小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレまず、第一話の樹が実家を訪れたシーン。
実家の母と一緒に読者の私も驚いてしまう見事な表現である。
第二話も本当に実際にありそうな猫写で、光景が目に浮かぶ。
私は花織のような男性が喜ぶような振る舞いができない。正確にいうと心の奥底でしたくないと思っている。花織のようなthe女子を振る舞ってる人の心の奥底を覗けた気分。
そして最後はバリキャリで自分を持ってる人を恵斗が選ぶのもリアルだ。
第三話は、男性も生きづらいんだなと思った。離婚して養育費を払ってマイホームも渡して…の記述は、はっとさせられた。
形に囚われない止まり木のような癒しの場所が魅力的。私もその本屋さんに行きたいな。
第四話の朱里。
ここまでではないけど、私も心の奥底に朱里のような感情を持っている時がある。
読み進めるごとに朱里の攻撃性と自分の考え方が重なって心にグサグサ刺さった。
シングルの陽菜が律に靡かないところも良かった。
第五話
P288のこのフレーズが好き。
「よく知らない相手に良かれと思ってという善意でなされるアドバイスのほとんどが的外れであり、それを聞かせられる人間を相当うんざりさせる」
渚みたいな女いるよな。
しんちゃんから目が覚めるシーンはすっきりした。
全体を通して、今っぽいネタ(さす九、美容医療等)が散りばめられていて読み進めやすいし、飽きさせない中弛みのない良い作品だった。
誰しも人生に悩んだりしながら、楽しみを見つけて生きてるんだなぁ。
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Posted by ブクログ
1975年刊。これぞルポルタージュ。エッセイではないが、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。
書名の「一銭五厘」は、戦時中のはがきの料金、転じて召集令状のこと。1943年、東京下谷、その地区では、篤志の写真家たちが、戦地にいる出征兵士を慰める(or安心させる)ために家族の写真を撮影して送った。その家族の記念写真のネガがそっくり残っていた。
家族は99家族。写っているのがどういう家族で、写真を送られた兵士はどうなったのか、30年の時を経て、それを尋ねてまわる。しかし、ことは容易には運ばなかった。ある一角は、東京大空襲ですべて焼けてしまった。写真の人たちは氏名不詳、その一角は存在しなかったかのよう、まるで「神隠し」。しかし、やがて、芋づる式にいろんなことがわかり始める。99枚の家族写真をめぐるタイムトラベル。なんとも言いようのない感動が残る。
取材は73年秋から74年秋にかけて行われた。出版は75年2月。児玉隆也はその3カ月後に肺がんで逝去。享年38。上記の賞は死後の受賞。
(p.s. 田中角栄のロッキード事件発覚へとつながった児玉の「淋しき越山会の女王」は「文藝春秋」74年11月号掲載。なんと、本書の仕事と並行していたのだ。) -
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ネタバレ5つの物語は、それぞれ立場も境遇も違うのに、どれも「分かる」と思える部分があった。経験したことのない人生なのに、迷いや怒り、不安や寂しさが妙に身近に感じられて、凪良さんの言葉の解像度の高さに何度も心を揺さぶられた。
第3話「小鳥たち」が特に好きだった。
離婚後に自分の居場所をつくっていく姿と、名前のつかない関係性がとても好きだった。「中途半端でもいい」という言葉にも救われた。人生に明確な目的や完成形がなくても、生きているだけで精一杯な時期があってもいいのだと思えた。
結婚することが正解でも、しないことが正解でもない。どんな生き方にも正解はなくて、人生はままならない。
だからこそ、自分とは違う選択をする人を尊重できる人でありたいし、私自身も周りの「普通」に流されず、「私はどうしたいのか」を考えながら、自分なりの人生を選んでいきたいと思った。
苦しくなるほど現実的だったけれど、今このタイミングで読めてよかったと思える一冊。 -
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ずっと気になっていた作品。
文庫化をきっかけに。
高校1年生の夏、坂平陸は同級生の水村まなみと些細なことがきっかけで体が入れ替わってしまう。入れ替わった2人の15年間の物語。
物語は陸の視点で進んでいく。
短期間の入れ替わりであれば、入れ替わり自体を楽しむことができるのだろうけど、長期間となるといろいろと弊害が出てくる。
元の家族、元の友達、 元の自分の全てを相手に奪われたような気になってしまう。その辺りの描写がすごくリアルで切なかった。
そんな状況でも相手のことを考え、相手の体を大切にし、女として精一杯生きていく様に心が打たれた。
陸とまなみの関係もとてもいい。
この2人だから入れ替わった後の人生も助け合って生きていけたんだと思う。
引用はしていないけれど、本編のラスト6行がとても好きだった。
アナザーストーリーでは本編では語られなかったまなみの内面を知れてよかった。
映画化されたら観てみたい。 -
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やばかった…えぐかった…、、、。想像を絶する読書体験…。なんならちょっとトラウマになる。脳に受けた衝撃が強過ぎて、読み終わった日これが夢に出てきたwwwミステリとしての緊張感や謎解きのレベルの高さは言うまででもないが、それ以上に終わり方まで含めてのこの構成というか、着想がすご過ぎる。読み終えてすぐは面白かったミステリも、しばらく経つと結末を忘れるみたいなことがたまにあるが、これは多分、この結末を一生覚えてると思う。それくらいの衝撃だった。読む人は絶対にエゴサやましてやネタバレ解説などに近寄らず、純粋に最初から最後まで読んで欲しい。ちなみに、舞台となる地下建築の構造は正直活字説明だけでは???な部分もあるし、1Pだけ出てくる図面でもやや?ではあったが、それはそれとして、建物構造は腹落ちせずとも読み進められるので、枝葉のわかりづらさにフラストレーション貯めずに読み進めて欲しいw
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Posted by ブクログ
ネタバレ『春琴抄』は、美しくわがままな盲目の琴の師匠・春琴と、彼女をマゾヒスティックに支える弟子・佐助の物語。
作者が佐助の遺した「春琴伝」をもとに書き起こす、という文章形態になっています。
谷崎と言えばマゾヒズム。『刺青』や『痴人の愛』など、そこには男が女に振り回され、折檻されることで快楽を得る。
そこにあるのは匂い立つようなエロスと、純愛。
『春琴抄』でも、佐助は春琴の食事や身支度、果ては風呂や手水場(トイレ)に至るまで世話をやきます。それも、少しでも加減が悪いと春琴の起源を損ねてしまう。
冷え性の春琴の足を佐助が胸で温める場面は、エロティシズムが漂う描写です。手でも足でもなく、胸で温めるって…!
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