小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
自分的24年上半期、大賞の作品でした。(2007年の作品)
重松清さんの話は、物語をただ追いかけるだけの話ではないと改めて感じました。読後、ちゃんと自分の糧になってる感じがします。
ただ読んでほっこりするとかではなくて、心の傷の痛みがひしひし伝わり、胸に迫るシーンやセリフから、本当の意味で、優しい気持ちにさせてくれます。
なんというか色んな物事を考えられるきっかけになったり、経験したことのない体験を感じられて、読書っていいなぁと思わせてくれる本というか…
生半可じゃない作品です。
◾️おまもり
交通事故の加害者の父をもつ女の子が主人公。
部活の友達が別の交通事故の被害者。
両方の立場を享受する女の子の心の動きが、読み手の心をキューッとさせます。
すごくホッとして、すごく好きな話。
◾️青い鳥
クラスで起きたいじめの加害者の一人が主人公の物語。
忘れることや逃げることは人にとって必要な場合もあると思う。でも、楽になりたい一心で、自分がしたことの責任に向き合いたくないから、忘れたり、逃げる人もいると思う。
村内先生は、それは卑怯だという。
自分がなりたい自分である為に、責任と向き合えるかどうかが、その人の一生を決める気がします。
◾️拝啓ねずみ大王さま
p307間に合ったんだ。富田くんも。
自分を。嫌いになる前に。間に合ったんだよ。きみは。
→この言葉は、この本の中でも一番好きな言葉。
自分を嫌いになる時期は、誰しもあると思います。
自分が自分を好きでいれるように生きることって、生き方の軸として素敵。
◾️進路は北へ
p364うまくしゃべれないっていうのはつらいんだ。自分の思いが伝えられないのはひとりぼっちになるってことなんだ。言葉がつっかえなくても自分の思いが伝えられなくて、わかってもらえなくて、誰ともつながっていないと思う子はひとりぼっちなんだよ、やっぱり。
でも、ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないんじゃないかって先生は思う。
先生はひとりぼっちの子のそばにいるもう一人のひとりぼっちになりたいんだ。だから先生は先生をやってるんだ。
→吃音である村内先生だからこそ、気持ちをうまく言葉にできない子への思いやりを感じるシーンですごく響きました。
上手くできない人、弱ってる人に、優しくできる人って、自分の憧れるかっこいい人です。
◾️カッコウの卵
「そばにいる」ってどういうことかを知れるお話。
ひとりぼっちを知ってるてっちゃんに、誰かがそばにいる喜びを知って誰かのそばにいてあげて。
という村内先生の優しさが沁みる… -
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現在と過去を行き来する構成で、どちらかというと、主人公が会社員として働く現在パートに親近感を持って読み始める形でした。
なので、高校生である過去パートは、青春!眩しい!といった感じで、どこか他人事のように感じていました。
ただ読み進めていくと、あらゆる人の、様々な出来事や考え方が、時を超えて絶妙に絡まり合っていて、その厚みのせいか、過去・現在問わずどこか当事者のように読み入ってしまいました。
私は吉田修一さんの文章が大好きで、特にその言葉選びは、一瞬で心情を想像させる分かりやすさと、共感や時に発見をもたらしてくれることがあり、それがとても心地いいのです。
本作品でも、幾度となくそのように感じることがあり、そのおかけもあって、主人公の人生を擬似体験したような、素敵な感覚に陥ることができました。
ぜひ、私の大切な人にも読んでほしいと思いました。
この作品から得た感覚を、ぜひ共有したいと感じました。
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おもしろかったー!
序盤は名前がファーストネームとファミリーネームとニックネームと役職とでこんがらがったけど、それぞれのキャラが立ってきてからは読みやすかった。
日本での翻訳発行が2020年、イギリスで賞を取ったのが2019年の作品なのか
本格ミステリーとしても人間ドラマとしてもおもしろく読みごたえがあり、昨今のエプス…ンやらこうなんやらのもやっとざらっとイヤーな感じとか、世界の全体の未来がどうにもこうにも…みたいなところにまで感じいってしまって何とも言えない読後感。
まぁ現実世界のことはここで語るべきではないし、本はとてもおもしろかった。続きのシリーズも読んでいきたい -
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ネタバレプロ野球スカウト、ドラフト会議
私の人生では全く縁がないものだが、本を通してその世界を垣間見ることができた。
その中でも加害者側の家族の話である【第3章再起のとき】が印象的。ニュースで取り上げられるのは加害者だが、当然その人にも家族がいるわけで、ある日突然、加害者の家族になってしまう。誹謗中傷やいろいろ嫌なことをネットを中心に書かれてしまう。家族にとっては突然被害者になったともいえる。それでも、真摯に手をさしのべて向き合ってくれる方に出会い、前を向いて生きていく話に魅了された。
最後に、【つらい現実と向き合った人間ほど、自分が思い描く未来をつかみ取ることができる。】とあるが、私もそう信じたい。 -
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鑓水、修司、相馬シリーズの第三弾目。上下巻通しての感想。
いやぁ、面白かったです!今読めて良かった作品。
国家と警察と報道がテーマの作品。過去と現在がどの様に繋がっていくのかが最後までわからなかったが、過去の壮絶さを想像すると、登場人物達の不可解な行動にも納得出来た。巻末の参考文献を見るとフィクションの中にノンフィクションが散りばめられているからか、無理な設定もリアルに見せてくれて、エンタメの良いところ満載だった。
冒頭のシーンが読後には全く印象の異なるものに見えるのが、最高。
戦前、戦中、戦後の話しはなんとなく避けて来たけど、興味湧きました。 -
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なんて味わい深い作風!いきいきと描かれる人物描写にはクスッと笑ってしまうようなおかしみが随所にあり、戦中戦後の健気で切ない事情もしみじみと胸に迫り一日でイッキ読み。舞台の街も馴染みのあるところばかりで当時の雰囲気や暮らしぶりを想像しながら楽しく読んだ。戦争を挟んだ何年間かのカフェー西行まわりで、25過ぎたら年増扱い、28過ぎたら辞めさせられる若年定年制などの社会のしがらみや年齢に化粧や髪型、服装などに向けられる世間の好奇の目にもめげず、様々な年代の女給たちや彼女らの周囲の人々が心をときめかせたり悲しみに胸を痛めたりお互いにイラついたり助け合ったりしながら働いて生きていく様子がたくましく微笑ましくて、ほのぼのとした読後感が心地よくて、未読の「襷掛けの二人」もすぐに読みます!
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未来は多田先生の思っていた通りに変わった部分もあれば、同じことを繰り返している部分もある。
病院の待ち時間は、クレジットの支払い等が導入され、だいぶ短縮した。
一方で、リハビリやST (Speach Therapist) という職業はまだまだ手薄となっている。
台風による被害は、更に威力を増して残っているし、洪水での被害も発生したばかり。著者はマニュアルでは不十分で、一人ひとりが考えなければならないと説く。
生きているとは何なのか。何不自由なく、生命が脅かされることはなく生きているものの、傷付いて病んでいる自分たちの心。生きている実感が持てない、仕事という作ったものでしか存在の価値を示すことができないから、生きることがわからなくなっている面はあると思う。
タイのNGOで活動する青年の話が強く心に残った。回復する人を見て、自分も生命を回復させられることに感謝する。生きる実感を持つために、病であったり厳しい環境に置かれなければならないというのも妙な話だが、今の現実の社会がそうなのだ。
それらを少しでも自覚し、忘れていたことを思い出すこと。生きているものや人に向き合っていくこと、それでも活動できている今を楽しむこと。
私たちにもできることはそのくらいかなと思う。 -
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あっという間に読み終わっていました。
少しネタバレかな。
高里の周りで起きる理不尽な出来事が何なのか知りたくてどんどん読むのが止まらなくなりました。
岩木くんの所がぞっとしました。
それからどんどん騒ぎは大きくなってしまうけど、広瀬が高里をかばってくれます。
広瀬は高里に対して自分と同じと思いたくて守ってくれるけど、実は全然違うものであると気づいていて、それでも同じはずだと強引に思い込んでいるというエゴの書き方が良かったです。
最終的に嫉妬だったんだと気づいて、広瀬はそのままこの世界に生き続ける凡人だった訳です。
臨死体験をして、多分、自分は少し特別な人間だと思いたかったのかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「モヤ談義」に取り上げられていて、原著を読みたいと手に取った。
最近、ある知的障害のある知人で、本人と家族への相談なしに、支援学校から入所施設への転籍を決定された通知があった話を聞いた。
対象児の最善の利益を担当で検討した結果なのだろうが、本人(また同じく障害あると家族も)の意見を全く聞かずに支援計画が当然のように動くのはなぜだろう。
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この本は、
おかしい!と訴えたい 訴えていいよね、
という気持ちの渦にのまれたとき、
障害者をとりまく社会の歴史とともに考えをまとめやすくなる言葉がちりばめられていた。
「泣きながらでも親不孝を詫びながらでも、親の偏愛をけっ飛ばさねばならないのが我らの宿命である」横塚晃一
障害者の介護を身内が黙って引き受けることが美談であるような社会で、世間・他人様への遠慮は積もり積もって本人を追い詰める。
本人が背負っている重荷を、家族が態度次第で一層重くしてしまうとは。
障害も病気も特性も不登校も、
家族が他人に遠慮したり偏愛したりすると、蹴っ飛ばすような強さを培わねばやっていけないところまで追い詰めるということを覚えておかなければと思う。
「人が生きる意味」を人は誰しも簡潔に説明できない。自分が生きる意味を、思い悩み、大切な人と語り合うことはあっても、第三者から説明を求められる筋合いはない。
なぜ議論の行末に責任のない人たちが、ある特定の人たちの生きる意味について議論するのか。意味を求められるような社会問題にさらされるのか。
全くその通りだと思った。
そして、その章の終わりに、「それで、君はどうするの」という言葉がある。
私はどうするのか
を問う。
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また、
「ある視点からすれはいわゆる気が狂う状態とてもそれが抑圧に対する反逆として自然にあらわれるかぎり、それじたい正常なのです」
という言葉は、
子育て中に鬱になったり家出したりと、自分を責める母親へ向けての言葉としても、覚えておきたいと感じた。
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