あらすじ
人工授精で、子供を産むことが常識となった世界。夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、やがて世界から「セックス」も「家族」も消えていく……日本の未来を予言する芥川賞作家の圧倒的衝撃作。
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Posted by ブクログ
読みやすい文章で、どんどんページをめくる手は止まらないのに、面白いと言うわけではなくて、いや、面白いんだけど、面白いという簡単な言葉では表されない何かがあって、最後まであっという間に読んでしまいました。
この作者が何を考えて、この作品を書いているのか、そんな、謎解きをしたいと思いながら、結局わからなかったり、自分勝手な解答を導き出してみたり。
芥川賞受賞作家というのは伊達じゃないなと改めて思いました。
Posted by ブクログ
村田沙耶香さんやっぱり好き。
と思わせられた一冊。
(村田沙耶香さんの作品を読むと毎回言ってる気がする笑)
結婚って何?出産は必要?
子どもを作ることは当たり前なの?
世の中に流されていない?
というわずかな苦しさを
普通なんてないんだよ。
価値観は自分で選ぶんだよ。
って耳元で、いや
大声で伝えてくれるそんな作品。
『どこまでも正常が追いかけてくるの。
ちゃんと異常でいたいのに。
どの世界でも正常な私になってしまう。』
このセリフがすごく好き。
マジョリティでいることの難しさ。
自分を持ってたはずなのに
気づかないうちに世界に溶け込んでしまってる自分。
なんか私自身も感じるところがある。
村田沙耶香さんを注入したところで来年もゆるりと読書活動していきたいと思います。
Posted by ブクログ
ずっと気持ち悪いのに、妙に安らぐ世界観。ユートピア?ディストピア?わからないけど、私たちの世界と、思ったより近い地続きな世界みたい。世界の仕組みがかわってしまえば、その世界の形に合わせて私たちのほうが変わっていくのか。
性欲が排泄物になるってすごい発想だと思ったけど、じゃあそもそも何のためにあるものかと問われれば…何だろう…
でもやっぱり私はおかあさん側の人間です!
Posted by ブクログ
このお話は始まった最初から世界がちょっとおかしかったのに(今の私たちの世界から見ると)、千葉に行ってからはその世界すら「あっちの世界」となってしまい、それにだんだん順応していく人間たち。
今の世界に生きづらさを感じている人たちからすれば、この世界も「あっちの世界」なのかもしれない。
何が正しいかなんて、決まってないのかも。
Posted by ブクログ
人工授精が主流になり、セックスが古いと言われる時代。
むしろセックスをすること自体が忌避の対象ともとられるような価値観。
更には出産ですら男性が行ってもよいもの
とまで価値観が違う世界。
いつか訪れるかもしれない未来を想像してしまった。
Posted by ブクログ
作者の世界観や世界の感じ方が独特で、その上に、こんな世界になってしまった、私は豆粒みたいな人間にしか過ぎないから世界を変える力もない、それでもこの世界で生きていく、みたいな終わり方するんだけど、それが私の癖に刺さる。
今日も私を狂わせる
ホントに同世代ですか?
聞きたくなるくらい、ココロをかき乱してくる。解説にもあるが、まさにディストピア。爽快ではないのに、再読したくなる。
Posted by ブクログ
途中何度も、これは読まない方が身のためではないかと躊躇したけど、怖いもの見たさでページをめくり終えてしまった。すれ違いざまにぶつかられたような、そんな読書体験だった
Posted by ブクログ
『世界99』の衝撃が忘れられなくて読んだけど、まさかの10年前の作品!?
10年前にこの世界観を描いていたとは!村田沙耶香さんの頭の中はどうなっているんだろう。そこからさらに『世界99』へ進化してるのもヤバすぎる。
改めて凄い作家さんだと思った。
Posted by ブクログ
ぎょええ
村田さんの本、恐る恐る初めて読んだ、、
家族愛と性愛が結びついてる違和感は私にもあるので、それを夫婦間の性行為=近親相姦とするのは面白いなあと思ったけど、、
最後の方は「家畜人ヤプー」を初めて読んだときくらい気持ち悪かった、褒めてます
Posted by ブクログ
朔君は“あっちの世界”ではかなり思い悩んでいたが、逆に雨音は元気にやっていた。朔君にも雨音のお母さんの"呪い"があれば、そこまで思い悩むことなくやっていけていたのではないか、とふと思う。
お母さんの"呪い"に思い悩まされていた主人公だが、それがなかったとしても社会の規範や刷り込みなど、別の呪いがきっとあるのだろう。
雨音がお母さんの呪いに救われていた部分もきっとあるはず。
結局どの呪いにかかるかなのか。
全部正直な感想を書くと、自分にかかっている呪いがバレる…!そんな作品だったな。
Posted by ブクログ
なんか凄いものを読んだな。
楽しいや面白いという感情より、展開が全く想像できなくて夢中になった。
ありえない世界だけど、人の感情の揺れ方がリアルで変に現実感があった。
恋愛関係を持たない合理的な結婚は、それはそれでありなような気もした。でも、さすがに「子供ちゃん」は気味が悪いと思った。
無駄なものを減らすほど、人間は動物に近づいていくような気がした。
Posted by ブクログ
SF小説でしょうか。考え方を変えるだけでこんなにも世界が変わってしまうのは、当たり前なんだけど恐ろしい。この世界が正しいのか、生態系的に間違っているのかはわからない。けれど、ものすごく興味深くあり得なくない世界だとは思う。
Posted by ブクログ
これぞ村田沙耶香ワールド。
家族や恋人や男女関係など、それに基づく世の中は複雑な連立方程式の様に成り立っていると思う。それを因数分解して、小さな要素にした後に新たに効率だけを求めた世界に構成し直したらどうなるか。
今の世界は消滅して新たな世界に移行できるのか。
千葉はそうなるんだなぁ。(笑)
冗談はともかく、ある面で現代は実際にその過渡期にあるのかもしれないと思わされた。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを追い求めるばかりに人間らしさはどこか置いてきぼりにさせられ始めていないだろうか。
家族や恋愛を面倒くさく感じながらも自分の都合にいい部分だけ求めていないだろうか。
それを社会全体で求めて、システムの変更を進めるとああなるのかも。
あの楽園をいいなと思う人も、つまらないや気持ち悪いと思う人もいるでしょう。
人間はまだ進化の過程。
いつでも進化の過程。
はたして村田沙耶香は預言者だったのか。
1000年後くらいには結果は出ることでしょう。
今の段階で世の真理を語っているのは間違いない。
「人がいる部屋は、一人の部屋と違って、空気にその人の体温が少しだけ混ざって流れてくる。」
これは間違いなく真実だ。
村田沙耶香…すごい人だ…
Posted by ブクログ
千葉で描かれる、おかあさんと子供ちゃんの描かれ方が本当に気持ち悪かった。けど、私がいざ千葉にいったら嬉々として子供ちゃんのおかあさんになっているような気もする。最後雨音がいう、世界に適した狂い方が1番楽だ、という発言は正しいと思うが、何かが違うような気もする。一方、昔の価値観を雨音に押しつけるお母さんもちょっと違うような気がする。この世の善悪はその時の流行によるのではと思うことが多いが、自分にとっての善悪とは何かはきちんと考えておく必要があるなあ、まだ何かはわからないけど。
Posted by ブクログ
ここまでドラスティックに、かつ合理性を突き詰めた社会システムの姿を思考実験として描き切ることができるのか──それが、この作品を読み終えたときの最初の印象だった。
性行為による生殖がタブーとされる世界で起こる、家族や子どもの生育を描いた本作。設定としては極端なのかもしれないが、人口減少や少子高齢化が進む社会において、これは決して完全な空想のディストピアではなく、「起こり得るシナリオのひとつ」として読みたくなる。
特に印象に残ったのは、実験都市エデンの社会システムだ。
生殖は体外受精に固定され、「一人の親に対する一人の子」という概念は消失している。都市は共同体として機能し、子どもは共同体全体の産物であり、親もまた共同体そのものになる。これを読んでいると、これは近未来の話なのか、それとも先史時代のムラや集落の話なのか、境界があいまいになってくる。究極の進化は退化であり、原点回帰でもあるのかもしれない、そんな感覚を覚えた。
現代でいうネグレクトに対しては、コミュニティによる「全員監視型」の育児が行われる。
家庭の経済状況によってキャリアや学歴に格差が生じる社会から、コミュニティが子どもの人生を保障する社会へと移行していく。
一見すると、それは子どもの明るい未来を保障しているようにも見える。だが同時に、大きな危うさも孕んでいるように思う。
子どもの個性は、実は一番近くにいる大人・人間との関わりの中で後天的に形作られていくのではないか。もし出産・育児・教育が徹底的に平準化されていくならば、子どもの個性はどこまでも薄まり、画一的な人間が「決められた未来」に沿って生きるだけの社会になってしまうのではないか。
それはまさに、「哲学的ゾンビ」を社会的に量産する構造になってはいないか──という不穏な問いへとつながっていく。
思考実験のかたちをとりながら、近い未来の社会や家族、個性とは何かについて深い示唆を与えてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
よかった。
実験都市に移住してから彩度が下がってぐっと洗練される生き方になる。
誰もがお母さん、子供はみんなの子供ちゃん、性欲はクリーンルームで排泄しよう、というあり方いいなと思った。
だんだん恋愛感情も、家族制度への執着も消えて、自分の感情を自分で管理する、個、として人間の生き方の分業が進んでいていいな。
解説として寄せられている文章も本文の理解を助けてくれる。が、子供のまっすぐさを兼ねた疑問の提示方を発達障害的と言うのは攻めすぎなのでは。
性行為はなんのためにするのか?
村田沙耶香はあらゆる小説でこれをテーマにしている。女性の妊娠、性行為、恋愛、家族、性的価値の消費からの解放が待ち遠しい。
村田沙耶香の小説は、男性にとってはディストピア、女性にとってはユートピア、誰が言ったのか、確かにそうだなと思った。
Posted by ブクログ
SF小説?!
この世界怖いなあって思った。
私の主観だとこの本の世界が異常でホラーだと思うしみんなもそうだと思うけど、本の住民はそれが常識。
上(読者)の世界から下(本の住人)の世界を見下ろしてるみたいな感覚になった。
この本を読んだ今、このフィクションの世界を知った今、人間の本能に従った恋愛って素敵じゃんて思えるようになるかもね。と解釈もできるだろうか。
Posted by ブクログ
消滅世界は、当たり前とされてきた価値観を根本から揺さぶる一冊。
セックスが当たり前ではない世界、家族が当たり前ではない世界。この物語で描かれるのは、現代の常識が未来には旧時代の奇習として扱われるかもしれない、という大胆な発想。
思い返せばコンビニ人間では、社会の普通から外れた主人公がマイノリティ側から疑問を投げかけていた。
しかし消滅世界では構図が反転する。現代社会ではごく自然とされるセックスや家族という仕組みが、実験都市ではむしろ異常で、古く非合理的な風習として切り捨てられる。主人公は、そんな旧時代的な習慣に固執する側に位置づけられ、自身がマイノリティとなっていく。
作者は、セックスも家族も普遍の真理ではなく、生存戦略としてその時代に都合が良かったから残ったシステムにすぎないと提示している気がする。
より合理的な仕組みが登場すれば、それらは容易に古い慣習へと変わる。
物語の世界では、愛・性欲・生殖が分離され、セックスはもはや生殖にも快楽にも必要ない。だからこそ、セックスを続ける主人公が異様な存在になるのは必然である。
この作品が投げかけるのは、今、当たり前とされているものは、本当に普遍なのかという問いな気がする。
家族も、恋愛も、性も、私たちは自然なものとして受け取っている。
だがそれらは社会的文脈の産物にすぎず、正しさは時代と文化が決めているにすぎない。
作者は、こうした当たり前の構造を一歩引いて観察し、疑い、距離を置きながら描く作家なのかな。
消滅世界は、その姿勢がストレートに表れた作品だと感じた。
男女の性行為が、古く時代遅れで意味のないものになってしまった世界。いつか人類の価値観が大幅に変わって本当にこんな風になってしまうんじゃないかとすら感じた。実験都市となった千葉で同じような子供が生まれ同じように育って、機械みたいだと思った。少し気味が悪かったけど話としては楽しめた。
Posted by ブクログ
自分がどうしようもなく異性愛主義で、イデオロギーに支配されているのか自覚できました。ただ、単純に空想とも言い切れないところもちらほらあったような気がする(アニメなどが性欲を刺激して経済に還元される、家族の意味の希薄化、といったところ)。
Posted by ブクログ
村田さん作品、世界99での皆さんの感想を見て初めて読んでみたいと思った人、それまで食指が伸びないカテゴリに入れられてたからこれが一作目になってしまった、びっくりしている…
理解がおっつかなかった…私の中にはないものだらけで。難しい! 想像するだけでも難しい。46歳、書いた時36くらい…芥川賞取るより前にかかれてる。朝井リョウさんの正欲を読んだ時と同じ類のものだった。難解、というかさそもそもどうやって表現すれば良いの?
こういう未来が、来ることがあるのかな。
差別なくすとか多様化とか、ドロドロとか汚いものは無いか見えないように隠され平坦になり始めてて、まぁ一見キレイに見えるけど、隠したところでなくなってはいないんだよな。むしろ倍増するものじゃないです?
雨音が、擬似的に性器を合わせること、それに執着しても感情が起こらないなら意味がなくね?
っていう状態を我々が小説として読んでいることがすごく皮肉というか…キカイ的にこどもを作って増やして?それはなんの為に?今までの例とはちょっと違うけど、でもマトリックスだよなぁ。意味あります?という。でもそもそも生に意味なんかあります? 意味あります?っていう。でも過渡期だから対比して考えると意味わからんってだけで、世の中の大多数がそうなってしまえば、考えることをやめてしまうよね。
Posted by ブクログ
ロマンティック・ラブイデオロギーを徹底的に疑問視し、否定し、開放する試み。『殺人出産』に収められている「清潔な結婚」でもそうだった。こういう世界だったら自分は楽になるのだろうか。それはそれで息苦しいのだろうか。
Posted by ブクログ
「コンビニ人間」の著者。だけど私は未読。
著者の作品の特異性を知らず、この一冊だけの印象。
読後感が悪いというのとは違う…読んでいて、ずっと“気持ち悪い”。
惨殺も虐待もレイプも出てこないのに、比喩するなら、それらに匹敵するほどの不快感。…いや、大袈裟かもしれないけれど、遠からず。
この世界では、夫婦間の営み(以下S)を「近親相姦」として否定し、子どもはすべて体外受精。
夫婦は“家族”であり、性的な扱いは許されない。
それぞれの恋愛を応援し、彼氏(彼女)を取っ替え引っ替えするのも普通。
なんなら、彼女と喧嘩して落ち込んだ夫を抱きしめて慰めて、ソファで一緒に眠る妻。
?
Sってさ、本来は「好きな人に触れたい・近づきたい・もっと知りたい」の先にあるものじゃないのかい?
「性的感情は汚れているので家庭には持ち込みません。恋愛は外でします!」って…
いや、そっちのほうがよっぽど汚れてねーか?笑
でもね。
最近はAIを恋人にする人も少なくない時代。
そのAIにいつか身体(鉄でもホログラムでもシリコンでも、犬の見た目ですら)を与えれば、みんながそれぞれ“理想の恋人”を持つ世界が来るかもしれない。
そうなるともう、今のような家族はできないし、子どもを産めない夫婦にとって体外受精は〝当たり前〟となるかも知れない。
そもそも“当たり前”なんて、生まれてから身につく時代の平均値。
だからどんなことだって“常識”になりうる。
今は突拍子もない世界のように思えても、100年後「これ未来予知じゃん!」と本を片手に沸き立つ人類が出ませんように…
そんな願いを抱きつつ閉じた一冊。
と言いつつ、今、モーレツに「コンビニ人間」読みたいと思う自分がいる笑
今年の21冊目
Posted by ブクログ
とても読んでいて最初は不気味
な感じがしたが、日本の少子化
を考えるとこの世界に近づいて
ゆくのかなと考えさせられる。
情愛、家族、子供、孤独さえも
消滅する世界は果たして正しい
世界なのか未来の課題の様だ。
Posted by ブクログ
ちょっとホラーじみてて怖くもあった。でも現実世界でも、恋愛と結婚は別という考え方もある。でも好きだから一緒にいたいのが単純じゃないのか。好きじゃない人と家族になれるのか?セックスを家庭に持ち込まないのは斬新だかw
Posted by ブクログ
いい未来なのか悪い未来なのか
でも私は周りの普通に沿おうとして、
当たり前のように受け入れていく側の人間になるんだろうな
いいのか悪いのかを他に左右されずに自分で考える軸が欲しいなと思った