【感想・ネタバレ】さいはての彼女のレビュー

あらすじ

25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。

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Posted by ブクログ

頑張って頑張って、社会的地位を築き上げてきたバリキャリウーマンたち。でもその代わりに、いつの間にか失ってしまったものがある。それは本来の彼女たちにとっての、幸せに通ずる大事なものー。挫折から始まる旅の中で、彼女たちはそれらを取り戻してゆく。心をあたたかく灯す、4つの物語。


彼女たちの旅は、なかなかの絶望からスタートする。人一倍に努力をした結果がこれだなんて、なんだか皮肉だなあと思うけれど、でもそうだ、『神は乗り越えられる試練しか与えない』という言葉がある。なにも心配ない。努力をしてきた彼女たちだからこそ、転んでも、なにくそと起き上がれる。そうしてその壁の先の、うんとすてきな未来に向かう一歩を、ちゃんと踏み込める。神様が用意してくれるのは、本当は試練じゃなくて、その先の未来のほうなのかも。

そんな主人公たちが出会う登場人物たちも、とても魅力的。自分の好きなことを胸を張って好きと言え、それに真っ直ぐ向き合ってきたことへのプライドを秘めている。自分が揺るがないから、優しい。

いつであろうと、いくつであろうと、一生懸命であることはなにをも越えて素敵だなあと思う。

わたしも、いい風を吹かしながら歩いて、壁に出くわしてもなにくそって越えられるような人になりたい。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ハーレーには全く関心のない私でもハーレー乗って旅に出てみたい!と感じた1冊。この話の主人公凪の「線」のエピソードはエールを送ってくれます。「本日はお日柄もよく」に次ぐ傑作。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

「さいはての彼女」を読んでいると、まるで自分も一緒に旅をしているような気分になりました。主人公と同じ景色を見て、同じ空気を吸い、一緒に心を洗浄して、一緒に大事なことに気づいているような感覚がありました。実際にその景色を自分の目で見たくなり、「いつか私も一人旅をしてみたい」と心から思えました。

仕事、付き合い、家事……毎日の生活にはしんどいことや辛いことが多いけれど、それでも頑張っていたい。そんな気持ちをそっと肯定してくれるような物語で、張りつめていた生活の中で少しだけ気を緩めて、あたたかい人に出会い、思わず深呼吸したくなるような風景に触れて、いろいろ感じる時間は誰にだって必要なんだと気づかせてくれます。
そういう時間があるからこそ、新しい自分に出会えたり、本当の自分に戻ってこれるのではないかと感じました。

原田マハさんの作品は、言葉の使い方だけで泣けてしまう。感動シーンじゃなくても、ふとした一文に心が震えて涙が出る。
4作すべて心が温まるお話でしたが、私は「冬空のクレーン」が特に好きでした。頭の中に広がる景色があまりに綺麗で、華やかで、気づいたら泣いていました(笑)

ひとつひとつの物語を読み進めるたびに、「まだ終わらないで」「もっとこの世界にいたい」と思えるほど、心に染みる一冊でした。

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2025年12月12日

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仕事に疲れたときに読んだら凄く気持ちが晴れた、女満別の話と一人旅の話が特に良かった、読んでよかった!!

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2025年12月08日

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現代社会で懸命に生きてきた女性たちが、それぞれの旅先で新しい景色を見たり、人と出会ったりすることで、ゆっくり息をしながら自分を見つめ直して、新たな一歩を踏み出していくようなそんな短編集。
一生懸命ぎりぎりと生きていると、知らない間に視野がギュッと狭くなっていることがある。私にもそんな時期があった。そういう時に、一生懸命頑張っていたことが上手くいかなくなると、その一本の柱がポキリと折れてしまう。その時の絶望的な気持ちたるや。まさに「なにやってんだろ、あたし」だ。

社会的な肩書きを外した丸裸の自分が、舞台を降りた途端にどれだけ無力でちっぽけな存在か。社会から振り落とされまい負けまいと必死に食らいついてきた、そのために家族、友人、恋人など大切なものを知らず知らずのうちに犠牲にしてきた女性たち。そこまでして尽くしてきたはずの社会からハシゴを外されたら、彼女らには一体何が残るのか。
そんな空虚な気持ちを、静かにあたたかく解いてくれるのが、旅なんだな。あとがきにもあったが、凪ちゃんの眩しさ、活発さは、この短編集において極上のアクセントになっていると思う。

越えていけ、どんどん越えていけという言葉に背中を押される。凪父からの心からのエール。

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2025年12月05日

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ハーレーっていいなあ、旅っていいなあと思った。行き当たりばったりの出会いや予期せぬ発見は、新たな価値観と出会わせてくれたり、自分を客観的に見つめ直すきっかけになったりするのだと思った。読んでいて「旅したい」と思えたし、綺麗な景色を実際に見ているような気持ちにさせてくれる文章がとても素敵で好きだった。
このお話が好きだった……と書こうと思ったけど、全部好き。強いて1つ挙げるなら、「冬空のクレーン」。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

最近、肩の力入りすぎてませんか?

そう言われてる気がした。
日々の仕事をこなすのに一生懸命になってしまいがちだし、休みの日にも仕事のことを心配しちゃうのもあるあるだけど、時には息抜きもいいんじゃない?って優しく教えてくれる素敵な本でした✨

なんだか旅行に行きたくなったし、ハーレーのことも知りたくなりました笑

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2025年11月25日

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実はまだ読み終わってなくて途中なんですが、私の心にグッと響いて、この気持ちを文章にしたくて感想を書くことにしました。

登場人物は、仕事や恋、家族の問題で、自分の人生にちょっと躓いた女性達です。
旅先で、自分と向き合う時間や人との出会い、美しい自然や美味しいご飯を通して、これまでの人生を振り返り自分を取り戻していくお話だと思います。

原田マハさんの文章は読みやすく、スルスルとページをめくることができますし、ストンと胸に入ってきます。

旅先の電車で読んでいて、各章の最後の方になると、うるっと目頭に涙が溜まりました。
きっと私も彼女達と同じようなライフステージにいて、共感するところが多く、自分も励まされ救われる気持ちになったからだと思います。
少しずつ、大切に読み進めたいのですが、旅の途中で1人でゆっくりできる時に読むのに最適な本だと感じています。

主人公の女性達は、私と同じ妙齢の普通の女性で、じゃぁ私も力強く立ち上がることができるし、さらに人生を足掻くこともできるよね、って思いました。
また、誰かの人生を励まして彩れる存在でもありたいと感じました。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

中間管理職の女性必読

忙しく働いている時なら読むと、
お話ごとの主人公をみて、自分の心も荒んでいるのかもと気がつく。そして、心がじんわりと温まる。

旅に出て、自然に圧倒されたくなるし
疲れた人を癒せるような旅先にいる温かい人になりたくなる。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ナギちゃんとともに風になると、きっと虜になる。
日常に疲れて、迷ってる人もきっと風になることで、明日が見えてくる。

帰る場所があるって素敵なこと。
「一分一生」のハーレー仲間。そんなハーレーを通じたカッコいい人たちのつながりがうらやましくなった。

原田マハさんならではの風景の描写がステキで、タンチョウヅルの姿が日本画のように浮かんで、それもまたよかった。

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2025年10月09日

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なんなんだ!この読後の爽快感は,乗ったことはありませんが,ハーレーに乗るとこんな風を味わえるのでしょうね。

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2025年09月23日

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仕事で落ち込んでいた時に、元気が出る本として探してましたら、原田マハさんのこちらが。
大手企業という肩書きに知らずのうちに調子に乗っていた自分、後ろの看板が凄いのであって自分が凄いのではない、と時々落ち込む場面があるのですが、この本を読めば、それは恥じる事でなく、当然の事だと分かる。
それでも一個人として自分を大事にしながら、時には目的もない旅に出ながら、また起き上がる、そんな人生にしたいと思いました。

そして、主人公凪に、ハーレーにとても元気付けられました。凪から止めるを抜く話、お父さん、お母さんの愛、どれも胸に刺さるものでした。

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2025年09月11日

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どこにも行けないと思ってたそんな気持ちがスッと抜けていく風が吹くようなお話。
4人のヒロインは私よりも少し歳上だったけど、最近仕事で気が張っていた自分には今出会えて良かったと思えた。

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2025年08月11日

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『さいはての彼女』
『旅をあきらめた友と、その母への手紙』
『冬空のクレーン』
『風を止めないで』

短編集なのに、軸となる部分は変わらない。
「生きてきて、よかった。」「人生を、もっと足掻こう。」

この短編に出てくる女性4人は仕事を逃げ出したり、家族のことを想ったりと振り返りしている。嫌悪感に近い部分もある。例えば、自分にとって不都合なことがあると脳内消去をしてしまうなど、逃げることがあるかと思うじゃないですか。それを引きずって行く人生なんてもったいないなと。
新たな一歩を踏むことはその壁を超えなければいけないし体力だっている。でも周りの人達との支えや言葉、行動がきっかけとなって進められる。
それが軽やかで爽快、心に溶け込んで自然と涙が溢れた。

喧騒から離れ、雄大な大地にいる中での自然との対話。東京にいながらも日本を知らなかったことに気付かされる。旅に出たくなる衝動にからむ贅沢な物語。
とても心地良い体験ができました。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とっても良かった
いろいろな問題を抱えた人たちが最果ての地で、新しい事を経験して人生が変わっていく物語
テンポよく話が進んでいくし、文章での表現が見事で、まるで映像を見ているかのように情景が浮かんできた

特に一つ目の話が好き
バイクの話なのだが、バイクが好きな自分からしたら共感できる事ばかりで、すぐにでもバイクに乗りたくなった
登場人物も全員魅力的で、この作品の世界をいつまでも見ていたいと思える

心に残る作品でした

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2025年08月06日

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 気持ちの良い短編集。凪ちゃんのバイクに乗ってツーリングしているような爽やかな風を感じる短編集だった。ハーレーを颯爽と乗りこなす凪が登場するのは最初と最後のみだが、どれも爽やかでゆったりできる旅のお話。正直さほど期待していなかったので、全編素敵な話で嬉しい誤算。
 中でも「冬空のクレーン」が好みで、とても印象に残っている。タンチョウヅルの聖地行ってみたい。旅をすることで視点が変わり、自身を俯瞰できるというメリットを改めて思い出す。ひとり旅は現状難しいが、子育てが落ち着いたら行ってみたい。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

こんな爽やかな小説があるのか!
原田マハさんというのは有名だったので一度読んでみようと思って最初に手にした本
空色のソーダみたいに爽快でキラキラで透明感があって
びっくりするほど さわやかとっても読みやすかったの と 心温まり そして ユーモア もあります
文章と構成がうまいなあと思いました
そして、たぶん書いてる人の心がキレイなことに読み手が癒される
この他にも原田さんの作品はいくつか読んだんですけど、出てくる人がみな良い人過ぎて不安になるわ とか、ちょっといい話すぎない?みたいなところがあるんですよね(多分にこちら側のモンダイ)。この本はちょっと短めなので そういう意味でも、そういうもやもや に入る前に終わるというのもいいですね
すごく ややこしい 本ばかり読んでいたので、久々にこんな本に出会って嬉しかった という意味で、おまけの星5つです

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2025年07月19日

購入済み

少女ナギの魅力に完敗

キャリアウーマンが自分はえらいと思い込むようになって壁にぶち当たり、意図しない旅に。
そこでとても魅力的な少女と出会い再生してゆく物語
少女ナギがとても魅力的に描かれていて心に突き刺さった
ハーレーダビットソンへの愛で結ばれた人々も生き生きしていて読んでいて気分が良い

#胸キュン #アツい #癒やされる

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2024年10月11日

QM

購入済み

とにかくかっこいい

凪ちゃんーーーー!!!!好きだーーーー!!!!ってなる本、そして自分もバイクに乗りたくなる本です。
都会で働く主人公がひょんなことから、南国でバカンスの予定が大田舎に来てしまい、そこで色々な人と出会って主人公自身も成長していく物語。
また読みたいです。

#アツい #癒やされる #憧れる

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2023年12月12日

購入済み

旅とバイクと北海道

なにかに行き詰って、でも旅を通して立ち直っていく女性を描いた短編集。さくっと読めてさわやかで希望に満ちているのがナイス!表題作で出てくる「彼女」が北海道をハーレーで疾走するシーンが美しくて、今すぐ知床に行きたくなった。

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2013年08月13日

Posted by ブクログ

旅ならではの特別な出会いや経験が詰まってて旅に行きたくなる作品。

「線を引いているのは自分、そんなもん超えていけ」が心に刺さった言葉。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

大都会でいつも懸命に頑張っているキャリアウーマンの妹に、プレゼントとして購入した短編小説集。
そこには著者・原田マハさんによる、働く女性たちへの温かくも優しい眼差しがあった。

読み始めからスラスラと先に進むことができるこの作品。読み終えた暁には、心地よい余韻と、涼しくも爽やかな感懐が、きっと得られるはずだ。
春や秋の朝方に吹くことの多い、一陣のつむじ風のような清々しい短編集である。


さて皆さんに、特にビジネスマンやキャリアウーマンの方々に、畏れ多くもお尋ねすることを許していただきたい。
『皆さんには果たして、今まさに心の底から満たされている実感はありますか』と。

この質問に対して、当たり前だと憤る方も多いかもしれない。あるいは、そうでなければやっていられないよと、優しく仰る方もおいでになるだろう。

そう答えられる皆さんは、ご自身の人生の歯車が今はきっと潤滑に回っている。言い換えれば、スムーズに今を生きることができているのだろう。
それは間違いなく素晴らしいことであり、僕は皆さんがそのまま邁進されることを願う者である。

だけど、一旦その歯車がズレ始め、全体としてバランスを崩してしまった、あるいは崩しつつある状況に置かれた場合は、果たしてどうなるだろう。
その充実感を力強く保ち続けることができるだろうか。

この短編集は、まさにそういった瀬戸際に立たされた、優秀な女性たちを描いている。
ここから軽いネタバレが入ってくるので、未読の方には注意して読んでいただきたい。


社会の歯車として、絶えず必死に頑張ってきた女性たちは、そのギリギリの線上で、少し疲れを感じる。
そして現実を見つめ直すために、一人旅に出る。そこには癒しや救いを求める感情もあったのかもしれない。

旅の終わりには、たとえ想定外の形であったとしても、彼女たちは望みを叶える。そうして明日の活力の源として、それぞれの職場へ持って帰るのである。
より人間的に柔らかく優しくなった彼女たちの、街での再活躍を予感させる形で、それぞれの短編が締めくくられる。

これが基本の形であるが、彼女たちの内外で展開される物語は、まさに変化に富んでいる。それがそのまま、彼女たちの人生の多様性を認識させる。
中には満たされていたと思っていた自分の半生が、実は空虚なものだったと悟る女性もいる。


人間には実に多様な生き方がある。大小なりとも制限されているかもしれないが、人はその生き方を、ある程度は自由に選ぶことが許されている。

『私の人生、ただこれしかないと思っているあなた。だけど実はそこには、まだまだ思わぬ可能性や方向性が眠っているのです。それに気づくことさえできれば、更なる充足感があなたの中に根付くのではないでしょうか』
この作品は、このようなことを力強く主張しているように思えてならない。

第一話と第四話が作品全体の調和を支えていることは、おそらく誰の目にも明らかだろう。
この二つの物語に登場する、ナギという少女が、この作品全編をネックレスの糸のように繋ぎ止める役割を果たしている。

それぞれの作中には主人公として登場しないナギだが、その天真爛漫な快活さ、そして爽やかさは、まさに作品全体の主人公と呼ぶに相応しい。
目を瞑れば、親指を上に立てて笑みを見せ、バイクに乗り込んで見る見るうちに遠ざかってゆく彼女の姿が見えるようである。


だけど僕は、とりわけ第三話に打たれた。強い印象を受ける物語は、多分人によって違うのだ。
でもそれでもいいのではないか。そう思わせる寛容な空気が、作中全体に柔らかく漂っている。もしかしたら頻繁に描かれるハーレー・ダビッドソンの風を、僕も感得したのかもしれない。

果てしなく続く、凍てついた白銀の平面。
紺青に澄んだ上空からタンチョウヅルの群れが降りてきて、たくさんの仲間と戯れ、土を啄み、鳴き声を上げ始める。その鳴き声は、止むことがない。

そのような鶴の楽園を想像してみると、都心で忙しく働くたくさんの人びとに、どこかしら重なる。
あたりを染める肌を刺す寒さが、どこか心地いい。不思議な満足を感じながら、僕は本を閉じたのだった。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

出張の飛行機の中で読んだ。
風、緑が見えるような描写。自然に心動かされるよね、ひとりで旅に出たくなる本。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

ナギのキラキラした性格が伝わる第1篇も良かったけど、ナギの母目線で描かれる第4篇が個人的には好みだった。

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2025年10月25日

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ネタバレ

〜1周目〜
2021.11.04
短編集だが、どこか繋がっていて、一貫して一つのことを伝えてくれる本。目まぐるしい日々の中でさいはてに行きたくなるような気持ちになった。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

人や土地との出会いを大切にしようと感じさせられる本でした。仕事、育児、家庭などの日常から離れた旅先で、自分で見つめ直す機会を大切にしていきたいです。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

 北海道とバイクとツーリング、これだけで十分興味をくるすぐる。ゴツいハーレーと華奢な凪さんのギャップに更に掴まれた。美女と野獣が出会いと癒しの舞台で舞うマッチングは面白いを約束された設定だ。
 一緒に行くはずの旅路が突然の一人旅。
 空に向かってビルを伸ばして行くクレーンが鶴に見えるようになった。離れた場所からは、首の根本から頭を上下させる姿はビルの屋上を突っついているように見える。行き詰まって、足掻いて、もがいて苦悩しても抜け出せない時は逃げたい。逃げ場のない人たちをツル達が狙っているのか逃がそうとしているのか定かではないが人はそこから四方八方へ散り散りと去っていく。
 去った先は北の大地を選ぶ方は多いかもしれません。そこで再開したら楽を共有してまた苦痛にも立ち向かえる耐力をチャージできる。凪さんが何度も旅に出るのはそんな訳かな。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

蓼科親湯温泉のラウンジの雰囲気を堪能したく、近くの本棚から取った一冊。
北海道での話はこの暑い夏にクールダウンをするのにぴったりだった。
がむしゃらに働くのも悪くないけど、時々立ち止まることも大事なのかなと感じた。完全にライフスタイルを変えるのではなく、自然や風を感じながら、本当の自分の心に耳を傾ける、そしてまた前に進んで行く登場人物たちに共感すると同時に励まされた。
ゆっくり休んだので、また仕事頑張るぞ!

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

4つの短編が詰まった本だった。

風景が事細かに書かれており、四季を感じさせてくれて、旅行がしたくなる本だった。

1つ目と4つ目が繋がっていた。
ハーレーで全国を回るナギさんの姿がよく浮かんだ。趣味で繋がる仲間がいいなと感じた。
自分も趣味は、ひとりで楽しむのではなく、行き当たりばったりの、初対面の人ともどんどん繋がりを増やしいいきたいと感じた。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

旅する女性たち。旅先で出会う人、経験、清々しくて、読んでいて気持ちの良い短編集でした。

原田マハさんが書く、女性は強くて素直で素敵。
普段は重い鎧を着て、盾と剣を持ち、社会を生きている。強い女性のようでも、完璧じゃない。
鎧を無理やりに剥がそうとするのではなくて、人との出会いが旅先の空気が自然と、彼女たち自身が鎧を脱いでいく姿がよかった。

私自身はせっかくの休みを無駄にしたくない!ってつい詰め詰めのスケジュールの旅行してしまうので、自分を解放させる、一期一会を大切にする旅をしたいなと思えた。SNSやマーケティングに振り回されたくないなぁ。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

文章が読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。
いずれも女性が主人公の四つの短編からなる本。
順位をつけるとすれば「風を止めないで」が一番好きかな。現れた男にお母さんが簡単に心が動きすぎのようにも思ったけれど、そういうこともあるだろう。人間だもの。

全体として悪くない話なのだが、このレベルの小説は正直たくさん読んできたとも感じた。
悪くはないけれど、特別よくもない、ということで星3つ。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ


すごく気持ちが良くて、読み終わったあと気持ちがスッキリするようなそんな1冊でした。

それぞれの登場人物の女性が、旅を通じて人との出会いやそこから得るもの、自然のすばらしさを感じる作品で、スマホや現代社会では得られない素敵なものを旅は与えてくれると気づいた。

今すぐにでも自然豊かな北海道に行きたいです!
ハーレーが繋ぐ人との繋がりも感じることが出来た!

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

いろいろ行き詰まっている女性の話。
爽やかな短編集。今の私にはキラキラしすぎていたかも。くさっている自分の考えに少しでも変化があるといいな。
もう少し心が落ち着いたらまた読みたい。

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2025年07月19日

匿名

購入済み

一流企業に勤めている女性達。仕事に行き詰まって旅に出る。皆んな最初はピリピリしていてるが、旅先での出会いで何かを吹っ切れて帰る。素敵な旅です。

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2024年10月31日

購入済み

何気ないのに元気がもらえる

いくつかの短編集のような構成で、それぞれ女性が主人公のお話。

印象深いのはやはり、ハーレーバイクに跨りどこまでも走る「サイハテ」乗りのナギちゃんのお話。
耳が不自由な彼女だが、そんなハンデをものともしない活発さと積極的な行動から元気が貰える。

また、他の短編も旅行に関するものであった。
この本を読んでいると旅って良いよなぁとしみじみと感じる。

#ほのぼの #癒やされる

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2024年08月16日

購入済み

仕事に疲れた女性におすすめ

久しぶりに原田マハさん読みましたが、さすがの文章力、そして絵画的な描写が素晴らしく美しかったです。聴覚障害については少し夢見すぎではないかと思ってしまったけれど…

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2024年06月30日

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