小説・文芸の高評価レビュー
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かつて大学病院で将来を期待されていた医師・雄町哲郎は、妹の死をきっかけに京都の地域病院へ移る。そこで患者や同僚たちと向き合いながら、「治すこと」だけではない医療の意味、生き方と死に方について考えていく物語。
終末医療を扱った作品だが、単なる“死”の物語ではなかった。延命するか、諦めるかという単純な話ではなく、「人が最後までその人らしく生きるとは何か」を静かに問い続けていたように思う。だからこそ、読み終えた後に残るのは絶望ではなく、不思議な温かさだった。
特に辻さんとのエピソードには胸を打たれた。ただ命を繋ぐことではなく、その人が納得して人生を終えるとはどういうことなのか。劇的な展開ではなく -
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ネタバレ読んでいて特に印象に残ったのは、婚活において「自分を傷つけない理由を用意する」という話だった。
作中では、「資産家であることも、個性的であることも、美人であることも本来は長所のはずなのに、婚活がうまくいかない理由を“相手が理解できないせい”にすると自分が傷つかずに済む」という内容が語られる。そこに強く納得した。
同時に、その言葉は自分自身にも刺さった。
私はこれまで、「出会う男性が自分に相応しくないだけ」とどこかで考えていた部分があった。でも、それも結局は自分を守るための考え方だったのかもしれないと思わされた。
作中で小野里が語る、「婚活につきまとう“ピンとこない”の正体は、その人が自分に -
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この本を読んでいる人をかなり多く見かけたので、気になって読んでみました。最初の60%くらいまでは展開がかなりゆっくりで、「自分はもう結末を読めた」と少し自惚れていたんです。ですが、全然そんなことはありませんでした。見事に騙されました。
後半に入ってからは、もうページをめくる手が止まらなくなりました。本当に引き込まれる作品です。登場人物一人ひとりにちゃんと役割があり、それぞれが密接につながっていて、とても丁寧に描かれていました。特に、主人公の男女二人が10年を経て変わっていく姿の描写がとても好きですし、彼らにきちんとした結末を与えてくれた作者にも感謝したいです。
もし私と同じように、普段はミステ -
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大好きな作家さんの1人である凪良さんの新作。
最初のthank you for your understandingから自分の無意識的な固定観念に気付かされてハッとさせられた。
多様性に寛容になり、生きやすくなったかと思いきや多様性に縛られるようになった現代の息苦しさを様々な角度と視点から解像度高く描いた今作。登場人物の性格や性別、年齢がバラバラだけど共感できるポイントが全員にあった。
p.56
「今を生きているのはわたしたちなのに、そのわたしたちすらも時代が置いていこうとしている。すごく賢くて進歩した人たちが掲げる綺麗で正しい旗に、実のところ大半の人がついていけていなくて、無理に追いつこ -
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ネタバレ美味しい料理が食べたくなる本。
ありとあらゆるフランス料理が出てきて、わくわくした。400gのバターを使う料理気になるけど、ひと口で大満足しそう。
こうした開拓者がいたからこそ日本のフレンチが発展して今や何軒も星付きレストランが生まれるようになったと思うと感慨深い。またカンテサンス行きたいなとか本場のフレンチ食べてみたいなとか考えてた。
ちなみにあとがき見るまでずっとノンフィクションだと思って読んでた。
やたら鮮明だなとかこんな嫌なやつ大丈夫か!?とか思ってたけど小説でよかった、、笑
個人的には今アメリカにいるのでフレンチ用の食材が日本より手に入りやすい気がする。何か作ってみようかなと -
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わたしは、結果や意義を求めて見出そうとする姿勢は必ずしも良いとは思わない。(が、基本的スタンスとしてそういう行動を取ってしまう矛盾がある)
だからこども時代の純粋さを取り戻せたら、と思うときがある。複雑化する必要はなく、そうしようとするから大人はどんどん頭の柔軟性を失うのではないか。
ちび王子くんはわたしたち大人に、生意気に、皮肉じみて語りかけてくれている気がする。
彼は薔薇やきつねとの出会いの中で、
だいじなものは目には見えないから、心でよく見る必要があると学んでいく。まさしくそのとおりで、
【なつかせた相手に対しては、ずっと責任がある】ということばにすごく考えさせられた。
相手の行動や -
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面白い、すごく引力をもった作品。
「モモ」の視点から「おまえ」=キースに向けた語りのような形で淡々と物語が進んでいく。「おまえは〇〇をして、〇〇だった」みたいな語り口がかなり特殊だな、と最初は思っていたけど、この物語を「だれかの主観」から語ることは難しいからかな、と思った。ある意味で視点はモモでもないと思う。
自分の欲望が誰かの暴力になる、という状態に対して、「域」を設定する、というキースの信条は面白いと思った。朝井リョウ「正欲」でも似たようなテーマがあったなと思う。
物語がずっと淡々としていてそこが魅力だなと思った。
恋愛リアリティショーの出演者を視聴者が世界の部品として扱う表現として、