小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
久しぶりに近藤さんの小説を読んだ。
念願叶っての海外旅行の添乗員になった女性遥の奮闘記。昔、海外旅行の時に出会った添乗員さんに憧れてと、その世界に飛び込んだものの、理想と現実は違うという現状。
家族で、友人同士で、年配の夫婦、あるいは一人でと、様々な年齢の人たち、それも初対面の人たちをまとめて、満足いく旅行を楽しんでもらおうとすることが、いかに大変なことか。
時に心折れそうな状況にもなりながら、ツアー客に寄り添う姿勢、旅の思い出をいいものにと心を砕く姿に、遥の成長を楽しみに思っていた。
しかし、想像だにしなかった未知なるウイルスの蔓延によって、彼女はあっさり職を失ってしまった。誰にでも -
Posted by ブクログ
島清恋愛文学賞受賞作品。
シスターフッドとして読ませたいのかと思ったけど、恋愛でいいんだね。こんなにも純粋に「誰かを思う気持ち」を描いたと思える作品に出会えるなんて!性愛が絡まないから余計に純粋さが際立って感じられる。
そして何より言葉の選び方、文章表現の仕方が美しい。ストーリーだけでもなく、文章だけでもなく、全体がすごく愛おしい。文学作品を読んだな、という感じ。
一穂ミチのBL作品しか読んだことない人にもぜひ読んでもらいたい。私がBL一穂で好きだと思った要素がギュギュッと詰まってる。
BL出身の作家さんて、文芸は、まあ、一般向けになっちゃったな…みたいなさ、深夜番組がゴールデンになっ -
Posted by ブクログ
会社とか家族とか恋愛とか、現代社会の悩みや苦しみから独立していく女性たちを描いた連作短編集。
本屋さんにふらっと行った日に、なぜか猛烈に原田マハさんの小説を読みたくなって“独立記念日”というタイトルに惹かれて購入。
「ああ、自由になりたいなあ。
今日も、そんなふうに思ってしまった。
このところ、一日一回はそんなことを考えている。いつからそう思うようになったんだろう」
私の心を見透かされたかと思った!
人はいつだって自由なはずだ。生まれながらにして、みんな自由なはずなのに。それなのに、私たちはどうしてこんなに不自由に生きてしまうのだろう、と最近モヤモヤしていた。
明日にでも仕事を辞めて、何 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東野圭吾さんの作品はミステリーの印象が強かったのですが、本作は人と人とのつながりや優しさがじんわりと心に残る物語でした。
物語は、2012年と1970年代を手紙がつなぐ不思議な一夜を軸に進んでいきます。空き巣の途中で廃業したナミヤ雑貨店に身を隠した若者たちが、過去から届く悩み相談の手紙に返事を書くことで、さまざまな人の人生が少しずつ動き出していきます。
登場人物たちはそれぞれ悩みや迷いを抱えていますが、物語が進むにつれて思いがけない形でつながっていく構成が印象的でした。特に、児童養護施設を通じて人物同士が結びついていく展開は、「ここでつながるのか」と驚きながら読む楽しさがあります。
悩み -
-
Posted by ブクログ
ずっと重たくて、読んでいるあいだ中どこか不快感が残る物語。
胸の奥をじわじわ締めつけられるような感覚が続いて、正直しんどいのにページをめくる手が止まらなかった。
タイトルの意味や印象がラストで変化し、
不快感を残しながらも希望を感じさせてくれる作品。
そのわずかな救いの余韻が、静かに心に残る。
医療従事者だからこそ描ける現場の空気や緊張感もリアルで、ただのミステリーではなく現実と地続きの物語を覗いてしまったような重みがあった。
タイトルからいくつも展開を想像して読み進めたのに、辿り着いた場所は想像以上というより、まったく別のところ(笑)
この静かな裏切られ方、好きですね。
散りばめられ -
Posted by ブクログ
ネタバレ春琴のため自らの目まで潰す佐助。それは愛情である一方で己はここまで出来るという優越、春琴に捨てられたくないという執着でもある。
また、火傷により美貌を失いかつての勝ち気な性格も失いつつあった春琴の、ありのまま受け止めるのではなく、対等な関係を拒絶し一層自らを卑下し春琴を敬ったというが、それは、自分が好きだったかつての春琴を取り戻したい佐助の自己満足なのではないかとも思った。
共依存と執着の極地。これは愛の物語ではなく恐ろしいほどに深く強く結びつけられた共依存の話だ。
谷崎潤一郎の作品は時間が経っても心にこびりつくドロドロさがあって好きだな。
-
Posted by ブクログ
癌の闘病記というすごく個人的で具体的な話を、闘病したことがない読者に過不足無く伝える筆力はさすが売れっ子作家というところだろう。
日記を書きながら執筆を始めたということだったが、だからだろう、新鮮な感動や苦悩を読むことができた。著者個人の体調だけでなく、家族の様子や社会の状況を合わせて書き表すことで、よりリアリティが増していた。
バンクーバーに住む日本人女性であること、癌闘病者であること、夫と息子がいること、作家であること、様々な要素で「西加奈子」は作られていて、その心身のオーナーは「西加奈子」自身であることが語られていたと思う。
日本には日本の良さ、バンクーバーにはバンクーバーの良さが
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。