あらすじ
8つの物語の「軌跡」を奇跡の構成力で描き切った、『同志少女よ、敵を撃て』を超える最高傑作
自動車期間工の本田昴は、2年11カ月の寮生活最終日、同僚がSUVブレイクショットのボルトを車体内に落とすのを目撃するが。マネーゲームの狂騒、偽装修理に戸惑う板金工、悪徳不動産会社の陥穽――移り変わっていく所有者たちの多様性と不可解さのドラマ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現代は、情報が溢れかえっている。
その中に多様な意見、真偽、正義がある。
「最高の小説だった」というのも一意見にすぎず、
そもそも、この本自体が一冊の本に過ぎない。
情報に翻弄される登場人物に意識を持っていると、
気づいた時には読者である自分も翻弄されている。
いい小説を読んだなーって感じですね。
Posted by ブクログ
⭐️5
SNSの炎上も、詐欺事件も、外国も、どこか自分とは遠い世界の話だと思っている節がある
ブレイクショット、それはバタフライエフェクトのよう、自分の一挙手一投足が世の中に与える影響はカオス、全てコントロールなんて到底できないからこそ自分の行動には責任が伴う
与える影響は遠い世界だと思っている、そんな場所にまで波及してしまうこともある
ブレイクショットのダブルミーニングや伏線回収がお見事で、何より展開(せれな=あこ等)を多少予想できたが物語自体の面白さや構成力の高さにやられた!
枠にはめてしまうかもしれないという最後らへんのあこからすばるへの言葉も、すっと心に響いた
Posted by ブクログ
一つ一つのテーマの解像度が高く、人物の掘り下げ方もしっかりしていて、これだけの内容を盛り込むと説明的になりそうなのに最後まで臨場感があり、没頭して読めた。
読後に「その先は…!?」とモヤモヤするのも好きだけど、こうやってきれいに伏線回収されるお話も好き。
心に留めて置きたいフレーズもたくさんあった。
とにかく「小説家ってすごい!」となりました笑
Posted by ブクログ
長いのに全然中だるみしない面白さ!最後に見えてくる繋がりがこの本の一番の見どころだと思うけど、そこに至るまでの展開だけでも十分成り立つぐらい1個1個のエピソードに深みがあって、かと言って詰め込みすぎてる感もなくて、とりあえず上手く表現できないけど構成力に拍手!という感じ!
Posted by ブクログ
同志少女以来。やっぱ面白かった。でも長い。でも、これくらい必要なのかも。現代社会が勉強できた。それにしても、後藤さん(パパ)、亜子さん、最後にこれはないでしょう。アフリカのストーリーも。長いけど、最初と最後に要注意。最後は短かったけど、頭と尻尾はちょっとつけた感。スピンストーリーがあっても良いくらい。特に亜子さんのその後を読みたいです。で、宮苑はどこ行ったの?
Posted by ブクログ
『同志少女よ敵を撃て』、『歌われなかった海賊へ』。第一作が独ソ戦をテーマにしたもので素晴らし過ぎた(直木賞でもおかしくはなかったのでは)。第二作も舞台がドイツだったこともあり、今度はどこの国だと思っていたら、自動車期間工の話だと聞いて、全く興味が湧かなかった。本を読む気にはならないけれどaudible で聞いてみようかと思い聞いてみたら、引き込まれた。最初は部分部分で話が異なり、中央アフリカの話になって頭は乱れたが、それぞれ短編として面白く、先が楽しみに。そしてどんどん話がつながって、全体で一つなんだと実感出来た。出世物語と破綻。サッカーのユースチームの描写の細かさ。貧富の差と本当の幸せとは?絶望的な事件。悪徳不動産投資と経済投資塾。裏社会。アフリカの紛争。どれを取ってもそれだけでひとつの小説になるだろう。緻密な取材に驚かされる。一つ一つが短編ではなく全体で筋の通った物語になっているのだとあとで分かる。
逢坂冬馬は、一作一作がジャンルが異なるように思えるが、不条理を非情に描きこんでいて、救いがないように思える点が共通している。テンポよく進んでいくので先へ先へ。やっぱりこうなっちゃうのかよ。。。
でも光明というか、この先不条理は消えるのかという気分でフェードアウトしていく。ただこの『ブレイクショットの軌跡』は、人の繋がりの大切さが示され、それが物語の横糸になっている。そしてその人間関係がやがて不条理を乗り越えるものとなる。悲惨さが最後には、人との繋がりで解消されて行く。全体の人間関係が繋がり、伏線回収がなされている。逢坂冬馬は、やはり楽しみな作家だ。
Posted by ブクログ
長い長い作品であるが、それぞれの話がコンパクトにまとまっており、全体として素晴らしい作品になっていると感じた。短編集としてまとめることもできたとも思うが、こういう形でまとめることでさらに良い作品に仕上がっていると思う。最後のエピローグで、全てがまとまる感じを感じ取れてとても面白かった。日本で現在起きている課題を捉えて、まとめている点も良い。
Posted by ブクログ
ブレイクショットが渡っていく先で
良心や生きる指標を見失っていく人たち
幸せになるための指標を見つける事
見つけた指標を見失わない事
現代社会ではなかなか難しい
呪われた車のように見えたブレイクショット
それを手放すことで状況は変わらないのに
なぜか吹っ切れたように心境が変化して
運命が好転していく人たち
人の心の浮き沈みと共に変化していく人生の軌跡
現代の縮図のような物語だけれど
人々の心の有り様は普遍
幸せか不幸せかを決めるのは心のあり方次第だし
良心に従い自分の心を制する者が
人生を好転させると
教えてくれた
Posted by ブクログ
厚みのある本を手にして、読み切れるだろうかと思った。しかし、冒頭の数ページ読んでいくと、スッと物語の世界に入り込んでいた。面白いと純粋に感じた。初めての逢坂冬馬さんの作品を手に取った喜びを感じつつ、読み進めていった。
『プロローグ』。本田昴は25歳、自動車メーカーの期間工。2年11ヶ月の期間、寮に入って自動車の組み立てを行う仕事。そこで、一定の給料を得る。肉体労働で同じ作業の繰り返し、そして、間違えが許されない緊張、過酷な状況を想像する。そんな仕事の状況など、140字のTwitterにあげていた。それが、喜びになっていた。労働の辛さを忘れるものを持てている感じ。
次の勤務期間が始まる狭間に、ライブハウスで出会ったのが世玲奈。声をかけてきたのは世玲奈の方。その日のうちに意気投合して、世玲奈から告白を受ける。いきなりという展開に、昴の驚きが伝わる。仕事がなかった昴は、世玲奈のペースで会い、終始受け身な感じ。でも、昴の方は楽しそう。やっと見つけた、気の合う相手だからなのだろうな。しかし、昴は期間工なため、仕事が始まると寮に入り、自由な時間は限られる。世玲奈とはLINEで短いやり取りをする程度に。
仕事では新たな出来事が起こる。それは、作業中に同僚が、車名ブレイクショットというSUV車内にボルトを落としていることに気づいたこと。昴は知らせることができずにモヤモヤとする。そんな中、会社から正式採用の打診を受ける。悩む昴。色々なことが起こり、昴のこれからはどうなっていくのだろうという気持ちが、読み進める楽しさになっていた。
『アフリカのホワイトハウス 1』。舞台は中央アフリカへ。治安が悪く不安定な状況。いろいろな武装勢力集団が混在している感じ。その中の一つに15歳のエルヴェは所属していた。任務は、ホワイトハウスと名付けられた日本車内での寝泊まりを伴う見張り。過酷な状況だが、生きていくため生活のためにエルヴェは任務を遂行していた。状況は刻々と変化し、対応するエルヴェも相手がどういった者なのか、よくわかっていない。混沌とした状況が続く。
『一章 マネー、ライフ、ゲーム』。霧山冬至はブレイクショットを所有していた。住んでいるところはタワーマンションの最上階。宮苑秀直が社長を務めるファンド会社ラビリンスの副社長。2人は大学の同期で、当時一度だけ会話をしていた。その時のことを覚えていた宮苑が企業する際に声をかけたのが冬至だった。宮苑は経営力や才能があり、会社は順調に成長していく。それが、冬至の生活にも影響していた。しかし、良いことばかりではなかった。妻や子は、冬至と距離を取っているような感じ。冬至の考えは、宮苑に影響されていたため、家族の話を聞くというより説得するという方へ。それでは一方通行でうまくいかなくなるだろうな。家族は互いが本音を出し合い、寄り添い合うことで、つながりが深まるだろうから。
そんな中、部下が事件を起こし、宮苑にまで影響が及ぶ。会社の運営が危ぶまれる事態に。役員の過半数が社長を退任させ、後任に冬至を推すという展開になる。会社の運営の難しさが急展開で描かれていく。その中の人間模様は人の本性を浮き彫りにしていく感じ。その人の大切なものは何かが表に出ていく。欲深いことは、その人の人生に影響していく。その事態によっては、他人を巻き込んでいくため、怖いなとも思う。
『二章 取り柄は善良さ』。後藤友彦は車の修理をする会社の板金工として働いていた。友彦の子供は晴斗。晴斗は優秀だった。それは、友彦と妻の絵美が、晴斗の願いや成長を最優先にして育てていたから。友彦と絵美は、心豊かで思いやりに溢れていた。
晴斗はサッカーチームに所属していた。チームの後輩に宮苑修悟がいた。修悟は晴斗に憧れと尊敬を抱いていた。晴斗は、修吾がもつサッカーの才能と考え方を認めていた。2人は良好かつ信頼の関係にあった。
中邑翔は友彦の会社の若手社員。友彦を慕い、尊敬していた。友彦のようになりたいとさえ思っていた。友彦の人生は慎ましくも充実した幸せを感じさせるものだった。自分のしていることに意味を感じ、家族や仕事仲間との信頼関係を築いていることが、幸せを醸し出しているいるのだろうな。
一方、前章とのつながりのある霧山冬至の息子、修悟が登場するのは、伏線であるかのように感じる。そして、もう一つ、ブレイクショットは友彦が所有していた。まさにブレイクショットの軌跡。そして、『プロローグ』で起こったボルトの件が、悪い方向でつながっていく感じになっていく。それは、友彦がブレイクショットを運転中に起こる事故によって。この段階では明らかになってはいないが、暗雲が広がっていく感じ。そして、友彦の人生も暗雲が広がっていく。
一方で、家族の晴斗と絵美、そして後輩の翔は、まっすぐに純粋に友彦に寄り添う。その温かさと優しさは、読んでいる私を心地よくしていく。
『アフリカのホワイトハウス 2』。『ホワイトハウス 1』からの続き。エルヴェたちはゲストと読んでいる者をチームで護送していた。途中、敵対者に襲われるが何とか応戦し、相手を退ける。ただ、エリヴェが運転する車であるホワイトハウスが攻撃を受けた。このホワイトハウスとブレイクショットは同一車なのだろうか。そこも興味深いところ。
『三章 僕らの夢は』。舞台は、霧山修悟と後藤晴斗が初めてサッカチームで出会う場面へと時が戻る。修悟の才能に初めて気づいたのは、同じチームで対戦相手だった晴斗だった。晴斗のドリブルやパス、ディフェンス、そして広い視野に驚き、コーチにポジション変更を進言するほどだった。これが、2人の物語の始まりだったのだなと感じた。素朴な一場面に、子供の頃の出会いの純粋さを思う。好きなものがあり、それに打ち込む中での出会い、そして互いを尊重し思い合う関係性に魅力を感じる。同時に、晴斗は自分のサッカーの能力の限界を感じる。自分より優れた者に出会った喜びを感じているものの、自分の能力に限界を感じることがあるよな。皮肉なものだなと思う。それでも晴斗は前向きだった。修悟の活躍を純粋に喜び、自分が持っている英語等の才能を活かそうと考えていたから。このような発想に晴斗の心の豊さを感じる。そんな2人の関係は、好意から愛情へと変化していくところにドキッとした。自然な展開ではあるけれど、予想していなかったからだろう。
また、この章においても、晴斗の父である友彦が運転していたブレイクショットの事故に関わる話が展開される。晴斗の動揺を近くで感じていた修悟の心が見えてくる。そんな気持ちの揺れがあっても、修悟はサッカーに打ち込み続け、プロの選手と練習する選手になっていく。そこには、修悟と晴斗が子供の頃から目指していた、サッカーにかける夢があったから。純粋な分、切なく苦しい場面も訪れる。修悟と晴斗の夢、未来はどうなっていくのだろう。私の中に、不安と期待が入り混じる状態が続く。
『四章 狩り場の七面鳥』。十村稔は不動産会社の営業マン。社用車はブレイクショット。今までの車とのつながりはどうなのだろう。つながっているようだけれど、まだどういうつながりなのかは不明のまま。営業がうまくいかない時に出会った人物から投資関連へのセミナー受講を勧められる。勧誘した相手から、勧誘されるという事態に。それぞれの思惑が交錯し、怪しい展開へと。こういうふうにして、相手の欲求や不安に入り込んでいく現実との重なりを想像する。その相手からセミナーで聞いて欲しい講師の名前を聞く。その1人が後藤晴斗。修悟と一緒に将来の夢を描いていた晴斗である。こんな形で登場してくるのかと、ざわざわとした思いが私の中に広がっていく。後藤は言葉巧みに十村の心を揺さぶり、やってはいけない取引へと導いていく。十村目線の物語なので、晴斗の心理は見えてこない。そこが、また私の想像を揺るがす。そんな十村の行為を改めさせるきっかけになる人物が登場する。それは、以前家の購入に至った客。共働きの夫婦で出産を控えていた。そんな夫婦の思いに粘り強く心から寄り添って契約までも運んだ。そのお礼の手紙が出てくる。初心にかえる十村。そもそもこの会社で、自分が何を求めていたのか。それは、十村の純粋な願いだった。私の心にも響く。会社を辞めることを決意して妻に連絡する。妻からの言葉は温かい。それは、これからの十村の人生を支えていくものになりそう。
『アフリカのホワイトハウス 3』。『ホワイトハウス 2』からの続き。エルヴェとフェリックスは、ゲストであるジェイクという男の子を乗せて、本部へと帰還していく。車の中での会話が続く。それは、夢の話へと。このような状況下で、夢の話をする三人。その内容は、若い子たちが描く夢としては、悲しく感じた。しかし、争いの中で生きていくということは、そういうことなのかなとも思う。この章のラストは不吉な状況になる。はっきりと描かれていないだけに怖く感じた。
『五章 後藤晴斗の野望』。後藤晴斗が20歳の時からの物語。セミナーの主催者である志気和馬と講師の門崎亜子と出会う。和馬が晴斗に目をつけ、講師として勧誘する。和馬の話と話術は長けていて、晴斗の心を揺さぶる。それは見事なまでに。こういう人物が、特定の人々にカリスマと称されていくのかもしれないな。限定された状況の人々に訴えていくことに怪しさを感じる。最後は自己責任になはるのだろうけれど。その気にさせることは違法ではないのだろうな。それでも怪しさは増すばかり。
晴斗は忙しくなり、修悟と会う約束が叶わない状況にもなっていく。二人の関係に亀裂が入る。仕事と生活のバランスをとることの難しさは分かるけれど。その内容をきちんと伝えていない晴斗に修悟は寂しさと不安を感じる。どちらも理由があるのだけれど、分かり合えないという気持ちが膨らむと、別れへと進んでいくのだろうな。
そのような中、晴斗はセミナーを辞める気持ちが強くなっていく。そこで、現れたのは宮苑。その展開にドキッとする。登場人物たちが、新たなつながりを持つようになる。どうなるのだろう、次の展開は。
『六章 闇から光へ』。タイトルから良い方向へと展開するのだろうという期待が膨らむ。志気和馬は商業高校の2年生の時から金儲けのことを考え実行していた。情報技術に長けた同級生を丸め込み、一緒に事業を展開していった。そして実際に儲けていた。しかし、それは詐欺に関わる内容も含まれており、さまざまな団体から圧力を受けたり、関係を持ちかけられたりしながら、自分の意志とは違う方向へと導かれていった。ただ、本音の部分に金儲けというところがあったため、割り切って実行している。自分にとって何を大切に仕事をするのか、それによって繋がっていく人間は変わっていくのだろうな。和馬はその関係が断ち切りたくても断ち切れない状況にまで追い込まれていく。和馬からの目線では、晴斗も十村もカモだった。2人は気づいていないだろうけれど。そこが怖いなと思う。騙されている方が気づかない関係。そこを断ち切るにはどうしたらいいのだろう。しかし、晴斗は修悟との関係の悪化もあり、自分のことを見つめ直していた。
そのような中、セミナーから退くこと、和馬との関係を断ち切ることを考えていた。そのことは和馬にも分かっていた。そこで、和馬は切り札を出して、晴斗を繋ぎ止めようとする。緊迫感が増す展開が続く。しかし、晴斗の方が一枚上の対応だった。それは、晴斗にとってはよかったなと思えること。一方で、和馬にとってもよかったのではないかなと私は思った。ラストが近づいていく。どんな結末を迎えるのだろう。
『アフリカのホワイトハウス 4』。本部に戻るとジェイクが狙われていることに気づくエルヴェとフェリックス。そこで2人がとった行動は、組織に背く行動だった。ジェイクをホワイトハウスに乗せたまま逃げる。正義とは何なのだろう。咄嗟の時にその判断ができる元となるものは。そんなことを考えさせられる。命懸けの場面で大切にしたいものが明らかになるのかもしれないな。不安な状況でラストは描かれている。どうなるのだろう。
『エピローグ』。『プロローグ』からのつながりのある物語。本田昴が登場する。本作品の中で気になっていた期間工がボルトを落とし、それを見ていた昴が報告しなかった件。それは昴の口から上司に報告される。それでも、そのボルトを探すのには相当な時間がかかった。報告が遅れたことを謝罪する昴。しかし、上司もボルトを落とした期間工からも称賛される。そんなものなのだろうな。自分の中では、悪かったと思うことが、周囲の人にとってはそうではないこともある。それ以外にも、今までの話が伏線となって、繋がっていく。個性的な登場人物たちとも。昴にとっては直接関係のない人たちだけれども。昴の考え方や仕事、生活に影響を与えていた。この物語の昴は、一回り大きく成長しているように感じる。物語の全体が繋がって、そんな思いになっているのかもな。ラストは門崎亜子が登場し、その正体に驚きと感動を得る。そして、かっこよくナインボールのブレイクショットを撃つ。鮮やかなラストの場面は、壮絶な物語を終えるのにふさわしい鮮やかな場面が私の中に浮かぶ。
初めての逢坂冬馬さんの作品世界に没入した。読書の楽しさを存分に味わった。
Posted by ブクログ
ホントに奇跡の構成力でした!
途中ツラ過ぎて手が止まりましたが その後は一気でした 面白かった
ブレイクショット、、、思わず検索してしまった^_^
Posted by ブクログ
最近読んだ上下巻あるような長編は「長い…」と思ってしまったけどこの本は長さなんて微塵も感じないくらい読み入った。
読みながらアフリカの話は時系列はどこなんだろう?と思ってたけど、まさかプロローグが後の話だったとはね。
エピローグでの伏線回収も気持ちいい。
デマを「デマだけどいい話」で終わらせる人間の心理は面白い。っていうシーンがなんだか妙に共感出来た。
Posted by ブクログ
自分自身、人生でこんなに崖っぷちに立たされた経験がなかったから、結末には泣いた。
後発的な障害を支える家族もやっぱりすごいな…と感心しました。もし自分の家族の誰かの記憶が断片的になって暴力的になったり、散財されたりしたら、この小説と同じように、障害だからしょうがない…て向き合えるのだろうか。と、少し想像してみたりして。
他にも、謎の女性の名前が、セレナさんで車の名前に由来するものだったり、海外に輸出した日本車に書かれた日本語だったり、これなんだろうな〜と思ってたことが最後に判明して面白かった。
Posted by ブクログ
分厚いのに割と一気に読めた
そしてエピローグまで読み終えたらまたプロローグに戻り読み直した人は私だけじゃないはず!
各章ごとに物語があってその奥にブレイクショットがチラチラ見え隠れする
。章の締めくくりがまたニクイ!その続きが気になるというめっちゃいいとこで別の章になる
繋がりそうにないそれらの話が繋がったエピローグがもうすごい!すごい!すごい!
Posted by ブクログ
非常に面白かったです。
少しずつ時系列が重なり合いながら展開していく群像劇の構造が見事でした。実は、タイトルから勝手にゴルフの話だと思い込んで読み始めたのですが、全く関係なかったですね(笑)。
以前読んだ『同志少女よ、敵を撃て』は、どこかアニメを彷彿とさせる結末が印象的でしたが、今作もラストは通ずるようなものがありました。
ただ、そこに至るまでの過程で、登場人物たちの人生の歯車が少しずつ狂っていく様は、一人の父親として非常に胸が締め付けられる思いでした。読んでいて辛くなる場面もありましたが、最終的にしっかりとした「救い」が用意されていたことに、私自身の心も救われた気がし、読後感はよかったです。
Posted by ブクログ
風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな話だった!
この方の本結果的にはすごくおもしろいんだけど、私には少し読みにくいところもあってすごく頭の良い人なんだろうなーと思う。読むのに覚悟が必要!
Posted by ブクログ
面白かったです。
車ブレイクショットの所有者の軌跡がこんな物語になるなんて!
本田昴の自動車期間工の話、宮苑というカリスマが興した事業、晴斗と修悟の話、晴斗の父友彦の事故で後遺症が残った話、修悟のサッカーの才能を信じ晴斗が金銭援助するため投資セミナーの講師になる話、等々。
頭が良く容姿もいい晴斗に目を付けセミナーの講師にする志気。志気もまたきれない悪縁を抱えていました。
一部の賢い人は儲けて凡人はカモに…、商品やマニュアルが変わってもそれは不変なのですねぇ。
境遇のせいか、修悟に関すること以外は達観している晴斗が危うく見えました。
Posted by ブクログ
令和の現代小説。分厚いながらもスルッと読み通せてしまう読みやすさ、点と点を繋げて星座を作るようなストーリー構成が印象的。
完全に個人の趣味だが、読後感がスッキリし過ぎているという感想でした。
ストーリーの中で登場する全てのものに明確な意味が与えられており、読み手に想像を膨らませる余地が少ないかも?
(私は村上春樹を偏愛し過ぎている)
ただ、単話で読むとてんでバラバラの物語を違和感なく紐付けられる構成力には感嘆。
資本主義の中枢にいる霧山冬至のストーリーを読んで、自分は資本主義と一定の距離を取るべき人間だと再認識。
Posted by ブクログ
現代的なテーマを取り扱っている一冊。
特殊詐欺について重点的に描かれています。
とても読みやすく面白かったです。
LGBTを受け入れられる人なら楽しめると思います。
人物それぞれの葛藤や苦悩、バックグラウンドについて丁寧に描かれています。
そのため感情移入しやすくなっています。
ラストはとても綺麗にまとまっており読後感は良いです。
あとは作者との相性の問題だと思うのですが、この作品に心からハマる人と割と面白かったなぁという人と途中で挫折する人に分かれていきますね。
私は割と面白かったなぁという人です笑
テーマも登場人物もとても良いし読み応えもありましたが、登場人物に魅力があるかというと...うーーーーん...
魂が震えるような熱は感じませんでした。
ただ、途中まで血のかよっていないような冷徹な父親だと思っていた人物が、ある挫折によって今まで見下していた人物から電車の中で何気なくかけられた一言に心が救われるシーンの描き方はとても良かったです。
Posted by ブクログ
ブレイクショットという名前の自動車。製造から所有者を変えながら転々とするSUVに関連する人々のバラバラなエピソードが、ビリヤードの9ボールの展開さながらに進んでいく感じのお話。
次々に展開する中で異色だったアフリカのエピソードもエピローグできれいに回収されて、そういうことかとサプライズも楽しむ。
主なキャストが手玉と同じ9人なのかと想像したが、そうではなさそう。
ホワイトハウスの呼び名の元になったブレイクショットのボディ両側面にある日本語らしき文字表記は予想が完全的中だった。
プロットの仕掛けとしては面白いし、ストーリーもスカッとするものだったが、出来すぎなのと、ラビリンスや竜賢会がどうなったのかも少し気になった。
26-4
Posted by ブクログ
「同志少女よ敵を撃て」は本当に面白くて、あんな分厚いのに一気に読んだ記憶がある。今回もハリーポッター並みに厚かったが、すらすらとストレスなく読めたし、非常に面白かった!自動車工場に勤める本田昴、スバルの彼女のセレナ、大手企業副社長の霜山冬至、プロサッカー選手を目指す息子の霜山修吾、その友達の後藤晴斗、そしてアフリカのホワイトハウス…全く関係ない人々を繋ぐのが、一台の車、ブレイクショット。
そう思うと確かに普通に暮らしている中にも、テレビを作った人、映ってる人、配達してくれる人、ネット世界で繋がっている人…たくさんの無意識的なつながりがあり、それが最終的にどこにつながっているのか私たちは知らない。ただ、自分の発言したことが、最後にどこかの誰かにたどり着くなら、言葉には気をつけないといけないし、大切な人には直接伝えた方が良いと思う。
読み応え100%だった!
Posted by ブクログ
最初の二話くらいまではこれからまだ何話も続くんだと辞めてしまおうかと度々思ったが、徐々に修悟を応援したくなり、次に各話がどのように繋がっていくのか興味が湧き、どんどんと読み進めることが出来た。
実直に生きていくことの大事さ。
長かったけど、面白かった。
ブレイクショット、所有者が不幸になる車。
でも惹き付けられる。見てみたい。
Posted by ブクログ
複数の別の物語が、ちょっとずつ関係して一つの物語となっている作り。
全体としての言葉遣いや考え方に頭の良さを感じる。
応援したくなっちゃうような登場人物が多く、それ故ハッピーエンドで何より。
同志少女は戦争物なので死んじゃう人も多かったけれど、これは(一部除く)日本。人は死なない。死ぬとハッピーエンドは難しいよね。
Posted by ブクログ
歌われなかった海賊へが個人的にイマイチだったのであまり期待せずに読んだのがよかったのか、今作は良かった。
特に晴斗の親父の話はかなり引き込まれた。
Posted by ブクログ
「ブレイクショットの軌跡」を読み終えた!最後に色んな事柄が繋がっていく感覚があって、そこはすごく面白かった。一般社会ではホモソーシャルとして批判されるが、性別の区分が自明の前提となっているスポーツの世界では正当化される。スポーツ界でのカミングアウトは一般社会よりも風当たりが厳しいことが説かれていたし、考えたことはなかったが、そういう点で体育会の人は嫌いだと思った。ああいう世界で生きてると男は〜女は〜で二分論で語っていくのが当然になりそうだし、そういう人達は社会に出ても結局同じやり方をする。物語を通して、なんで体育会の人達のことが苦手なのかわかった気がして、良かった。ゲイであるということはその人の性に関することであって、個性として一般社会が受け止めるように変わっている一方で、スポーツ界では汚点となってしまう。晴斗はゲイであるということや父の病状について隠し続けてきたという事実もあり、隠すことが習慣化していたのか。亜子に修吾と幸せになるという夢を言えなかったのはなぜなのか。期待値を上げすぎてしまうと、夢に破れた時に辛くなるのではないか。そうやって設定しておくことで、自分に失望しないようにしている。
Posted by ブクログ
本を紹介するYoutubで言及されていたので読んでみました。
「ブレイクショット」を巡る軌跡の物語。
現代の問題をうまく小説に取り入れてるな、というところが正直な感想。Youtubeでのお金の講義とか、「あぁ〜あのYoutubeをココに入れたのかな」と感じたり。それが合ってるかは知らないけれども。
物語が何人かの視点から語られるのだけれども
舞台がアフリカのお話は「これ?何かまったく繋がりが
掴めない」とイライラしつつ読み進めて、最後に繋がった時の爽快感はありました・笑
どこまでも私の感覚だけど
とても論理的な小説で、感情で共感を呼ぶというのがあまりなくて淡々としてました。個人的に感情が揺さぶられるのが好きです。
Posted by ブクログ
微妙に繋がっていそうな複数のストーリーと幕間のように挟まるアフリカでの出来事
良くも悪くもな多少のご都合主義と長めのストーリーを許容できたら面白いと思う
Posted by ブクログ
作品の中の様々な人間模様が、最後に集約されて全体的には平和裏に落ち着く。ただひとつ気になったのは
同性婚を結んだ登場人物がいて、その父親は
「両親は面食らってるだろうね」という言葉を受けて「少なくとも片方の親は喜んでると思うよ」と答える場面がある
両親ともに喜んでるよ、ではない
妻が喜んでいるならそう答えるだろう
妻は複雑な心境なのか、または妻と別居しているため妻の真意が分からないのか
明らかにはされてないため真相は不明だけれど、明るい未来が支配的な結末の作品ではあるが
世の中全てが順調とはいかないよ、ということの示唆に思える
「同士少女よ敵を撃て」より先にこちらを読んだけれど読み応えはあった…ただかなり長いけど
Posted by ブクログ
叙述トリックというか、時系列を反対に捉えていたので、
最後の方にどんどんとハッピーエンドに向かっていく流れを気持ちよく受け止められた。
最初の方はずっと辛かったし、
なにか嫌なことが起きそうな空気感は好きではないのだけれど、
ハッピーエンドであれば、それもまぁいいか、という気持ちになる。
ご都合的ではあったけれど。
個人的には辛い時期よりもハッピーな時期の記述が長い方が好み。
エピローグのXについての記述が現代らしかったが、
物語の流れとしては不要で、少しこれ見よがしに感じた。「確かにそうなんだろうけど、それについてはこの本で語らなくてもいいよ」というか。
登場人物たちがクィアの人達である必要性も、実はそこまでないのでは?とは思った。確かにより生きづらいことを強調している要素ではあったけど、とってつけたようにも感じられた。
とにかくハッピーエンドで良かった。
Posted by ブクログ
久々に単行本読んだ
文庫よりデカいしこの本700ページくらいあるから、鈍器系で、読んでる時ページに入り込むと言うか物語にダイブするような感じ久々味わえた
もっと単行本読もうかなーー良い!
投資や詐欺、中東の紛争、なんかあっちやこっちやで最後繋がってお見事
詐欺のパートに関してはシンプルに学がついた、へえーそういう仕組みあんねや!みたいな、そういう学び良い
テンポも良くて、登場人物多い割にキャラ立ってて読みやすいんだけど、なんか話がおもろい分、読み終わった時の本書のメッセージ?訴え?的な部分が、個人的に弱く感じた
エンタメ系小説に何を求めてんだって話ではありますが
ちなみに個人的に受け取った本書のメッセージは『人生において選択迫られた時はちゃんと考えろ、大局や行く先なんて誰も知り得ない、だからこそ考えて行動しろ』
そうですね。となってしまった