【感想・ネタバレ】おやすみ、東京のレビュー

あらすじ

東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている――映画会社で〈調達屋〉をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー〈ブラックバード〉の運転手松井に助けを求めたが……。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長編小説。

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Posted by ブクログ

どの短編も時間は、ほぼ午前一時の出来事。
深夜に起きる出来事は、いつもの吉田篤弘さんの世界だなと思い、楽しみながらの読書でした。

タクシー会社〈ブラックバード〉の松井が乗せたミツキの探し物から、どんどん人が繋がっていきました。

読者の私が好きなのは、古道具屋〈イバラギ〉の店主。品物の名前の付け方で、物の見方が変わるというのが面白かったです。

あとがきによると、連作短編のようでいて、実は吉田さんの頭のなかにある10冊の本が交差点のように交わったもの、だそうです。読めば読むほど全体が繋がってきて、最後にはいい方向に皆が向かっている感じがしてきました。

日常から離れて、この本の世界に入り込むとなんだかほっとしました。言葉ひとつひとつが、どこまでも掘り下げていけて、物語も永遠に続く感じがします。吉田さんの本の魅力はそんなところにある気がします。

『おやすみ、東京』。この本は、昼間の喧騒から離れた静かな深夜に読むと、すうーっと世界に入り込めて楽しめる、そんな本でした。


〈目次〉
びわ泥棒
午前四時の迷子
十八の鍵
ハムエッグ定食
落花生とカメレオン
ベランダの蝙蝠
羽根の降る夜
ふたつの月
星のない夜
青い階段
星は見ている
最後のひとかけら

あとがき
連作短編の交差点

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

とても軽やかな小説でした。
穏やか、安定とはまた違う、
静かで波が立っていない夜の海、そんな空気感がずっと続く本でした。
ずっと読んでいられる本でした。
なんだか世の喧騒にあきあきしてる、1人でボーッとしたい、でもどこか人と繋がっていたい、そんな時におすすめの本かなと思います。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

ひとりで残業した仕事終わり、のんびり夜に浸りながらこの本を読める幸福感たるや。登場人物たちのキャラクターが人間らしくて愛らしい。実はみんなが近くですれ違っている「東京」いいなあと思える。夜にぼんやり散歩したいな。

アヤノとイバラギの古道具店でのアンジャッシュのような出会いが好き。夢かと聞いてしまうアヤノも、夢を憧れる方の意で捉えるイバラギもどこか変わってて、2人してそれぞれ恍惚としているのもまた夢らしくて。とてもこの本らしいシーンだなと思った。

前田さんのキンキンに冷やしたコークハイが飲みたすぎる

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

午前一時から始まる連作短篇

読んでる最中は、濃いびわのお酒をちびちび飲んで軽く酔ったような心地がしていた

あと、電話って不思議

携帯電話でなく、線で繋がっていて受話器がある電話
昔から、あの、やたら艶々黒々としてけたたましい音が鳴るあれ、不思議でしょうがなかった
どんな仕組みなのかわかんなくて、底を見るのに持ち上げた途端に電話がかかってきて、ひどく驚いたことを急に思い出した

登場人物はたくさんでてくるけど、互いに線が絡みあっている
誰と繋がっているのかな
誰に繋がっていくのかな

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

私は東京に住んだことはないのだが、関東圏に住んでいたことはある。都会の夜は今住んでいる田舎の夜とはまとっている空気が全く違う。この連作短編はそんなことを思い出させてくれた。静かなバーでコークハイが飲みたい…

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

午前1時から始まる12個のおはなし。
人と人の繋がりって不思議だなあと思った。深夜の青い空気って、なんであんなに不思議な気持ちになるんだろう。
もう一回、忘れた頃に読みたいな。

夜中に読むと誰かに会いたくなる、誰かと繋がりたくなる本でした。

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2024年11月04日

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初めて連作短編というものを読んだけれど、一見繋がっていないような話が、ある人や場所を介してスっと交わる瞬間がとても気持ちよくて、ハマった!って感じがして読んでいて楽しかった。
それぞれの短編の主人公たちが抱えているものを、最後にどう回収するのかワクワクしながら読み進めることが出来て、とっても素敵な回収の仕方でした。

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2024年06月24日

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深夜の東京のどこかで起きた一人一人の短篇が
どこかで誰かとすれ違って少しずつ繋がって
ひとつの長篇になっていく

今時は地方もそこそこ発達して
人も物欲が薄れていて
東京に住む魅力が薄れていると
テレビで前に見かけたけど

こういう偶然に同じ時間同じ場所に居合わせた
というだけで人が繋がって物語が生まれるのは
たくさんの人がいる東京でしか起きない気がする
東京はそこが魅力なんだろうなー
人やモノに出会って
物語が生まれるチャンスに溢れている
東京こわいけど憧れの町、東京

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2024年06月06日

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深夜、夜明け、夜が深まっていく時間や夜が明けていく時間、とにかく夜の周辺で読みたい本。
びわ泥棒も名探偵シュロも変なひとばかり出てくるのに、なぜかすっと受け入れてしまうから不思議。
感動したいとかドキドキしたいとかそういうんじゃなくて読んで落ち着きたいときにこの本って最適だなぁって思った。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

縁のつながりの不思議を感じさせられた。、
東京は広いようで案外狭くて、みんなどこかで繋がっているのでは、、?という気がしてくる。
本を読み進めていくうちに、そこが繋がっていたか〜〜!と、点が線で繋がれていく感覚。
そして、この本を読むときは自然と夜を選んでしまう自分が..- ̗̀☾⋆ ̖́-

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2023年07月17日

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東京に住んでいるのもあって、タイトルに惹かれて読んだ一冊。
タイトルにぴったりで、夜のベッドでゆっくり読むのにちょうど良かった。
連作短編集で、実は全て同じ東京の夜、一つの小さな食堂を介して登場人物たちの物語が静かに繋がっていく仕掛けが素敵。
登場人物が多いので、最初は誰が誰だか忘れて何度も前の方に戻ったりしたけど、それもこの作品の楽しみ方の一つなんだと思う。何周か読み返しながら味わう作品。

文体がとても読みやすく、すっと心に馴染む。
何か特別な事件が起きるわけではないのに、人々のささやかな日常がとても羨ましくて尊く感じられ、読んでいる間ずっとほっこりした気持ちになった。
東京の夜にぴったりな、優しくて温かい一冊。

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2026年03月26日

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『おやすみ、東京』は、夜の東京を静かに散歩しているような気分になれる物語でした。
登場する人たちはどこか孤独で、でも完全に絶望しているわけではなく、日常の隙間に小さなぬくもりや希望を見つけている。その距離感がとても心地よいです。

何気ない風景や会話が丁寧にすくい取られていて、「東京はこんなふうに息をしているのかもしれない」と思わせてくれます。

この作品は、元気をもらうための本というより、疲れた心を静かに休ませてくれる本だと思います。タイトルの「おやすみ」という言葉どおり、一日の終わりや眠る前に読むと、世界が少しやさしく見えるかもしれません。

夜は何かを解決してくれるわけではないけれど、「そのままの気持ちでいていい」とそっと許してくれる時間を与えてくれます。

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2026年01月03日

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午前1時。タクシーを中心にした連作短編。
小道具を探し求めてタクシーに乗る人。弟を探す人。一度乗せたお客さんを探す運転手。それぞれの想いが交差しながら進んでいく。どこで交わるのかドキドキしながら読み終えました。

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2025年10月30日

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吉田篤弘さんの本ははじめて。何とも不思議な世界観だな。他の作品も読んでみたいな。タイトルのおやすみ、東京が好きで買った。ほんとにずっと夜だった。

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2025年09月05日

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短編同士に繋がりはありつつ、絶妙な距離感が保たれている。この方の小説の特徴であり、好きなところ。

実は世間は狭く、色んな人とつながっている。ただ、つながったとて、それに気付くかは別の話。また、会いたい意思と、会うという行為も、別の話。文中にもあったこれらのことが、短編の繋がり方に表されていると思う

繋がって「知り合う」こともあれば、繋がっても「その場限り」なこともある。「知り合う」ためには偶然の力と、自分で縁をたぐり寄せる力、どちらも必要なんだなと思った。あと、思いがけない縁は、結局人を介してやってくる。

「世間における居場所」という視点で見ると、マイノリティ的な側面がある深夜が舞台が表すように、誰しも「これで良いのかな」と思っている部分がある。それでも人と繋がったり、繋がらなかったりすることで、時とともに進んでいく。案外、暗闇のほうが懐が深い。
夜の静けさと一緒にゆったり進んでいく空気感が好きだった。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4.6
ちょっとずつ登場人物たちが繋がってるのがいい。ミツキが最後の指輪を戻すところが良かった。コークハイが美味しそうだった。

加奈子の弟は「レインコートを着た犬」にでてくる青年じゃない?長いあらすじ書いて、館長が逃げ出して館長になるって。

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2025年07月24日

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連作短編という形式があるらしい。
作者のあとがきを読むと「一見、短編集のようでありながら、じつは、それぞれの短編がつながりを持ち、読みようによっては、長編小説としても読めるものをそう呼んでいる」ものだそうだ。

まさにこの おやすみ、東京 は、連作短編で書かれているように感じた。
一編一編がまるでDNAのように、いくつかの螺旋階段のように、ある瞬間には交わりかけて、ある瞬間には遠く離れてしまう。
そしてある種独特な文調が、まるで作者の夢の中に紛れ込んだような錯覚になる面白い読み物だった。

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2025年07月01日

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掴みどころのない不思議な人たちの夜の話。タクシー運転手の松井さんが運ぶ奇妙な繋がり。不思議だけど怖くは無い、心地よい夜が描かれている。

どこかふわふわとしていて、まるで夢みたいで、朝になったら忘れてしまいそうな物語

偶然が重なってそれぞれが願う所へたどり着こうとする過程が愛おしい。ほんとうに偶然なのかはわからないけど。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

短編なのに長編。
読み終わると、登場する全ての人の生きる営みが、一気に蘇ってくる。
再読するたびに、友人が元気で過ごしているという便りをもらうような感覚が生まれそう。


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2024年09月04日

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なんてお洒落な。みんなが眠りにつく深夜の街。静かな夜の街に、それぞれの人生のストーリー。その小さなストーリーが交差点のように、交じり合って、重なり合って、すれ違って。それぞれのささやかな出会いを、夜空の星になって、上から静かに眺めているような、そんな感覚を味わって、とても柔らかい気持ちになった。

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2024年07月17日

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午前1時の東京が舞台だけれど、現実世界からはちょっと距離があるところのように感じられた。不思議。
もっとずっと先って思うこと、たくさんあるよなあ。思わぬところで人と繋がっていたりすること、あるよな。心がざわざわした時や眠れない夜に読み返したい。

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

痺れるほどの面白さがあって一気読みするような本ではないし、個性のある文体でもないし、強くのめりこむわけでもない。
だけど余韻の長さがそれらのどの作品よりも長い。

ふわふわ宙に浮いているような感覚で、やさしいひとが作るあたたかなものに寄りかかりながら、ゆる〜く、読みました。

吉田篤弘さん。
滋味深い味わいのある作家さんなのでしょうか、、

夜の定食屋で読んだり、あの街の2階にある喫茶店で読んだりしたらもっと似合うだろうなあ。

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2024年01月24日

Posted by ブクログ

久しぶりに この独特な世界に連れ込まれた感
なんだろう いつもふわふわした 地に足がついてないような感覚
それでいてなんか心地いい ちょっと幸せな気分

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2024年01月09日

Posted by ブクログ

夜の東京を舞台にした群像劇。登場人物が多く、複数のストーリーが交差しながら進むので、名前がわからなくなり何度も戻りながら読んだ。ファンタジー。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

2024.12.28〜2025.01.01
最初は、なんだか、テンポが悪くて・・・
後半、やっと勢いづきました。
なんだか、カタカナが多くて繋がりが把握できなかったんです。
最後は、スッキリしました。

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2025年01月01日

Posted by ブクログ

半年くらいかけて、ゆっくりと読んだ。どこを読んでも東京の長い夜を過ごす人たちを描いていて、まだ眠りたくない夜に、時間をかけて読むのにふさわしい一冊だった。
ある登場人物が、私はいま夢を見ているのか、と感じながら会話をして買い物をするシーンがある。始めから最後まで、この本を読んでいてそんな心地だった。ふわふわと数センチ浮かんでいるようで、現実との境目が曖昧で、特に劇的な出来事も大きな感銘も生まれないけれど、色々な思いをそっと自分の中に置いていく…
それなのに最後にはさまざまなピースが収まるところに収まって、始めからここに向かっていたのかと不思議な気持ちになった。

私は一時、介護の仕事をしていた。週に一回夜勤の日があったため、彼らと同じように幾度となく夜から朝に変わる瞬間を目にした。
深夜は誰もが寝静まり、起きているのが自分だけという心細さもありながら、たまに起きてくる入居者と話をしていると、まるで秘密の時間を過ごしているような楽しさもあった。(一方で夜は転倒事故も起きやすいという難点もあるが…)
そこから夏は4時くらいになってくると空がうっすら色を持ち始め、近くで飼育されているニワトリが鳴き始める。夜明けの澄んだ空気を吸いながら、朝が来るぞと気合いを入れ直す。
いそいそと入居者を起こす準備をしていると、気づけば7時になり、夜勤明けには直視できないくらいまぶしい光が窓から差し込んでくる。この瞬間の、あぁ終わった…という達成感と少しの寂しさは介護を辞めた今でも、ずっと忘れられない。

あの頃この本を読んでいたら、真夜中を過ごして夜明けの空を見ている人間は自分だけじゃないんだと、少し勇気をもらえたかもしれない。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

色々な話が実は繋がっている短篇集。

忙しなさから解放された夜のゆっくり時が流れる感じとか、自分に向き合える感じが心地よかった。
だが登場人物が多すぎて、この人なんだっけとなることが多く、一気読みのほうがいいかも。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

東京の午前一時から始まる、12の連作短編のような長編小説。

本屋さんをウロついている時になんだか気になって手にとった1冊でした。

偶然が少しずつ重なって、たくさんの人たちが絡み合っていく不思議なストーリーなんだけど、東京の午前一時っていう真夜中が舞台だからなのか、時間の流れがゆっくり感じられて、とても心地良かったです。

バー「M」のコークハイ、飲んでみたいなぁ。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

真夜中の東京の一角にスポットライトを照らしたような、何者でもない人々の偶像劇。穏やかでどこか優しげな午前1時の物語がゆっくりと心に染み渡った。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

夜中の東京の群像劇です。しっとりしっぽりな言葉と人間。著者の作品は、この世界観に触れたくて定期的に読んでいるような気がします。登場人物の言動には人間味が溢れているけれど、決して熱い表現にはならなくて、あくまで淡々と冷静に言葉を紡いで表現されているので、夜読書にはぴったりの一冊だと思います。

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2024年02月11日

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