あらすじ
加藤ローサ、徳井義実(チュートリアル)主演の映画原作。もう、これ以上あの日々を続けることには耐えられない。上司のお小言。同僚の嫌味。毎日の生活。これを飲めば、あの日々から解放されるのだ。それを思えば、死ぬことなんて怖くない。そう言い聞かせ、睡眠薬を飲んだ私は、布団に入り固く眼を閉じた――。が、目覚めは爽快。やばい。すごくやばい。しくじってしまった。自殺は失敗だ!! どうすればいいんだろう……!? 無器用にしか生きられないあなたに贈る清爽な旅立ちの物語。
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Posted by ブクログ
自殺を考え、自分のことを誰も知らない遠くの地の民宿で決行しようとするという、重い感じで始まりますが。。
何を書いても、ネタバレになってしまいそうですが(笑)後先を考えるのが苦手な主人公、明るい未来に幸あれ!ですね。
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一気読みしました。
主人公の歳と23歳のわたしが、職業一緒で
すごい気持ちが重なり読み込んでしまいました。
1ヶ月何も考えずに、身体と心を休めて誰も知らない自然豊かな地で休むのはリセットされていいなと。
民宿たむらさんも、温かい人で。
とても良かったです。
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スマホ中心の自分に刺さる話。
田舎の食事や風景、人々が温かくて、どこか少し冷たい。
繊細とか気が弱いとか言うけど、えらい率直やし、適当にわがままやし、ほんま気楽な人やで。と千鶴に言う田村さん、自分に言ってるのかと思うほど見透かされたような言葉が頭に残った。
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自分の今の現状に疲れた時、ここまで思い切った行動に出るのは難しいかも知れないけれど、どこかに出掛けて普段見ないものや触れないものに触れて色々な経験をすることで気持ちが軽くなったり、新しい視点が生まれたりもするのかなーと思った。田村さんの不器用だけど温かさのある人間性に魅了された。
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自殺目的で仕事もアパートも片付けて訪れた山の中の民宿での暮らしは一月足らずなのにとても濃い時間でした。瀬尾まいこさんが教師として過ごした同じような地域での暮らし参考に作られたものでした。なんでも揃う街の生活も良し、何も無いけど大自然の中で工夫して身体を動かして豊さを得られる暮らしも良し。主人公の千鶴は山奥の民宿での田村さんとの時間に癒されていき、結婚して民宿で共に暮らすのかと思いきや、自分がやるべきなのは違うと一念発起し山を降りやり直すことにする。その後の千鶴を思い私なりの後日談を考えてみまたくなりました。
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2日で読み終わってしまった。
自分と主人公の考え方、感じ方、行動にすごく重なる部分があったので心地よかった。
一つ一つの経験を通じて、自分とゆっくり向き合い、繊細な感性を持つからこそ気づける生活の中の綺麗さ、喜びなどを実感するところが素敵だなと思った。
「あんた、自分のこと繊細やとか、気が弱いとか言うとるけど、えらい率直やし、適当にわがままやし、ほんま気楽な人やで」
「ほめてるんやで。あんたみたいな人は、長生きするわ」
これを言われて落ち込まないところに、主人公の田村さんへの信頼が培われていたことが現れていると思う。自分の考え方に必要以上に「〜べきだ」と干渉せず、でも生きることを実感できる美味しい食事をきちんと用意してくれる。そんな田村さんに心地良さを感じたのかな。終わり方も綺麗でした。読んで良かったです。
共感がたくさん
自殺しようと思いつめている主人公、でも文章は軽やかさがあって重苦しい気持ちにはならずスラスラと読めました。会社に行きたくない主人公のこれまでの日常生活、感情、疲れ果ててしまった背景が描かれていましたが、言葉は簡潔であっさりとしているのに、疲れ果ててしまうまでの過程にとても共感してしまいました。わかるわかる、そうそうって思いながら泣きそうになりました。
死にたくなったり、自然の中でのんびりすることで人の心が回復していくというのは自分の経験とも重なる部分があり、さあこれから自分の足で歩いていかなくちゃ、と踏み出そうとしている主人公に自分を重ねて読み終えました。
根拠はないけれど何となく、何かがうまくいきそうな気がします。今このタイミングでこの本を読んだのも何かのご縁だなと思いました。
スラスラ読めた!
読み始めたら止まりませんでした。
2人の独特な関係性が読んでいてとても心地良かったです!人間は環境の変化で大きく変わる事ができるのだなと思いました。
とてもおすすめの一冊です。
Posted by ブクログ
疲れたら休めばいい
どうしてこんな簡単なことが難しく感じてしまうんでしょうか。
日々一生懸命に生きすぎて、息がしにくいと感じる人も多いと思いますが、
この世界にあるのは、だだっ広く広がる空や生い茂る木々や吹き抜ける風。全て縛りなんかない、まさに"自然"とはこのこと。
私たち人間も自然の一部なんだから、きっと仲間に入れてもらえるはず^_^
Posted by ブクログ
死に向かおうとしていた千鶴が、最後には生に向かって歩んでいく変化がとても良かった。田村さんは無骨だけど優しさに溢れていて、海釣りに連れて行ったり鶏小屋に連れて行ったり飲みに連れて行ったり、そういうのが少しずつ本来の千鶴を目覚めさせたというか、気づかせたというか、そんな感じだった。最後には千鶴が都会に戻るためにお別れをするけど、別れ方も田村さんっぽいなあって思った。
大量の睡眠薬飲んで丸一日寝て起きたのは笑った。
Posted by ブクログ
ものすごくドラマチックな何かは起きないけれど、なんかいいなぁって気持ちになれるお話。
みんな色々悩んだりはするけど、美味しいもの食べて、夜しっかり寝て、毎日散歩してたらなかなか死にたいという発想まではいかないものよね。
もし今後死にたいって人に出会ったら、カウンセリングとかよりまず美味しいものと寝心地の良い布団を提供しようと思った。
Posted by ブクログ
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仕事も人間関係も上手くいかず自殺を企む23歳の千鶴は、
辿り着いた山奥の民宿で睡眠薬を飲むが、失敗してしまう。
大自然や、民主田村の大雑把さや、大らかな村人に癒され、
少しずつ変化し、また、自分の居場所を見つめ直していく。
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瀬尾さんの作品はこれで三作目。今まではしっくり来ずで。
でもこれは好きでした。ベタな話かもだけど、とても好き。
(長編を読んだ後で、短くサクッと読める感じも良かった!)
まず、仕事が嫌で、嫌で嫌で嫌で、とてつもなく共感。苦笑
他人からしたら「そんなことで?」と言われるかもだけど、
渦中にいると、周りなんて見えない、周りなんて関係ない。
とにかく現状から逃れたい一心で、死に場所を求める千鶴。
電車に乗り、タクシーに乗り、とにかく北の、奥の、端へ。
人里離れた山村、民宿、見た目も行動も大雑把な田村さん、
連なる山々、揺れる木々、満天の星空、美味しそうなご飯、
真っ暗で恐ろしい海、朝焼け、鶏小屋、おおらかな村人達、
とにかく情景が浮かぶような描写にすっかり和んだ私。笑
そして千鶴も案外とぼけた人物で、つっこみどころ満載。
(後に田村さんから率直で素直でわがままで気楽と言われる)
田村さんとの掛け合いもまるで漫才のようで笑ってしまう。
気付けば森の中で「んんん〜…!!」と伸びをしてる気分。
やっぱり自然て大事!!!本当に!!!笑
でもこれって、本当、一ヶ月未満くらいのお話なんだよね。
でもこれ以上いたら、自分の居場所を見失ってしまうんだ。
素敵な場所、がイコール自分の居るべき場所とは限らない。
ぬるま湯は気持ち良いけれど、そこに浸かっていては駄目。
悟るにはまだ早い、見極めるのには、千鶴はまだ若過ぎる。
誰かの日常に乗っかるのではなく、自分で作っていくのだ。
うーん、ほっとひと息出来る、読後感爽やかなお話でした。
また読み返したいな。疲れた時にもクスッと笑えるように。
千鶴がまたいつか、民宿たむらを訪れるみたいに。
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加藤ローサとチュートリアル徳井で映画化されてたなんて!
まさかのまさか!徳井!?え!?ちょ、格好良過ぎる!!!
(若かりし頃の徳井、だいすきだった、、、笑)
本当の本当にもっっっさりとした図体のデカい無頓着な男と
暗くて静かで深い深い山の奥の人里と断絶されたような田舎
を、想像してたんだけど随分小綺麗だな!?(YouTube見た)
待って、徳井だったら話変わってくるよ、ラブだよ(え)笑、
映画でもなんだか素敵な仕上がりぽくて評価高いらしいが、
若い徳井が相手なら一気にラブ展開になるでしょうが!!!
(落ち着け自分) ……ちなみに、
私なら…千鶴は多部ちゃん(多部ちゃん好き過ぎ)、
田村さんは、一ノ瀬ワタル(ガチ過ぎ?笑)か、汚い伊藤英明
それか画面映え考えてめちゃガタイ良くした鈴木亮平?笑
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これの感想投稿してなかったびっくり。。。
Posted by ブクログ
大好きな瀬尾さんの本は、ほぼ制覇したと思っていましたが、
見覚えのない本を見つけて
うれしくてすぐに購入してしまいました。
題名からなんとなく想像がつく
内容だとは思いながら
読みはじめると
題名の感じより、すごくコミカルな感じがたくさんあって
あっという間に読んでしまいました。
ストーリー
主人公は
何もかも嫌になってどうでもよくなり死ぬつもりで来た地で、
出会った民宿の田村さんをはじめ
あふれんばかりの自然に癒され
自分を取り戻していく。
繊細そうな子なのかなぁとおもっていたら、すごくマイペースで
ちょっとどんくさくてでもすごくかわいい主人公と大雑把だけど優しい田村さんのやりとりに何度も笑って何度も癒されました。
やっぱり瀬尾さんのお話大好きです。
Posted by ブクログ
なにこれ?
まるで過去わたしを見ているようだ。
喉の辺りが、詰まって苦しい。
とりあえず北へ向かおう。
遠くへ遠くへ行く。
物理的に離れることって、大事。
今なら分かる。
でも、その時にはわからなかった。
もう死ぬしかないって、思っていた。
だけど違った。
死にたくなったら、遠くへ行って。
死にたくなったら、歩いてみて。
それでもダメなら、読んでみて。
Posted by ブクログ
サクッと読めました。美しい自然や、美味しそうな食べ物はもちろんですが、田村さんの、あまり表に出てくることがない心情を考察するのも面白かったです。
短いながらに詰め込まれた作品だと思いました。
Posted by ブクログ
好きな場所で感覚を幸福で満たしてくれる地であってもそこが自分の在るべき場所とは限らない
残酷だけど事実として、こういう事は多くあって
物語を通してそれを改めて知ることができた。
おそらくこの話の舞台となっているのは、丹後半島の世屋周辺だと思われるが、私自身ここに訪ねたことがあって、春の朗らかな空気感も相まってとても良い心地で過ごしたのを思い出した。
Posted by ブクログ
初期の瀬尾作品は暗いユーモアとしっとりとした文体が特徴なのかな。救われるけど、明るくない。
終始感情移入というか千鶴さんと自分が重なる場面が多く、読んでいて辛い時もあったけど、同じように今のままじゃいられない日が来る予感がした。
冒頭から終わりまで、うつ病で人生の休憩が必要になった人の生き様を切り取って見せているようで、その心理描写が生々しくすごかった。
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仕事や人間関係に疲れ果てたときに読むと、ホッとできるお守りみたいな本だと思った。大らかな田村さんと素直な主人公の会話が、見ていてクスッと笑えるリアルな掛け合いですんなり読めた。何か大きな出来事が起こるわけではないが、良い意味で何も考えず惰性で読める1冊。
私も何もない田舎でのんびり過ごしたいと思うことはあるけど、主人公のようになんとなく終の住処にはできず結局帰ってきそう。でも、ふとした時にまた行こうと思える「第二の家」のような居場所があるのも大切だなと思った。
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何十年かけても変わらないこともあるけど、きっかけさえあれば、気持ちも身体もいとも簡単に変化する。それにもっと敏感に対応していかないといけない。
/辛い現実から逃れた先で触れた人々の温もりで人生を再スタートする話。
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瀬尾まいこ先生の小説は心がしんどくなった時に読むと癒されて、どこかでクスッと笑えて、いつのまにか少し心が楽になる、ビタミン剤のような小説だと思っています。このお話の主人公もしんどさを感じて最初自殺を考えますが、そこから田村さんとの生活を通して復活し、また前向きに生きていく姿に勇気づけられました。
現代の生きずらさと旅立ち
保険業界に身を置いた経験から、そうだよねと思わせる書き出し。逃げることは悪くないという内容が不自然でなく無理なく表現されている。
恋愛小説ではないこともそうさせているのでしょう。一番記憶に残るのは主人公より民宿の主人です、ぜひその振る舞いを読んでお楽しみください。
著者が中学の国語教師をやっていて田舎に赴任した実体験をもとに書かれたというのも納得。
個々人と家という主体単位のとらえ方が欧米とは違うということも思い起こされ、今昭和100年、次の100年は日本人はどのように進んでゆくのでしょうか、そんなことも考えさせられました。
Posted by ブクログ
いつもの瀬尾さんのやさしさに触れたいと思い、
読み始めたのだけど、あまりにも話しの内容が暗い。
途中でやめてしまった。
最後まで読めばまた違ったかもしれないが?
Posted by ブクログ
仕事につかれて死のうと思ってたどり着いた民宿。
山と海、自然しかみるものがない集落で生きなおすというと壮大過ぎるいいまわしかもしれないけどゆっくり生きる力を取り戻していく様にしんみりした。
Posted by ブクログ
なかなか自分は仕事をスパッと辞めて田舎へ行くという、思い切った行動はできないが、できたらいいなあと思いながら、読んだ。
そんなに山もなく、でも読み応えのあった話。
Posted by ブクログ
初心者の私でもさくさく読めました。
主人公の葛藤や、田舎での暮らしの中で徐々に取り戻していく感覚がふんわり伝わってきて、最後は心が温かくなるのと同時に寂しくて冷たくなると感じた。
Posted by ブクログ
主人公が死にたいまで追い詰められていたとはいえ、
かなりポジティブ思考で驚いた。ただそのポジティブ思考が本来の彼女の性格なのかもしれない。悩んだり追い詰められたり自分を見失いそうな時、漠然とどこか遠くへ行きたいなと思うことが人生で多々ある。その先の理想を表してくれていたけど、それと同時に理想の中では変われないということも教えてくれた。重くなくてサラッと読めた。
Posted by ブクログ
瀬尾まい子さん大好き、毎度のことながら。
200ページ未満の短い本なのでサクッと読めます。
コテコテミステリーを読んだあとだったので、より瀬尾さんの良さを味わえたかも。
真逆を体験してゆっくりと元に戻っていく様子で、
劇的なことは起こらないけど、
みんな良心的で気持ちいい、胡散臭くない、自然。
2人の感じ、とっても良かった
自分の思う自分て、人から見たら正反対ということもあるのかもなぁ
Posted by ブクログ
全てが嫌になった時に、リゾートホテルではなく「たむら」でのんびり過ごしたい、と思える1冊。
自然を感じて、食べ物に感謝して1日1日丁寧に生きていくこと、大切だな
Posted by ブクログ
死にたいと思ってるとき、ふと見えた空の美しさや季節の草木の匂いに助けられたことがある人は多いのではないでしょうか。
この本はそんな普通の中にある光る瞬間をうまく切り取り描写しています。
Posted by ブクログ
主人こと同じようにしょうもない仕事のゴタゴタを無駄に気にして落ち込んで…を繰り返してたら適応障害になって、でも休むこともできなくて落ち込んでいた時にこの本の紹介を見かけて購入。連休明け直前で鬱々してたけど、全然違う場所に仕事ほっぽり出して1ヶ月くらい逃亡するだけでもだいぶ気が楽になる気がしてきたー。できないけど。
天国はほんとに、まだ、遠く
いつもながら、飄々閉じた語り口に、安心感や心地よさを覚える。変わらなきゃならない人、変わらなくていい人。みんな、それぞれにたくましい。みんな、生きることにたくましい。しょうもないことなんて、どうでもいい。そう、天国なんて、まだまだ、遠いんだから!