あらすじ
※本作品は、幻冬舎単行本『ナオミとカナコ』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美は、あるとき、親友の加奈子が夫・達郎から酷い暴力を受けていることを知った。その顔にドス黒い痣を見た直美は義憤に駆られ、達郎を排除する完全犯罪を夢想し始める。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」。やがて計画は現実味を帯び、入念な準備とリハーサルの後、ついに決行の夜を迎えるが……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
思えばミステリーをあまり読まない私は、
犯行を暴く側の話は読んだことがあるものの、犯行を企てて追われる側の話って読んだこと少ないかも。
奥田英朗さんという一点で読み始めた時はデパート外商部のお話かと思ってたけど、まもなくジェットコースターに乗せられて一気に終着点まで来てしまった感じ。この感覚、いい。
直美は自分の家族のこと、やり直したかったんだろうな、でもそれが子ども故に出来なかったから加奈子と共犯になることで自分の過去もやり直そうとしたんじゃないかな。
加奈子が夫のクリアランスに乗り気になっていったのには正直驚いたけど、おいしい水が飲みたい、って理由が、さすが奥田英朗さんという感じ。
李社長も林さんも、達郎もその家族も、いかにもいそうな感じで全員生き生きとした登場人物。特に陽子が、加奈子に向かってちゃんとしたキャリアも積んでないあんたに私の人生汚されなきゃいけないの、と言った時は唸ってしまった。彼女は自分の人生の汚点になることを全力で避けようとしている。そういうことか!
ところで昔、母子日本へ帰国しようとした際に私のパスポートを見ながらヒソヒソ話されて、荷物検査まで手ぶらで連れ戻された。子どもはその場に残され、パスポートは取られた状態で、有無を言わさず連れて行かれた時は何もなくともかなりドキドキした。荷物検査の場所で、このスーツケースはお前のかと聞かれ、いやマジこんなスーツケース預けてないし、全く知らない、ちゃんとタグ見てくれよ、と強めに言ったらそのまま子どものところに返してくれてパスポートも戻されて出国出来たけど、それ以来出入国のあの瞬間は緊張する。最後のシーンが、途中から自分の体験もリンクしてきてもうドキドキ感半端なかった…
Posted by ブクログ
これは面白い。
しっかりと練られた殺人のはずが、少しづつほころびが出て徐々に追い詰められていく。。。ノンストップサスペンス。
ドラマも見てみたい。
ちょこちょこ出てくる中国人女社長のキャラが良い◎
Posted by ブクログ
カナコのD Vをナオミが知った辺りから、文章のテンポが早くなったような、スピード感に引き込まれた。
こちらもドキドキするというか。一つ一つ追い込まれるごとに一緒に動揺するというか。
陽子がこわい。
お兄ちゃんを狂信的に探す一方で、お兄ちゃんのDVも知っていたってそこに、人間性が現れている。
また、中国人女性の書き方も上手い、嫌な感じ。図々しさがありながら、頼れる魅力があるというような。
DVを受けながら、逃れば良いのに逃げられない感じがリアルにわかった。
私が一番心に残ったのが。ナオミが時計を取り戻しに行く時をきっかけに、仕事が面白くなるところ。
転機の一つはあのタイミング。日々タイミングはあるし、ピンチはチャンスなんだと感じます。
Posted by ブクログ
感情移入ができる!と、言うわけではないのだけど、この寝る間も惜しんでどんどん読み進めてしまうのは何故だろう。
テンポの良いストーリー展開。程よいスリル感。全てが面白くてあっという間に読み終わってしまいました。
Posted by ブクログ
文句なしに面白い、スリル満点
ただ、カナコが、大嫌いな男の遺伝子を持つ子供を即『よし産もう』てなるのはよくわからない。
ふつうに忌まわしい魂だし、一人で育てるのは苦労するよね。。意味不。。
Posted by ブクログ
スリリングな作品。ドキドキしながらめくるページが止まらない。
以前テレビドラマで見てたけどその時も面白かったし、高畑淳子さん演じる李 朱美もすごくよかったなぁと思い出し、原作を読みたくなった。
終わり方は物足りないけど色々想像するのが楽しい。
Posted by ブクログ
この話知ってる…と思ったら昔ドラマで観てたー。でも結末を憶えてなかったからハラハラしながら一気読み。女性2人が主人公だとやっぱり感情移入がすごくて、どっちかといえば私はナオミタイプかも…と思ってからは、ナオミの言動に自分を重ねてドキドキしっぱなしだったし、カナコが時々見せる大胆さには痺れた!結末を忘れた頃また読みたい。あと朱美さんみたいな上司欲しい。
Posted by ブクログ
DV夫の殺人を計画するナオミとカナコの物語。臨場感がすごくて一気に読んじゃいました。2人とも強いオンナで、応援する気持ちが止まらなかったです。敵対する人物たちとの攻防戦が始まってからはもうずっとハラハラドキドキでした。
Posted by ブクログ
おもしろかったです。
読んでいる途中で稚拙な犯行だなと思って読んでいたけど、やっぱり稚拙でしたね。
それがずっとドキドキ、ハラハラさせてくれました。序盤と終盤と違ったドキドキ感がありました。犯行自体はちょっと軽いタッチで描かれています。中国人社会のこととか著者らしい描写だなと思いました。
スリル感たっぷり
百貨店や銀行の内情が生々しく表現されていて実に面白かった
中国人の分析が見事
女性心理の表現がさもありなんというか自然に描けている
オリンピックの身代金の次に読んだが作者のトップクラスの作品です
Posted by ブクログ
これは、昔読んでいた!
読み始めてすぐに気がついたけど、面白いからまた読んでみた。
興奮する!
ハラハラドキドキ。
妹からしたら確かに唯一のお兄ちゃん。
でもDVに気が付いていたのなら助けてやれよ。
ごめんねじゃねーわ。
元カノで前科ありなんだから家族も見て見ぬふりすんなーだわ。
無事に出国できたんだよね?
二人で幸せになってほしいねー。
殺人を肯定しているわけではないけどフィクションだからこその感情ね。
Posted by ブクログ
広末涼子さん主演ドラマのナオミとカナコを思い出したのがきっかけ。
奥田英朗さんの作品だったとは!
展開がわかっていてもハラハラして一気読みしました。
Posted by ブクログ
人を殺すより殺した後の方がずっと大変だ。
だって周りの人に疑われながらも「私は殺してない。何も知らない。」って一生しらばっくれなくてはいけない。いつバレるのか、いつ捕まるのか疑心暗鬼になりながらと毎日怯えて暮らさないといけない。
特に、殺した相手が自分と親しい人間柄なら尚更。
と、いう事を実感した作品でした。
どんなに完璧(?)なプランでもボロは出てくるし、遺族の目はごまかせない。途中で仲間割れとかするんじゃないかとか後半はハラハラしっぱなし!!
いや~、意外な結末でした。
この作品を読んで思った事は、女性は逞しい。
直美も加奈子も人ひとり殺した罪悪感が全くなくて面白かったです笑
特に加奈子はある意味朱美社長より逞しくなった気がします。
朱美社長があんなに良キャラになるとは。この本を通して中国人の文化や考え方が少し知れた気がします。なにより本当に朱美社長や林さんと話してるような臨場感がありました。やっぱり奥田英朗はスゴい。
ナオミとカナコ
最後までハラハラドキドキで一気に読み終えました。
登場する脇役の中国人についての表現が、アクは強いけれど嫌味なく描かれていました。
この著者の作品は初めて読みましたが、他の作品も読んで見たくなりました。
たんたんと、そしてグイグイと
ブロガーマナブさんのオススメで読みました。淡々とした短めの文章で、グイグイ読ませる作品です。サスペンスとして、後半のほころびもエンタメ性が高く、久々に面白い本を読みました。
Posted by ブクログ
韓国ドラマ「わたしが殺した」と並行しながら読んだ。おおまかな内容は同じだが、後半からまるで違う方向に向かう。
本は2014年ドラマは2025年、時代のせいだろうか。10年も前の本なのに古さはあまり感じず読めた。何も改善策がないということか。苦しい。
完璧だったはずの殺人計画。色々偶然が重なって救われたこととなっている。元々の計画も偶然から成り立っている。殺人のきっかけは誰にでも思いつくということか。何度も正当防衛じゃないと思ったが、それではダメだったのだろうか。
Posted by ブクログ
痛快!親友・カナコを夫のDVから救い出すために二人で殺害(クリアランス)、完璧と思った作戦がほころびていく過程で、カナコはどんどん強くなっていきナオミも今まで守ってきた自分の生活を捨ててもいいと思うように。
カナコを殴る夫の達郎はもちろんクソだが、達郎の妹・陽子は更にクソ。カナコへのDVに気づいていながら何もせず、挙句「暴力をふるったかもしれないけど、殺すことはないでしょ!」と。
ナオミが勤めるデパートの外商展示会で出会った李朱美は、最初は高級腕時計を盗んでおきながらしらばっくれる、なんちゅうヤツだと思ったけれど、ナオミが開き直って交渉しだしてからは味方になってくれる。
登場人物がイキイキしていて一気に読んでしまった。
続編があったら読みたい!
Posted by ブクログ
二人の女性のサバイバル小説。
旦那殺害という犯罪を犯すナオミとカナコ。
二人は生き残りをかけて成長していく。物語に登場するリンさんという中国人女社長が良い味出しているなと思った。スリリングな展開に最後まで面白く読むことができた。
匿名
スリル満点でした。カナコが義理の妹に追い詰められてく感じがドキドキハラハラでした。
カナコとナオミは強い女性でした。特にナオミは追い詰められるほどどんどん強くなって。なのでもっと違ったやり方で旦那と闘えたのでは?と、思ってしまいました。この先の2人も気になります。
Posted by ブクログ
かなり厚い本ですが、一気に読めてしまいます。
大方の推理小説では、冷静で計算高い人物が完全犯罪を目指し、それに相対する側も…、という流れなのでしょうが、本作はちょっと毛色が違っています。いわゆる普通の二十代の女性が殺人を犯すのですが、その計画も行動も穴だらけ。足がつくようなミスをちょいちょいやられるので、読んでいるこっち側がヒヤヒヤさせられます。そして、「なんとか逃げ切れー」とついつい応援してしまうというという作り。
また、直美のキャラクターが面白く、学生時代のエピソードとしても語られていますが、正しさを武器に相手に突っ込んでいく性格が随所に現れていて、読んでいてニヤニヤしてしまいます。
ドラマも面白かったけど、原作はさらに面白い。
Posted by ブクログ
続きが気になりスイスイ読みました。
弱い部分を持ちながら最終的には強い女性を奥田さんが書かれています。
2人が同じ視線で支えあって生きていくのは、このシチュエーションでなければ凄く素敵だなと思いました。
一気読みでした。
Posted by ブクログ
続きが気になりスラスラと読み進められる文章でした。
ドラマの演出が印象に残っていて結末は知っていたのですがドキドキしながら読めました。欲を言えば逃げたのか捕まったのか…というドラマの終わり方のほうが好きでした。
Posted by ブクログ
DV夫を友人と殺すお話。
殺されても仕方ないくらいの酷い夫
子供の頃親からのDVにあっていて誰よりも許せないと思ってる友人
どんな理由があっても殺すのはダメなのに夫の母親や夫の妹がこれまたしつこくて、後半は逃げろ!逃げろ!と思ってしまう。
危うい2人の心情がとてもリアルで面白い作品でした。
Posted by ブクログ
すでに読んでいた
気づくのに100ページ以上かかった
ボクは記憶喪失か
とはいえ
最後まで楽しめた
よくできている物語で、面白いと思う
少なくとも、2回読んでも大丈夫
ドラマもあるんだね
Posted by ブクログ
以前観たドラマの原作。ドラマの内容はうろ覚えだったが、読んでいるうちに思い出した。展開は同じだが、中盤から結末にかけては異なっていたので最後まで楽しめた。執念深く追い詰める陽子と、それを強い信念で跳ね除けるカナコ。それを助けるナオミと朱美。最後の逃走シーンはハラハラドキドキした。2人は逃亡先でどのような生活を送るのやら。
圧巻の後半
高校の頃大好きだった奥田さんの本を久しぶりに読んだ
相変わらず、登場人物が感じるストレスの描き方が本当に上手…
後半が特に圧巻で、読む手が止まらなかった
じわじわと追い詰められつつも、
夫から解放されて逞しくなっていくカナコを心のどこかで応援してしまう
最後はわりとあっさり終わってしまったけど、
この2人ならどんな困難も乗り越えていけるのだろうと感じられ、
少ししんみりした
犯人側の視点でハラハラ
犯人側の視点で書かれている作品です。
犯人に共感してしまい追い詰められるたびにハラハラさせられました。
殺人は非現実的なもので普通の精神状態ではなくなったときに起こしてしまうものというイメージがありましたが、この作品では終始殺人に対して淡々としていて、日常の選択の1つのような気にさせられました。
最初は弱々しかった女性が次第に逞しく図太くなっていくのも爽快で、読後感も良かったです。
Posted by ブクログ
止まる暇もない、考え込む暇もない。とにかく殺して逃げるスピード感にこちらも乗せられて、一気に読める。
直美は父親もDVしてたからと言ってなぜそこまでするのかとか、加奈子目線から見たら全然違ってたりしてなんて思ったりもしたけれど、人物像やらどんでん返しやらではなくて、とにかく逃げきれるかどうかを読む小説だった。面白すぎ…!!
Posted by ブクログ
奥田英郎さんの過去作を読んでみた。
帯にもあるように友人と結託してDVの夫を殺めるお話し。
余り興味のある題材ではないのだか、夫を殺すに至る過程、デパートの外商、日本に住んでる中国人の絆の強さなど自分の知らない世界を垣間見れた。
後半部分は、どうにか警察に捕まらないよう応援している自分がいて、まさに一気読みしてしまいました。
Posted by ブクログ
結構ページ数多かったですが、展開が面白くて読みやすくあっという間に読み終わってしましました。
最後の方のスピード感というか、緊迫感は読んでてハラハラしました。
Posted by ブクログ
読みやすい!すぐに読み終わりました。
どちらも爪が甘過ぎてイラッとする場面もありますが頭に描写が浮かびやすくそりゃドラマ化するわといった感想。
ドラマをヒットさせるには視聴者が少しイラッとするところがあるとヒットするのだそう。
李社長の印象が最初と全く変わってこんな人が身近にいたら良いな〜と思ったのとドラマは高畑淳子だそうではまり役すぎてドラマも観たかったな。
本の感想としては最後までハラハラして楽しめました!
Posted by ブクログ
話の設定は面白かったがいまいち感情移入が出来なかった。展開における辻褄(登場人物達がとった行動の理由)が合わないと思う部分が多いと感じた。ラストシーンはハラハラする部分もあり主人公達の焦りもそこそこ伝わってきて面白かったので3点。