小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かった!
日航機墜落事故を追う記者たちの衝突や心の葛藤、それぞれのエゴのぶつかり合いが描かれていて、生々しい感情が出てくる度にドキッとした。
でもその生々しさがこの小説の醍醐味だったな、と思った。悠木の心の揺れがとても人間臭くて、でも共感できる部分が多かった。
そして佐山の心の動きも良かったな、と思う。最終的に自身の子供に悠木の名前を文字って名付けているのも涙腺が緩んだ。
読み返すとするならば、悠木が退職するのを周りの人達が止めるシーン、あの場面に至るまでの人間関係も相まって、とても胸が熱くなった。
カクさんがずっと好きだった。読めてよかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ衝撃の展開ながらもサクサク読める。
だが情報量が凄い。それぞれの思惑が絡み合って、統治するのって本当しんどいだろうな、という感想。
単行本の表紙も印象的だが、文庫本の表紙も印象的。
280ページの「あーあ。 だから、駄目だと言ったのに。」
何が駄目なのか。自分の読解力の低さが恨めしい。
己の性格上、忠誠を誓った行動が駄目だったのか、
己の性格上、他者の想い渦巻く中央に身を置く進路自体が駄目だったのか、
垂氷で生涯を終える事が、己にとっては一番の選択だったのか。。
長束の「お前は落ち込んだりしないのか?」という投げかけもしんどい。
浜木綿の「お前はだたの一度だって、奈月彦を選ばなかった」 -
Posted by ブクログ
最近、職場でCopilotが推奨された。相談事を入れてみると、まずは共感してくれる。
「それはお困りですね。」「よくそこに気づきましたね。」「あなたがそう考えるのも、もっともです。」
これは良い。人は潜在的に共感を求めており、先に進む。回答内容も多岐に亘り、いずれを選んだ場合のメリット、デメリットも紹介されている。人間の話は、あっちこっちに思考が飛ぶため、こうは整理されていない。Copilotの方が、よほどわかりやすい。素晴らしい。うまく活用すれば、時間短縮に繋がる。
ただ、最近もてはやされているAIは、いい事ばかりではない。翻訳ソフトは、生来の日本語に比べれば、ややぎこちない。時 -
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ネタバレオーディブルにて。
書評などで高評価だった作品に年末年始にチャレンジ。
性被害、告発、SNS拡散によって、人はこんなにもダメージを受けるのか。
性は個人的なもので、内面的なもの。
お互いの同意があり、お互いリスペクトや思いやりがあれば尊い行為なのに、性欲を満たすため、あるいは支配欲、自己顕示欲、単なる憂さ晴らしが入ってくると悲惨なものになる。相手を傷つけ、自分も傷つく。性行為は体だけでなく心にも直結する。
本書はそこに、告発やSNS拡散が加わる。
どんな告発や暴露も、される側は大きな痛手だが、性に関することは殊更にセンシティブはもので、たとえよいセックスだとしてもかもされたくないものだし -
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2026年始まりの一冊はブリア・サヴァランの美味礼讃。著書の名前も本のタイトルも知っているけれど、読んだことがなかった。いい意味で期待は裏切られ、想像以上に楽しく読んだ。それは編訳・解説の玉村豊男さんの力によるものが大きい。フランス人の一端も理解するのに役立つ本。食についての本なのに、女性のことがまぁまぁ出てくる。それは日本人の私にはピンとこないのだけど、なるほどフランス人にとっての食事とは恋愛、アムールも含めてのものなのだと改めて思う。また、フランス革命の及ぼした影響も存分に感じられる。まさにそれは革命だったのだと、食を通しても見えてきた。そして、歴史は移ろいでも、人々の食べる楽しみは変わら
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最後のほうに、それまではきちんと分けて書かれていた複数の立場の人の発信を、全部1つのページにごた混ぜに、みんながてんでバラバラなことを言ってるように書かれてるシーンがある。
そこを読んでる瞬間、もうわけがわからなくなって、つまり自分がどの立場からこの話を追ってるのか把握しきれなくなってしまって、大混乱するという体験をした。
もう立っていられない、みたいな。
立っているには視点を定めなきゃいけなくて、視野を狭めることは必要なことなんだとわかる。
本物の気持ちって、「間違っていようが自分はこうしたい」ということかなと思うんだけど、間違いたくなさが圧倒的に上回る。
絶対に間違えちゃいけない時に「 -
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【晴れの日の木馬たち】 原田 マハ 著
これはなかなか良いです。原田マハの育った岡山が舞台で、これまでの画家をベースとしたものではなく小説家の物語。ただ、倉敷紡績社長・大原孫三郎(大原美術館創設者)も登場し、「絵」とまったく無縁ではない構成になっています。
「最後の場面にたどり着いた読者が、悲しい涙を流すのではなく、幸せな笑顔になるような」、そんな小説を書いて欲しいと言われた「山中すてら」。「史実を横糸に、フィクションを縦糸に」書くのが原田マハの持ち味とのことですが、主人公の「山中すてら」という小説家は見当たらず、ご自身の経験をベースに書かれているものと「推察」します。
途中には悲 -
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私立の進学校開成中学の、2018年国語入試に出題された物語が収監されています。
yellowです。
ぜひ読んでみてください。
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大好きな青山美智子さん。
『月の立つ林で』『赤と青のエスキース』に続いて読ませて頂きました。
短編だけど繋がりがあり、心の温まるお話でした。
みんなそれぞれ自分の世界をもがきながら必死に生きている。
ハッとする気付きもあり、思わずウルッと涙が流れる感動の瞬間もあり。
大好きだな、こういう本。
常にカバンの中に入れておいて、時間が空いたら読んでいたい。
心が疲れた時、悲しい時、そしてもちろん、嬉しい時にもおすすめできる本で -
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年末年始の帰省中に読みました。
あっという間に読み終えてしまいました。私はハッピーエンドだと思います。
「普通の幸せって何?」「普通の生き方って何?」を考えさせられました。
結婚して、子どもを産んで、安定した仕事に就く——それが“幸せの形”だと無意識のうちに思い込んでいて、それに苦しんでいる人も多いと思います。
でも主人公のように、コンビニで働くことに喜びを感じ、自分の役割を果たしていると感じられるなら、それは立派な「幸せ」。
誰にも迷惑をかけず、その人自身が満ち足りているなら、それで十分のような気がします。
「仕事は?」「結婚は?」「子どもは?」の話題になりがちな帰省中に読んだのも良か