あらすじ
宮沢賢治の童話はその詩とともにきわめて特異なものである。「あなたのすきとおったほんとうのたべもの」になることを念じて書かれた心象的なこの童話の一つ一つは、故郷の土と、世界に対する絶えざる新鮮な驚きのなかから生まれたものである。どの一篇もそれぞれに不思議な魅力をたたえた傑作ぞろい。
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大人になって再び読んでみました。『蜘蛛となめくじと狸』と『注文の多い料理店』が印象に残りました。小さい頃は怖いなと思いながら読んでいましたが、今読むと、なんというか、少しぞくぞくしたのは私だけでしょうか。
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銀河鉄道の夜、読みました。
なんだか不思議なお話でした。
小さな頃、アニメーションで見たことがあり
そのイメージが浮かんでくるのですが
文字だから想像できる景色があって…
すごく綺麗な文章でした。
物語全体に不思議な雰囲気が漂っている、
そんなお話でした。
読み終わったあと、
川面にある、風に吹かれているすすきが
わたしの中で音を立てています…
素敵でした。
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岩波文庫版は長く読めてませんでしたが、いよいよ、手に取りました。賢治の世界、なんとも言えないですね。銀河鉄道の夜、他の出版社のものを読んだことがありましたが、改めてその奥の深さ、文章表現のあり方などに大きく感銘を受けました。
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宮沢賢治による寓話集。
表題作『銀河鉄道の夜』の他、『注文の多い料理店』『オッペルと象』『山猫とどんぐり』などが収録されています。
約5年ぶりの再読ですが、いろいろな発見がありました。今回は特に表題作の『銀河鉄道の夜』以外の作品を中心に収録された寓話を読みすすめると、宮沢賢治の作品に共通する世界観や頻繁に登場するテーマがすこしずつ見えてきました。
本書に収録された物語にはしばしば倫理的な主題が現れます。『オッペルと象』『ツェねずみ』など他者を欺供養な人物、性根が曲がったような生活を送っている人物に対して辛辣な結末が訪れる作品が多く見受けられます。随所に賢治らしい独特な言葉のリズムやみずみずしい風景描写は見られますが「幻想的な賢治童話」という認識からは大きく外れる作品群です。
このような作品から垣間見える宮沢賢治の理想的な生とは清く正しく黙々と生きるということなのだと思います。彼の倫理観が最も端的に現れている作品は本書収録外の『雨ニモマケズ』でしょう。そして賢治が読者たちを善導しようと記した作品がこれらの倫理的な寓話たちなのです。
そしてやはり賢治童話の魅力は多彩な情景描写でしょう。『銀河鉄道の夜』の幻想的な宇宙などの風景描写は当然ながら素晴らしいですが、私が感動したのは『からすの北斗七星』や『二十六夜』のは2作品です。この両作品に見られるような動物たちの感情をたっぷりはらんだ動きと夜の帳が下りた山々の風景の描写は私たちが知らない夜の静寂の世界で実際にこのような情景が繰り広げられているんじゃないかと想像されるほど、臨場感があふれています。宮沢賢治の描く動物たちの仕草はとても動物らしい一方でとても人間らしく、この筆致こそが独特の幻燈を生み出すのではないかなと思われてきます。その一方で2作品共に登場する動物たちには衝撃的な出来事が起きますが、その描かれ方はとても抑制的に感じます。この抑えられた文章によって私は過度に登場人物に感情移入せずに物語を読み進めることができ、実際の自然ドキュメンタリーを見ているようにこの物語世界と向きあう事ができまし事になりました。そしてこの寓話を一定の距離感を持って鑑賞することによって賢治の物語世界全体を楽しむことができたのではないかと思います。
もちろん上記に書きましたことは『銀河鉄道の夜』にも言えることではないかと思います。『銀河鉄道の夜』に見られる倫理的なメッセージや物語世界と近づきすぎずに全体的に提示してみせる筆致に注目て読んでみると、少し違った読み方ができて面白かったです。
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悲しいストーリーであり、思春期の過剰な自意識に苛まれている主人公、ジョバンニ。それでさえも物悲しく詩的な世界の要素の一つに消化する宮沢賢治の筆致。
長年多くの人々の心をつかんで離さない訳は、一読すれば疑問の余地はない。
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なんといっても「銀河鉄道の夜」!!!
といいたいところですが、それ以外の作品も面白い!!!
賢治の童話は大好きです♪
「銀河鉄道の夜」の編纂にあたっては、未完の作品とあって、本によって内容が少しずつ違ったりしてるんですが、
コレはちょっと長めバージョン? 笑
カムパネルラと別れたあとの部分で割愛している本も多いのですが、コレはのっけてるみたいです。
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ワタシの人生を大きく変えてくれた1年間に、ずっと肌身離さず持ち歩いていた1冊。この銀河鉄道の夜とあの場所の海に人生を教わったといっても過言ではない。持ち歩きすぎてやられてぼろぼろだけれども、本当に愛してやまない1冊。
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友達が大好きな銀河鉄道の夜。
凄く綺麗な小説だった。彼女曰く、「宗教が違うから二人はあの駅では降りなかった」など、深い意味があるらしい。もう一度読み返してみたい。
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奇妙な動物たちが主人公の話が多い。
教訓的な解釈のされるような恐ろしい結末が多い。けれどそれを童話的な書き方をなされている。
語感、描写等やっぱり素敵。
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超・愛読書。何か一冊本を持って逃げろと言われたらこれを持って逃げると思われます。小学生の頃から大好きで、中学の頃賢治先生関係の授業を選択で取る程でした。
無国籍な雰囲気が好き。
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宮沢賢治の世界では、人は動植物、自然と対話することができる。対話できるのは何か特別な力を持っているからではなく、ごく自然に誰でもできる。
それが当たり前だから、特別な設定は一切いらない。
動植物や自然と、本当の意味で共存するとは、こういう世界なのかもしれない。
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言わずとしれた有名小説。きちんと読んだことはなかったので読んでみた。銀河鉄道という舞台で感情豊かに生き生きと動く人々や瑞々しい風景は、素晴らしく、やはり宮沢賢治の評価は揺るぎないなと思った。
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表題の「銀河鉄道の夜」しか読んでない。
こんなに切ないとは思わなかった。
ただの童話だと思っていたけどジョバンニのカムパネルラへの純粋な友情とか嫉妬とかいろんな人間くさい感情が描かれてて切なかった。
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Kodama's review
宮沢賢治…。小学生以来でしょうか。記憶にあるのは、「注文の多い料理店」くらいですが、日本人として宮沢賢治さんの作品をちゃんと読まなきゃと反省することがあり、手に取りました。こういう類の本の紹介もブログ開設以来初めてとなりました(笑)。
(06.12.28)
お勧め度
★★★★☆
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宮沢賢治というと、名前は有名ですが作品はほとんど読んだことは無いという人が多いのではないでしょうか?私も昔「注文の多い料理店」を読んだぐらいでした。
これがとても面白いのです。まずその文章の美しさにびっくりします。例えば次の文章を読んでみてください。
「おもてにでてみると、まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。」
生き生きとした情景が浮かんで来ます。話の内容も起伏に富んでいてとても楽しめます。お勧めの一冊です。
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収録作は以下のとおり。
「北守将軍と三人兄弟の医者」
「オッペルと象」
「どんぐりと山猫」
「蜘蛛となめくじと狸」
「ツェねずみ」
「クねずみ」
「鳥箱先生とフウねずみ」
「注文の多い料理店」
「からすの北斗七星」
「雁の童子」
「二十六夜」
「竜と詩人」
「飢餓陣営」
「ビジテリアン大祭」
「銀河鉄道の夜」
特に「ツェねずみ」と「クねずみ」には、その的確過ぎるほどの人間諷刺にゾクゾクさせられた。
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ぎ 『銀河鉄道の夜』でブルカニロ博士が出とる。
『北守将軍と三人兄弟の医者』で、没稿つうか草稿段階では設定があったのに決定稿でカットされた「兵士や人民の外科や衛生に尽力した」プラン・ペラポラン将軍段階でのはソンバーユ―将軍閣下は馬に対してちゃんとカットされた設定に成っとる(他ではなんかする)
しまったっ。
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大人でも楽しめる童話集。
以前教科書で読んだお話もいくつかあった。
銀河鉄道の夜が一番好きだった。
美しい情景が文章から想像できるし、それでいて少し切ない。何度も読み返したくなる。
いろいろな作品が、この物語に影響を受けているというのが、何となくわかる気がした。
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短編集。有名な話が沢山入っている。中でも銀河鉄道では、表現がとても独特で、本当に銀河の中を鉄道が走っているように見えてくる。内容は新潮社と重なっている部分がある。
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「オツベルと象」「注文の多い料理店」といった懐かしい作品から読んだことのない作品まで珠玉の短編集。一番印象に残ったのは「銀河鉄道の夜」。実は初めて読んだ物語だが予想してた以上に、少年二人の銀河鉄道の旅は幻想的かつ神秘的だった。どの話でも喜劇、悲劇とも宮沢賢治独特の表現で描かれていてその文章の美しさに惹かれる。読み終わった後には何かを掴めたような、何も掴めていないようなそんな妙な感覚。
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*オッペルと象
ずっと「オツベル」だと思っていた。
*ビジテリアン大祭
ベジタリアンについて,自分が考える程度のことは100年ほど前から議論されている。
*銀河鉄道の夜
姉弟が出てきた辺りから面白い。
北守将軍と三人兄弟の医者
オッペルと象
どんぐりと山猫
蜘蛛となめくじと狸
ツェねずみ
クねずみ
鳥箱先生とフウねずみ
注文の多い料理店
からすの北斗七星
雁の童子
二十六夜
竜と詩人
飢餓陣営
ビジテリアン大祭
銀河鉄道の夜
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恥ずかしながら読んだことの無かった「銀河鉄道の夜」。
未完成で原稿用紙の無い部分もあるので、やや意味不明だったけど、他のに比べれば大分マシ。童話と言うより素敵な詩だと思えばかなり感動的であるし、信奉者の多いのも頷ける。
読みやすくて面白い「注文の多い料理店」「オツベルと象」「どんぐりとやまねこ」あたりはさすがに既読だったけど、当時を思い出して懐かしく読んだ。
「オツベルと象」は社会人になってから読むと唸るところがある。
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銀河鉄道の夜;1934年初出(昭和9年)。
確かに美しく、詩情溢れる物語だとは思う。しかし、自己犠牲を貴ぶ殉教者的なストイックさが、俗物の私とはどうしても相容れない。読んでいて、美しさ以上に苦しさを感じてしまう。みんなの幸せのために自分を犠牲にするのは美しい行為だけれども、できればそこまでする前に、醜くても不様でもいいから、自分も含めてみんなで幸せになる道を探そうよーと思ってしまう。でも、それは明日生きているのが前提の人間だから言えることなのかもしれない。若くして志半ばで不治の病に倒れた人間が、死を受容する過程で書いた作品として読み解かなければ、この物語の真意は理解できないのかもしれない。やっぱり賢治は難しい。