは言えず、客足はまばらだった。妻の方が給料高く、夫は密かに負い目を感じていた。
そんなとき夫の趣味であるサイクリングサークルで1人の女性に出会う。
彼女はネイリストで、やがて夫の美容室で働き始め、彼女の纏う陽のオーラで客足が増え、徐々に美容室経営は軌道に乗る。
あるとき夫と彼女は一線を越え、男女の関係となる。それからは不倫関係にのめり込んでいく...
読後に書いているので表現が合っているか自信がないが、妻の上司が言った「絶対的な長所というものはない」というセリフが印象的だった。
相手への感情次第で、短所を長所だと解釈したり、逆に長所を短所だと解釈する。
人は感情に左右される生き物である。
この物語の夫婦は、相手に対するマイナスの感情を隠し、夫婦生活が円滑に進むように努めていた。それが夫の不倫により、徐々に相手の短所だけが目立ってきてしまい、最終的には夫婦関係が修復不可能になってしまった。
夫婦の形は人それぞれだが、相手の短所も理解し受け入れるという姿勢や、自分の弱さをさらけ出せる関係を築いていくことが必要だと思った。
Posted by ブクログ
キャリアウーマンな主人公。自宅の一階が美容室になっていて、そこで働く美容師の夫との間に子どもはおらず、マンネリな日々。微妙な夫婦間のすれ違いを描く。題材が不倫なので、好みが分かれるとは思うが心情描写がリアルで面白く、エンタメものとして楽しめる。登場人物に対して吐き気がするほど嫌気がさすのも、作者の筆力だと思うので。個人的にはクールな主人公が好き。主人公の夫を誘惑する、若くてかわいい美登利のことを何か裏があるのではないかって思って読み進めていたのだが、特に何もなくて、こんなものなのかぁと思った。
黒田部長と昼間から蕎麦屋でお酒を呷る場面が好き。
Posted by ブクログ
登場人物のキャラが立っていて、面白かった。
途中の夫の不倫に対する言い訳や、なかなか向き合わない主人公にモヤモヤしつつ読み進めた。
仕事ができて、周りから評価もされている主人公にとっては、いい終わり方だったと思う。
Posted by ブクログ
長いから分けて読もうと思ってたけど、一気読みしてしまった。夫婦間の埋まらない溝をどうしていくのか気になってしまって。
誰に共感できたかというと。
バリキャリの涼子に、私は思いを馳せてしまった。私も思う。かっこいいと。
Posted by ブクログ
う、ん。。主人公の1人である夫が見せる幼さは、とてもよく分かったし理解もできたし身につまされた。
恥ずかしながら共感できる所もあって、いやもう言ってしまえば独りよがり暴発気味なこの亭主の眼鏡からでしか読めなかった。
女性が綴った作品だからこそ痛痒い。いや掻きすぎてもうそこ痛いところですから。
あぁ外野のみなさまからはやっぱりこう見えるんですのね、なしんどさ。
だからこそきっぱりと言う。
その不倫、うらやましいぞと。
というか男は、いやわたしはと言っとこ、ナイトでいたいのいつまでたっても。いやナイトでいさせて。なんか支えて。「キミかわいいね」なんて会社で言っちゃいけないけど家で愛妻に向かって言うならいいじゃない。「あなたいつもご苦労様」「かっこいい」「素敵」「頼り甲斐がある」とかいーじゃない別に。ねえ?(誰に)
まーそんな成れの果てのような昭和を抱えるオッサンなんておぞましく見られるんだろうけど、時代錯誤とか封建的とかどーでもよくて。育った環境という消極的な個性です。
ムダに発奮してしまったけど、やっぱりここは柔らかくてモヤモヤするところなんです。恐ろしく整理されてない、とも言い換えられる。
だから女性の活躍推進とは、どんな作品を通して読んでいて針山のようなチクチクを伴う。なんか悪いことをしてしまった後ろめたさ、これなに。
まーその視点ならばこの不倫は破滅させて欲しかった。ラストはサッパリした感がある。逃げ切った、みたいな。
同じタイミングで似たタイトルの『マザーアウトロウ』を読んだ時の方が、亭主が死んで後悔してることは離婚しなかったこと!とか子どもなんか産まなくたって(姑と嫁の)フィーリングッドなマブダチが爆誕したんだからいーじゃないの!とか突き抜けてて爽快だった。
Posted by ブクログ
自分の体験が大いに反映されてる?って邪推してしまう。夫婦の葛藤、仕事の葛藤、恋愛の葛藤が、リアルに細やかに表現されててドキドキする。官能的な場面も多く、大人の小説って感じ。それだけに、優柔不断に見えることも多くて、主人公たちの考え方、行動に、イライラすることも多くて困った。
Posted by ブクログ
ハードカバーで、美しい装丁に惹かれてジャケ買いした作品だけど、正直こんなクソみたいな男と女狐の話なんか家に置いときたくないので、中古に出そうか真剣に考えてる。そのくらいリアリティすごくて、スイも甘いも嗅ぎ分け切った大人の為の小説です。
おすすめポイント
・アラフォーぐらいの、ある程度大人の方におススメです。なぜならリアリティが凄いからです
残念ポイント
・出てくる男という男に腹しか立たない
・男が全員とにかくクズ(ただし村山由佳さんによるみずみずしく絢爛な筆致で描かれているので上質なクズ)
・星が減ったのは、アイツとアイツの2人分、減点したから。詳しくは読んでください。
・500ページ以上付き合ってきて、あのシーンを読まされた時は天を仰いだ!村山由佳作品でなかったら途中で本を放り出してた。
・「たけくらべ」のことも嫌いになると思います。樋口一葉を見るのも嫌になった方、お手元の5000円札、私が引き受けますよ。
Posted by ブクログ
個人的な感想だが、夫とよく似た人に心当たりがあるので妙な親近感が湧いた。
ほっこりとは程遠いし訳ありカップルだけど、淡々とした日々が綴られているのが現実的。
どんでん返しとか感動とかが無いのも良い。
Posted by ブクログ
夫の甘い考えに言葉がでない。妻と語るときも、言い訳ばかり。自分が不利になると怒鳴る。最後の最後に妻に「一緒に育てよう」「ただの浮気だよ」と言ってみたり。
妻の最後の夫に怒るシーンがよかった。
泣きたい夜もあるが自分の巣と自由、友達もいて、自分で決められる、自分だけのものを手にいれて、彼女は動き出す。
p506-2~6
Posted by ブクログ
モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ笑笑
同じ美容師として読んでたけど、現実が忠実に描かれていてるとこはすごい。性的描写が生々しいのは作者の特徴なのかなーモヤモヤしすぎて一気に読めた
Posted by ブクログ
キャリアウーマンの妻と自宅の1階で美容室を営む夫。互いにどこか遠慮して言いたいことも言えない夫婦の深い溝が招く不倫の話。
官能的な描写があり臨場感溢れるストーリーなだけに、ラスト150ページの安易な展開は勿体無く腑に落ちなかった。
不倫や離婚を経て自由を手にする人を助長するかのような作品は、現にそうする人が増えていることの表れだと思う。まるで『そういう人生も悪くないですよ☆』と言っているかのようで令和を感じる。
私なら黒田部長にする。笑
矢島は論外。
Posted by ブクログ
※
話が始まってラストの本当に際のキワまで、
年月を経たせいだけとは言い切れない夫婦の
すれ違っていく気持ちと深まるばかりの溝が
あまりにリアルでした。
それに相手と言葉が通じないという虚しさ、
分かり合えないもどかしさ。
それらを見てみぬふりして生活をし続ける
ことに疲れ、自分の気持ちを誤魔化せなく
なった主人公の絶望感と哀しさがないまぜに
なり立ち竦む様に苦しくなります。
家庭での居場所のなさや満たされなさ、
息苦しさと不自由さを感じながらも
夫婦間の信頼関係を信じていた主人公。
夫が若い女性との不倫にハマっていく様や
バレなければいいという安易で軽率な姿、
典型的に泥沼な展開に読んでいて胸が悪くて、
いっそ読むのを止めてしまおうかと思いました。
でも、きっと何かしら主人公が自分の人生を
再生させる救いがあるに違いないと祈って
なんとか読み切りました。
経済的にも精神的にも自立し、
自分で自分の幸せを決める。
性別に関わらず、そんな芯をもつ
人になりたいと感じた物語でした。
Posted by ブクログ
涼子さん目線にしかならなかった。
孝之は許せない。
村山由佳はピュアなイメージがあったのでどろどろで驚いた。これが大人だとは思いたくないけれども、読む間ずっと曲が流れ続けている。Life is but a dream.
Posted by ブクログ
夫婦の間で、価値観や感覚のずれ、ひとつの物事に対する受け止め方の違いが少しずつ表面化するにつれ、これはもう一緒に暮らしていけない、とはたから見ていても思えてくる。それでも平穏を保とうとする夫と妻それぞれに、どうか早く決断してくれ!と思いながら、読み進めた。
2人の出した答えは、それで良かったと思えるものだった。
Posted by ブクログ
登場人物の誰も好きになれなかった。
美登利は最初から嫌いだったし夫もクズだった。
涼子を応援していたけどなんであのタイミングで2人の人と不倫するかなあ。
しかもカッコ悪くバレちゃうような。
というふうに憤りながらも最後まで一気に読まされちゃうところが村山由香さんの筆力かな。
Posted by ブクログ
これはよかった。私も、キャリアに邁進している働く女性の端くれとして、かなり身につまされる思いが…。夫と妻のすれ違いとか、ちょっとした歪みの描写がめちゃくちゃリアルで、やや読んでてキツかったが、ストーリーとしても面白くて一気読み。不倫女が本当にウザいww
Posted by ブクログ
思っていた内容とちょっと違ったけど最後まで読んでしまった!40歳過ぎて読んだら涼子さんの気持ちに共感できるところがあるかも。
最後の1ページに集約されているかな。
Posted by ブクログ
読んでいる間中、ずっといや〜な気分が続く本だった。それでも読んでしまう。この分厚い本を読んでしまった自分がいる。なんて下衆な話なんだろ、と思いつつ読んでしまった。嫌な思いに包まれながらも面白く…
村山由佳さん、人のことをよく見てるし、きっととてつもなく勘が働く人なんだろうなと思う。私も同類だ。
こういう人いる!そういう気持ち、自分の中にもある!と、次々と巧みに繰り広げられる感情と展開とに、ページをめぐる手が止まらなくなる。
そして、これととても似ている話を実話として知っている。孝之と似た人生を送っている男の人を。年下の女性の後輩からの、自尊心をくすぐるような言葉にほだされ、結婚を心に決めていた彼女を裏切って浮気をし、子供ができ、そこまでのつもりはなかったのだけれど…と思いつつ結婚して、そのうちまだ若いのになぜか性的に半ば不能になり、それでもまだ枯れつつある体で不倫までしている。物語の中だけの話ではないのだなぁ。
自分は旦那がいないので、そこまで強い不快感はなく、完全に他人事として読めたけれど、それでも、美登利はいただけない。男性に対して自尊心をくすぐることを言うと、効果的で容易に落ちるのは女性の多くが知っている。それを知っていて、そして、実際に頼り甲斐あるなと男性に感じたとしても、手を出してはいけない相手なら、それを口にするかしないかが、その女性の品性であり知性の違いではないだろうか。それを大いに真に受けて、のせられてしまう男性も情けないが…。
読んで何か得たか?というと、それは正直ないかもしれない。読まなければ良かったか?わからない。でもきっと、このような徒労感を味わうことになると知っていても、やはり手に取っただろうと思う。
(抜粋)******
○一般的に女は、自分より若い男からの賞賛を、あんなに単純には喜ばない。露骨にすりよってこられたなら、まず下心を疑う。ろくに疑わずに受け入れる男たちは、自分をよほど高く見積もって色に違いない。幸せなのか間抜けなのかわからない。
○彼女と一緒にいると、自分には値打ちがあるかのように思えてくる。そうした充実感や自己肯定感を、孝之はここ何年も見失っていた気がするのだった。