あらすじ
京都市中京区の薄暗い路地にある「中京こころの病院」。心の不調を抱えてこの病院を訪れた患者に、妙にノリの軽い医者が処方するのは、薬ではなく、本物の猫だった!? 戸惑いながらも、決められた日数、猫を「服薬」する患者たち。気紛れで繊細、手がかかるけど愛くるしい猫と暮らすことで、彼らの心も少しずつ変化していく。そして医者が猫を処方するのには、ある「理由」があって――猫と人が紡ぐ、もふもふハートフルストーリー!
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Posted by ブクログ
仕事や人間関係で悩みをもつ人たちが猫と触れ合うことで心にゆとりを取り戻していく話。
全五章で構成されていて、キーパーソンはニケ先生と千歳さん。
読み進めると(あれ?もしかしてこの人って…)と思う要素が出てきて、少しずつキャラを知っていくのがワクワクした。
最後の話はすごく感情を揺さぶられた…!
猫を飼っていて脱走させてしまった経験があるので、ずっと探してしまうのも、脱走のきっかけを作ってしまった自分を責めるのも、新しい猫を可愛がるのが罪のように感じるのも、とても共感した。
飼い主は飼い主の人生があるし、猫には猫の人生がある。その選択をしたのは猫だ。〜的なことをニケ先生が話していて、少し救われた気持ちになった。
千歳さんも伝えたいことを伝えられて良かったし、理解できてなくてもあび野さんが言葉を聞くことができて読者として(良かった〜!涙)て気持ちになった。
Posted by ブクログ
▪︎第一話
ブラック企業によるうつ病発症からの立ち直り。
主人子に近い経験をしたことがある身からすると、自己以外に自己同等に大切に出来るものの存在は大きい。いろんな面で解像度高くて、私まで本当に猫が処方された気分になれた。猫可愛い。
▪︎第二話
褒めるっていうのはある意味、才能なんだよね。
例えば美術作品を見た時、映画を見た時、本を読んだ時、受け手次第でそれらが美しいのか面白いのかどうかが決まる。そう考えると、その面白みに気づけず批判するっていうのは結構簡単なことで、面白みを見つけ褒めることができるっていうのは一つの才能なんだろうなって思った。猫可愛い。
▪︎第三話
親子という関係性は社会的に見た時の枠組み内の話であるから、1人の女性、1人の子供、というふうに見ていくとそれぞれで悩みもあってそれぞれ考え方もバラバラなのは当たり前で、だからこそ話し合うことが大事だよねって感じでした。猫可愛い。
▪︎第四話
〇〇でいなければという考え方は自分で自分を苦しめる呪いに近いものだと思う。もっとみんな自由に肩の力を抜いて生きれる社会だと嬉しいね。猫可愛い。
▪︎第五話
うちにももうすぐです19歳になる猫がいる。30年生きると化け猫になるらしい。もちろん元気に長生きしてほしい気持ちはあるけど、猫ちゃん自身が猫生を満足できたと思ているなら引き留めない。だけどきっと十数年間連れ添った子が居なくなってしまったら相当ダメージくらうと予想してるから、猫側の意見を聞けて嬉しい気持ち。
猫は可愛い。猫は癒し。猫万歳。
Posted by ブクログ
世界20カ国以上で翻訳出版が進んでいる作品。
作者が猫と暮らしているかはわからないけど、もし暮らしているなら、きっと猫と対等な関係を築いていると思う。
それぐらい猫(猫の命)を大切にしていることが伺える作品だった。
現代社会でありがちな悩み(労働環境の悪さ、ソリの合わない上司、クラスの派閥に悩むおませな子供など)を抱える老若男女が、こころのケアを求めて、小耳にはさんだ古いビルにある病院に来院。
医者は、患者の話はろくすっぽ聞かず、処方するのは薬ではなく、まさかのホンモノの猫。
猫が登場するお悩み解決系小説でよくある、猫自身が言葉を話せるとか、特別な治癒力を持っているとか、そういった展開ではなく、それぞれ事情があった保護猫が患者の症状に合わせて処方される。
私自身、見知らぬ人に突然猫を預けるなんて、と訝しかってしまうほどの猫狂いだけど、一つ一つのエピソードがどれも猫を単なるペットではなく、同じ命であり、対等に(あるいはそれ以上に)想い関わるストーリーだった。
思わずため息が出てしまうほど、猫たちの細かな描写が尊く、猫好きならそれだけでも読む価値があると思う。
続編も存分に猫とけったいな医者を堪能したい。
Posted by ブクログ
メンタルクリニックなるものに駆け込んだら薬じゃなくて猫を処方される話。笑
発想が面白すぎる笑笑
医者の適当さとある場面で、この医者と看護師ってもしかして、、、と。
切ない話もあって、読むのに退屈はしなかったです!
おすすめ!!
Posted by ブクログ
タイトルからして心惹かれる一冊。読んでみれば、まさに猫好きにはたまらない内容だった。
物語の中で猫が果たす役割は、ただ癒やしを与える存在にとどまらず、心を病んだ人々の支えになり、再び前を向くきっかけとなっていく。もし自分がメンタルを病んでしまったときには、ぜひ私も「猫を処方」してもらいたいと思わずにはいられなかった。
短編形式で進むお話はどれもあたたかく、読み終えると優しい気持ちになれる。そして最後には、次の物語がどう展開していくのか、続きを読みたくなる期待感も残してくれる。
癒やしと希望をくれる一冊。猫好きはもちろん、少し疲れた心を抱えている人にこそ読んでほしい。
Posted by ブクログ
裏路地にある「中京こころのびょういん」。無愛想な看護師とテキトーな医師。まるで伊良部先生みたいです(笑)。
「では猫を処方いましょう」「え?」
戸惑っているうちにキャリーケースごと猫を渡されます。
だいたいの悩みは猫で治る…確かに医師の言う通り、処方された患者は治ったようですが。
予約の患者をずっと待っている医師と看護師。その謎が後半明かされるのですが、胸がギュッと痛くなりました。
子どもの頃拾った猫を親に反対され戻しにいったこと、経験ある方もたくさんいることと思います。
そんな猫あるあるが随所にちりばめられていて、猫好きさんへおすすめです。
Posted by ブクログ
ネコちゃんに限らず、大切なペットが居る人なら涙なしでは読めないのではないだろうか...。
ネコちゃんかわいいほのぼの、の裏に隠れた現実を突きつけられる内容でした。
いやしかし、かわいいは、正義。
興味深いお話(ΦωΦ)
猫の仕草や表情なんかを想像してメロメロです(ΦωΦ)🖤
京都、猫、ちょっとミステリアスな感じがとっても興味深いです。
匿名
とても面白かった。自分は猫と一緒に暮らした事はなかったがこの物語を通じて猫ていいなと、思いました。ニケ先生やちーちゃんの振る舞いが面白くて楽しい気分になるが、物語の中には悲しみもあって、続きも気になります。
匿名
悩みを抱えた患者に猫を処方する
とてもよかったです。タイトルの通り、悩みを抱えた患者に猫を処方する、オムニバス形式の小説でした。ファンタジーなのかミステリーなのか、ミステリーが好きな方はミステリーとして読んで、ファンタジーが好きな方はファンタジーとして読んでいいのだと思います。ひとつ気になる点は表紙が大きいサイズで見られないことです。
Posted by ブクログ
心の不調を抱えた人が「中京こころのびょういん」を訪れると、処方されたのは猫だった。
ただ猫と過ごしているだけなのに、なぜか悩んでいたことがなくなり、気持ちが晴れていく。
ニケ先生と千歳さんは何者なのか…
本当に猫と過ごしているような感覚になって、読んでいてとても癒された。
「だいたいの悩みは猫で治りますから。」このセリフが好き。
Posted by ブクログ
私も猫を処方されたい!って思いました。
猫を処方された人が、どうやって変わってくんやろって想像するのが楽しかったし、猫をきっかけに、一歩踏み出す様子を見てるのも楽しかったです。
看護師さんが好き。
続きも全部買ってるので、読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ
猫はなにもしないのに、ただそこにいるだけで人間が勝手に変わっていく。変わりたい人間が猫をきっかけに変わろうとする。猫のチカラってすごい。読書中はゆったりと心地いい時間でした。続きも読みたいなと思います。
Posted by ブクログ
あったかい。
猫の恩返しと猫と人の救助的なお話でした。
動物が好きな人、特にペットを飼ったことがある人には特に刺さる話だと思います。気まぐれな猫、人懐こい猫、色々な猫がいますが、人それぞれ感じ方も愛情の注ぎ方も違うから、癒される角度も違ってきます。それを教えてくれつつ、ほっこりと暖まる優しいお話でした。
Posted by ブクログ
猫の神秘、美しさ、可愛らしさ、ふわふわさ。お話毎に魅力的な猫ちゃんが登場し、心を鷲掴みにされました。人間たちの抱える悩みは熾烈で現実的で厳しいものばかりだけど、なんとか乗り越えられるかもしれないと思わせてくれる猫ちゃんの不思議な力。本当にこんな場所があればなと思わせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ
ファンタジーではあるけどこんな事があっても不思議では無いなと説得力のある物語
猫を飼った事ないけど猫を飼うと猫をこういう風に思うんだろうなと思わせられた
続編も読みたいです
Posted by ブクログ
タイトル&ジャケットにやられました!
猫を処方するメンタルクリニックの短編って思って読んでいたのですが、色々なぞがあって続きが気になる展開が続いて手が止まりませんでした!
だいたいの事は猫が居るということだけで解決するという考えが好き過ぎて…
Posted by ブクログ
電子版日経新聞の2025/8/9の記事で紹介されており知った本。動物をビジネスにする人たちを批判しているようでもあり、動物を大切にする人たちに対して優しく声をかけてくれるようでもある。私は猫を飼った経験がないが、おそらくその経験がある方が読めば、もっと心を動かされるストーリーと描写だと思う。
Posted by ブクログ
猫モノ。最終話は猫に紛れて、結構重い題材。けど、そこには愛があって救いがあって読後は清涼感みたいなものを感じた。第2弾も読まずにはいられない。
Posted by ブクログ
猫を飼っていた人、現在飼っている人には共感を得られるだろう。
最近、この手のパターンの小説が本当に多いと感じる。奥田英朗氏の「インザプール」と同じ構成。困った人(本人はおかしいと思っていない)がクリニックに相談に来て、風変わりな医者に面食らう処方をされる、という内容である。本書はそこに猫の要素が加わる。
前半に入っている短編は面白かった。猫になじみがない人が突然預けられて、戸惑いながらも癒される。一度猫の魅力にはまったら抜け出せないのだ。
ペットを飼うということは、同時に将来の別れも覚悟しないといけないということ。温かくほろ苦い思い出に満ちているものだ。
私も猫がいる家で育ち、現在も飼っているのでしみじみと感じ入るところがあった。とても読みやすい小説で、出てくる個性的な猫たちがかわいらしい。
Posted by ブクログ
猫好きのための、猫にまつわるお話が詰まっている本。
いろんなこととっぱらって、そこに残るのは、猫が可愛い可愛すぎるうちの猫最高!(飼い猫のバカ親ですごめんなさい)読んでるとニコニコしちゃう自分がいて、「あ、おじさんキモがられてない?こんなところでにやけちゃって。でもにやけがとまらん!!」と焦ったこともあった。
作者の石田祥さんの描く猫たちは、表情豊かで想像しやすく、こんな猫だろうなぁって読むうちに思い浮かべやすかった。きっと石田さんは猫好きさんなんだろうなぁなんて勝手に想像してしまう。
人間でも猫でも、愛情の形はいろいろあるが、愛情と執着って密接だけど違うんだよって教えてもらった箇所がある。
猫にだって小さいなりにもちゃんと自分の世界があるんです。新しい世界に足を踏み出した瞬間から、もう前を向いている。たとえそれがどんなに辛い世界やったとしてもね。掴んだ尻尾を離せへんのは、猫が可哀想やからやない。あなたが寂しいからですよ。でも彼女からは振り解けへん。今でもあなたを愛してるんでね。
じっくり考えてみたい。
匿名
猫が処方されるんだ
猫が処方されるってどういうこと?とタイトルに疑問になって購入しました。読んでみると猫と過ごすあたたかい時間に読者のわたしも癒されてしまいました。
Posted by ブクログ
《大丈夫ですよ。だいたいの悩みは猫で治りますから。》p.111
・魔法のお店系と言えそうです。京都の住所表記の不思議さもあるからか用がなくなったらその病院には辿り着けなくなる。
・猫を処方する病院という魅力的な設定。
・ニケ先生と看護師の千歳は「予約客」を待ってますがなかなか来てくれません。そのかわり風の噂で評判を聞いた他の人たちが集まってくる。
・それぞれが短編なので猫と人の絆の作り方があっさりしてる。そこは弱点でもあるんやろうけどめんどくさくなくてええとこやって気もします。
■簡単な単語集
【あび野】祇園の藝妓だが〈こま野屋〉に残り女将のしず江の片腕として活躍している。いなくなったらしい千歳という名前の猫を探している。
【梶原友弥】「保護猫センター都の家」の副センター長。「中京こころのびょういん」の医師とそっくり。「中京こころのびょういん」を須田病院と呼ぶ。
【コユキ】即効性があった猫。白い毛。生まれて二ヶ月半くらい。南田恵が小学生の頃に飼おうとして飼えなかった猫、ユキに似ている。娘の青葉に頼まれて飼うことにした。
【須田動物病院】ニケ先生や千歳や梶原が世話になったことがあるらしい。違法ブリーダーの部屋で生き残っていた二匹を救った。その猫はあび野と梶原が引き取った。
【タンク】アメリカンショートヘアのオス二歳。デザイン会社を純子とともに共同経営しているデザイナーをしている完璧主義者の高峰朋香に処方する予定がマタタビ茶でラリっていたニケ先生と千歳がうっかりタンジェリンを渡してしまったので、あとから追加で処方された。かなりヤンチャ。
【タンジェリン】ラグドールのメス。四歳。白い毛で耳と目の周りだけがこげ茶色。宝石のような水色の瞳。ニケ先生と千歳がマタタビ茶でラリってタンクと間違えて高峰朋香に処方された。そのせいで朋香はメロメロになった。
【千歳(猫)】飼育放棄した違法ブリーダーの施設で生き残っていた二匹のうちの一匹。藝妓のあび野が須田動物病院から引き取り飼っていた。三毛猫。ハチワレ。しっぽの先が曲がっている。
【千歳(人)】「中京こころのびょういん」の看護師。
【中京こころのびょういん】猫を処方してくれる病院。予約している何者かを待っているらしい。
【ニケ(猫)】飼育放棄した違法ブリーダーの施設で生き残っていた二匹のうちの一匹。梶原友弥が須田動物病院から引き取った。
【ニケ(人)】「中京こころのびょういん」の医師。《喋り方は古臭く、態度はそこらへんの若者のように軽い。》第一巻p.163
【ビー】灰色のもふもふ。メス。推定八歳。雑種。エー、ビー、シーのビーだがエーとシーは死んだらしい。一流だがブラックな企業の営業に勤めズタボロになっている香川秀太に処方された。
【ブチロク】マルゴを返した後猫を飼いたくなった家族の要望で行った「保護猫センター都の家」で出会い古賀家にやってきた猫。
【マルゴ】黒茶。メス。推定三歳。雑種。請負のコールセンター勤務で最近やってきた、なんでも褒めまくり「いいわね」という女性上司の口癖が耳について離れず眠れなくなった古賀勇作に処方された。
【ミミ太】スコティッシュフォールドのオス、生後五か月。薄茶色のきな粉のような色の毛。いなくなった猫の千歳を探しているあび野に処方された。
Posted by ブクログ
様々な悩みを抱える主人公たちが、猫と数日暮らすことで周囲や自分の考え方が変化して、前向きになる。ほっこりするお話だが、少しファンタジー要素も含むので、その点で好き嫌いが分かれそうだと感じた。やっぱりみんな猫が好きね。
Posted by ブクログ
猫が好きでタイトルと表紙のイラストに惹かれて買ってみた。
様々な人間と猫の関係性や心情の変化が見れて面白い。
1話ずつやや完結で読みやすい。
1話ずつ話は違うが伏線にもなっていて、段々伏線が回収されていく感じがもっと読みたいとなる。
Posted by ブクログ
猫は自然体でいるだけで、特に何もしていないんだけど、人の心を癒すし不思議と流れを良い方向に変えてゆける。それは猫と触れ合った人が皆素直な気持ちになり、本当の自分を思い出すからかなとか。本当は皆自分の中に解決策を持っていて、それに気づかせてくれるのが猫なのかなとか考えてみた。
Posted by ブクログ
京都の袋小路にある『中京こころのびょういん』。人づてに紹介されて訪れる患者たちは、京都ことばをのんびり話すお医者さんに本物のねこを処方される。
戸惑いながらねこをキャリーケースごと連れ帰り『服用』することになったのだが…。
藥袋に可愛らしいネコたちが入った表紙。これはほっこりする内容だと期待していたら、ツンとすました受付の女性に『そんな甘いものではない』と言われた気になってくる。
処方箋が2週間なら、しっかり飲みきって2週間後に服用が終わる。つまり、そういうことなのか。
少しずつわかってくると、落ち着ける時間にじっくり読んでいきました。この続きが気になるから続編も読みたいです。
Posted by ブクログ
小説初心者にはするすると読める本でした。猫ちゃんのファンタジーだけど、人間の心の中が垣間見えるお話でどんどん読み進む事ができました。
表紙が可愛いです。
Posted by ブクログ
ホントにこんな病院があったら面白い。
たいていの事は、猫が解決しますって…なんだか納得してしまいました。
そのうち犬を飼おうと思ってるけど、早くお迎えしたくなりました。
Posted by ブクログ
京都旅行のお供に。
猫を処方するって…と思いながら読み進め
新幹線の往復でサクッと読み切れた。
旅行で訪れた場所がちょいちょい出てきて、そういう意味でも楽しめた。よくありがちな感じだけど、回を進めるごとに興味を増す感じ。
後半はウルっときてしまった…
ニケ先生と千歳さん。
まだ謎だらけで続きがあるようだけど…
次に京都へ行くときの楽しみにとっておこうかな。