あらすじ
『そして、バトンは渡された』著者の感動作
大人になったから気づく、あのときの想い。
感染症の流行で小学校が休校になり、不自由を余儀なくされた冴と心晴。冴が「夜の仕事」をする母親とささやかで楽しい生活を送る一方、心晴は教育熱心な親と心を通わせられずにいて――。人と関わるのが難しかった「マスク世代」の子どもたちの悩みと成長、そして彼らを見守る人々の優しさを描いた、本屋大賞作家による感動作!
単行本 2023年7月 文藝春秋刊
文庫版 2026年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
コロナのような感染症で制限がたくさんある中で育った小学校三年生の子供たち「マスク世代」が大人になるまでの話。
学校の給食がないことで空腹の毎日を過ごしたネグレクトの親を持つ青葉、唯一の家族は「夜のお仕事」をしている母親のみでその元で育った冴、感染症後不登校になった心晴。それぞれの子供たちが感染症のせいで人生に少なからず影響を受ける。
でもそこで終わらないのがこの著者の凄み。
一見不幸せでネガティブに見える中から、小さなでも確かな幸せを掬い取る。「感染症さえなかったら」から「感染症があったから」手にしたものもあるのではないか、という方向に話は進む。
瀬尾さんの物語は読み終わった後、いつも温かい気持ちにしてくれる。人生いい事ばかりじゃないけど、ほらまだたくさん楽しみや幸せも落ちてるじゃないと教えてくれる。
冴のお母さんが優しくて強くて愛情深くて、とても印象に残っている。あんなふうに子供に愛情を注げる母親でいたい。
Posted by ブクログ
どんなに暗闇の状況でも、ほんのちょっとしたきっかけで、明日が少し待ち遠しくなることがある。ほんの小さなわくわくがあるだけで、一歩踏み出す力になることがある。
だけど、その小さなきっかけを自分自身で見つけ出すのは、なかなかに難しい。だから人はやっぱり、誰かとつながりたくなるし、わずかなきっかけの瞬間を見捨てず済むように、そばで見ていてくれる人の存在が必要なのだろうな。自分のことはどうしていいかわからないのに、人のことだと客観的に気付いて、何気なく背中を押せることもあるから。
それは血のつながった親でもいいし、近所の人でも先生でも親友でもいい。そうやって心の温度が届く距離で顔を合わせて、声が聞けること。そういうつながりが人を生かし続け、地域も世代もつないできたんだと感じた。人が大事な人を想う、広い意味での愛情が、人から人に手渡され、互いに救いあっていくような世界が目に浮かぶ一冊だった。
世界は常に変わり続けてて、自分の力ではどうしようも抗えない困難が降りそそぐこともあるけれど、そのすべてが無駄なわけではないのかもしれない。
それがあったから経験できた「何か」を、ほんの少しわくわくする方向に転換できたなら、明日はちょっと上向くかもしれない。辛かった日々を帳消しにしてしまったら、今日の幸せはなかったと思える日が、いつかくるかもしれない。
そういう「かもしれない」という未来への希望をもてる状態であることが、人が生きていく上でどれほど重要か。小学生の蒼葉のように、自分の力ではどうしようもない状況に追い込まれている人たちの存在が見過ごされているのは、やっぱり社会の問題だと思う。苦しくても声を上げられない人を救えるかもしれない「一瞬」を見逃さないように、見捨てさせないようにするには、どうしたらいいんだろうか。答えはまだ見えない。
★好きな表現
「わくわくすることを作れる」という表現が絶妙。
わくわくは自分の見方次第でいくらでも作れるというメッセージとも、自分発でなくとも周囲とのちょっとしたきっかけで作り出されるというメッセージとも受け取れる。
バイバイという蒼葉の挨拶に冴の母親が「子どもの使う言葉っていいね」というシーンがあった。子どもの言葉には社交辞令や上っ面ではない真実が映し出されてるって意味かと想像した。そうだとすると、「わくわくすることを作れる」という小3の心晴の心の声は、真実そのものであり、真理であるとも感じた。
★好きなシーン1
心晴の母親が、就職が決まったことよりも、娘が友達と食事に行くことを何より一番に驚き、喜んだシーン。このシーンには涙止まらず。
お母さん、決して14年も引きこもってた心晴のことをあきらめてたわけじゃなく、お母さんなりに心晴との向き合い方を反省して、押し付けるのをやめるようになっていったのだと想像。施設に文庫を寄付してて子ども好きなのも変わってないし、子どもの可能性を信じてるからこそ、娘とも一歩引いて向き合い続けられたんだろう。それでこその、「いってらっしゃい」。このシーンは一番好きかもしれない。
★好きなシーン2
心晴が、面と向かって冴と次に会う約束をするシーン。しかも勢い余って、強引に条件付きで。
次の約束を面と向かってするのって、勇気いるよなぁ。思えば大人になってから、ほとんどしてないかも。みんな忙しいだろうしって遠慮もあったり、私は会いたいけどみんなはそんなでもないかもとか引いちゃったり。「ほにゃららした後に会おう」って行動で約束するの素敵。日にちで約束するより、断然わくわくするな。
約束は希望だ。次会う日があることが、変化のない日々でも前向きに生きる力になる。母親に会った後は、次の約束をして帰ろう。
Posted by ブクログ
良い先生に巡り会えなくて、先生なんて大嫌いって思ってた人間だけど(瀬尾まいこさん好きなら教師の方も多いだろうにごめんなさい)、すごく良い話を読めて良かった。冴ちゃんのような先生だったのかなってちょっと思った。
娘も小学生になって、娘のことを考える良いきっかけになった。
Posted by ブクログ
すごく良かった。帯カバーに「そして、バトンは渡された」「夜明けのすべて」と並ぶ「優しさの3部作」と書かれている言葉どおり、優しさと希望にあふれた素敵な小説だった。感染症の流行で不自由な生活を強いられた小学3年生の冴と心晴。人と関わることが難しかった「マスク世代」の子どもたちの成長と、それを見守る周りの人たちの優しさに心が温かくなった。とくに、冴の母親のバイタリティと愛情深さに感動し、蒼葉の幸せを心から願った。誰1人置き去りにせずに1歩も2歩も踏み出すところを見届けることができて、幸せな気持ちで読み終えた。
Posted by ブクログ
私も冴ちゃんや心晴ちゃんと同じように、制限の多い中学時代を過ごし、楽しみにしていた職場体験も修学旅行も行けませんでした。
ソフトテニス部だった私は先生にマスクをつけて活動しなさいと指導され、卒アルは皆マスク焼けで写りました笑
今でこそ笑い話にできますが、当時は不安なことやしんどいこともたくさんありました。
この本は、そんな当時の私にも寄り添ってくれるような温かくて優しいお話でした。
視点がコロコロ入れ替わるので最初は少し読みにくかったですが、多角的に描かれるからこそ伝わるものがあったなと感じ、読み終えた今はこの本に出会えて良かったと思っています。
個人的にオンライン授業はちょっと楽しかった
Posted by ブクログ
2人の女の子の視点で物語が進んでいくから、初めは混乱した。でも、進んでいくうちに「そういうことだったのか!」とすっきり。
コロナ禍は大人にとっても子どもにとっても人との関わりを築くことについて少なからず影響があったんだろう。
それが時間をかけてまた人とのつながりを取り戻すところにグッときた。
友達や家族以外の関わりや繋がりを大切にしたいと感じられた作品。
Posted by ブクログ
理由はわからないけど泣きそうになった。
コロナ禍で私にも子どもたちにも少なからず影響があって、あれがなかったらどうなっていたんだろうと、良い意味でも悪い意味でも思っていたので、それを思い出した。
子どもにもこの本を進めようと思う。
Posted by ブクログ
久しぶりに涙が止まらない小説を読みました
2人の人物の目線で話しはすすんでいき、一気に時が進んだりしたので
??とわたしの頭が理解するまでに時間がかかる場面もありましたが
第4章〜は涙を常に浮かべながら読みました
2人のお母さん、それぞれのお母さんに育てられた2人の娘、みんな個性があり性格、考え方、みんなバラバラだけど個々に素敵な人ばかりでした
どんな人にも本当に素敵だなー!と思えるとこがあるんだなと改めて気づかせてもらえた小説でした
読み終わった後の幸福感が半端ないです!
Posted by ブクログ
小中学生のころにコロナ時代を過ごした、全く状況の違う女の子2人が交互に主人公で出てきて、そのうち繋がっていく…。後半、その純愛と友情に、、、久しぶりに気づくと涙が溢れた1冊。
Posted by ブクログ
主人公 冴ちゃんのお母さんが
『そしてバトンは渡された』のリカさんを
彷彿させる破天荒で愛情溢れる母
瀬尾まいこさんの著書は紆余曲折しながらも
全てに愛を感じる。
『私たちの世代は』も裏切らず、瀬尾まいこワールドが堪能出来ました
Posted by ブクログ
感染症の流行により、普通の小学校生活を過ごすごとができなかった冴と心晴。
そんな二人が大人になるまでに経験する悩みや成長を描いた小説。
序盤は、教育熱心な母に翻弄される小晴、学校でイジメられる冴の姿に、心が重くなりました。
小学生の頃は親が言うことが全て正義。
親が間違っていようが、正しかろうが、全て正義で、それに抗うことは小学生には困難。
物語を読み、小学生の子どもを育てる親として、自分の意見を子どもに押し付けるのではなく、子どもとともに考え、選んでいかなければいけないと改めて思いました。
イジメも物語の中で描かれています。
私の学生の時にもイジメは学校にありました。
集団があったら、どうしても誰かを標的にしてしまうのが社会なのでしょうか。
冴もイジメにあいますが、母の温かさ、友人のおかげで乗り越えることができました。
物語もその頃から、徐々に瀬尾さんらしい温かく読み心地が良い物語となっていきます。
時には、心を刺す展開も訪れますが、直ぐに温かさに包まれます。
あの感染症が流行していた何年間かは、多くの人から多くのものを奪いました。
特に子どもたちは、貴重な貴重な時間を奪われました。
色々なイベントが中止となったり、縮小したり、本来経験できるはずだった経験を奪われた。
でも、物語では奪われたことだけに目を向けるのではなく、そのおかげで手に入れることができた経験もあることを教えてくれました。
人生も一緒ですね。
失敗をただ憂うのではなく、そこから何かを学び、次の一歩を踏み出す。
瀬尾まいこさんは一番好きな作家さん。
本作品もとてもよい作品でした。
Posted by ブクログ
感染症の流行で小学校が休校になり、不自由を余儀なくされた冴と心晴。
それぞれの家族との関わり、友人との関わり、人との関わりが難しかった時の子どもたちの悩みと成長の物語。
冴の母との関係性は羨ましいし、清塚くんとの些細なことの思い出が2人の関係にずっとついてくること、辛いとこもあるけれど周りに助けられて強く生きていくところ、すごく素敵だった。
心晴の母との関係性も大人になればなんとなくわかっていく、母の不器用な愛情だったのかな。
カナカナとの関係、手紙の相手との関係、すごくいい風に流れていってよかったーと思えた。
総じてとってもあったかい気持ちになって一気読み。
娘もちょうど小学一年生になったばかりの頃にコロナが猛威を振るい、マスクは必須、黙食、大勢はダメ、出かけるな、行事は縮小中止。コロナがなければもっと自由な小学校生活を送れたのかなと思うけど、それなりに小学校生活を楽しめたようでちょっと安心。
そんな娘にもぜひ読んでもらいたいなぁと思える素敵な一冊だった。
Posted by ブクログ
久しぶりに活字を読みたいと思い本屋へ。サクッと読めるように文庫本で探した際、平置きされていて目を引いたこちらを。
親になり子が小学校入学前辺りからコロナが流行った私にはとても共感出来る内容でした。子供側の気持ちも親側の気持ちもよくわかる。そして人の人を思う優しさに洗われたそんな本でした。
Posted by ブクログ
序盤は登場人物同士の関係性が分からないけど、読み進めるに連れて物語が繋がっていく。
没入できた頃には涙がボロボロと出てくるけど、ページをめくる手は止まらなかったな。
コロナ禍というあの時代、得られなかったものの代わりに気付けたこともきっとあったんだと、振り返った今だからこそ信じてみたくなった。
Posted by ブクログ
感染症のパンデミックで、学校が休校となり、ソーシャルディスタンスにより、不自由な生活を強いられることとなった冴と心晴。
『夜の仕事』をする母と2人暮らしながらも、2人の生活を楽しむ冴、不自由のない生活をし、私立の小中一貫校に通うも、教育熱心な母と分かり合えない心晴。
ソーシャルディスタンスで、人との関わりが難しかった世代。そんな世代が…
つい数年前のことだったとは…
もう思えないくらいに街には人があふれ、外国人観光客もあふれている。
あのころが嘘のようだ。
マスク着用に、手洗い、うがい、アルコール消毒、飛散防止のアクリル板…
ほんとに色々あった。
心晴のように、親に登校を止められた子どももいっぱいいただろう。親の気持ちもわからないではないが…なんとか登校させてほしかったな…
結局、心晴の不登校はここから始まったのだから。
両親はなぜかわかっていたのだろうか⁇
わかろうとしたのだろうか⁇
結果的に、樋口くんももやもやを抱えたまま、成長することとなってしまった…
ちゃんと会えてよかった。
樋口くんの兄、家庭教師として、心晴を未来に導いてくれて、なんといいひとなのか。
そんな兄は樋口くんも支えたんだろうな…
冴は冴で、母が『夜の仕事』をしているがために、不遇の中学時代を送る。
同級生・蒼葉に助けられて、高校、大学へ。
蒼葉もまた育児放棄された子どもだったが。
蒼葉も本当にまっすぐないい奴に育ったと思う。
本当にみんないい人だった。
特に冴の周りは。
心晴と樋口くん、もう少し知りたかったな。
樋口くんの出番がもう少し欲しかったような。
Posted by ブクログ
少し疲れた時、瀬尾まいこさんの作品からは心の容量を広くして前に進める力をもらえる気がする。
こういう作品、作家さんがいてくれることが本当にありがたい。
Posted by ブクログ
コロナ禍から何年経っただろうか
あの時期に学生だった子供達は大事な成長の時間をコロナという物によって失われてしまったのではないか
マスクによって笑顔が隠されてしまい感情表現が解りづらい事がおきていただろう
2度とあのような事は起きてほしくない
周りの様子に気を配り会話の大切さを感じて欲しい
Posted by ブクログ
感染症の流行で小学校が休校になり、不自由を余儀なくされた冴と心晴。冴が「夜の仕事」をする母親とささやかで楽しい生活を送る一方、心晴は教育熱心な親と心を通わせられずにいて――。色々なことに疲れた時には瀬尾まいこさんの作品を読みたくなります。生きているといろんなことがあるけれど、明日も頑張ろう、と元気をもらえるような1冊です。
Posted by ブクログ
コロナ禍で不自由な生活を強いられた小学生の冴と小晴の想いが、子ども時代と大人時代それぞれの場面に切り替わりながら物語が展開していく。
今から10年後くらいには、実際に大人時代の話が現実になってくる。
もうコロナ前の生活を完全に取り戻すことはできないけど、コロナ禍に幼少期を過ごした子どもたちが大人になった時、どんな思い出を抱え、どんな希望を抱いて過ごすことになるんだろう。
暗くなってしまいそうなテーマだが、5章では教師経験のある瀬尾さんらしいきらきらした言葉で心が温かくなった。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさん、12冊目。
設定がとんでもなくて物語に入っていけない話が多い、とかブツブツ言っている割に結構読んでいるのだな、これが。
この本も迷った挙句に買ってしまったが、今回はスルスルサクサクと読めて、且つとても良い話だった。
小学3年生になる頃にコロナ禍に見舞われた二人の少女、冴と心晴の物語。
「夜の仕事」をする母親からたっぷりの愛情を注がれながら暮らす冴、教育熱心な母親と微妙に心を通わせられずにいる心晴。
母の仕事を理由にいじめを受ける冴、あることをきっかけに不登校になってしまった心晴。
同じコロナ禍を描いた辻村深月さんの「この夏の星を見る」とはまた違った視点で、感染症の流行で不自由を余儀なくされた学校生活や家庭環境がつぶさに描かれる。
あの時は不自由で息苦しかったが、もはや子どもは手を離れ自分と配偶者と仕事のことだけ考えていればよかった身からすれば、大変さのレベルが違っていただろうことを改めて思わされた。
その後の二人が大人になるまで/なってからが描かれたパートでは、思いがけない人間関係が知れたり二人がもともと持っていた気質が良い方に現われてきたり、周りの人にも助けられながらじんわりと自分の人生を取り戻していく姿がとても良かった。
地域のコミュニティの中でなくてはならない人だった冴の母親は勿論だが、娘に自分の考えを押し付け気味だった心晴の母親の変化もまた素敵。蒼葉はちょっとカッコよすぎで、樋口兄弟は二人していい奴ら。カナカナちゃんも頑張れ~。
今日の新聞には、コロナで死亡する人が年間3万人を超えるという記事があって、ちょっと驚く。
その9割は65歳以上ということで、『重症化リスクの高い高齢者らにとっては、いまも重大な病気だ』とか。
今やうがい・手洗いは欠かさないようにしているが、あの時提唱された「新しい生活様式」をあの時限りにしてはいけないな。
Posted by ブクログ
本屋でうろうろして購入。もっとコロナ禍(感染症、という表現だが)に焦点を当てた作品かと思ったが、コロナ禍以降を含めた、少女2名の成長記だった。
公立と私立で対応違うのか…確かに給食はライフライン…祖父母じゃ無く父親が病気ってのも気を遣ったよな…といった当時を振り返らせる記載は前半にあるが、中盤以降はコロナ関係ない、どの世代もぶつかりそうなもの。心晴の甘えっぷりコロナ関係ない。
コロナで失ったもの、得られなかったものは膨大だろうし、世界中の異常事態であった事に間違いない。しかし、家庭環境、学校の人間関係、進学…つまづく内容にコロナは関係なく、トリガーが引かれやすかっただけなのかもしれない。
瀬尾まい子さんの本は必ずハッピーエンドになると分かっているので心穏やかに読める。この人の本のシングルマザー、思考回路が全員一緒。へらへらと描かれるが、その実現のための労力が凄まじい。
いまの私にはあまり響かなかったけど、中学生高校生あたりには、救いになる人も多いのではないか
Posted by ブクログ
中学生の妹は、ほとんど学校に通わなかった。
今って感染症の名残で、家から出なくても過ごせてしまうのだ。
学校に行かず、家で多くの時間を過ごした子たちは、きっと誰よりも、一人でいろんなことを考えてきた。
環境も、考え方も、一人ひとり違う。
だから、その気持ちを本当にわかることは簡単ではない。
でも、私たちはその子たちより少しだけ大人だ。
その分、できることもあるだろう。
その子の歩幅を急かさず、そっと隣にいることも、そのひとつかもしれない。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの小説、少し久しぶりでしたが、やっぱり良かったです。
コロナの異常だった状況の中で、私などはお気楽な在宅勤務の日々を過ごしてましたが、その頃に学校生活を送ってきた人たちはどうだったのだろう、親御さんたちはどうだったのだろうと思いました。
いろいろと一筋縄ではない家庭、学校の環境で、主人公の子どもたちがそれでもしっかりと自分らしく成長してこれからの明るい日々を予感させる大団円に進んでいくところは、読んでいて気持ちが明るくなります。やっぱり瀬尾さんの小説は素敵だなと思いました。
Posted by ブクログ
子どもにとっては、学校は社会であり、親は世界に等しいですよね。
それを感染症というどうしようもない天災に見舞われて、そんな中で成長していく子たちの物語。
コロナの時代を耐え抜いた世代、それらを忘れてしまいそうになった時に読み返したくなる作品でした。
Posted by ブクログ
コロナ禍の時代に小学生・中学生だった世代を主人公とした小説作品です。
まさにいま、中高生や大学生だ、という人たちがライブで経験してきた窮屈な思いや不便さ、そして様々な形で我慢を強いられて楽しかったはずの思い出を作ることができなくなってしまった学校生活などが描かれています。
中心となる語り手は、小学生から引きこもりになった「ハル」と、夜の仕事をする母親に育てられた「冴」。
子どもの頃の思い出と、就活・社会人になってからの話が交互に綴られますが決してわかりにくい構成ではありません。
回りから見れば「些細なこと」であっても、自分にとっては大きなきっかけになって思わず動けなくなってしまう、ということもありますし、またその逆もしかりです。物語に登場する人たち全員が少しずつ救われてゆく姿に、読後は温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
高校生のわたしにとって、未来はもうすぐそこだ。
今だからこそ瀬尾さんの言葉が沁みるのかもしれないが、たくさんの未来の種を宿した子ども達にも届きますように。
これからを変えるのは子どもも大人も同じですね。
文庫化されて再読
温かい世界に再び触れることが出来て幸せでした。
Posted by ブクログ
3日くらいかけて読みました。冴と小晴の両方の視点で話がすすんで行くので、登場人物の関係がよくわからなくなってしまうことがあった。
コロナ禍で環境はどうあれ、人には愛情が必要なんだなと思った。
Posted by ブクログ
私たちの世代だな、と染み染み
出てきたような境遇に立ったことも、立っている子に出会っていないことは、幸か不幸か。
わたしが就活のときには、これだからマスク世代は…と言われてしまうんだろうか。(´・_・`)
久しぶりの読書で視点転換についていけず老いを感じつつ、瀬尾さんの書く文章が優しくて読み切れた。
すぐに読み返したい気持ちと、読み返すのは勿体無いと思う気持ちの間で揺れてる。かなり迷う
冴ちゃんのお母さんのこと好きすぎて、当たり前にぼろぼろ泣いてた。
恩を感じている蒼葉と、純粋な恋愛感情の冴ちゃんのすれ違いがむず痒かった。お互いがお互いを大切に思っている事実は同じでも、ずれているような、ずれていないような。
家庭環境の違いは、世界の違いと言われると一理ある気もしてくる。同じ学区に住んでいるのに。
コロナ禍の教育現場を題材としながら、所謂“親ガチャ”も表現されている作品だった。
親から受ける愛情が経験である、という新しい視点を手に入れた。他人から与えられることでしか手に入れられないものは、一生手に入らないのかな。
蒼葉くん、わたしの旦那にならないか?