【感想・ネタバレ】未明の砦のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年05月05日

毎回、期待を上回る太田愛さんの作品!本作は、非正規雇用の4人が、ユシマという自動車メーカーを相手に労働組合を立ち上げて戦うストーリーで、こんなにも雇う側に都合良くルールが作られていて、政治や警察までも操れるとは、、と驚きの連続。従業員を会社のコストと考える体質が変わらない以上、労働環境も改善されない...続きを読むし、日本の生産性はずっと低い。長時間労働は、私の職場でも起きている課題だし、これを続けることで、結局は生産性は上がらない、みんなハッピーになれない、と改めて思った。まずは声を上げることが大事!

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

── ヒロシマ、ナガサキと原爆を投下され、ようやく敗戦を迎えた後に、民主主義も投下されたのだ─
──この国の将来を決めているのは、投票に行かない国民だ─

もうただただ、かっこいい。
民主主義の劣化ではなく、そのものが日本に根付かなかった、という視点で切り取られた社会派ミステリー。
若者は毟り取られ...続きを読む、老人は肥えていく時代。戦わないから。スマホの時代でしょ。SNSの使い方知らないの?いやいや老人も知ってるから。
老人の怖さをバカにするから負けてる。
批判提案は簡単にできても、戦い方は勉強できない。

沈まぬ太陽のようでもあり、下町ロケットのようでもあり、ハラハラドキドキしっぱなし。

武士道や五公五民といった滅私奉公のジャパニーズスタンダードが、上位に楯突くことをヨシとしない下地となっているのか。あっ、そういえば私の会社も労組はない。中堅規模なのに。
って誰もが気づいているけど、誰も動かない。

だって長いものに巻かれていないと怖い(南無)

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

労働組合を立ち上げた4人の若者がとても熱くて引き込まれた。自分の考えや価値観を見直さないといけなぁ。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

評価が高い作品なので、何となく読み始めてみたのですが、最初はどういう話になるのか全くわかりませんでした。
渦中の4人、警察、企業、様々な目線から緻密に構成されていて、時系列の使い方が秀逸だと感じました。
企業に勤める身として、とても考えさせられる内容であり、とても勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

労働者の権利と言う複雑な背景を持つテーマなので、途中の説明的な記述で疲れる人も出てくるかもしれないけど、いつもながらクライマックスに向かうところは一気に読みたくなり、手が止まらなくなりました。

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

ブラック企業に立ち向かう若き4人達がユニオン(労働組合)の力を借り,不当労働の実体に立ち向かう!勉強になりました。自分の身を守るのはやはり自分達なのだと改めて思う1冊でした。

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Posted by ブクログ 2024年03月11日

違法とされてきた非正規雇用を合法化した自民党政権。いま労働者の4割が非正規の日本。子供どころか結婚すらできない。共謀罪という戦前のような法律を作ってしまった自民党。その恐ろしさがよくわかった。選挙に行きましょう。

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Posted by ブクログ 2024年03月07日

大企業に雇用された使い捨てとも言える非正規労働者が、従業員の労働条件改善のために御用組合を頼るのではなく、自分たちでユニオンをつくり労働者の心をつかんでまとめていく。
社会派のハードな主題でありながら、ラストでは心を揺さぶる場面が登場する小説だ。

600ページ近くあり、なかなかまとまった時間を取れ...続きを読むない中、数日にまたがってしまったが、読み始めると引き込まれてしまった。

労働者の権利・法律、テロ等準備罪(所謂共謀罪)と公安、政治と官僚、民主主義と国家権力等々、未だに超大企業で労働者を使い捨てにしているところはないと思うが、まさに現在の日本の暗部をついた内容だと感じた。

パーティー券という名の個人献金と、裏金・キックバックの蔓延した自浄作用のない○○党の政治家の方々。
そう言えば「自助」を真っ先に挙げていた総理もいたな。
肩書きだけで集金できる人たちは、一生懸命働いても最低の生活すら営めない人たちの実態を理解出来ていないのだろうな。

この時期に、期せずしてタイミング良く読むことができた。

文句なしの★5。

共感した内容は次。

労組の要職に就いているのが経営側の尖兵である幹部候補生では、労働者を守るなどという発想自体あるはずがない。

労使紛争は、労働者がまとまることが前提。だが勤務査定をするに際し、人物力という個人評価を設け可能なかぎり待遇を細かく差別化しておけば、この国の人間は互いにいがみ合うことに全精力を注ぎ、まとまることは出来ない。

民主主義は人間の長い歴史の中で、民衆が王や宗主国などの巨大な権力と闘い、革命や戦争による犠牲も厭わずもぎ取ってきたもだ。しかし、この国はそうではない。広島、長崎と原爆を投下され、ようやく敗戦を迎えた後に、民主主義もまた投下されたのだ。
その結果、ひとりひとりの人権が保障され、女性に参政権が与えられ、労働組合法が作られ、国民は健康で文化的な生活を営む権利を有するまでになった。しかし、投下された民主主義が根づくことはついになかった。
すでに選挙制度すらまともに機能していない。主権者の責任を果たしている者は半数そこそこで、結果として国の行き先を決めているのは無関心な者らなのだ。政治家という名の利権分配屋は何をしても処罰されることなく、もはや法治国家でさえなくなりつつある。

この国の人間には社会という概念がないのだ。あるのは帰属先だけ。自分のいる会社、自分のいる学校、自分のいる家族。顔の見える相手がいて息苦しい人間関係に縛られた帰属先しかない。
そもそも社会という概念がないのだから、社会にどれほど醜悪な不正義や不公正が蔓延しようと、自分に実害がないかぎり無関係な事象でしかないのだ。
社会とは空気のようなものだ。生きるためには呼吸せねばならず、体のどこかは常に空気に触れている。だがこの国の人間は、その空気が不正義や不公正に汚染されて次第に臭気を放ち始めても、世の中はそんなものだと呟きながらどこまでも慣れていく。コロナ禍でいわれたようにこまめに手洗いするなど身体的な衛生観念は高いのだろうが、自分たちの社会に対する不潔耐性も極めて高いのだ。
この国にある規範は、〈自己責任〉と〈迷惑〉の二つだけではないか。

現在、衰退途上にあるこの国では、これから先、いつ助けを必要とする境遇に陥るかわからない人々が急速に増えていく。ところが実際に自分がそうなるまでは、どのような人生を歩んできた人が、どのような事情で助けを必要とするようになったのか、考えようとすらしない。
自分に仕事と食べ物と住み家があるのは、自分が努力したからだと信じて疑わない。だから、年貢のように取り立てられた税金を地位の高い人々やそのお仲間が湯水のように使うのは気にしないが、自分より〈努力の足りない〉貧しい人間のためにそれが使われるのはどうにも我慢ならないのだ。
この社会の意識では、命は救えない。このままでは犠牲が出るのをとめられない。

政府の偉い人間は不正を働いても嘘をついても、周りがみんな口裏を合わせてくれて罪には問われない、黒を白にも変えられる。
そんな世の中では、力のない者たちは、たとえ無実でも、力のある者たちが望めば罪に問われる。

この国の政治家の多くは、いわば家業を継いだ坊ちゃんかタレント。官僚は、政治経済に関しておよそ何の知識もない〈先生〉に、ひたすら低姿勢で手取り足取り教えて答弁書に仮名まで振ってあげなければならない。
今に官僚になる優秀な人材はいなくなるだろう。

私たちは事の善し悪しよりも、波風を立てずに和を守ることが大切だとしつけられてきた。今ある状況をまず受け入れる。それが不当な状況であっても、とにかく我慢して辛抱して頑張ることが大事だと教えられてきた。同時に、抵抗しても何ひとつ変わりはしないと叩き込まれてきた。
力のある人とその近くにいる人たちだけがより豊かになるのではなく、大勢の普通の人たちが生きやすい世界へと変えていくためには、力を持たない者たちが声をあげるところから始めるほかはない。

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Posted by ブクログ 2024年03月06日

素晴らしい作品。感動した。物語の冒頭から「一体何が⁈」と引き込まれ、そこから遡る形で全容が明らかになっていく展開から目が離せない。ただ面白いだけではなく、労働問題、共謀罪についても考えさせられる内容。登場人物のキャラも立っていて良い。特に日夏さんがお気に入り。日夏さんが出るところ出るところ、ラプサン...続きを読む・スーチョン、パントフォラドーロ、ベルルッティ、と耳慣れないオシャレな感じの言葉が出てくるので都度調べ、今ではラプサン・スーチョンを愛飲している。

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Posted by ブクログ 2024年03月05日

本当にいい話だった。

だけど、このお話は今現在の話で
戦時中とか戦後すぐとかではないんだよな。
今もどこかで…

共謀罪が成立したのは最近のことのように感じたが、
それを絡めてくるなんてすごいな。
4人の主人公と
利害や過去や様々な思いの人々を交わらせて
長文なのに一気に読み進められた。

仲間っ...続きを読むていいな。
若いっていいな。
でも本文にあった「生きているうちにやり直すことはできるのかな」
できる!
きっと年齢は関係ない。
できるはず…

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

非常に濃厚な1冊。
労働者の権利を取得するために立ち上がった非正規工員の4人。巨大な企業と警察が立ち塞がる。戦後の労働法制、日本の経済、教育の問題点が勉強になった。
和を守る事も大切だが自分で物事を考え、声をあげることもより大切だなと感じた。自ら学び、行動した4人が素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2024年02月23日

素晴らしかった!
非正規の期間工として自動車工場で働く4人の若者。
会社に虐げられ日々の暮らしで精一杯の彼らが胸に抱いた「このままでいいのだろうか」と言う疑問。
その小さな疑問が水面に投げられた小石が作る波紋のように、徐々に大きく、彼らや、周囲に広がっていく。
彼らの思いや様々な立場の思惑、あらゆる...続きを読む角度からじわじわと進んでいくストーリーはまるで映画を観ているかのような臨場感。息を飲んで一気に読んでしまいました。
知識を持つと言う事はこれほどまでに人を強くしてくれるのか。
知らない事と知ろうとしない事は同義ではない。
世の不条理を嘆き、どうせ何も変わらない、そう考えている自分こそが、この停滞した日本の今を造っている一端なんだと考えされられました。
これからの時代を担っていく若者に、様々な人に読んで欲しいと思う一冊です。

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

この人の書いた本が面白くない訳がないっていうバイアスが働いてる自覚はあるけど、きっとそれを抜きにしてもめちゃくちゃ面白かった。四人組に刑事のコンビ、記者とカメラマン。物語の大部分を占めるこの人以外に出てくる人たちもなんてカッコいいことか!小さな力が集まって大きなものを倒そうとするところは鳥肌がたつほ...続きを読むど興奮した。実際私はこんな風には動けない『事の善し悪しよりも波風を立てず和を守ることを大切とする』側の人間だけど、だからこそ彼らの力強さに憧れ、応援しながら読んでしまった。結末が早く知りたいのに本のページが残り少ないことを残念だと思う本は久しぶり。

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

読み終わった後、会社に対する闘争心みたいな
物が沸々と出てきた。
おかしいと思う事には声を挙げようと思った。
思えば作者も日本という
国に対して勇気を出してこの小説を
書いてくれたんやなと感動しました。
まずは選挙には必ず行こうと決めました。
子供達にもそれを伝えて行こうと思います。
沈みゆく船かも...続きを読むしれないが、
この小説を読んで多くの人が
この国の政治に興味を持って
高齢政治家とその家業を継いだ坊ちゃんか
タレントだらけでおかしいと思って
くれると嬉しいです。

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

共謀罪の容疑者とされた青年達が労働組合を掲げるまでの背景と行方を追う刑事の話。
なんだこれめちゃくちゃ引き込まれる。
社会人で働いてるからこそ他人事には思えない。都合の良い労働者にならず、良い労働者になりたいと思う。これがうちの会社なら、自分なら、と考えずにはいられない。この状況で声を上げられるのか...続きを読む、声を上げたものに追従できるのか、これからの人生の大半を注ぎ込む仕事、働くということを見つめ直す機会になった。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

骨太の傑作。給料安いなぁと日々嘆く全ての労働者が読むべき。自分に重ねた登場人物達を応援せずにはいられない。600ページの厚みを感じないほどあっという間に読み終わってしまった。

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Posted by ブクログ 2023年12月11日

素晴らしい作品でした。
非正規雇用の闇に端的にスポットを当て、問題提起が明確にされている作品であると感じました。
しかしその闇は深い。600ページの文章量に比例して深い… 企業(特に大手)、政治家、公安、警察、メディア、国家、それぞれの思惑が入り混じる中、、人が働くという事、人が生きるという事、労働...続きを読む者の権利とは、何が事実正しい事で、正しい事であるかのように何が歪曲されているのか、本当に考えさせられる奥深いテーマであると感じました。
犯罪者以降、久々に太田さんの作品読みましたが、エンタメ要素がありながら、非常に勉強になる要素も多くあり、とても好きな作品です。

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

冒頭はテロに関係する話かと思いきや、強大で理不尽な力に立ち向かう人たちの話に引き込まれました。諦めないで、考えて、逃げずに立ち向かう姿にとても感動しました。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

後半になるにつれて徐々に読むペースが上がり面白くなって行きました
分厚くとても丁寧に掛かれている小説でした
昔、フリーターと言う言葉が流行り
もてはやされた時代に一時期なりましたが
あの時を思い出しました
2週間ほど読み終えるのに掛かりましたが
とても大事な事が書かれていると思います

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Posted by ブクログ 2024年03月29日

最初から何が起きたのか追っていくワクワク感があった。途中難しくて長くて何度も眠い目こすりながら頭に内容を入れていくのがやっとで、1週間くらいかかって読み終えた。勉強になった。特に日本と海外との差や、日本がいかに低賃金で働き過ぎということ!弱いものが強い力に立ち向かう。
働くとなったときに法律なんか気...続きを読むにしたことないけど、知らないだけでこんなにも損をすることになるとは思わないだろう。ただただ家族や生活のために働いて、自分の身に起きていることなのに無理してでもそれが当たり前だと思ってどうすることもできないでいる。若い頃の自分ならおかしいと思いながらも何もできなかっただろうし、変えられるということにも気付けなかったと思う。
今の時代のほうが声をあげられる世の中になっていると思うから、おかしいことはおかしいと皆言える環境が大事だなと思う。
最初の入りから最後の繋がりに、長い長いドラマを見終えたような達成感があった。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

テレビドラマシリーズ「相棒」が好きで、なかでもこの作品の著者である太田愛さんの脚本回はいつも見応えを感じていた。
その太田さんの書かれた小説は今作が初めて。
おそらくは、日本のトップ自動車メーカーをモデルにした企業の労働問題を主軸に、なぜ今この国に生活する多くの人たちが生きづらさを感じるのかが描かれ...続きを読むる。
この作品のあらすじを家人に話したら「都市伝説なんじゃない?」と言われたけど、できるならそうであってほしいと思う。
この作品で描かれていることが現実だとしたら、わたしは彼らのように、行動を起こせるんだろうか。

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Posted by ブクログ 2024年02月14日

未明の砦
太田愛さん。

流石の太田愛さん。

引き込まれた。
夢中で読んだ。

フィクションなのに、
日本。大丈夫か?心配になった。
でも、きっと、1人の力でも、大きな力になる。
信じる。

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

素晴らしかった。
派遣社員の使い捨て等の労働者の貧困問題が今作のテーマだが、その構造を炙り出すだけではなく、それに対抗する労働者たちを激励する熱い物語だった。
このままだと本当に日本はダメになる。現代の日本社会へ警鐘を鳴らす目的で描かれていると思う。
ページ数は多く価格も高いし、読書好きでもなかなか...続きを読む手に取りづらい作品だが、多くの人に読まれてほしい、本当に。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日


太田さんは4冊目
今回も期待を裏切らない!
労働者の人間としての権利
深い内容で考えさせられる
臨場感あり、
彼らの未来が素晴らしいものになる様に祈りながら読み終えました

いや〜太田さんの筆力、素晴らしい!

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

わたしにも。あなたにも。全労働者に送る、圧巻の感動長編。
労働問題をメインに、現代社会の歪みを糾弾する社会派サスペンス群像小説であり、令和日本の『資本論』。

搾取され続ける「力なき者たち」の叫びに胸を熱くし、政治家、公安警察から労働者まで敵味方入り乱れる展開に手に汗を握る。
...続きを読む
私たちと同じ「力なき者たち」が立ち上がる勇気とその結末を、あなたはどう感じるだろうか。

知ることから始めましょう。この本には私たちが知るべき大切なことが詰まっている。

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

待望の新作!!
分厚い!
これは期待できるぞ!
登場人物表をなんども見ながら結構時間かかっちゃいました
ちょっと池井戸潤を思わせる作風というか展開だったのにラストどうなったん?もうちょっと見せてよ!って感じだったので★3

労働者問題の日本人的な考え方にはグサグサと刺さる言葉がたくさんありました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月11日

先輩が書いてるとおり,そんなに簡単じゃないでしょと思うけど,フィクションはこれで良いんだと思う。終わり方も好き。
逮捕状が出ちゃうのはホラーであってほしいと思うのだが,実際に出てしまうのだろうか。

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Posted by ブクログ 2024年03月11日

太田愛さん好きだけど。

法律云々のページが全く頭に入ってこず・・。
一週間かかって、なんとか読み終えることができた。
面白いより、しんどかった。

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

2024-02-13
今作も後半は一気読み。いつもながらヒリヒリと身近な闇が心に染みる。新聞連載という形態のせいか、視点人物の切り替わりが多く、時系列も前後しまくるので、何度も戻って事態を確認してしまう。
扱っている状況がリアルで、少し気が滅入る。それに対する主人公たちについては、ご都合主義とは言わ...続きを読むないが、必要なタイミングで必要な奇跡がうまく起こりすぎてるとも感じる。けれど、それくらいの事がないともうこの状況はひっくり返らないという、悲しいメッセージなのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

自動車工場で劣悪な環境のなか働く派遣労働者の若者4人が夏休みをきっかけに労働者の権利など学び会社と対峙していくお話。今の日本における著者の問題意識がよくわかり共感した。人間の労働力をこんなに安く買いたたく社会は、歯車やネジみたいに人を換えが利く部品のような扱いにしてしまっている。資本家の言いなりにな...続きを読むらず、労働者や生産者、消費者が力を合わせて、誰もが人間らしく生活できるような社会を目指していくことが必要なんだと思う。
本文中に引用された戦争責任の問題に関する伊丹万作の寄稿文では『あんなにも造作なくだまされるほど判断力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである』とあり、重い言葉だと思った。

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