小説・文芸の高評価レビュー
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スーパーセックスワールドって言葉何回出てきたかな?笑
読んで良かった 救われた 知らない世界も知れた
善悪の基準って曖昧だよなぁ
無いことを証明するのって難しい
「私偏見とかないから」って言葉便利で優しげな言葉っぽいけど、実は暴力的な言葉なのかもしれない 偏見は誰の中にもきっとある 隠しきれず出る。それを自覚していたいなと思った。
美織さん好きだったなぁ 最後の会話が良かった。ただ己の欲望だけでお金を集めてただけじゃなかった。たぶん。ハッピーエンド。人には人の天国がある。それをちゃんと大切にしていきたい。
主人公の行動力すごい 色んな人にすぐ会いに行くし、すぐ電話もかけるし 亡くなった人の部屋 -
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「あの本、読みました?」という番組の中で、鈴木保奈美さんが「朝ドラみたい!」と仰っていたが、言い得て妙。まさにそんな感じの小説だった。
元やり投げの選手で「男女」とも言われるほど体格のよい悌子。一方、身体が弱く細く、そのため戦争に行くこともなく、後ろ指を指されながらブラブラしている権蔵。
この二人を中心に物語は交互に進んでいく。
舞台は東京、武蔵野。時代は昭和初期から戦後まで。時にクスリと笑えて、時に涙ぐみ、読み終わった時には「ああ~この続きが知りたい・・」と思ってしまった。556ページの大作だが、あっという間に読み終えた。気づけば半徹夜。
分かりやすいヒール役は教頭先生とモブの子供た -
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ネタバレ有名なシリアルキラーを彷彿とさせる、外面が良く知能も高いサイコパス殺人鬼を描いた作品。引き込まれすぎて、一日で一気読みしてしまった。
読み進めるうちに、気付けば私自身も主人公・雅也と同じように榛村のペースに乗せられていて、そのことにハッとした瞬間が一番怖かった。特に印象的だったのは、雅也が「自分は榛村の子どもなのでは」と思い込み、その仮説で物語のすべてが辻褄よく説明できてしまっていた点。だが結局、それすら榛村の気まぐれによる嘘であり、彼が面白がって張り巡らせた罠にすぎなかったと判明する。
面会を重ねるうちに雅也の性格が少しずつ変質していく描写もリアルで、血の繋がりがないにもかかわらず、ただた -
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ネタバレ
インジェラアレルギーから始まったエチオピアへの旅。
ビザが取れない、長い長い道のり、未知なる酒"チャガ"、ヤラセ村・ホルテ村の人々、未知なる酒"パルショータ"、未だ続く村同士の抗争etc.
高野さんの喋り口調が思い起こされながら読み進めました。
エチオピアに入ってから出会った人々のことや口にしたもの、目に入った景色が、自分がリアルに体験したことのように感じられて、没入感マックスで読めました!
アルマズがコーディネーターとして働ける日も近いのかな?
村同士の抗争で"焼き討ち"が未だに行われているというのに、不謹慎にも笑ってしまった -
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読み終えてまず感じたのは、「ここまでのすべてが無駄ではなかった」という深い充実感でした。一心のような過酷な人生を自分が歩むことはありませんが、それでも彼の姿勢は、自分も前向きに生きようと思わせてくれます。
最終巻でも一心には次々と苦難が襲いかかり、罠にはめられ、ついには左遷まで経験します。それでも折れず、絶望に沈まず、生き続ける。その強さには本当に胸を打たれました。そして、今まで生きてきた事がようやく報われていく場面には、読んでいる自分まで救われたような気持ちになります。
タイトルの「大地の子」が回収されるのは本当に最後の最後。一心が中国に残ることを決断した瞬間、彼の歩んできた道と、その先 -
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ネタバレこれがデビュー作だなんて信じられないくらい良かった。
よい生活をするためにはよい思想を持つ必要がある。物騒なことやネガティブな考えを抱いては自分の価値が下がるなんて、ゆるやかな思想統制に違いなかった。
でも労働のない安心安全な暮らしは多くの人間が望むものだろうとも思えるので、それを求める気持ちも分からなくはない。思想の自由と犯罪を事前に取り除いた社会、比べることのできないこのふたつの狭間で悩まされる読書となった。
章ごとに視点が変わっていくところが特に良かった。さまざまな立場の人間のさまざまな選択と主張から、リゾートの何が問題なのかが見えてくる。人類全員が同じ考えを持つことはできないからこそ対 -
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加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
星をめぐる七つの物語が最後にはファンタジーあふれる希望の物語になります。もちろん加納さんですから、ミステリーも含まれていますから、読み応えのある素敵な短編連作です。
目次
南十字に会いに行く
星は、すばる
箱庭に降る星は
木星荘のヴィーナス
孤舟よ星の海を征け
星の子
リフトオフ
解説 杉江松恋
さすが、加納朋子さん、物語構成が素晴らしいですね。短編をバラバラで読むと一見関連が無いように見えますが、すべてが最後の『リフトオフ』でしっかり繋がります。もちろん、伏線はちゃんと用意されています -
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とんでもない作品を読んでしまったな…と感じる小説は年に数回出会うのですが、本作はまさにそれでした。
間違いなく今年ベストです。
村田沙耶香作品が大好きなのでいろいろ読み進めているのですが、これまでの作品の中で最も考えさせられました。
「消費される側」と「消費する側」の立場と思想について、繰り返し読者に投げかけられます。
SFのようでいて現実とリンクしている絶妙な世界観です。
主人公は元々感情のない人物でしたが、成長するにつれて様々な人と出会い共鳴し、感情のような性格のような何かしらの人格形成を果たしていきます。
感情がないとはいえ「嫌なこと」は元からハッキリしています。
そしてそれは女性ならば -
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「さいはての彼女」を読んでいると、まるで自分も一緒に旅をしているような気分になりました。主人公と同じ景色を見て、同じ空気を吸い、一緒に心を洗浄して、一緒に大事なことに気づいているような感覚がありました。実際にその景色を自分の目で見たくなり、「いつか私も一人旅をしてみたい」と心から思えました。
仕事、付き合い、家事……毎日の生活にはしんどいことや辛いことが多いけれど、それでも頑張っていたい。そんな気持ちをそっと肯定してくれるような物語で、張りつめていた生活の中で少しだけ気を緩めて、あたたかい人に出会い、思わず深呼吸したくなるような風景に触れて、いろいろ感じる時間は誰にだって必要なんだと気づかせ