小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
フリーライターのなぜ書くかみたいな作品。
読み応えあった。
安田は息子の海斗を連れて釣りに来ていた。4年前に離婚した妻の子だ。
安田はフリーライターだ。3人を殺して4人を負傷させた深瀬礼司容疑者の事件を調べることになった。事件は亀戸駅の歩行者天国で起こったようだ。犯人は取り押さえられて、死刑になりたいと言っていたようだ。
車の中に海斗を残して行ったのだが、車に戻るといなかった。血の気が引いた。コンビニにいるというので迎えに行く。
大阪まで来て、約束していた元同級生に取材を断られるが、SNSで一緒に死なないかと言ってきた人間が犯人だったというアリサに会って取材できた。遠足のしおりみたいな自殺のタイムスケジュールを送ってきたので、つい会ってみる気になったという。だが話しているうちに勢いがなくなった。
シリーズで任せたいと言われて安田は喜ぶ。犯人は高校を中退していて、父のギャンブルによる借金と出奔が原因で働かなきゃいけないという。その頃淀川には通り魔がよく出ていた。
元恋人だという佐田清夏に連絡を取る。高校中退後の足取りがつかめて、工場で一緒に働いていた人と連絡をとる。 -
Posted by ブクログ
キツネと王子の関係についてはこの本を読んだ皆が感銘を受けた部分だと思うのであえて他の登場人物に視点を向けたい。
王子が地球に来る前に訪れた小惑星に住んでいる点灯係と地理学者の対比が美しかった。
点灯係は何年もランプ式の街灯をつけて消す仕事についている。昔は朝、火を消して夜つけるだけだったが、惑星の自転が早くなった今は1分ごとにつけて消している。火の寿命はわずか1分。
「はかない」の頂点であろう。
一方、地理学者は「はかない」ことに興味を一切持っていない。
彼にとって大切なことは何年も、何十年も、何百年も姿形をほとんど変えることがない山や海、川であるのだ。
どちらも大切な考え方であるし、どちらの物体も大切にしていかなければいけない。
ただやはり、現代人に不足している考え方、それは点灯係としての意識なのだろう。
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恩田陸さんの事細かな人物像の書き方により、舞台など見たこともない私でも、登場人物の感情や心の変化、その人が置かれている環境や背景を鮮明にイメージしながら、その世界に浸りながら読むことができました。
そして女たちも自分の中に宇宙を持っている。
この宇宙というのは、人が見たものや経験してきた事で作られる世界観で、良くも悪くもその人自身がその物の見方を信じている。という意味かと思いました。
私はそういう独自の世界観を持った人が好きで、憧れています。
もっというと、その物の見方を周りに見せるのではなく、その見方で世の中を俯瞰しながら見て、時々飲み込まれて、また戻ってきて、の繰り返しが生きる事なのかなと思います。こう考えると、自分の心をかき乱してくれる人や出来事との出会いは、貴重なのだと知る事ができました。
恩田陸さんの本は、いつも私を違う世界へ連れて行ってくれます。本当に素晴らしい。 -
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ネタバレまごうことなき星5。櫂がこの世を去った後の、残された人たちの想いや人生が詰まった物語。
この本には、血のつながりを超越した家族の絆が詰まっている。他人から見るといびつかもしれないが、当の本人たちにとってはそれが当たり前で、何より、本当の血のつながりよりも強固な関係を築いていたのではないかとすら思う。
暁海よりも誰よりも、北原先生の人生が描かれていた。前作では描ききれなかったであろう、北原先生のすべてがここにある。
『汝、星のごとく』を読んだ人は、絶対に、絶対に本著を読んでほしい。
「ああ、これを含めて『汝、星のごとく』は完結したんだなあ」と、胸がじんわりと温かくなると同時に、とてもさびしくなった。この先はきっと描かれない。
こんなに素晴らしい作品に出会えるからこそ、私は読書をやめられない。またこんな作品に出会いたい。 -
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ネタバレせいやの昔の体験が書かれていることは知っていたけど、ここまで生々しくて壮絶だとは思わず衝撃の一冊だった。せいやは本当に強い、だから今もここまで人を惹きつけるんだと感じた。全編通して、せいやの強さ、愛や安心を感じる瞬間、青春の眩しさ、いろいろなものに心を打たれて泣きっぱなしだった。
どんな理由があっても絶対にいじめは許されないし、いじめてる側の環境や悩みも全部無くなって、人がみんな愛に溢れた世の中だったらいいのにと心から思う、けどそんな簡単な問題じゃ無いこともわかる。
この本を読んで救われた人もたくさんいると思う。せいやよく頑張った!!! -
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7月の五島と長崎の旅の間に映画を観たことがきっかけで作品を読むことに。
紙で小説を読んだのは久々でしたが、やっぱりページをめくるというのはいいなと再度認識しました。そして今回の発見は「映画は目で見えるものを表現、再現できるが、臭いは届けられない」ということ。遠藤氏の小説の中には、どれだけ百姓たちが不衛生な生活をしているか、どれだけ臭いかってことが事細かに描かれていて、それは映画では感じることができなかったな、ということです。
でも、小説を読んでる時の方が、その不快感を十分に感じることができました。作家は臭いを届けるのに力を入れてたと思います。結構グロい表現が多かったですね。人糞や、吐瀉物の中に埋める顔とか、特にコンフェッションを農民から聞く時、その口臭が酷いこと、尿で濡れた箱のような場所に閉じ込められるとか。乾いた町のどこにも牛糞の匂いが立ち込めているとか、今までの時代劇のどれにもそんなものを感じさせるものがなかったです。
なぜ応えのない神を盲目的にあそこまで信じることができるのか。殺されるという恐怖に勝る信仰の強さを宿すまでに、どうやって宣教師は人々を洗脳することができたのか?単にバイブルを読むだけでそうなるとは考えられない。そんな問いの答えが明らかになったようでした。
拷問に耐えうる時、彼らは自身をキリストの経験に重ねて恍惚を得ていたのかもしれませんね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ大好きなシリーズの完結巻(続きも出ているそうですが)なので、感想を。
ヴィクトリカが、痛がりなのに、何も持っていけないからと、身体に久城の日本の家の住所を刺青して、言葉もわからない日本で久城の家にたどり着くエピソードは忘れられません。
「金髪」が特徴として探されていたヴィクトリカが覆いを外したら、銀髪になっていたため助かった、というエピソードも読んで衝撃を受けました。
このシリーズの中でも私は2巻の占いのエピソードが好きなのですが、
自分たちがこの先もずっと一緒にいられるか、をそれぞれが相手のいないところで占って、大きな嵐で離ればなれになるだろう、だが、心はずっと離れまい、という占い結果だったわけですが、
二人の思いの強さで嵐を乗り越えて再会できるという結末に大感動でした。
過去に読んだ本の中でも最高の過去の巻からの丁寧な積み重ねと驚きのバランスが秀逸な納得のラストシーンでした。
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