小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
2026年の作品
いや今年の作品じゃないか!
わざわざ言う意味ある?
もちろんある
わいのレビューにはいちいち深い意味がある
なんか申し訳ない
いちいち深くてなんか申し訳ない
話を戻そう
本作は琉球空手の達人で、もともと「手(ティー)」と呼ばれていた沖縄の伝統武術に「空手」という名を与え、「空手」が日本に、そして世界中に広まる礎を築いた糸洲安恒を内務省の役人として沖縄に渡った小野寺正三郎の視点で描いたもの
明治という激動の時代に、沖縄の文化でもある「手」の伝統と変革の間で葛藤しながらも、明るく希望を持って「手」の普及に努めた糸洲安恒の静かだが強い想いが込められた一冊
加えて自らも琉球空手の研究と普及を実践する今野敏さんの想いも込められているように感じました
そして2026年沖縄では県知事選が実施され、2期8年続いた玉城デニー知事が敗れ、古謝玄太さんが新たに県知事となられました
長期政権となった玉城デニー前知事にはもちろん功罪両方あったと思いますが、とにかく沖縄の大多数の方は「変革」を求めたということだと思います
そんな年に「変わる沖縄」を描いた本作が発刊されたのは、偶然ではないように思うのです
ましてや本作は「琉球新報」という沖縄の地元紙での連載を経て単行本化されています
沖縄の人々の気持ちを大切にしながら、伝統を守りつつも変革していこうとする沖縄を遠い茨城の空の下から応援したいな〜と思う読後のわいなのでした -
Posted by ブクログ
なんと素晴らしい!にごりえ、半分くらいまで、誰の台詞かわからぬまま読み進めたところで、視界が少し開けたので、最初から読み直した。登場人物を押さえて読むとものすごく臨場感を持って頭に入ってきた。構成力、文章力、表現力どれも素晴らしと感じた。お力の逃げ場のない(いや逃げようと思えば逃げられるのに金縛りにあってるのか、、)絶望感。源七も、沼に入って抜け出せない。余裕をかます朝之助すら、お力の引力に吸い込まれる。こういう沼り方って人間誰しもあるよね。実は自分のすぐそばに抜け道はあるのに、全く気が付かない、気が付いてもそこから抜け出さない。抜け出せない。そんな人間の業を感じずにはいられない。悲惨な結末も、なぜかその業から解放されたような、いっときの安堵を感じてしまった。
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Posted by ブクログ
シンボリックで満足感のあるエンディング。オープニングでは主人公の死んだおばさんの話から始まる。夜中に一人で熟柿に小さい穴をあけてじゅるじゅるすするという行動は、親戚中から嫌われている風変わりでドケチなおばさんのイメージを見事に象徴づけている。
ストーリー展開は、主人公の市木かおりの不遇で孤独な運命に、流されながらも自分を保ち、目的を見つけてなんとかサバイブする姿が描かれていく。後半までは感情移入できなくて、読み進めるのが辛かった。それでも、読者をちゃんと連れていくのは、人物描写の妙と、少しずつ意外な角度に跳ねる展開だろう。やがて訪れるクライマックス。予想通りの場面だが、ここでもそこに至る道のりに意外性を感じた。
最後のシーンは、かおりから土居への電話だ。かおりに好意を抱き、静かに見守る土居の誠実な人間性が透けて見える言動に惹きつけられた。あんな風に自分もありたいと思う。そして、自然にぽとりと落ちる熟柿のイメージが、かおりの未来への希望と重なる。ジーンとした余韻が残る素晴らしいエンディングでした。 -
Posted by ブクログ
湊かなえの作品は3作目。これまでの作品は、内容が重すぎて、読後すごく精神的なカロリーを使ってしまい、正直ちょっと苦手意識を持ってしまっている。でも、暁星はジャストミートした。
この作品の構成のことを絶賛しているコメントを散見した。お互いを強く思い合う永瀬暁と白金星賀という2人のストーリーをノンフィクションと小説という別々のスタイルで語らせるという手法は、その縫い目を読者に委ねているという意味で秀逸だと思う。どう縫い合わせたいかは、読者がそれぞれの想いを反映するだろうし、心に残る形は変容することだろう。
永瀬暁の心の動きや行動には強く共感したし、自分を反映しながら読んだように思う。大切な人を思う気持ちを持ち続け、その想いのために人を殺めることまでしてしまう。相手を思う気持ちが、人格を分つ別の2人ではなく、自分自身に同化している感覚。特に現代では、危険な思想になり得るし、実際このキャラクターも反社会的な行動を引き起こす。ただ、どんな犠牲を払っても、こういう思いや感覚にこの命を捧げてもいいという生き方は、時代や文化を超えて普遍的だと思う。その切実さを伝えるのは、小説の使命のひとつである。 -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。前作に引き続き今作においても、良い意味で予想を裏切る展開となっており非常に楽しめた。
単なるミステリーでなく、勧善懲悪ヒーローもの的な、エンターテインメント性もあるため、頭を捏ねくり回さずに、純粋に物語に没頭してしまう。忙しい日々の隙間に充てる余暇として、まさに最適な作品だと思う。
作中には、人間の嫌な部分を凝縮・誇張したキャラクターが登場する。そんなキャラクターを見て、「いるよね、こういう人」と自分の体験に重ね合わせ、そんな悪どいキャラクターたちが因果応報の目に遭う様を見るのは、かつて嫌な思いをした自分を慰められるようで、ある種の爽快感すら覚える。
ストーリーの読みやすさやエンターテインメント性は勿論だが、主人公の真っ直ぐさや人生に奮闘する姿には、人間らしい生き方としての深みも感じることができる。これらの要素が物語の奥行きにも繋がっているのだろうなと思う。
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