あらすじ
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か――恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。
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「言葉」は日常に溢れているけれど、ただやりとりしているだけでなく、いろいろな力を宿してるな改めて感じた。
「クソリプに学ぶ」はとても興味深かったし、面白かった。SNS見ると喧嘩腰の人多いものね…。
「言葉は、受け止める側のコンディションにも左右されるのだ。」の一文はその通りだなと強く響いた。
自分から発する言葉を大事にしたいな。
年末に良い作品を読んだ。
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面白かった。
色んな内容が書かれていて飽きない。
息子氏の言葉がちょこちょこ出てきて、そこになるほど…となる。
様々な作品が紹介されているので、読んでみようと思う。
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2025年12月4日のアイドル歌会の現場で、俵万智さんのサイン入りを見て、思わず買った一冊。
60歳を超えられていて、これだけの活動量やいろんな人との関わり合いをみて、凄まじい知的好奇心と体力だなぁ…と言葉以外の部分にも俵さんの凄さを感じた一冊でした。
想いや考えを言葉に出して相手に伝える言語化能力。
シンプルだが、大事なこの能力が飛び抜けた方だなと感じた。
「ゲームはおやつ。(一部、略。)
ケーキやチョコレートと同じ。おいしいからって、朝はケーキ、昼はポテチ、夜はチョコレートだったらおおきくなれないし、病気になってしまうよ。誰らゲームも、おやつみたいに分量と時間を決めて、楽しくやろう」
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読み終わった最初の感想は、「なんかいいな」という感じの本です。著者の俵万智さんは歌人として有名ですが、本書に出てくる俵万智さんは、お母さんとして、歌人として、国語の先生として、女性として、いろいろな俵万智さんの人となりが味わえる1冊です。エッセイの部分はとても洗練されているプロフェッショナルな文章で、とてもテンポが良くてわかりやすいし、ところどころ挟まれている短歌はとても趣味が良くて、なんとなくいいなと思わされる構成です。本書は、子育ての体験談から始まり、ネットでの書き込み、源氏物語に至るまで、言葉そのものが持つ曖昧さと、その言葉を使ってわかり合おうとすることについて、とても読まされました。
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本屋さんのおすすめからなんとなく買いました。
むかし、サラダ記念日に出会った時の事を懐かしく思います。
今回は、言葉、短歌の表現には、その人の生き方、考え方、想い、などなどが詰まっていて、その想いを言葉で表すのは正確にはできないけど、大切な事と思いました。
ヒコロヒーさん、Mummy-Dさんとのお話、大河ドラマ光る君への話など、楽しんで読ませてもらいました。
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ああ、私は俵万智さんが好きなんだ、と実感しました。
万智さんが紡ぎ出す言葉は優しくて、近所のおばちゃんと話しているような感覚になりました。
言葉ってなんで存在するのか、言葉の普遍性について考える時間でした。
世界の物事を「言葉」という「手段」を用いて表現しているだけであって、私たちが想像するものや考えは一つではないことを改めて感じることができました。
だからこそ、言葉は慎重に扱わなければならないし、言葉の持つ可能性や魅力をもっともっと感じたいと思いました。
私は幼い頃に絵本を読んでもらっていたから本が好きだと思っていました。
もちろんそれは事実ですが、それ以上に言葉が好きなんだと気づきました。
言葉を紡ぐことで新しい世界を知れて、新しい価値観に触れられる。
その経験が楽しくて楽しくて仕方がないです。
ある小説で読んだ、「本を読むことは誰でもできることだけど、書くことは誰にでもできることではない」という一文がずっと忘れられずにいます。
私はそっち側(書く側)にはなれないと、ずっと思っていましたが、俵万智さんの最後の言葉を読んで、ちょっとだけ勇気が出ました。
勉強しなくても使える日本語を使って表現しないなんて勿体無い!
ちょっとだけチャレンジしてみたいです。
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個人的2025新書大賞!!!
SNSが普及し、気軽に簡単に誰かとやり取りができるようになった現代。言葉の持つ魅力、威力、脆さについて、俵さんならではの考察と経験談が柔らかい文体で描かれていて、とっても面白かった!歌人として短歌や言葉と長年向き合っている方だからこそ、言葉に対しての愛がもの凄く伝わってきました¨̮♡掲載されている短歌を読んで、その優しい響きにほろりと感動しちゃった(TT)
そしてクソリプの分類図が細かくてめちゃめちゃ笑ったwwクソリプについてここまで詳細に解説と対応方法を述べている新書は初めて( ᵔ̥̥̀ᗢᵔ̥̥́ )読む時は周りにくれぐれも注意です。笑
言葉について、じっくりゆったり俵さんと考えたくなる1冊。自分で買い直してぜひまた読もう!
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今年度読んだ本の中で、個人的No. 1です。現代の言葉について、とても大切なことを学ぶことができます。何度も読んで、傍に置いておきたい本です。
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初読。スマホがあり、ネットがあり、SNSがあり、AIがあり、言葉の力について揺らいでいる。短歌という限られた文字数を舞台に表現してきた俵万智さんならではの、言葉についての考え方が素直に染み込んでくる。ホストクラブの歌会に参加されているのには驚いたし、その歌の伝えてくる力にも驚いた。その世界にいないと詠めない歌の希少さよ。いろんな人のいろんな短歌を読みたくなった。
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俵万智さんは、結婚せずに子どもを生み育てることを選んだ。まずそこ。俵万智さんが歌を詠みながら生きてきて、考えたことをつづったエッセイです。短歌を読んでいるのだから、日本の伝統を大事にしているだろうと思うのだが、AIが詠んだ短歌に共感したりとか、現代社会の激しい変化に対応し、アップデートして洗練されていく。本当に素敵だし、生き方そのものに感銘を受けました。
以下抜粋
耳を傾けるべきは外野ではなく、自分の心の中を流れる音楽なのだ
つかうほど増えていくもの かけるほど子が育つもの こたえは言葉
「どうだった? 私のいない人生は」聞けず飲み干すミントなんちゃら
【どうしてお母さんとハグすると安心する?】(小2女子からの質問)
抱きしめて確かめている子のかたち心は皮膚にあるという説
賢い人ってどういう人?
「笑顔である事。幸せである事。正直である事。誇りを持つ事。」
作品は副産物と思うまで詠むとは心掘り当てること
人生の予習復習 親といて子といて順に色づく紅葉
「かーかん」にいろんな意味のしっぽあり「かーかんやって」「かーかんちょうだい」
牛丼屋頑張っているきみがいてきみの頑張り時給以上だ 萩原慎一郎
(非正規雇用である自分について多くの歌を詠んだ歌人・この人の歌集を読んでみたいと思った)。
友に送つたメールの返事を待つ二時間 五日は待てた手紙の頃は 村田知子
また、俵万智さんは歌舞伎町のホストと歌を詠む会を催しており、中には歌集を出版するまでになったホストさんもいるとか。とても興味深いです。
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現代の言語文化に対して歌人ならではの分析を行っている点が非常に面白かった。一概に、頭ごなしに否定的ではなく、ほとんどにおいてその言葉を作り上げた意図を見抜き肯定的な意見を残していた点も大人の姿勢として見習いたい。
あれほど役に立たないと嫌煙していた古文にも興味が湧いた。「恋愛について学べる授業は古文だけなんですよ?」という謳い文句があるが、私は別に恋愛などどうでもよかった。だが、俵万智さんが相聞歌についてアツく語っている様子を見ると、果たして面白いのではないだろうか、いや、面白いに違いない、と思えた。
「勉強は大人になってもできるが、遊べるのは子供のうちだけ」という主張に共感した。確かに、子供のうちは他者と遊ぶことで衝突やいさかいが発生し、それによって少しずつ他者との関わり方を学習していったような気がする。もっとも、私は他者との衝突(レスバトルと言った方が正しいが)で勝つことしか考えていないクソガキだったが。自然の中でのびのびと自由に遊ばせるというのは大切なことなのだと、過去の苦い思い出も交えながら身に染みて感じた。俵万智さんが子育てを通して獲得した人生観には、今はまだ分からなくともこれから学ぶべきところが多くあるように思えた。成長してからも、読み返したい1冊。
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ネット、子ども、芝居、ラップ、小説、AI、短歌や和歌など、あらゆる場所での言葉の使い方を考察し、俵さんの実体験と共に語られた一冊。
クソリプの分類からの、喋る家電のクソリプセンサーの話が面白い。「あと三分で洗濯が終わります」だと「洗濯が終わりますだと?この後干すのが大変なんだよ、干して乾かして畳むまでが洗濯なんだよ!」になってしまうリスクがあるので、「あと三分で洗濯ものが取り出せます」なのか。
子どもからの質問に答える章は子育て中の自分には大変勉強になった。特になぜ勉強しないといけないの?に対する答えは、石垣島に移住して子育てをしていたことがある俵さんだからこそ説得力がある。
歌舞伎町のホストたちとの歌会の話の中の「大げさに言えば、おのれの人生で歌うに値するものは何かを問うた。言葉にするということは、その体験をもう一度生き直すということである。」が印象に残った。
他にも、「も」警察、万智さんAIの話、川原繁人さんや谷川俊太郎さんとのやりとりなど、内容盛りだくさんである。
たまに読み返したい好きな文
「五七五七七という小箱に、自分なりの言葉を詰めながら、眺めたり、位置を変えたりしてみる。別の言葉のほうがいいかなと入れ替えたりする。そんなふうに時間をかけて言葉をつむぐ場面が、昨今どんどん少なくなっているのではないだろうか。秒で言葉を届けられる時代だが、だからといって、秒で言葉をつむがなければならないわけではない。」(p234)
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子どもの相談の答えが素敵です。こんな返事を返したい。
個人的には「光る君へ」で詠まれた短歌の解説に熱くなりました。俵万智さんの解説にこちらも感涙です。
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いつか読もうと思ってはいたんだけど、年末ランキングとかでも取り上げられているのを見て、やっぱなるべく早めに、ってことで。著者のことは、めちゃ有名な短歌のいくつかは知っている、という程度なんだけど、本書を読んでいるうち、もっと触れてみたくなった。”踊りつかれて”読後で敏感になっていたこともあり、一番興味深く読んだのは”クソリプ”のくだり。言葉のプロが考えた、言葉の悪意への対処法だけに、しっかり心の止め置きたい内容ばかり。『それにしてもSNSって…』って方向に、どうしてもいってしまうんだけど。
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自分が普段、何気なく読んでいる文章や言葉を、咀嚼することの楽しさ、奥深さを知ることができました。
コラムの賢い人とは?の話が自分には全くない視点で賢い人を表し、さらにそのことがお話として綺麗にまとめられており、最後は少し泣きそうになりました。
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いい本だった。大学時代に文系のまま戻るなら、こんな研究やってみたかったな。短歌いいよね。
そして俵万智さんのバックボーンを知って、より興味深くこの本を読めた気がする。面白い方だな。日常生活の解像度がまるで違う。息子さんも健やかないい子すぎて優しい世界だった。
あ、「も」警察に取り締まられそう。
寮の「ことばが足りない」話、そうだよね。自分に圧倒的に足りないところ。コミュニケーションは失敗を重ねて成熟するという(きっとみんなにとっては)当たり前のことを再確認できた。
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言葉は世界を完全に表現できない、だからこそ真摯に自分の気持ちに立ち返る表現者がいて、自分の気持ちを投影できる読み手がいる。言葉の魅力の様々な面を味わえた
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息子さんが言葉を身につけていくさま、著者とラッパーの対談に息子さんが目を輝かせて付いてきたエピソード、現代あるあるのクソリプ分析などおもしろかった。
著者が関わった「ホスト万葉集」は巻一、巻ニとも読んでいて、著者が短歌の裾野を広げようとしてるのが、しかも楽しんで行っているのが頼もしい。
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言葉と教育という自身と繋がるテーマのためとても興味深い内容だった。それぞれに面白さがあるけれど、「賢いってどういう人?」というコラムに泣いた。ある自閉症の男性が発した賢い人の定義がハッとさせらるもので、その言葉を解説している俵さんの文章も素敵だ。
俵万智さんが国語科教員だったり、結婚せずに子どもを産んでいたりたり、と知らないことがあり、その生き方を知って改めて魅力的な人だなと感じた。
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短歌を詠む俵万智が新聞に連載したコラムを含めて書いたものである。和歌がどのようにつくられているのか、さらにそれだけでなく、自分の子どもとの言葉のやり取りもかかれている。短歌の作られる場面についてなかなか知る機会がないので、興味深く読むことができる。
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AIも短歌を作れるのにびっくり
大学で学ぶのが羨ましいのは本当にそう
大学時代の自分が勿体なさすぎて…
連濁を初めて知った
子どものために自然豊かなところへ移住するのがすごい
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素直、誠実、まっすぐ、温かい、丁寧、そのような印象を受ける文章。すっとここの奥まで届くような、ずっと隣りにいてほしいような言葉がたくさんありました。
私もこんなふうに言葉を使いたいと自然と思える一冊です。日本語を愛しているんだなぁというのが伝わります。
気持ちをニュートラルに整えたいときに読み直したい本。
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上手に言葉を使いたいと普段から思っているものの、なかなか納得のいく言葉が出てこなくてモヤモヤすることしょっちゅう。この本は目から鱗がたくさん。こんなふうに言葉が紡げたらなあ。
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序盤は、こどもの教育環境を充実させたことへの自慢か?!!と僻みの感情が出てきてしまったけど、言葉の面白さをわかりやすく伝えてくれる本だった。言葉と向き合いたくなり、詩をかいてみたくなった。
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子育てに関するお話がいくつかあり、お子さんを自然に近い場へと送り出したことや、ラップに関する知識や動画、仕事にまつわることを親子でお互いに伝え合ったりと、こんな親子の関係って良いなあと思うエピソードでした。
「デジタルになるべく触れさせないことが1番の英才教育」といったことを本書で述べられており、私は妻にも「俵万智さんが言ってたよ!」と伝えて自分の未就園児の息子たちにも見せるのを控えるようになりました(もともと良くないなとは思ってはいたのですが、これを機に)。これが私にとってこの本から得た「生きる言葉」かもしれません。
別のところでWHOが2歳までの子に見せても良いテレビ等の時間は0時間だ、というような報告を出したことを聞いたところでして、先ほどの言葉は「まさに」だなと感じるところです。
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サラダ記念日
名前は知っていましたが、読んだことないなと思いながら手にした俵万智さんの一冊
一人息子とのやりとりが、なかなか出来た息子さんだなと思うし、俵万智さん自身も息子の言葉に感動したり。子供って、発見の連続なのでしょうね。
SNSなどで言葉が簡単に発信できる時代だからこそ、相手への想像力は大切だと思うし、AIには出来ない世界
子どもの問いに答える中に、勉強が嫌いという話しがあったけど、戦中や戦前の大人にとって、勉強が好きなだけできて羨ましいとか。立場が変われば味方や考え方も変わる物だなと。普通の人はテストで100点だと嬉しいかもしれないけど、著者のお父さんは自分の知っていることしか出なかったから、余り嬉しくないとか。80点なら、新たに自分の知らない20点が増えることとか。なるほど。
ホストの人たちとの短歌のやり取りの時間も見ていて、楽しい。言葉に触れることは、どんな立場でも必要なものなのだなと。
生前の谷川俊太郎さんの贅沢なやりとり。言葉って不安定なものだなと感じずにはいられない。
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少しずつ長い時間をかけて読んだ。
あまりに少しずつ読んだので、もっとも印象に残ったのが
「朝ごはん食べましたか」の返事が、午前なら「食べていません」午後なら「食べませんでした」と言う謎。
なぜなんだ?
最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て
この短歌を数年前知った時、不覚にも泣いてしまったのが懐かしい。こんな短歌はおそらくAIには詠めないだろな。
俳句か短歌をやるか、どちらにするか、悩んだ時期もあるなと懐かしい。(やらないくせに悩むだけ悩む)で、どちらもやっていない笑
なかなか短歌はハードルが高いです。
優れた鑑賞付きで楽しむものかも。
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[こんな人におすすめ]
*『愛の不時着』が好きな人
「大好き!」というほどではないけれど、面白い韓国ドラマだったと感じた人には、ぜひ本書の『愛の不時着』について書かれた章だけでも読んでみてほしいです。登場人物の言葉の選び方について俵万智さんの視点を通して読むことで、ドラマの魅力を改めて実感できるでしょう。本書を読み終える頃には、クリスマス前にもう一度ドラマを観たくなるはずです。
[こんな人は次の機会に]
*『チ。―地球の運動について―』に影響を受け、何かしらの知識を吸収したい、学びを得たいという気持ちでいっぱいな人
私自身も「知」を得たい欲にかられながら過ごした一年でした。ただし、本書は新幹線の乗車前に本屋に立ち寄り、旅のお供として選ぶのにぴったりな一冊になります。そのため、強い知的欲求を満たすことは難しいかもしれません。俵万智さんから何かを受け取りたいのであれば、シンプルに歌集をおすすめします。