小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
前々から気になっていたが、厚さと登場人物の多そうなところに気が引けて先延ばししていたところ、ちょうど気が向いたので挑戦。
いわゆる青春ミステリーと呼ばれるものにはなるんだろうけど、大きな謎やトリックなどはなく、ミステリーの部分は薄い。
しかしながら視覚的に工夫を凝らした記載で主人公と共に調査を進めていくような気になる構成は、映画「search」にも通じる印象で、現代らしくも上手い見せ方。
また翻訳家が合っているのか読みやすい筆致ですいすいと読み進めることができた。
人種問題や小さな町でのドロドロ、重めのストーリーを主人公のキャラクターでカバーしているのも良い。最後の方の選択には賛否もあるだ -
Posted by ブクログ
実家じまい。今、私がやりつつあります。
感想は、本の内容に全く触れていません。
私の記録です。
今年の8月に母が倒れ救急搬送されて、3週間入院、有料老人ホームに入居しました。
倒れた翌日から、実家へ行き、ゴミ屋敷の実家の片付けをしつつ看病。その後、どうするか相談して、有料老人ホームへ入居しましたが、母は1ヵ月で出る!と言いだすし…。冬の間はいようよと、3月まではいる気持ちにはなりました。
4年ほど前に、母がインターネットの契約を新規でするのに、別居の家族の承認がいるという話がありました。インターネットは、すでに引いていて、なぜ、別な会社に乗り換える?
ボケた?と思い、コロナ禍の隙間をぬっ -
Posted by ブクログ
母親が酒とギャンブルで仕事をしない要さんに愛想を尽かして出て行った。
僕は、小学5年から学校も行かずに住所不定で借金取りから逃げている要さんと公園とか高架下とか、どこかの女の人の家を転々としながら生きている。
要さんは、本当の父であるはすだが、認知していないから苗字が違うようだ。
逃げた女の子どもだが、不憫だから一緒に居ると同居させてもらっている女の人に言う要さんに置き引きをして来いと言われるのは嫌だった。
ある日、当たり屋をしろと言われ…。
学校に行きたいけど言えないことやしてはいけないことを強要される辛さに嫌になる毎日だろう。
だが、財布を落としたおばあさんやラーメン店主は、少 -
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汝星の如くの続編
読み終わりたくなかった。前作同様、美しい情景描写と切なくてそれでいて温かい世界観、本当に良かった。
汝星の如くもどちらも周りの目を気にするなっていうメッセージが強く現れてると思う。北原先生が好きすぎて、北原先生にフォーカスされた春に翔ぶはまじで印象的やった。淡々と自分の軸を持ってて、先生のような印象が最初は強いけど、物語が進むにつれて実は内面にさまざまな葛藤を抱えていて、それでも守るべきもの守りたいものを守る大人って感じ。
多分これから先も尊敬する人、すごいなって思う上司、感情のブレが一切ない天才肌の友人、たくさんの人に会うだろうけど北原先生がそうだったように自分が凄い完璧 -
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ネタバレ・あらすじ
他人から話しかけられやすいという特技を持ったホテルマン続力は、書家・筆耕士である遠田薫への宛名書き依頼のため書道教室を訪れた。
成り行きで力が文案、遠田が代筆という代筆業を手伝う事になる。
関わりを深くする中で、ある日遠田の過去が判明する。
・感想
Audibleで視聴。
三浦しをん作品に初めて触れたけどめっちゃ良かった。
さらっとした感じの作品描く人なんだなー結構好みだし他の作品にも興味でた。
こういう相棒的関係の成人男性二人組っていい。
愛とも友情とも違うこの絶妙な按配が1番好みです。
いやでも、遠田から拒絶された時に力が過去の恋愛遍歴を語るシーンの伏線回収?してたし、な -
Posted by ブクログ
正気と狂気をテーマに選ばれた作品集。いくつかは前に読んだ「真っ白な嘘」に収録されたものもあったけど、今作は全編ショートショートの神様星新一訳ということもあってか、癖の少ないような、また違った読み口も感じられて楽しめた。
「電獣ヴァヴェリ」はこれだけで長編が作れそうだし、なんなら長編で読みたいくらいの話。思ってもみない形で今ある文明が崩壊していく様、その後の余韻を残す文字通り静かなラストは印象的。
世界を救ったのにある意味報われない可愛らしい「おそるべき坊や」や、メタすぎる「ユーディーの原理」なども面白かったが、白眉は表題作。
明らかに口に出すのも憚られる不穏なタイトルだけど、設定からのひねり -
Posted by ブクログ
ミステリーとSFで知られるフレドリック・ブラウンのミステリー短編小説集。
1950年代の小説ではあるもののさほど古さも感じず、空いた時間に少しずつ読もうと思ってたのに、どの話も広げ方と畳み方が上手く次はどんな話なんだろうと途中から止まらず。
「叫べ、沈黙よ」はアンソロジーなどにも収録されている名作だけど、「世界が終わった夜」「背後から声が」「闇の女」なども面白く、表題作の「真っ白な嘘」は個人的に大好きなクリスティの「春にして君と離れ」を思い出す既視感も。
一番最後に読むようにと帯に書いてあった「うしろを見るな」は期待の割に驚きは少なかったけど、読者を巻き込む仕掛けがあり、短編集の最後の話に -
Posted by ブクログ
読んでからかなり時間が経ってしまった。
せつなと薫子がチケットで家事代行をしていく中で、色々な社会問題が提起されていたりしていた。
特に、双子のお母さんの家に家事代行に行く場面は、同じ双子の母として涙涙で読んだ。電車じゃなかったら多分もっと泣いていた。
双子にここまでスポットが当てられてるお話は初めて読んで、作者さんの身近にも双子がいらっしゃるのかなぁと思ったりもした。
せつなと薫子のやりとりが本当の姉妹のようで微笑ましく思う場面もあり、せつなの料理がとっても美味しそうだなぁと思ったり。
これからも2人で仲良く生きていってほしいと思った。
この本を読んで、やっぱり食べることは生きることな