小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ心に刺さる声がいくつも出てきて手元の付箋を取る手途中で休まらなかった。
心の奥底に静かに重みを持って沈む。
“もう息を止めてあの深い海にたったひとりで潜ることはできないんです。”
胸を突く痛みを伴う淋しさ。
生きること・人生を深く考えさせてくれる作品になりました。
ー以下感銘を受けた文章を本書より抜粋ー
不幸自慢は相手の口を塞ぐ。貧すれど鈍したくはない。
約束なんかしたら、荷物になるやろ。
美しく理想どおりに整った愛などない。歪みこそが愛の本質なのである。
喜びも怒りも哀しみも楽しさも人それぞれで、けれど隣に同じように疲れて、それでも膝をつかない人がいる。
追いかけるのをや -
Posted by ブクログ
個人的にドイツ在住経験があり、趣味で楽器演奏をしているため、演奏者の葛藤や現地の雰囲気を鮮明にイメージしながら楽しんで読むことができた。
しかし、どうしても不思議なのが、著者はこの時代に居たわけでも、恐らく作家であることから海外の音大で学んだ経験もないと思われるのに、何故ここまで繊細かつ活き活きと、人々や情景を描けるのかである。
巻末の解説で朝井リョウさんが「この人、書けないものない系の書き手だ」と評しているのに首肯した次第。深く感銘を受けた。
ストーリーは、当時の東ドイツの暗く重たい雰囲気と、新たな時代に進もうとする熱狂のうねりの中に身を置く主人公の、他者との交流を通じた内面の葛藤と成長を表 -
Posted by ブクログ
昔ブレーメンに住んでいたためか、本屋でふと目にした重松清x本書タイトルで、思わず手に取ってしまった一冊。
人に触れることで、その人の過去を見ることができるという特殊能力により、人間の内面、それを通じた家族愛、葛藤を丁寧に描写している。
ストーリー全体として急転直下な動きは無いものの、この後どうなってしまうんだろうか、とページを捲る手が止まらなくなるほど入り込める作品。
電車内などの公共の場で本書を読むことは推奨しない。涙が溢れるのを堪える必要がある。
最近の動画ストリーミングサービスは、地上波でないことを良いことに、過激な表現、ともするとどれもが同じように見える作品が多い印象。そんな現状に辟易 -
Posted by ブクログ
好きな人の本。中学生時代から唯一ずっと追いかけているバンド。
学生時代からしばらく時間が経ち、本と離れてしまっていたけれど、ふと大好きな人の著書があることを思い出して購入。通勤中、お昼休憩、就寝前、、と読み進め、気づいたら読み終わっていた。こんなスピード感で本を読むのは久しぶりだ。
私はどちらかというとマイノリティに苦しめられながら生きている人間だと思う。ずっとずっと誰とも分かり合えないと思っていたけれど、ここに、いた。いつもいつも支えになっていたバンドのボーカルがこんな想いを日々抱きながら生きていたなんて。嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。少し生きる意味に希望を持てた気がした。
※ネタ -
-
Posted by ブクログ
先の気になる展開で止まらず読み進めてしまった。
梶井の生き方、里佳の生き方。登場人物皆からの生活から、生きるってなに?価値観ってなに?幸せってなに?と考えさせられた。
実際自分は、完全に里佳寄りで共感があって、自分も梶井に会って、キラキラ満たされた話を聞いたら影響されるだろうなって思った。そういう部分も自分の中に残る部分だったんだろうなと思う。
また、小説中に出てくる料理の美味しそうなこと。どれも実際に食べたくなってしまう。実際、バター醤油ご飯にハマってしまった。エシレのバターも気になって、丸の内のエシレに行ってみた。エシレのフィナンシェ、マドレーヌ、クロワッサンどれもとても美味しい。それだけ