小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ私はすごく本作が好きだ!!と思いました。
恋とか愛とか、ツミデミックももちろん良かったです。しかし本作は終わり方に希望が見えたり、公衆電話にテレホンカードを入れると亡くなったはずの彼女と繋がったりと今までの作品とは少し違うように感じます。
特にテレホンカードのところは、現実的ではないけれどでも物語にとても合っていると思いましたし、お話が柔らかく感じました。
私は少しでも希望がある終わり方が好きであり、本作こそ本屋大賞取れるのでは…!と思います!
また、自分だったら恋人が知らない人と死んだと聞いた時どう思うだろうか。
やはり並々ならぬ関係性を疑ってしまう。
けれど、青吾も沙都子は少し違う。
浮 -
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ある理由で他人が作った料理を受け付けられない高校生の冬真は、近所に住む同級生の時枝くんと、とある出来事をきっかけに仲良くなる。
一方、国際交流プラザで働く紗里は、「太ることへの嫌悪感」を抱えていた。自分がスマホで撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、マッチングアプリで会社員の水田と出会い…。
寺地さんの作品を2冊ほど飛ばしてしまい、久しぶりの寺地作品。
私の好きな『ほたるいしマジカルランド』が出てきたり、美味しそうな料理が出てきて頰がゆるんでホッコリしたり、冬馬や紗理などの若者たちを応援したくなったり、彼らの親たちにイライラしたり、ココロがいろいろな感情でいっぱいになっ -
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マカン・マランのシャール、ジャダ、さくらの台湾旅行記。
第1話 さくらは「働く女性の息抜き一人旅」をテーマに女性誌の記事を書く仕事をもらう。誘ってみたところ、二泊三日でジャダが一緒に、それより長期滞在でシャールがついてくる。
第2話 ジャダとさくらは台湾の観光地九份に向かうことに。ジャダは予習のために九份を舞台にした映画「非情城市」を見る。友達になったアンジーのガイドツアーで九份に向かう。
第3話 真奈は台湾の留守番部隊。マラン・マカンで夜食を作りつつ、魯肉飯を作ることにする。
第4話 ジャダとさくらを日本に帰したあと、シャールは台南に向かう。最初は一人で行くつもりだったが、阿妹やアン -
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数ある余命系の恋愛小説における代表格の一つ。
長らく積本していましたが、ようやく解放となりました。
とある高校男子が偶然拾ったクラスメイト女子の日記には重病で余命少ないことが綴られていた。秘密を共有する二人に始まった微妙な距離感の関係はどこへ向かっていくのか・・・
よくあるパターンの小説ですが、私の涙腺はこの種の物語に脆くできています。今回も予想していた通りにティッシュ出動案件でした。ホントに単純。
ただ、本作はお決まりのストーリーだけで終わっておらず、中盤で意外な展開を組み込む工夫がなされていて、一瞬、ドキリとさせられます。そこがポイントで、マンネリにならずに全体を引き締めている感じが -
Posted by ブクログ
日本における近代小説の歴史を学ぼうと思ったら手に取るべき最良の本
明治初期の戯作文学に始まり、逍遙二葉亭らにより駆動された言文一致の運動、一転して国粋主義の風潮が巻き起こり築かれた紅露時代、ヨーロッパ模倣が完了した後にはロマン主義が吹き荒れ、欧州のそれと融合したことで形作られた日本独自の自然主義、そしてこれが後の殆どの文学思潮に影響を及ぼすようになり耽美主義・白樺派へと繋がっていった、という一連の流れを同時代の文学者の評価や著者なりの見解も交えつつ軽妙に語る
戦後まもなく出版されため本書の中で登場する作家が存命だったこともあってか、著者の語り口も全く客観的という訳ではなく、昔を懐かしむよう