• 扉は閉ざされたまま
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    刑事コロンボを彷彿

    最初に主人公である犯人と犯行が明かされて、主人公の元恋人である天才研究者と手に汗握る謎解き攻防が繰り広げられる。同窓7人のキャラクターが明快で現実感があり不自然ではなく話に広がりが生じ好感が持てる。殺人動機が最後まで分からず、そこがこの物語のキモ。情熱があって冷たくない主人公と情熱があって冷たい元恋人との感情が別れの原因という表現が新しい。その後二人がどうなったかが書かれておらず読者の想像に任せていて余韻が残る。

    #切ない #ドキドキハラハラ #共感する

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    2025年11月23日
  • 神狩り
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    連想コンピュータって

    ミステリー以外のものも読みたいと思い買ってみた。50年前の執筆だけど古臭くはない。コンピュータ翻訳の若い研究者が主人公ですが登場する連想コンピュータって現在の機械学習、AIの原型でしょうか。
    神が人間をいたぶって楽しんでいるというなんとも不思議な表現は斬新だけど違和感はぬぐえないかな。イエスを殺したのも神って。最後は火星まで登場して壮大だけど終わり方はすっきりしない。しかしSFとはいえ宗教とは神とはと考えたこともない感覚で接したのは記憶に残る小説です。

    #深い #シュール #ダーク

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    2025年10月27日
  • 茜さす(上)
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    50年経てかえって新鮮

    1980年当時の主人公がちょうどそのころの自分の年齢に近く、その時代を生きてきた人生を振り返って感慨にふけった。作者は自分の母親と同じ世代、大した筆の力だなと感心した。結婚とは何だろうか、生きる目的とは、飛鳥時代と1980年代さらに今の若者は変わってしまったところと人間の本質は変わらないというところと実に面白かった。現代の結婚のかなりの部分はマッチングアプリだとか。
    飛鳥時代のことは歴史の番組等で知ってはいたが、持統天皇が実の叔父と結婚していたとはびっくら仰天である。遺伝子にゆがみが生じて短命な皇族もいたのかなとも。オス猫は近親相姦を避けるためにその地を去ることが本能に埋め込まれてるとか。この

    #深い #シュール #タメになる

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    2025年10月03日
  • 成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫)
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    新鮮だった

    今まで出会ったことがない女性が繰り広げる青春群像。まわりの登場人物が逆にいるいるこんな人という秀逸な展開も見事。映像化するなら成瀬は原菜乃華か蒔田彩珠か、なんて思いました。

    #癒やされる #萌え #スカッとする

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    2025年08月11日
  • 爆弾【電子限定特典付き】
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    映画も楽しみ

    はじめのうちスズキタゴサクのグダグダした会話に少しウンザリしたが、次第に読者もだんだん事件に巻き込まれる感じが。
    今まで読んだことのない実に不思議な推理小説であるがこの世の実態をよく表している気もする緻密な表現はたいしたものである。
    映画でスズキタゴサクを誰が演じるのかと思っていたらフジTVのCMに佐藤二朗の顔が出て、さもありなんと。

    #ドキドキハラハラ #シュール #ダーク

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    2025年04月28日
  • 変な家 文庫版
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    寝る前に読むなゾーッとして…

    何の変哲もない間取り図が読むにつれて、恐怖がじわーっと湧き上がって、ページをめくるとゾーッとして震えが来て眠れなくなる。
    真夏に読めばよかった。今まで出会ったことのない小説、オリジナリティーはすばらしい。

    #ドキドキハラハラ #シュール #怖い

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    2025年02月16日
  • 天国はまだ遠く
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    現代の生きずらさと旅立ち

    保険業界に身を置いた経験から、そうだよねと思わせる書き出し。逃げることは悪くないという内容が不自然でなく無理なく表現されている。
    恋愛小説ではないこともそうさせているのでしょう。一番記憶に残るのは主人公より民宿の主人です、ぜひその振る舞いを読んでお楽しみください。
    著者が中学の国語教師をやっていて田舎に赴任した実体験をもとに書かれたというのも納得。
    個々人と家という主体単位のとらえ方が欧米とは違うということも思い起こされ、今昭和100年、次の100年は日本人はどのように進んでゆくのでしょうか、そんなことも考えさせられました。

    #ほのぼの #癒やされる #共感する

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    2025年02月03日
  • さいはての彼女
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    少女ナギの魅力に完敗

    キャリアウーマンが自分はえらいと思い込むようになって壁にぶち当たり、意図しない旅に。
    そこでとても魅力的な少女と出会い再生してゆく物語
    少女ナギがとても魅力的に描かれていて心に突き刺さった
    ハーレーダビットソンへの愛で結ばれた人々も生き生きしていて読んでいて気分が良い

    #胸キュン #アツい #癒やされる

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    2024年10月11日
  • 漢方小説
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    実録漢方

    31歳女性脚本家が体調不良と向き合う実録漢方。といってもまわりの登場人物が個性的で生き生きとしていて読んでいて気分がよい。
    漢方は病気を治すのではなく体の弱いところを見つけて漢方薬を組み合わせて処方し改善してゆく。
    人間はシーソーのように体や精神の5つの要素のバランスが崩れて不調をきたすということのようだ。
    自分は夏バテに効く『補中益気湯』を町の内科で処方されたが、この本を読んで主人公と同じ体験をしたようで興味深かった。
    最後に主人公が対人関係の向き合い方まで変わり元気になるのがうれしかった。

    #癒やされる #タメになる #共感する

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    2024年09月18日
  • 珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を【電子版イラスト特典付】
    購入済み

    各キャラクター最高

    弱っちいアオヤマもするどい美星も最高のキャラ。どんどん次を読みたくなる。書き出しが緻密な文章で頭をフル回転して理解しないとついてゆけないが最後にとてもスッキリするのがまた良い。美星の苗字がキリマンジャロからきている切間、大叔父の藻川がモカって気がついた時、コーヒーのうんちくが毎章多数書かれていますが、これもかって納得。

    #胸キュン #ハッピー #癒やされる

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    2024年08月14日
  • 雲と風と ――伝教大師最澄の生涯
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    小説というより研究発表

    昔日本史の暗記にてんさい・しんくう(天台宗最澄・真言宗空海)と覚えたのが懐かしくて購入してみました。
    読んでみると様々な文献や仏教系の大学、中国現地にまで足を運んだ日本史の研究発表の様相でした。
    しかし、つまらないという訳ではなく宗教とは何か日本国はどのように出来上がってきたのかと考えさせられ深く心に残りました。
    特に奈良・平安時代僧侶は国家公務員だったといった表現とか長岡京遷都の理由は僧侶道鏡の悪事等による腐敗であるが比叡山ものちに僧兵やら金権争いやらおかしくなったが法然や親鸞、日蓮等が出現して未来が開けたという記述が興味深かった。
    これを読んでイスラム国家の憲法はイスラム法典であるという意

    #深い #タメになる #共感する

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    2024年02月22日
  • 隣の席の佐藤さん(一二三文庫)1
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    高校生の初々しさ爆発

    50年前の風景が頭をよぎりました。今の高校生も時代は変わっても本質は変わっていないなって。
    青春っていいものですね。そんな気にさせる今まで読んだことのない新しさを感じる小説でした。

    #胸キュン #癒やされる #切ない

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    2024年01月13日
  • ナオミとカナコ
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    スリル感たっぷり

    百貨店や銀行の内情が生々しく表現されていて実に面白かった
    中国人の分析が見事
    女性心理の表現がさもありなんというか自然に描けている
    オリンピックの身代金の次に読んだが作者のトップクラスの作品です

    #ドキドキハラハラ #深い

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    2023年09月28日
  • オリンピックの身代金(上)
    購入済み

    あの頃の情景がありありと浮かぶ

    1964年 自分が小学校5年だったころの思い出が小説の情景と重なる。
    平易で見事な描写である。
    構成もすばらしい。
    伊良部シリーズも昔読んだが、さすが著者の最高傑作の呼び名にふさわしい。

    #感動する #深い #タメになる

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    2023年06月24日
  • AX アックス
    ネタバレ 購入済み

    不思議な家族愛

    なんとも不思議な家族愛を感じて、人間とは如何に多様なものかと思わざるを得ませんでした。
    登場人物のキャラクターづくりが見事ですね。
    蟷螂の斧というキーワードがじわーっと心に染みました。
    最後の数ページがあれって感じ。どなたか意味合いを教えてください。

    #ドキドキハラハラ #深い #シュール

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    2023年06月13日