小説・文芸の高評価レビュー
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感情や場面、視えないはずの音の描写まで、全てが丁寧に言語化されていて、体験していないことが頭の中でスムーズに映像化された。感情の描写がリアルで、読者として読んでいると腹立たしい出来事でも当事者の場合に感じることは異なる、と、説得力のある心理描写が重ねられていた。
作中の「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいもの」というセリフが、最初はよく分からなかったが、最後まで読むことでこの考え方がすごく意味を成していることが分かった。
月並みな言い方になるが、すごく素敵な作品だった。何年後かに、また読み返したい作品だった。
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採集話 よつぎリベイク
春休みの吸血鬼事件から約8年後。
阿良々木暦はFBIの研修中に証人保護プログラムを受けて妻子?ともに身を隠しているという。前回は結婚直後だったはず。
阿良々木月火、直江津高校(バスケ部、野鳥観察部)から大学を中退してアメリカに渡りダンススクール、また大学中退、帰国後しばらくして消息が途絶える。
斧乃木余接は阿良々木月火の抹殺司令を臥煙伊豆湖から受けて、まずは千石撫子に協力を求める。漫画家の千石撫子は締め切り前の逃亡がてら7年ぶりに実家に帰る。
風説課のゴーレム兆間臨警部、市役所の老倉育、風説課の人狼再埼みとめ隊長との柔道勝負。
実家の玄関を吹き飛ばした犯人を捕まえるため警察官になった阿良々木火憐に白バイで北白蛇神社に送ってもらい、巫女装束の八九寺真宵に占いを受け、忍野扇に話を聞く。
戦争仲裁人・革命委員長・羽川翼を探してペンギンのいる南極へ、アンリミテッド・ルールブックで吹き飛ばすが復活する月火。
南極の火山噴火と不死鳥の翼が巻き起こす平和大戦の開始。
遂にアラスカのログハウスにいる鬼いちゃんに協力を求める。
次は、ファミリーシーズンのラストエピソード「鳳物語 再終話 つばさフェニックス」生誕がないから臨終もない。それが不死鳥(つばさ)の因果鳳凰。 -
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ラジオで紹介されているのを聞いて、気になって読んでみた。
はじめから引き込まれていく!
閉鎖された農場、町から離れたところに住む人々。自らその地を離れて新たな人生を求めることもなく、ただひたすら貧しい暮らしをする。不満だらけだけれど、誰かが助けてくれるのを待つ。
しかしそれはそれで幸せとも言える?
ある日、そのふたりはやってきた!
死んだはずのふたりが!
はじめは、それが人々にとっての恐怖のように書かれていたが、逆だった。この生活から抜け出せる、自由になれる!そんな救世主だった。
はたして、本当に信じ切れるのか?どこか怪しげでもあるふたり。誰もが疑いを持ちながらも、それでも、何かを変えてくれるものにすがっていく。
物語の中はいつも雨で、道はドロドロ
それぞれの心の中もドロドロしている。誰もかれも信用しきれずに、裏切りもたくさん!
ひとつひとつの表現が細かく細かく描かれていて、救いようのない雰囲気がなんとも言えない。
現れたふたりも、一筋の光のような、悪魔のような‥
所々で現れる蜘蛛の糸、姿の見えない蜘蛛に、絡め取られていくようで不気味でしかない。
何かあれば酒場に集まり、とりあえず酒を飲み、不安を紛らわそうとする人々。
踊っていても、踊らされているような、現実なのか、幻想なのか、創作なのか?わけが分からず繰り返していく!何度でも読めてしまう。読まされてしまう?
ノーベル賞文学賞受賞者のデビュー作。日本を舞台にした小説もあるようなのでまた読んでみたい!
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こんなに自分の感情と向き合うことがなかったので驚いた。今の歳で、婚活や恋愛も含めた全ての物事に対する人間の傲慢さを学べてとても良かったと思う。早くても遅くても身になっていなかったと思うから。また、興味を持ったなら正確な情報を追い求めて、自分の意思で動くことが大事だなと思った。鳥籠の中にいてそれをしていない善良なだけで、今の自分の置かれている状況に対しての焦りや不満も湧き出てこなくて、後から後悔することが増えるんだと学んだ。そう教えて貰わないと知らなかったって思うんだろうなきっと。でも、そんな風に後から悔やんでいるうちはまだまだ巣立てない鳥なんだ。知る手段なんて、機会なんて、意外と身近にもいっぱいあるんだから。例えば、この本みたいに。
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西加奈子が中年を描いてくれている!
こんなに解像度高く。幅広く。ちゃんと絶望も、そして希望も交えて。
近年はみんな、クリーンでコンプラわかってますみたいな、パワハラしたことないですよみたいな顔でいるけど
うちらとんでもない時代でもみくちゃになって恥ずかしいことも痛々しいこともたくさんして生き抜いてきたよな?そのときの価値観無かったことにはできないよな!?
自分も今37歳、全然若くない世代、価値観のアップデートでだいぶ気も使ってるし右往左往してる。古い時代にとんでもなかったことはもちろん悪いよ、でもその時にインストールしちゃった価値観は無かったことにはならないよ?
貢も、猛も美咲も善枝も、みんな変わる時代と価値観に翻弄されてて、そのどれもが正直で共感できた。(自分より10歳位上の中年のベテラン世代の予習も含めて。)
ハルが、マチカにキキとゾーイになろうとすんな、痛々しい。みたいな目線を持ってて、それに共感しつつも、でも最後、マチカがどんなにかっこわるくても頑張って別の人間になろうとするのも肯定してる描き方があっぱれだったよな。
以下印象に残ったところ
⚫︎マチカの体調悪いのをみんな全力で気付かないふりするところ、こんなに頑張ってるウチを認めろよ?と痛々しいマッカ なんてリアルだ。。
⚫︎人生は寂しいよね、と言い合い
猛が貢の本を読もう、と決意するところ
⚫︎猛の、地元のヒーローが中年になった悲哀を解像度高く描いているところが良かった。そうか、古き概念でスターだった人は、挫折ない分、若者に無自覚にノンデリなことをいう中年となるのか。苦悩もあるよな。でも猛のピュアさというか、決して嫌な人間として描いていないところがいい。
⚫︎言葉の恐ろしさに着いて。
まるで炎を手のひらに乗せているようなものだ。
⚫︎モテたかった。そう、モテたかったんだ、自分は。
なんて正直な!わかるよ。
⚫︎頼子の巨大さ。
頼子だけがずっと、ニュートラルで偉大な、余計な自意識のない、恥じることない人間として描かれている。彼女の内面だけがずっと謎。
⚫︎対照的に、見えにこだわる美咲の内面のなんと正直なことか。私も頼子にはなれない。美咲ほど徹底もできないだろうが。
⚫︎もうブスっていっちゃいけないんだよね?わかってる。ヤリマンもダメか〜 のよしえ!
ほーんと!
⚫︎最後の最後に頼子の語りパート。とても静かな。
スマホを置くと、毎日はとても静か。山の中にいるよう。
その通りかもしれない。
見なくても良いものをたくさん見て、心の中を忙しくしているのかもしれない。
あー、西加奈子の次の本も読みたいから、もっと生きよう。楽しみだな。 -
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登場人物それぞれの視点や考え方が分かるところに、とても引き込まれた。さらに、その人物がほかの人物からどのように見られているのかも描かれていて、物語を多角的に味わうことができた。
お墓に対する考え方や関わり方は、世代や家族が暮らす場所によってさまざまだということが、物語を通して浮かび上がっていた。三世代にわたる登場人物が描かれることで、時間的にも空間的にも広がりが生まれ、それが作品の深みにつながっていると感じた。変化していく時代の中で、それぞれの価値観や事情に向き合いながら対応していくことの難しさも考えさせられた。
自分自身の実体験と重なる場面もあり、とてもリアルに感じられた。何度でも読み返したいと思える一冊 -
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ネタバレ今まで色々なミステリを読んできたが、
この本は本当にすごいと思った。
見事などんでん返し。
終盤、探偵役(翔太郎)もあんなに些細なヒントでここまで真相に辿りつけるのは凄いな。。と思っていたら、まさかの最後に形勢逆転。
犯行動機も非常に合理的で納得出来る内容だと思ったし、極限状況ではここまで殺人のハードルを下げる事ができるのか。。と感心してしまった。
追い詰められた状況で犯人が助かる方法があるとすれば確かに本作の方法が最善なのかもしれない。
※犯人は女性なので、もし本当の状況を皆に伝えて話し合いになったら、脱出する勇逸の1人には選ばれなさそう。。。(体力ありそうな男性陣の中から選ぶ?)
実に驚かされた1冊。良い読書体験でした! -
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ネタバレ■伝えることの難しさと面白さを、物語を通して学べる一冊
テクニカルライターのお仕事小説です。
私自身、物事を説明したり、使い方を伝えたりすることを仕事にしてきたので、読みながら「ああ、こういうことってよくあるな」と思う場面がたくさんありました。
テクニカルライターという職業は、あまり一般には知られていないかもしれません。しかし、何かをわかりやすく説明する、必要な情報を相手にきちんと伝えるという点では、まさにプロの仕事です。
本書では、文章を短くする、一文一義を意識する、要点を箇条書きにするといった基本的なテクニックが、物語の中で自然に紹介されています。単に知識として説明されるのではなく、具体的な仕事の場面を通して描かれるので、すっと頭に入ってきます。テクニカルライティングを学びたい人にとっても、実践的な入門書になるのではないでしょうか。
特に印象に残ったのは、マニュアルは単に機械の機能や操作方法を説明するものではない、という考え方です。
大切なのは、使う人がどんな場面で、何をしようとしているのかを想像すること。メーカーが伝えたい機能を並べるのではなく、ユーザーの行動に沿って情報を組み立てる。例えば、ストッパーの説明を「ストッパーの使い方」ではなく、「ハンドルから手を離すとき」という見出しにする。なるほど、と思いました。
これはマニュアルに限った話ではありません。相手が何を知りたいのか、何に困っているのかを考えて伝えることは、あらゆる仕事に通じるものだと思います。
また、マニュアルは商品の一部であり、その不備は商品の不備にもつながる、という指摘も印象的でした。事故を防ぐために何を書くべきか、どこまで注意を促すべきか。書き手の都合ではなく、実際に使う人の立場から考えなければなりません。使う人に何かあってはいけないという視点が、プロの仕事を支えているのだと感じました。
文章を書く技術だけでなく、相手の立場に立って考えること、情報を整理すること、そして何を伝えるべきかを見極めること。本書には、そうした仕事の基本が詰まっています。
小説としても読みやすく、読後感もすっきりしています。テクニカルライティングに興味がある方はもちろん、仕事で人に何かを説明したり、文章を書いたりする機会のある方にもおすすめしたい一冊です。
「伝える」という仕事を、改めて考えさせてくれる小説でした。 -
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ヒボさんからの課題図書。
ヒボさんはここまでの流れを予想していたのだろうか。
だとしたら凄すぎるぞ。
『そのときぼくは9さいだった』を読んで撃沈していた私の心をこのタコはフワッと軽く浮上させた。
タコが可愛い。
タコが頭に乗っている男の子も可愛い。
つぶらな瞳がやばい可愛い。
なんかもう意味が分からないけど可愛い。
小さいタコも可愛いし、大きくなったタコも可愛い。
手を挙げるタコも可愛いし季節を楽しむタコも可愛い。
このつぶらな瞳の男の子とつぶらな瞳のタコの組み合わせがたまらなく可愛い。
私はこの奇妙な2人組に救われた。
ありがとうタコ。
ありがとう少年。
ありがとうヒボさん。 -
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★4.5
未来だなあ。このからあげボーイズがしあわせに暮らせる国にしなくちゃって、でっかい責任を感じたりする。からあげボーイズがからあげおじさんになるまでに、わたしに何ができるだろうか。
「からあげボーイズ」より
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くすっとしながらも温かい気持ちになるエッセイでした!なんだか 色んなことに疲れちゃいながらも頑張って生きてる人たちに読んでほしいなぁ、って、友達を思い浮かべたりした。
「物理教師」「桃とくらげ」がメッチャ好き!
「Sabotage」「パソコンのひと」「冬の夜のタクシー」も次いで好きでした。
ずっと読みたかったから読めて良かったー!
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