小説・文芸の高評価レビュー
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貧しい天草から薩摩に移住した集落の人々を軸に、文字を学ぶ機会がなかった地域の人々が語り伝えてきた西南戦争の記憶を聞き書きした作品。「六道御前」と「草文」は、のちに「まるまるのフィクション」だったことが石牟礼本人から明かされている。
改めて読み直すと、「1970年代」という時代性を感じるテクストではある。第一に、国家の権力とは別の位相で誠実かつしたたかに生きてきた民衆たちと、彼らが作り上げた共同体に対する(たぶんにノスタルジーを含んだ)関心という点で。第二に、反抗・抵抗の契機として西南戦争を見直していくまなざしという点で。前者の関心はいわゆる「民衆史」的な問題意識と接続するし、後者は労働運 -
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自分がいかに社会の多数派に属すことを望んでいるのかを、強く自覚させられた。
「欲」そのものに正しさも間違いもないのではないかと思っていたが、水に興奮するという描写を前にすると、理解しようとしてもやはり意味がわからなかったし、その欲が社会に害を及ぼすのだとすれば、社会正義の名のもとに許してはならないと思ってしまう。結局のところ、寺井のように私も自分が理解できないマイノリティからは目を背けたい側の人間なのだ。
しかし、生きづらさを抱えながらも、人は他者とのつながりを無意識に求める。自分と同じ思いを分かち合える誰かとのつながりがあるならば、人はかろうじてでも生き続けることができるのだと、佐々木と夏 -
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お久しぶりのマチ先生です(*^^*)
本屋大賞ノミネート作品ですね(^^)
ノミネート発表のタイミングで届いて嬉しいです!
読む前にスピノザのレビューで復習してから読みました(^^)
自分のマチ先生の大好きさに笑いました笑
でもやっぱりいいんよなぁ
今回もよかったなぁ〜(*^^*)
マチ先生の言葉選びが好き
全体を纏っている空気が好き
ずっとそこに浸っていたいです
南先生の言葉を借りると
『耳を傾けていると、突然見える世界が変わる時がある。新しい知識を教わるのとは違う。それまで当たり前だと思っていた物事が、当たり前でなくなる瞬間がある。』
まさにそ -
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ネタバレ谷さんの作品は2作目。
この本で、わたしの好きな作風の作家さんだと確信した。
あかずの扉がたくさんあるまぼろし堂。設定がおもしろくて、ファンタジーが好きなわたしには楽しく読めた。
まぼろし堂の持つ雰囲気や噂は何だか不気味で怖いし、下宿人も謎めいているのに、怖いというよりも優しい世界観で話が進む。それがとても心地良い。
登場人物はそれぞれ謎や秘密を持っていて、それが明らかになるにつれて切なくなるけれど、最後にはちゃんと希望や優しさが見えるのがよかった。
あかずの扉は、「もしかしたら、現実の、新しい世界につながっているんでしょうか」という朔実の言葉がすごく素敵だと思った。
いつか続編が出たら -
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おおおおおお………さすが江戸川乱歩賞。
ぶっちぎり1位も大納得の面白さです。
ブラック会社で働く超敏腕営業マンの鳥井が、
殺し屋の営業マンに転職するクライムノベル。
圧倒的影響力……得意の営業トークでクライアントから金を巻き上げる術は見ものでした。
ちょっとユーモアチックなエンタメ寄りの話だと思ってましたが、殺し屋の世界の話ということでダークな描写も多くて読むのにカロリーはいるけど、夢中になって読んでたのであっという間に読み終えた。
最後の種明かしも面白かったし、まだまだ話の作り甲斐もありそうで、続編期待してしまう。
今からメディア化も期待してしまう。
バッチバチのアクションと、薄気味悪い営業 -
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読みながらボロボロ泣いてしまった。
「ディスタンス世代」
その時、私はすでに就職しており感染症診療に当たっていたため、実際に感染症の恐ろしさや、パンデミックで不幸な転帰を迎える人々を見た。
しかし、新興感染症が与えた不幸は生死に直結する部分だけではなく、人々の生活にも暗い影を落とした。
とりわけ子供達には、「感染対策」が強い強制力をもって、楽しい学生生活や友達との付き合い、家族イベントに影響したことと察する。
その中で、前半の小学生のパートでは子供達の脆さと母親のしなやかな強さを感じた。しかし、子供達が大学生になり、就職活動を迎える頃には、自分で道を切り開いていく、人間の強さを感じさせるよう -
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平家物語のダイジェスト版
原文と現代語訳は主要なエピソードに絞られているが、その他のエピソードも、合間に概要と説明があり、平家物語の全体像がしっかり分かるようになっている。現代語訳は分かりやすく、原文もルビが細かく振っており、どちらも読みやすい。合間に解説が挟まれるとともに、巻末に系図や年表等がついており、ビギナーズクラシックスの名の通り、古典に馴染みのない初心者にも親切な作りになっている。平家の武士たちの死に様には、後の時代の武士たちの価値観の原型となるエピソードも多く、より詳細な訳注付きの全文や研究書を読み進め、平家物語の世界をもっと味わいたくなった。 -
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一巻で登場した陣吾が私的に依頼してきた内容とは?そして“夢の国”では惣一郎がある人と出会い……。
シリーズ通しての謎も少しずつ明るみになる8作目。
平九郎の前に次々と現れる強敵たちに、ワクワクしながら読み切った!面白い!
たまに出てくる粋な親父が大好きなので、今回も大満足。
かっこよー!!散り際に敵に残すとか粋すぎるッ!!好き!!
“夢の国”側もだいぶん話が進んだ。てか、あれやん?イクサガミの彼のおそらく先祖が出てきたやん?びっくりしたー!!
そしてそれにより大体の場所もわかり、一気に流れがわかった。
いやぁ、面白い。
さ!次行くよーってワクワクしながら本棚見て「ノォォォ。・゚(´□` -
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ネタバレ本を読むって大事だ と感じさせられた。
インザメガチャーチを読んでから正欲を手に取った。
この作家はどうして個々人をこんなに1人の人間として描くのが上手なのかと2作ともに感心する。
そして方向性は違えど、2作に共通するキーワードもあった。
「繋がり」
推し活であれ、性的趣向であれ、同じ考えを持つ人との繋がりは、自分を確固たる者とし、自分を表現できる安心の場となり、時に過剰なヒートアップを促すものとなる。
だけれど、本作の夏月と佳道の繋がりはただただ美しかった。私は2人の関係性に夫婦としての理想像を見た気がする。
”多様性”のきれいごとの部分をあぶりだしていた作品
八重子には特に顕著にその点 -
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梨木さんの日常を語るエッセイ。家の周りで咲く小さな花や人とのつながりを、優しく鋭い目で見つめ、温かい言葉でつづる、何気ない暮らしの羅針盤。
梨木さんはふと歩いてみた隣との細い境、手入れのされていない庭で一綸やっと花をつけて咲いている貝母を見つける。
この花は束にして活けるとお互いの巻きひげでまるで縛りあって立っているかのように見える、そういう生き方から無理をしない、寄りかかれるものがあれば寄りかかってみる、状況に合わせて生きていく姿勢を感じる。
そしてサステナビリティー(持続可能性)という言葉に気が付く、よく見かけるようになったその言葉はやがて時代の波に流されていくだろう、生きていく間にはさ
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