小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
『エピクロスの処方箋』というタイトルの意味を考えながら読み進めました。古代ギリシャの哲学者エピクロスは快楽主義を説いた人物として知られていますが、ここでいう快楽は、物質的な満足や欲求を満たすことではなく、心の安定を意味しています。
そう考えると、「エピクロスの処方箋」とは、心の安定をもたらす方法のことなのだと感じました。もしそのような処方箋があるなら、患者だけでなく、その家族、そしてそれを与える医師にとっても大きな救いになるはずです。
日々、患者の死と向き合う終末医療の現場で、医師はどのように気持ちの折り合いをつけているのか――本作を通して深く考えさせられました。マチ先生の選択にも強く心を -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。漫画のようにスラスラ読めて、サクッと読めるのに、扱っているテーマは避妊治療やマタニティブルーなど非常にセンシティブ。にもかかわらず、エンターテインメントとして成立している点がこの作品の凄さだと思う。
長く避妊治療に悩んでいた女性が妊娠をきっかけに豹変していく展開は極端ではあるが、現実にも起こり得るものとして描かれていて、その変化に戸惑いながらも徐々に理解していく夫の視点が丁寧で読み応えがあった。
あえて妻側の心情が描かれていないことで、読者は「理解したつもり」になる危うさを突きつけられる。この距離感が作品に奥行きを与えていて、とても良かった。
最後は思わず泣いてしまっ -
Posted by ブクログ
「だれもがだれかをちょっとずつ誤解したり、されたりしながら生きているのかもしれない。
それは気が遠くなるほど淋しいことだけど、だからこそうまくいく場合もある。」
この一文がとても刺さった。
「人は自分でも気づかないところで、誰かを救ったり苦しめているのかもしれない」という一文も印象的。
いじめを受けていた主人公が、こころの拠り所にしていたのが「ひろか」、絵を褒めてくれる女の子。
ひろかにとってはなんてことない事だったけど、確かに主人公を救っていた。
そんな主人公も、同じくいじめを受けていた女の子「唱子」を救っていた。家族との関係も、話し合う事で、欠点と思っていたことが他者から見たら美点である -
Posted by ブクログ
衝撃。1996年に施設が閉鎖されるまでこんな非人道的なことが国家規模で暗黙の了解でまかり通っていたなんて。2013年にようやく政府が公式謝罪したなんて。しかもこんな重大なことを記録に残すフィクションやノンフィクションがほぼ存在しないなんて。並行して読んでいるアトウッドの小説の世界とも完全にダブり、映画も現在上映中のようだからぜひみておこうと思う。犠牲になった女性たちの鎮魂のためにも。
ある平凡で幸せな一家の穏やかで誠実な父親の勇気と正義が風穴を開けるがその後この一家はどうなるのか。彼自身も未婚の母親の子供だったにも関わらず母親の雇い主である気概のある女主人のおかげで悪の施設に行かされることもな -
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