小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
令和六年、アパートの一室から変死体が発見される。遺体の男性は『兜町の異端児』と呼ばれ、天才的な相場師として名の知られた男だった。押し入れのスーツケースから一冊の本が出てきて、その本には「警察の皆様へ」と書かれた封筒が挟み込まれていた。亡くなった男は、昭和四十九年に起こった『佃島一家四人殺傷事件』の重要参考人だった、というが。若手刑事の藤森菜摘は、昭和の時代から続く刑事たちの執念を継ぐようにして、未解決事件を追っていく――。
昭和100年の『今年』のうちにこそ読んでおきたい本作は、ひとつの事件をめぐって、昭和、平成、令和と刑事たちの想いが繋がれていく様子を丁寧に描きながら、そこに現代史を語 -
Posted by ブクログ
最高に面白かったです。
栗原さんの推理より先に謎を解いてやろうと意気込んで読み始めたものの、結局まったく太刀打ちできませんでした。特に資料①の謎は、以降の資料を読みながら必死に考えていましたがまるで解けず、最終的にはやはり栗原さんに頼る結果になりました。
ヒントはしっかり散りばめられていたので、もっと整理しながら読み進められれば、もしかすると気づけたのかもしれません。ただ、それだけ難しく、読み応えのある内容だったと思います。
そして、謎が解けたあとの納得感と満足感は非常に高く、読み終わった瞬間の鳥肌が忘れられません。もう一度読んでも、また別の角度から楽しめる作品だと感じました。
さらに、作 -
Posted by ブクログ
読書紹介YouTubeチャンネル「ほんタメ」にて紹介があり、MCである推しのあかりんが帯に紹介文も掲載、作者の渡辺優先生と「小説すばる2025.9」にて対談もされているとのことで購入。
しかもしかも!直木賞にノミネートとのこと!!これは応援せねば。
風俗店のオペレーターをする女の子のお話。
とにかく文章が読みやすい。めちゃくちゃスルスル入ってくる。渡辺優先生、すごい。
この前までオジサマ作家先生がかくミステリー小説を連続で読んでいて、トリックだったりギミックだったりに衝撃と感動と興奮があったものの(堅苦しい表現と、ちょっと昔すぎる高飛車お嬢様やいけ好かないスカしたイケメンなどのキャラクター、小