小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
海に隠された神秘について。
タイセイヨウサケはグリーンランドの海から、自分が生まれたブルターニュの小川の香りを感知し再び故郷の河口に辿り着くことができる。クジラは特別な海水の温度域を使って何千キロも離れた場所まで自分の声を届け、仲間と歌で呼び交わしている
“耳に水が入った時に聞こえる
「ごぼごぼ」という音の中には
遠くの火山や姿を見せないクジラの歌声の響きが含まれている” (p32)
自分のヒゲをかき鳴らして耳障りな音楽を奏で、捕食者を追い払うイセエビ、歌を歌うクジラ、イワシの群れを見つけて鳴き声を上げ、その場にいるすべての動物を奮い立たせるアジサシ。
“海が僕たちに語りかけてくる。会 -
Posted by ブクログ
ドラァグクイーンのシャールさんが営む夜食カフェ〈マカン・マラン〉。
看板も目立たず、知る人ぞ知るその店に辿り着けたこと自体が、どこか“運命の巡り合わせ”のように感じられる場所です。
タイトルの通り、物語には夜食が欠かせません。動物性食材をほとんど使わず、旬の野菜を中心に素材の力を引き出した料理の数々。派手さはないけれど、身体の奥にじんわり染み込むような滋味深さがあり、読んでいるこちらまで温められる感覚になります。
何より印象的なのは、店主シャールさんの在り方。誰かを急かすことも、否定することもなく、ただ相手をまるごと受け止める。その慈悲深さと慈しみの眼差しが、物語全編を静かに包み込んでいま -
Posted by ブクログ
本編5話に文庫版ボーナストラック1話を加えた、6編からなる作品集です。
友情や恋愛といった既存の言葉だけではいい表せないような、脆くも尊い関係性が描かれており、読み終えた後はなんとも形容しがたい不思議な感情に包まれました。
非常に読みやすく、一気に物語の世界へ惹き込まれてしまいます。
タイトルにある通り、全編を通して「夜」が舞台となっています。友人や恋人と楽しく騒ぎながら過ごす夜もあれば、たったひとりで寂しさに震えながら更けるのを待つ夜もある。作品を通じて、人それぞれの多様な「夜の過ごし方」をそっと垣間見ているような感覚になりました。
決してすべてが分かりやすいハッピーエンドでは -
Posted by ブクログ
ホームズの長編の中ではまちがいなくこれが最高傑作だと思います。『緋色の研究』も『四つの署名』も、事件の背景の説明となる第二部の部分が現代のミステリに慣れた頭からするとちょっといただけないというか、がっくりするところがあるのは否めないかと思うのです。正直に言うと、本作も第二部は期待していませんでした。しかし読み始めてすぐ、第一部を忘れたとしてこれはこれで面白いのでは? と引き込まれてしまいました。第一部と関係なくてもいいや、というくらいの気持ちで読みましたが、クライマックスで満足。ちゃんと第一部ともつながっていて、うん、この出来ならいいだろうと考えたわけです。『緋色の研究』と『四つの署名』の読書
-
Posted by ブクログ
医学部の受験で女子が一律減点されていた問題をテーマに、それを暴こうとする記者と、大学の権威を守るために隠蔽しようとする理事の対決を描いた作品。
対決する女性2人は、立場こそ違えど誠実に生きようとしてる。そしてそれぞれが女性であるというだけで理不尽な差別を受けてきた。本書では性差別やその他の差別に正面から向き合い、それが決してなくなることはないことも受け入れつつ、解決を模索していく。そしてその思考の先に主人公2人の対決がある。
もう物語が動き始めてから最後の最後まで、まったく緊張感が途切れない。扱っている問題は胸糞悪いものですが、主人公2人がどこまでも誠実なので、物語としては清々しさすら感じるも -
Posted by ブクログ
香山先生の書籍との出会いは、2009年に出版された『しがみつかない生き方』が最初でした。今回の『捨てる生き方』は、それに近い内容かなと思って読み始めました。今回は特に香山先生が大学教授の職を辞して、北海道の鵡川町国民健康保険穂別診療所で僻地医療に携るという、生き方をチェンジしたと事に驚くとともに、私も早期退職を決断したことに重なり、興味深い内容でした。
小野龍光さんとの対談も新鮮で、私たちがいろいろな事柄にしがみついて生きているとことが、自分の考え方を偏狭にして生きづらくしてこと。『捨てる生き方』を実践するためにも、自分の中に生き方の軸を持つこと、他人と比べるのではなく、それは自分自身の中 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2026年本屋大賞ノミネート!
ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2025 小説部門 第1位!
「どうしても、直木賞が欲しい」
賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める作家・天羽カインの破壊的な情熱が迸る衝撃作!
天羽カインは憤怒の炎に燃えていた。本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の、何が駄目なの?
……何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に。
~~~~~~~~~~
ライトノベル出身の超売れっ子作家天羽カイン。出せば大ヒットなんだけど、直木賞はノミネートさ -
Posted by ブクログ
待ってました!暗殺者グレイマンシリーズ。
前作のラストで恋人のゾーヤがロシア当局に引き渡されて終わったが、その続編。
生死は絶望的だとわかっていながら、自分の直感からゾーヤは生きていると思い、バルカン半島を拠点に決死の救出作戦を決行しようとするが、焦りと疲労で自暴自棄な無茶を繰り返すようになる。
(それでも立ち塞がるものを片っ端からなぎ倒すので、いつものジェントリーだと思うが)
焦るばかりでふんづまる彼のもとに救いの手を差し伸べたのはかつての仲間であるハンリーだった。
そこから戦いの舞台を北欧に移し、ロシア侵入のための作戦が始まる。
分厚いはずが、文字通り一瞬でページが進んでしまう不思
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。