あらすじ
『そして、バトンは渡された』著者の感動作
大人になったから気づく、あのときの想い。
感染症の流行で小学校が休校になり、不自由を余儀なくされた冴と心晴。冴が「夜の仕事」をする母親とささやかで楽しい生活を送る一方、心晴は教育熱心な親と心を通わせられずにいて――。人と関わるのが難しかった「マスク世代」の子どもたちの悩みと成長、そして彼らを見守る人々の優しさを描いた、本屋大賞作家による感動作!
単行本 2023年7月 文藝春秋刊
文庫版 2026年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
子供という存在は、とても眩しい。これから何にだってなれる。世界はとても広い。だが、それに気づくことは難しい。狭い世界の自分と、周りの存在、見える世界が全てのように感じてしまう。だからこそ、周りにどんな大人がいるのかはとても大切なことだ。
感染症による制限を強いられた子供たちは、さらに狭い世界で過ごすしかなかっただろう。その時、目の前に光がなければ、周りに優しさを与える大人がいなければ、簡単に未来を捨ててしまってもおかしくないと思う。大人から見れば些細な出来事だったとしても、ちょっとしたことで気持ちは動き、人生が変わる。
普通ではなかったあの期間が、良かったのか悪かったのかは、人によって違っていて、誰にもわからない。それでも、過ごしてきた時間は必ず未来に繋がる。無駄な時間なんてないのだと思った。あの時だからこそ出会えたもの、感じたこと。辛いことも、哀しいことも、全てが今の自分を作っている。
人の温かさ、繋がりの尊さを感じた。子供が希望を持てるような世界であってほしい。