小説・文芸の高評価レビュー
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発売、話題になってからしばらく経っていたけど、YouTubeきっかけで全巻(このとき3巻まで)購入した。
読み物として、こんなにワクワクしたのは久しぶり。読みたくて読みたくて、玄関に置き配される気配をドキドキしながら待っていた。
紙の本ファンにはたまらないよね笑
510(ゴート)円以上の価値があることは間違いないと思う。
現代作家の本をなかなか読めない私だけど、短編で各作家のエッセンスを味わえるのは、本当に美味しい体験すぎて申し訳ないくらい。
雑誌名の秀逸さとか、企画の画期的さとか、時代にこんなにぴったり”ハマった”ものが生まれたときの興奮って、同時代の人間にとって勇気を与えるんだなと思った。 -
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もともと絵を担当されている服部さんのイラストが大好きだからか、この本もどハマり!
とにかく絵がかわいい!全ページカラー、フルカラー!そして登場人物たちのくるくる変わる豊かな表情、パンダに出会った人はみな夢中!になるくらいかわいいパンダ。本当に楽しい作品!!
出会う人出会う人、全てがパンダのかわいさに夢中になっていって全てがまるく治ってしまう展開は、きっと文章だけなら「またーー⁈」で終わってしまいそうだけど…挿絵の中で登場する人たちの豊かな表情のおかげで、お話が勢いづいてテンションが高いまま読み進められる。
絵を担当された服部美法さんの絵本『おふくさん』シリーズは子どもたちに読み聞かせしても大好 -
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泣いた…
でっかい大粒の涙がぽとりと落ちて、2025年の読書目標で唯一未達だった「泣けるような読書をする」、達成です
泣いちゃったのは、フィンランド移住後の就職先にて高級コースをボスと一緒に作ったあと、感激したお客さんからの「チカ、フィンランドに来てくれてありがとう」
色々込み上げてくるものがあった
平日に働きながら日曜にお寿司の専門学校に通っているのもすごいけど、それ以上に平日仕事終わりに毎日特訓メニューを決めて自主練してるのがすごすぎると思った(月:野菜、火:一品料理、水:魚、木:シャリ、金:握りといった具合に)
私も料理苦手なんですけど頑張ろうという活力を分けてもらった
『寿司学校で学 -
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ネタバレ清瀬は松木のことを知ろうとしすぎてしまったが、松木は家族と不仲、いっちゃんは字の練習をしてることを誰にも知られたくなかったし、清瀬も、相手に対してそういう背景があるかもしれないと、配慮する必要があった。
清瀬の考え方について、犯罪者のニュースを見てこんなことする人がいるなんて有り得ないだとか、こんな字の汚い人考えられないと言ってしまうのは、「自分はそうではないとして、切り離そうと考えている」という言葉にハッとした。
手を差し伸べて助けようとしても、真っ直ぐに喜んでくれる人だけがいるわけじゃない。天音の「助けられたら感謝しなきゃいけないんですか?」や、「優位に立とうとしている。」には考えさせ -
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朝井リョウさんの小説を初めて手に取って読んだのがこの作品。
この本を手に取った理由は前から気になっていたというのもあるが、何より帯に書いてあった「読む前の自分には戻れない」というフレーズだった。
「多様性」という言葉が当たり前に飛び交うような時代になって、改めて自分の想像している物事の範囲内でしか考えられないんだと思った。性欲というのは思考の根であり、生涯のすべての根である。それが当たり前の世の中で、その枠組みで生きてしまっているからこそ理解されない部分も多いんだと思う。
何が正しいのか、何が正解か。この世界で生まれてきてしまったのだから、「多様性」に限らず、ずっとかんがえていかなければならな -
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博士は数学以外のことには無関心かと思いきや、特に血の繋がっているわけでもない、他人の子どもに対しても大きな愛情を持って接してくれることに驚いた。
博士は学校の先生をしていたから、元々子供が好きだったんだろう。
数式でメッセージを伝えてくるのが斬新だったが、博士にはその手段しか取れないんだったと思った。
今までの人からは、星が10近くほど突き放されてしまったのに、家政婦(ルートの母)はめげずに博士に寄り添おうとしたところも胸を打たれた。
記憶を失くす度に、博士に対して切なさを感じたが、それでも自分の好きなことに全力を注ぐ博士には勇気をもらった。 -
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おくり絵師シリーズ
恋女房
腕くらべ
白梅の文
江戸に地震が起きてからの2年間、人の情けで仮住まいを得た国藤、おなみ、岩五郎、ふゆは、どんな小さな仕事でも引き受けて細々と暮らしていた。
相変わらず、律儀で内気なふゆ。絵が上手くなりたい気持ちは誰にも負けたくないが、無名な女絵師に来る仕事は限られている。
それでも丁寧に、目の前の仕事をこなすうち、チャンスが訪れる。
嫌疑をかけられて白洲で裁かれた(無罪ではあったが)恐怖心を克服して、似顔絵の仕事を得る。
正月の菓子の掛け紙は、腕くらべ。
そして初めての女友達が?
細やかな心の描写と、江戸の人情と、厳しいながらも日々生きて行く人々の姿。
読み