あらすじ
8つの物語の「軌跡」を奇跡の構成力で描き切った、『同志少女よ、敵を撃て』を超える最高傑作
自動車期間工の本田昴は、2年11カ月の寮生活最終日、同僚がSUVブレイクショットのボルトを車体内に落とすのを目撃するが。マネーゲームの狂騒、偽装修理に戸惑う板金工、悪徳不動産会社の陥穽――移り変わっていく所有者たちの多様性と不可解さのドラマ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み応え十分の作品でした。善良さを失わずに生きることの難しさと大切さを教えてもらいました。個人的には、後藤友彦さんの物語に思えました。彼が報われて良かったです。
Posted by ブクログ
「ブレイクショット」という車に関わった人の群像劇。一つひとつの章がそれぞれ読み応えがあったが、最終的にはどうなるのだろう?という感覚で読み進めた。
エピローグではたくさんあった点が綺麗に繋がった。世玲奈さんの正体には「あっ、なるほど」という感じだった。昴と付き合った訳もこれまでのエピソードでしっくりきた。
物語として綺麗に収束したが、この物語が主張したいことは何なのか?
悪どいビジネスをゲームのようにコントロールしようとした志気は失敗した。そして、物語の最後に、全て台の上を把握できると思うような人は傲慢である、と門崎は言う。
これはつまり、人生は思い通りにコントロールできないということだろう。
「ブレイクショット」とはビリヤードのゲームを始める一打という意味だと作中で説明がある。
各登場人物は「ブレイクショット」という車に関わりながら、人生の選択を迫られる。
ビリヤードのブレイクショットのように、(もちろん失敗もあるが、)恐れず堂々と自信を持って自分の人生を進んでいこうということが、この小説の言いたいことなのかもしれない。
Posted by ブクログ
逢坂冬馬さんの本は登場人物に自分の心までなり切れるくらいにその分野の知識量が豊富で深みがある所が好き。
階層社会・特殊詐欺・SNS・貧困・差別・LGBTQ…社会が抱えるあらゆる問題をひとつの国産SUV車と巡る物語、と思いきや…!!!
こんなに沢山詰め込んだ社会問題すべてを繋げて、なおかつ美しい着地点を持って感動できた長編!汚い世界で生き抜くのは大変だけど、ゴールを見失わずに選び取る選択がもたらす幸福とは何かを考えさせられます。逢坂冬馬さんめちゃくちゃ推す!!
Posted by ブクログ
いろんなストーリーが絡んで、一つ一つが面白い!本当は3冊分くらいのネタが入っていそうなのに、逢坂さん太っ腹!
そして今の社会にあるマイノリティの方の思い、障害を持った家族との関わりなど考えさせられることがてんこ盛り。ワクワク、ハラハラ、切なさぜーんぶ味わえます。
Posted by ブクログ
人間の闇と光を描いている作品です。面白かったです。エピローグの伏線回収、人間関係は圧巻でした。どの人物にもそれぞれの心理描写が施されていて、読み応えがありました。長編小説ですが、飽きずに最後まで楽しめました。
Posted by ブクログ
前2作とはがらりと趣を変え、現代日本が舞台、さらに自動車工場の期間工が語り手だったので、読み始めは「?」。「未明の砦」みたいな話なのかと思ったり。でも、みるみるうちに舞台を変え、語り手を変え、盛り沢山のネタに仕込まれた点と点が細い線で結ばれていって、段違い平行棒の着地のように、複雑な技のあとにストッとおさまって、ため息。
期間工の話も、LGBTQ+の話も、ビジネスや投資の話も、予測不能な不運の話も、レイシズムの話も、もっと言えば前2作も、私には人の尊厳とは?という物語に感じられる。人と人と、お互いに尊重し合える世のなかにしたくないですか?っていう。
ちょっと生真面目な雰囲気も漂ってはいるけれど、エンタメと志が融合していて、厚さもなんのその、どんどん読めた。#逢坂冬馬 さんは、追いかけがいのある作家さんです。
Posted by ブクログ
逢坂氏の作品に触れるのは『同志少女よ、敵を撃て』に続いて2作目。
ブレイクショットと呼ばれる1台のSUVから始まるそれぞれの登場人物の物語。570ページと分厚い1冊、、、出勤移動中にコツコツと。読み切れるか不安でしたが、読み始めるとどんどん引き込まれて行く感覚でした。だんだんとストーリーが進み、交わると共に伏線が回収・繋がって行くのが気持ちよかった。
キャラクターそれぞれの内面や行動、セリフも印象的。特に中盤で出てくる女性が魅力的でした。
読後感も非常によかったです。
Posted by ブクログ
著者渾身の大長編、ブレイクショットという車に纏わる物語、生産された所から不穏な空気が流れそこで落下したボルトが最後に大事故を起こすのだろうと思っていたらラストにそれは解決し舞台はあらゆる所へ拡散していった、社会格差の話になるのか思ったらヤクザ詐欺グループの話になりLGBTQの話になっと思ったらイスラム戦場に突入、そしてSNSの無責任な拡散の話に、そしてある音楽バーでのビリヤードブレイクショットで白いボールが弾かれ散らばったボールはポケットに落ちる。
Posted by ブクログ
なんとなくバタフライエフェクト的な話でしょ
と読みはじめたら
いやいやそんなシンプルなものじゃなくて
人生のままならなさに深く心を抉られて
ハラハラする展開に
その先を見届けなくては済まされなくなり
ページを繰る手が止まらなかった
以前同志少女が読み進められず
この作家さんの文章は合ってないのかもとひそかに思っていたので
遅読の自分がほぼ一日で読み切ったことに驚いてる
仕事柄思いあたる節があったりなかったり
人それぞれの頭の中をのぞくような面白さもあり
群像劇としていい結末だったし
読書の楽しさをたっぷり味わえて満足♪
あなたの夢は?
Posted by ブクログ
ちゃんと不穏で、不安で、不幸もしっかりあって、読みごたえがある。
最後の最後までしっかり今までのたくさんの世界観を繋いでくれて、ずっと楽しく読めた。
個人的には、全く知らない世界(サッカーや銃撃などの場面)なのに、リアリティーをもって感じさせてくれたこともとても楽しかった。
Posted by ブクログ
なんと巧みな物語!感心せずにはいられない。
「ブレイクショット」という一台の車の周りでさまざまな人間模様が繰り広げられる。
そしてブレイクショットはビリヤードにもかかっている。
主人公が入れ替わり立ち替わりで物語が進む様子は、まさにビリヤードのゲームが進んでいくようだったりする。
そんな中、明らかに現実世界にモデルがいる存在がいくつかいたりして、それらにど直球の批判的な眼差しが向けられることもある。
人にはそれぞれの複雑な事情があることを気にも留めず、憶測で判断し思慮なく表明する人々に対しては、特に批判的な表現がされている。
登場人物の苦悩や苦境が多い物語のため、ダークな面が多いが、最後には前向きになれる物語。
Posted by ブクログ
ふーん、タイトルから想像するにビリヤードのプロ選手の話なのかな?専門用語も多そうだし、ビリヤード自体なんとなくしか知らないし、読んでも大丈夫かな?
と思っていた時期が私にもありました。まず言えることは、もしビリヤードわかんない!っていう理由でこの本を読んでいないとしたらそれはまったくの取り越し苦労だということだ。ビリヤードという遊戯がこの世に存在するということだけわかっていればOK。
ちなみにタイトルにある「ブレイクショット」は劇中に登場する自動車のことです。
この「ブレイクショット」が様々な人物の手にわたり、そこで繰り広げられる人生模様を私たちはウォッチングすることになる。まさに『ブレイクショットの軌跡』。このタイトルを考えたひと天才では?
しかもすべての物語がどこかしらで交差して、それぞれの人生に影響を与えているというのもこういう群像劇みたいな作品では定番かもしれないけど、それが明かされたときのアハ体験的快感は、ミステリーで感じるカタルシスの解放に似たものがあって好きなんだよなぁ。
全体を通して、インサイダー取引やら株式投資やらTOBやらFIREやら、日本の働くおじさんたちが大好きな要素がいっぱい詰まっていて、なんだか日曜ドラマっぽい設定だし、本当に実写化したら流行るんでないの?
と言っても、この作品の本質はそういう経済学的なことではなく、もっと深いところにあると(私は勝手に)思っているのだけど、それをこの場で明かすわけにはいかない。真実は君の自身の目で確かめてみてくれ!
……前もこんな感じで感想を締めたような気もする。ワンパターンでお約束的な展開しか思いつかない私の脳みそはすでに固定観念で凝り固まりすぎている。でも柔軟な発想を持っていたとしたら、あらゆる展開を想像できると思うので、こういう本が楽しく読めるのも私の錆つきかちかち脳みそのおかげでもあるのかもしれない。
本の内容とは全然関係ないけど、私の頭の固さに感謝です(-人-)
Posted by ブクログ
長かった!!2冊分を一気読みした感じ。
どうやってこれまでの別の話が交わるのか、と時折思いながら読んでいると、突如あの話の登場人物の名前が!そんな繋がりが!!と心が震えた。どの章も重さはあったけど、世の中ではこんな事もあるのだろうなと胸にささった。ネットやニュースで見聞きする裏側でその後を生きている人達がいる。いつ自分が加害者被害者になるか分からない。深く考えさせられた。でもラストは光があって良かった。
Posted by ブクログ
晴斗が、悪い道入ってなくてよかった。そしてちゃんと幸せになってよかった。本当に最後までハラハラしてしまった。
人を投資に駆り立てて儲けようとする人たちは、人が安心して納得したいたら儲からない。あなたはこのままではだめだ。日本もこのままではだめだ。将来は不安だ。あなたはもっと稼いで投資しなければいけない。
不安を煽りたてられ、少し勉強して分かった気になってしまう自分のことだと思ったら。詐欺にひっかかるのは、自分だけが得をしたい、自分だけが賢い、と思ってしまうからだなと反省した。
晴斗の、聖書の話が心に残った。
自分が持つ能力を自覚して他者を助けるために使う、そのために、自分にあるものは何かを探すことが必要だ。
初めて知った内容だが、これが心に刺さった。「誰かを助けたい」と思うだけではなく、そのために自分にできることは何かを考える大切さに、今気づくことができてよかったと思う。
国産SUVブレイクショットに纏わる連作短編集です。人生は思い通りにはいかないけれど、善良にできることをするしかないと思わされました。稚拙ですがとんでもなく面白かったです。
Posted by ブクログ
あちこちで多発的に発生する物語が、終盤に急速に収縮集まり、すべてがからみとられるようにまとまる。いままで読んだことのない部類の小説だった。それぞれの物語で感情を揺さぶられたが、その感情が物語の展開によってつながる感覚も新鮮ですごい小説だなと思った。
Posted by ブクログ
一台のSUV「ブレイクショット」を軸に、8〜9人の人生が複雑に交差していく群像劇。圧巻なのはその構成力で、バラバラだった物語が一つに収束していく瞬間は見事だった。人や情報の繋がり、SNS時代の連鎖や解釈の広がりについても考えさせられる。前作『同志少女よ、敵を撃て』ほど感情を揺さぶられる作品ではなかったが、思考を刺激される読後感が印象的だった。
Posted by ブクログ
前情報に触れないようにしながらやっと、読むことが出来ました。タイトルがカッコよすぎ。格差社会、生活保護、LGBTQ、スポーツ界、特殊詐欺 今日本が抱えるあらゆる問題が一冊の本の中に詰め込まれて、とても丁寧にえがかれていました。しかも、着地点が素敵。えー どうなっちゃえの?というきもちを抱えたまま そっかあ と納得。次作もとても楽しみにしています。
Posted by ブクログ
新型SUV「ブレイクショット」を軸に、多様な人々の人生が交差していく。
最初は池井戸潤作品のような企業小説を想像していた。しかし読み進めるほどに、「個人と世界はどう繋がっているのか」という、逢坂冬馬さんらしいテーマが浮かび上がってくる。
さまざまな社会的テーマを織り込んだことで、やや欲張った印象を受ける部分もあった。それでも、本作が伝えたい軸は最後までぶれることがない。終盤まで失速しない展開力と構成力は見事で、一気に読まされた。
デビュー以来、ヨーロッパを舞台にした作品を発表してきた著者が、作風を決定づけるともいえる三作目で、あえて現代日本を描いたという点も興味深い。
『同志少女よ、敵を撃て』で惹き込まれ、『歌われなかった海賊へ』では少し距離を置こうかとも思った。しかし本作で、改めて逢坂冬馬という作家の実力を見せつけられた。
次作ではどんなテーマを、どんな切り口で描いてくれるのか。そう期待せずにはいられない、文句なしの一冊。 ★4.0
Posted by ブクログ
どっぷり浸かった2日間。堪能しました。
現代社会の事象や雰囲気をたくみに切り取り、一台のSUVの軌跡を追う構成、ページをめくる手が止まりませんでした。
面白かったー!
直木賞受賞なしの回の候補作で、改めて選評を読み返してみたところ、作辻村深月さんの意見に一番近かったのですが、「ブレイクショットの軌跡」のタイトルについては、京極先生のコメントに集約されてて、言語化力の違いを思い知りました。
Posted by ブクログ
ブレイクショットという車を起点に様々な話が展開していきます。評価は二分されているようだが、とても楽しく読めた。全ての話をビリヤード台のポケットに収めるように伏線回収していくのも、ありがちな結末だけどよかった。
個人的には、同志少女よ敵を撃て より好き
Posted by ブクログ
1台の車のオーナーとその周りで起こる物語。色々絡み合い、繋がるストーリーに作者の創作力の高さを感じた。
現代のLBGTQ等の同性愛、資産運用詐欺、情弱ビジネス、アフリカの内戦などが1台の車の周りで巻き起こり、どう繋がるのか予想できなかったがピタッとパズルがはまって面白いストーリーだった。
Posted by ブクログ
自動車期間工・本田昴はボルトが車体に落ちるのを目撃する。投資ファンドの役員、板金工、金融系youtuber、少年兵と視点を変えて描かれていく物語。
第173回直木賞候補作。
分厚いけど続きが気になってどんどん読み進めてしまう。
P240あたりは「おのれ本田昴…」と思いながら、後半はただひたすら人のためだけに生きてるような春斗が幸せになってほしいと思いながら読んでました。
まさにバタフライエフェクト。
無関係に思われた人達の話が少しずつリンクしてー。
そして読み終えた時の爽やかさ。
読んで良かった。
Posted by ブクログ
自動車組み立て工場の期間工、中央アフリカ共和国の少年兵、新興ヘッジファンドの副社長、投資用マンション専門の不動産営業等など、まったく縁もゆかりもなさそうな人々の話が、同時並行でいくつも語られる。
かろうじて「ブレイクショット」という日本車が人々を繋いでいる。「ブレイクショット」は、新車として、そして中古車として人々の間を渡り歩いていく。
それぞれの話はやたらと解像度が高く、どれもが独立した小説になりそうなほど面白い。それらが飛び飛びで提示されるので、ついつい先へ先へと読み進めてしまう。
凝った構成と作者の筆力に圧倒され続けた570ぺージでした。
逢坂冬馬さんの小説を読むのは「同志少女、、、」に続いて2作目。今回も面白かったです。
今回はあまり人が死ななくてよかった。
Posted by ブクログ
逢坂冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』を読んだ。これまでの2作品もそうだったけれど読後に最も印象的なのは繊細な臨場感とダイナミズムの共存。あれもこれも盛り込みすぎだし荒削りでラストも少々できすぎな感は否めない。でも圧倒的なスピードで一気に書き上げたようなスケールの大きさが魅力!
Posted by ブクログ
いくつもの小さな物語が交錯して流れていく。
一本の糸として、ブレイクショットというクルマが、象徴的に描かれていく。
それぞれが別の物語だという説明はなされていないが、かなりのスピード感を持って流れていくので、その速さになんとかついていくのが大変。
しかしそれほどグイグイ読まされてしまう。
そしてそのスピードのまま読み終わったところで、本書が「同志少女よ、敵を撃て」と同じ作者と知る。
なるほど、かなり面白い作家に出会った気がする、
Posted by ブクログ
同志少女よ敵を撃てが面白過ぎたので本作もと思ったけど読書脳が乏しいのを突きつけられた。
とあるSUVに纏わるさまざまな物語が交錯するけど、いろんなことが詰め込まれ過ぎて未熟な私の脳はキャパオーバーでした。しかしながら、逢坂さんの文体は読めてしまうのが不思議。懲りずに歌われなかった海賊へも見てみます。
Posted by ブクログ
最後に複数の物語を繋げて伏線回収すごいでしょ!的な感じで終わった。ただただ味なしガムを噛み続けるような無感動が続くだけの577ページでした。
劇的な何かもないし、感動もないし、極度につまらないってわけでもない。ブレイクショットと言う車が様々な人の人生の過程に登場し、時には大きな影響をもたらす事が本書の軸となっている。それ自体には特に面白さもなく、なんか微妙な感じでした。
結論としては可も無く不可もない普通の小説です。