小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「世界はは何故これほど暴力的で苦痛に満ちている?それと同時に、何故世界はこれほど美しいのか?」や、人間が内包する暴力性と愛のような真逆の二面性について考え続けているところが忍耐強くてすごい人だと思う。私は人間の醜い部分に絶望して己が同じ人間という生き物である事実に疲れてしまい、考えることを放棄しているから。
考え続けた人の何かしらの結晶として生み出された作品はこんな形をしているのかと、過去に読んだ物語たちを想った。
ハン・ガンが二十代の頃に思い浮かべていた2つの問いに胸を突かれた。
「現在が過去を助けることはできるか?生者が死者を救うことはできるのか?」
助けるや救うの定義が曖昧だが、直感で -
Posted by ブクログ
多摩川土手に放置された車から、血塗れの左手首が発見される。近くの工務店には大量の血痕。しかし、肝心の遺体は見つからない。姫川玲子ら捜査一課が、死体なき殺人事件の真相を追う。
前作『ストロベリーナイト』とは、まるで真逆と言っていいほど異なる物語だった。
エンターテインメント性では前作の方が強いと思う。けれど、どちらが上ということではない。本作は、前作にもあった人間の内面を描く部分をさらに深く掘り下げた、重厚な人間ドラマだった。この振り幅こそが、シリーズ2作目にして姫川玲子シリーズの幅と深みを大きく広げている。
特に考えさせられたのは、父と子、家族、そして「守る」ということ。
誰にでも守り -
Posted by ブクログ
戦争中1943年(昭和18年)に始まり、1957年(昭和32年)、1985年(昭和60年)、2004年(平成16年)、そして2022年(令和4年)と5つの時を経て、80年前に父・谷口喜介を殺人犯として冤罪で捕らわれた一人娘・8歳の波子を主な語り手として、彼女を助けた弁護士・吾妻太一、その友人・花田勢太郎から始まる冤罪事件の再審を求める大長編ドラマ。その時に少年だった伊藤捨次郎も父・乙吉の拷問死の真相解明のため協力するが…。そしてその捨次郎が弁護士に、次に捨次郎弁護士の時代に不良少年だった本郷辰治が検事に、更に捨次郎の2人の息子・乙彦、(伊藤)太一が弁護士に、彼らの成長とともに時代を替えて、80
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もとは1954年刊のエッセイ集。戯れ文調の15篇。
軽薄を装いながら、当時の日本の世相に斬り込んでゆく。「暮しの手帖」の花森安治に慣れた人には、多少の違和感があるかもしれない。
「国会へ行きましょう」「女だけの政治」「サルまねのすすめ」「高価なものと美しいものと」「教祖芸術」「無茶苦茶の茶」「無茶人のおせっかい」「芸術祭おやめなさい」……、etc。「暮し」を欠いた政治や芸術や文化に対する抵抗と批判。スタンスは「暮しの手帖」の花森となんら変わらない。
(p.s. 当世(1954年頃)の流行りのことばとして「ギョギョ」が出てくる。あれはさかなクンのオリジナルではなかったのだ。) -
Posted by ブクログ
ネタバレ平成最大のテロ事件を起こした死刑囚の娘・優莉結衣が主人公のダークヒロインシリーズの第12弾。
日本、そして世界を影で操り始めた最強最悪の優莉家・長男こと優莉架祷斗と主人公・結衣による最後の戦いを描いたお話。
最初からフルボルテージで、これまで結衣と関わったあらゆるキャラクター達が交差しながら物語が進んでいきます。
『高校事変Ⅷ』の時も思いましたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のような高揚感が再びありました。しかも今回は死刑囚だった父親だけでなく、優莉チルドレンの母親にも焦点が当てられます。これが物語の伏線回収や、大波乱を引き起こすのでとても面白かったです。
ひとまず今作で結衣が主人公
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