【感想・ネタバレ】天国はまだ遠くのレビュー

あらすじ

加藤ローサ、徳井義実(チュートリアル)主演の映画原作。もう、これ以上あの日々を続けることには耐えられない。上司のお小言。同僚の嫌味。毎日の生活。これを飲めば、あの日々から解放されるのだ。それを思えば、死ぬことなんて怖くない。そう言い聞かせ、睡眠薬を飲んだ私は、布団に入り固く眼を閉じた――。が、目覚めは爽快。やばい。すごくやばい。しくじってしまった。自殺は失敗だ!! どうすればいいんだろう……!? 無器用にしか生きられないあなたに贈る清爽な旅立ちの物語。

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共感がたくさん

自殺しようと思いつめている主人公、でも文章は軽やかさがあって重苦しい気持ちにはならずスラスラと読めました。会社に行きたくない主人公のこれまでの日常生活、感情、疲れ果ててしまった背景が描かれていましたが、言葉は簡潔であっさりとしているのに、疲れ果ててしまうまでの過程にとても共感してしまいました。わかるわかる、そうそうって思いながら泣きそうになりました。
死にたくなったり、自然の中でのんびりすることで人の心が回復していくというのは自分の経験とも重なる部分があり、さあこれから自分の足で歩いていかなくちゃ、と踏み出そうとしている主人公に自分を重ねて読み終えました。
根拠はないけれど何となく、何かがうまくいきそうな気がします。今このタイミングでこの本を読んだのも何かのご縁だなと思いました。

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2020年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

のんびりしっとり。
死を決意していた主人公が、結局死ぬことには失敗して、しばらく田舎の宿で過ごす。

すごくゆったりと気が流れているような、主人公と一緒にのんびり過ごしているような気分になった。

何か大きなことが起こるわけでもなく、ただ、田村さんと主人公が宿で過ごす日々が書かれているんだけど、それがなんとなくあったかさを感じる。

疲れた時に読みたいと思った。

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2026年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすかった。
ここでずっと過ごすのかと思って読み進めていたが、ここは私の居場所ではないと判断し戻っていったのが予想外だった。
別の場所に行くことだけが全てではないし、人には人の居場所があると感じた結末だった。

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2026年07月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

23歳の千鶴、死にたくなるほど仕事にも生活にも疲れきっていたからといって死にたいと思うほど追い詰められていた。その状況は珍しくないけど大概は転職したり自分でなんとか乗り越えていくものだ。すぐに自殺と直結してしまうというのは性格的に生きるのが難しいだろう。自然に囲まれた日々は彼女を再生してくれたと信じたい。そしていつか田村さんと再会して田舎暮らしもいいのではないか。

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2026年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短くてさくっとよめる、ほっこりストーリー。
瀬尾まいこ先生の丹後での生活がモデルとなった物語のようですね。
登場人物が少なく、複雑な時系列もなく、非常に読みやすいです。

社会に揉まれて、人生をもう終わりにしようと、街から田舎にやってきた主人公。
その村での、どこかのんびりとした空気や、暖かな人達、怖がっても否応なくやってくる自然との共生。
自分らしさをどんどん取り戻していくのが微笑ましかったです。
確かに生活しているのに、どこかで夢のように感じ、居心地がいいのにここは自分の場所じゃないとどこかで感じるのがリアルでした。

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2026年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2026/07/19

瀬尾まいこ氏の本を読むのは初めてだったが、勝手に作品に対してやわらかくて、生きていく希望があるような作品の印象を持っていた。

今回、人から勧められてこの本を読んだが、物語のスタートがセンセーショナルなわりに、進行は穏やか、円滑に読み進められる起伏がある揺蕩う波のような内容だった。
穏やかさというのは退屈さを生むが、「一度死んでいるはずだった」ことで、もう一度、ゆっくりと自分と向き合うための充電期間には、それがなかった。

五感で「味わう」ということが生きることに向いている人が、そこを働かせることなく一度死んでしまった話なのだろう、と思う。再生の話であり、回復の話であり、営みの話でもある。

主人公のアパートでの生活が、きっと向いている人もいる。しかし、無機質な「生きていない」暮らしでは、主人公は生きる希望すら無くしてしまうほど消耗していた。好きなことも、味わうことも、自分に向いている生活が行えない。それを自覚できない。

自分に合った息継ぎができないと、苦しくなってしまうのは当然のことで、彼女は民宿での21日間によって、自分なりの息継ぎの仕方を思い出す。文字通り「生活」できていたからなのだろう。
それでも、彼女にとっての天国というのを、一度死んだ身だからこそ、彼女は享受しきれなかった。

p5-l2
一度切ろうと思ったものを引き延ばすのには力がいる。

はじめの主人公の言葉は、本当だった。一度切ろうと思ったものを引き延ばす力を、主人公は田村とあの土地によって蓄えることができた。別れというのは切なかったが、続けたいと思ったものを断ち切るのにも力がいる。

主人公はその力も、この21日間で手に入れたのだろう。だからこそ、もう一度海に出ることができたのだと、私は感じた。

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2026年07月30日

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