小説・文芸の高評価レビュー
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「多様性」って言葉は、どこまでいってもキリがないものだなと思った
「多様性」と「異常」ってどこに境界があるの?
水とか、風船が割れる瞬間に性的感情を抱く人がいる。その人が望んでそうなってるわけじゃなくて、本能的にそう感じてしまうのなら、それはマジョリティが描く性欲とかけ離れているから「異常」なの?
その対象がたまたま児童だと、「多様性」では済まされない犯罪という明確な境界がある。けど、物的証拠だけでは、その人の根本の考えとか感情は置いてけぼりにされちゃうんだよね。
でも、もし私が最後の3人が「児童ポルノ写真所持者」とゆう情報しかなかったら、とてつもない嫌悪感を抱くと思う、多様性でもなんでもないよねこれ。
何が正しくて、どこまでを受け入れるべきなのか、
明確な答えは分からない。ただ、その「分からなさ」そのものを突きつけられたことが、心に残ったことだった。
「多様性を理解する」ということは、全てを肯定したり、理解したりすることではなくて、理解できないものを前にして、それでも簡単に切り捨てず、自分自身の嫌悪感や偏見も含めて考え続けることなのかなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「あの誘拐事件の”ほんとうの話” 聞いた?」
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25年前、とある地方都市で、百貨店の受付嬢・新沼紗英が誘拐される。デパートに身代金を要求する脅迫電話がかかってくるも、受け渡し場所に犯人は現れず、紗英はダムから遺体となって発見される。
また、受付嬢の誘拐事件と同じ時期、同じ土地で、当時小学生の田村晋也くんが行方不明となっており、数日後、遺体となって発見される事件が起きていた。晋也くんには轢き逃げされた形跡があった。
犯人は未だ捕まっておらず未解決事件になる。
「紗英さん事件の犯人は父親ではないか」
「晋也くん事件の犯人は紗英さんではないか」
のちに、受付嬢誘拐殺人事件の犯人は捕まったが、その時 地元を賑わせた根も葉もない「噂」という火の粉は 被害者家族を焼き尽くした…。
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静けさを取り戻したはずの その街で、再び一人の小学生・戌井光汰郎が行方不明となった。
洸汰郎の最後の姿を目撃した 担任の美冬は、あの時 家まで送り届けていればと後悔に苛まれる。そんな美冬に追い討ちをかけるように
「噂」はささやかれる。
「あの担任があやしい」
美冬はSNSの投稿を見つけ恐怖に陥る。
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辻村さん、身内が誘拐されたことあるの?
いや、誘拐したことある?
幼い頃に誘拐事件でなんかトラウマあった?
って思ってしまうくらいに、全ての登場人物の感情が、心情が、その一つ一つが刃のように胸に突き刺さって怖かった!!
私の子供が誘拐されてしまった…。
私のせいで教え子が行方不明になってしまった…。
私の親が罪を犯してしまった…。
ページを巡る毎に登場人物は私に重なって
空気が薄くなるような息苦しさを感じました。
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『他の方たちも書いていますが、この先生が怪しい気が・・』
『もう言われてるよ!どうせ、親が殺したんだろうって!』
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人は 大きな事件があると、それを娯楽として消費して すぐに忘れてしまう…。「人の噂は七十五日」と言っても、昨今はSNSの普及で 爆発的に全国的に拡がり そして消えない傷を残す。
安易に囁かれる「噂」が被害者の心を蝕む怖さ、知らぬ間に加害者になりうる怖さ、大きな事件には好奇心が勝ってしまうという核心をつくセリフはグサグサきましたが、それを「噂って怖いよね」ってだけでは終わらせないストーリー展開に私は痺れました。
「噂」を使って こんなに極上のクライムミステリーに仕上げる辻村深月先生。すごい!
次から次へと起こる事件にハラハラが止まらず、上巻の終わりなんて心臓飛び出るような終わり方で…。寝る時間だったのに、どうなるのか心配すぎて眠れず 結局 下巻を読んでしまうほど…。
ちょっと待って、その犯人ってそうだったの?
え、この事件って そういうことなの?!
私はいつ眠ればいいの?
全ての事件が終わったかのようにみえた終盤にも、
「あの事件を書き綴った手記がある」と言ってもう一度世間の注目を得ようとするクソみたいな二十五年前の受付嬢誘拐殺人事件の犯人と、新聞記者 そしてかつて事件を担当していた警察官たちの執念の胸熱展開があり…
最後の1ページを読むまでは、読書を中断できない面白さでしたよぅ!!
ずーっとずーっと苦しいストーリーだったから、最後の100ページくらいは 涙ポロリだった。
何気ない日常って こんなにも幸せなんだなって
( •̥-•̥ )
この本は予約人数多すぎて 待ちきれずに購入したのだけれど、買って正解でしたー(*´ー`*人)
(といっても、ポイントとクーポンで半額以下でゲットだぜ!!)
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歳を取ると、大事なものが増える。家族を持ち、それなりの収入を得て、不自由なく幸せである。だが、いわゆる中年の危機なのかオレの人生これでいいのか?と思うこともしばしば。定年したらアレをやろう、暇ができたらこれがしたい、という条件付きの願望が増えていく。いつしか大事なものを言い訳にしているような気にもなる。
人生を振り返り、現在の自分を形作った本当に重要な決断は3つしかない。そのいずれもが、自分の心に向き合って決めたことだった。これから自分のする決断がどういうものであるかはもちろんわからないものの、心の声に耳を傾けること、頭から否定するのではなく真摯に対応することの重要性が沁みた。
◯良かった言葉
「幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油(いま自分の持っている、僅かながら価値のあるもの)のことを忘れないことだよ」
「秘密は現在に、ここにある。もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こってくることも良くなるのだ。」 -
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小学生中・高学年向けの本を探して。
ジャミラさんの本棚で知って読んでみました。ご紹介ありがとうございます!
私はコントは詳しくないのですが、このシリーズはコントで活躍する芸人たちが書いた「読むコント」だそうです。
本書作者は「シティホテル3号室」のお二人。(私はわからないのですが…)
「我、図書委員なり。」なんてカッコつけながら図書室の整理をしている6年生のミナトは謎の本を拾った。
そこへ現れた仲良しのタクミといっしょに本を見てみたら、表紙は何も書いていなくて、中にはびっしり漢字だらけ。
ん?これ四字熟語じゃないか。「危機一髪。」
その瞬間!本棚が倒れてきた!
危うく助かった二人。「今の危機一髪だよな?」
この本は唱えた四字熟語が現実になる「四次呪文ノ書」だったのだ!
それから二人は四字熟語を使ってみることに。まずは先生に叱られそうになったら「威風堂々」と言い訳する。いいじゃん、これ!
しかし難しい四文字熟語、小学生の二人は使い方を間違えちゃったりして…?
わはははは。
四字熟語の絶大な力なのに、使うのがかくれんぼとか給食の食べ方だとか日常過ぎて可愛いっていうか無駄っていうか、でもこんなしょーもないことに遊び尽くすのが面白いんですよね・笑
コントはうちの子どもが見るのを後ろから眺める程度ですが、見たり聞いたするのも面白いですが、読むとまた違いますね。 -
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伊坂幸太郎さんの作品は今回が初めてです。
事前に少し下調べをして、その時の気分でこの本を選びました。
織田一真のキャラクターやテンポの良い会話はもちろん、藤間さんの課長が語る人生の教訓(ミッキーマウスが手を振り続けるくだり)が特に印象的でした。
2人とも個性的ですが、「こういう人、いるよね」と思わず微笑んでしまうような親しみやすさがあります。多くの登場人物が出てきて、いたるところに伏線が張り巡らされているので、これは確実に「もう一度読むことになる作品」になりそうです。
終盤のボクシングの熱狂は、まるでジェットコースターで一気に駆け抜けるようなスピード感で、気がつけば読み終えていました!
読み飽きない仕掛けがたっぷりと詰まった、大満足の一冊でした。 -
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井上毅が大久保利通や伊藤博文らに見出され、大日本帝国憲法を作り上げていく物語です。読むまで「いのうえ つよし」と誤読していたほど、井上毅について何も知りませんでしたが、本作を通じてその人物像に引き込まれました。
伊藤博文、大久保利通、岩倉具視、大隈重信、黒田清隆、森有礼、板垣退助など、明治維新後の政治家たちも多数登場します。漠然と否定的な印象を持っていた彼らへの見方が、本作を読んで変わりました。異論にも耳を傾ける余裕があり、立場が上の者にも意見を言える人物がいたからです。
皇室典範を語る際に出てくる「神武以来2600年」という言葉についても、当時から歴史的事実というより神話として認識されていたことを知り、興味深く感じました。それにもかかわらず、その神話を根拠に男子以外の天皇を認めないという考え方が現在にも持ち出されることには、違和感を覚えます。
本作で最も心に残ったのは、憲法を作るためにどれほどの心血が注がれたかということです。
外国の憲法を学び、日本の国体を考え、推敲と議論を重ねて作り上げられていく過程が丁寧に描かれています。
読む前は明治憲法を未熟なものと思っていましたが、それは戦争を止められなかったという結果論にすぎないと気づかされました。
天皇のことだけでなく、国民の義務と権利もしっかり考えて作られた憲法が、その後どのように軽視され、曲解され、色褪せていったのかも指摘されています。
私たちはよく「憲法に守られている」と思いがちですが、結局は人がそれをどう扱うかが重要なのだと、読み終えて強く感じました。
憲法がどんな人々の思いを込めて作られたのかを知ることも大切なことだと思いました。
再読したい一冊です。 -
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駅伝の話も面白かった。
しかし、それ以上に御所グラウンドの話は、読み終えて、スゲー…と唸ってしまった。
ダラダラと続く京都の暑さのごとく、ダラダラと、何故にか草野球大会が展開されていく中、唐突な、一迅の豪速球が物語の沈黙を破る。日常世界から急に非日常なファンタジー世界へと連れ込まれる。
非日常なファンタジー世界でありながら、夢と希望に溢れた類のものではない。我々が今生きている世界と地続きの、かつて存在し、多くの若者たちが生きたくても生きられなかったあの世界である。
時代に翻弄され、己の望まぬ人生を歩み、命を落とすこととなった若者たちを想像すると文字を追う目にじわりと涙が浮かんでくる。
私たちは、確かに、生きているのか。
心に火を灯す物語であった。 -
ネタバレ 購入済み
サクサク読めました。酷寒の地、ヤクーツク(ロシアのどこか)に取材に行った時の体験談。
マイナス50℃を越える場所、世界一寒い国での生活を知れて面白かったです。
・魚釣りでは魚を釣り上げて10秒後には魚が凍ってしまう。
・スパイクタイヤやタイヤチェーンは使っていない。スキーやスケートは春先の暖かくなった時の遊び。「寒いと氷は滑らない」がヤクート人の常識。
・鼻の頭やほおにできる真っ白な斑点は凍傷。消えるまで手でもんでから暖かい部屋へ入らないと細胞が死んでしまう。
・鉄などの金属製品に決して素手で触れてはいけない。瞬間やけどで皮膚がくっついて切り離せなくなる。
・マイナス68℃でも洗濯物は外に干す。水分が凍って固まるから、取り入れる時にちょっとたたいて氷を落とす。
・ビニール、プラスチック、ナイロンなどの石油製品は、マイナス40℃以下の世界では通用しない。
・屋内プラス20℃、屋外マイナス50℃という70℃の温度差があり体への負担がすさまじいものの、ヤクートはコーカサスにつぐソ連第二の長寿国。
人間が生活できること、この本を読んでも不思議でならないです。
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