小説・文芸の高評価レビュー
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著者雨穴さんの、「変な」シリーズ集大成とされる最新作。
雨穴さんの相棒でこれまで出続けていた栗原さんの、学生時代の冒険譚が主題。
あるとき栗原さんの父親から、「亡くなった(栗原の)母親が大事にしていた家を売ろうと思う」という言葉をかけられ、興味を持った栗原はその家に行くことに。すると、そこには祖母の自殺の痕跡と母親がその祖母が調べていたと思しき地図を見つける。その地図には山と、何かの怪物が書かれており、母の記録には「母娘山」と書いてあったことから、気になった栗原は母娘山へと向かう----
変なシリーズ特有の知的で学問的な伏線と、その中にある人情噺が絡み合い、謎でないものが謎になる。シリーズの -
Posted by ブクログ
高校時代に出会った友人と共に政治の世界で生きていく、その友人をコントロールして、、、というプロットだと思ったら、実は別にその友人をコントロールしようとしている人が、という話でした。タイトルや表紙の通りですね。
語り手が非常に多く主人公を意図的にわらなくしていたのだと思います。結果としてすべての語り手が信頼できない、何か騙されている感があって何とも言えない感じ。
この話って操られているとされる政治家 清家一郎が大学時代に「エリック・ヤン・ハヌッセン」というヒトラーを操っていたとされる男をテーマに卒論を書いていたというのが一つの問ですが、作中の登場人物と同じ捉え方をすると騙さる感じ。なんか作中 -
Posted by ブクログ
「旅は距離じゃない、深さと切り口だ!」と思わせてくれた。旅行エッセイはときにうらやましさから来る嫉妬が混ざることがあるんだけど、岡田さんの本は、誰も思いつかないような思考やテーマで敢行するもんだから、タイパのタの字もない。だからとんでもなくおもしろいんだけど。
それに岡田さんの筆致で哲学的なことを織り交ぜてくるもんだから、ときに読んでて切ない気持ちになったりもした。
川日記だけじゃなく、エッセイやコラムも収録されていて、岡田さんの思考の詰め合わせだった。
なんでも机上でわかる時代だからこそ、岡田さんのように試してみる、行動してみることが日常に彩りをもたらしてくれるなと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界でいろいろな境遇な人がいる中で、そういった人と対面した時に私はどうしたらいいんだろう、と思って読んでみた。
民主化してたった5年だったのか、なんて不条理なんだと思った。市民レベルでどのような変化があったのか、どんな思いで日々を過ごしているのか、そして将来にも大きな影響が及んでしまうことも、想像できるようになった。
この時に見た景色が確かに力になり、絶対前には戻りたくないという強い思いになっていると感じた
心に残った言葉
◾️Freedom from fear
スーチーさんの言葉。自分の中にある恐怖心から自分を解き放ってこそ本当の自由
この言葉に沿って、一人ひとりができることをしていた。 -
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Posted by ブクログ
個人情報の管理が進んだ社会でアメリカ情報軍の暗殺部隊に所属する主人公が、「言語」によって虐殺を引き起こしていると考えられる人物を追う物語。
社会の設定が現代よりも進んだ管理社会になっているが、今の情報管理の流れを考えるとありそうだと感じる。そのような社会の中で足がつかずに犯罪やテロを引き起こすのは難しそうだが、そこの方法は準備されていて非常に良かった。
また表題の『虐殺器官』もそれ自体の明確な原理の説明はない(まぁそりゃそうか)が非常に面白い設定。言葉で虐殺が起きるなんて、なんて思うがちょっと前に読んだローティの解説本(100de名著)でも取り上げられていたから、受け入れられました。とても