小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
『自分の体のつらいところと同じ部分を触ると
回復する。』と言われているのは
「日の出公園」の隅っこにある
上目遣いの楕円の大きな瞳で
目の黒いところが部分的に白くなっていて
まるで笑いながら泣いているみたいに見える
のんきな表情の ただ乗るだけの
アニマルライドのカバ。
人呼んで
「リカバリー、カバヒコ… カバだけに。」
カバヒコが劇的に効果があらわれるような
魔法をかけてくれるわけではないけれど
カバヒコは
心にそっと寄り添ってくれ
受け入れて見守ってくれる
みんなの大事な存在。
カバヒコに触れながら彼らは
本気で願い 自分の心と真剣に向き合い 気づき
その後 勇気をもって行動し立ち向かっていく。
そうして願いは叶えられていく。
カバヒコがいなければ
自分が本当になにを願っているのかを
気づけず自分の心と向き合えなかっただろう
カバヒコは何も言わない
けれど優しい瞳で心を照らし 包んでくれ
人の心をふぅーっとほどいてくれる大切な存在
そんなカバヒコに
私も会ってみたい。
たくさん泣いて
今までの自分 そのままを
見つめてみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「うわっ、またやられた」というのが読み終わっての率直な感想。
前作の「方舟」のときもラストのどんでん返しにまんまと驚かされたが、今回もくらってしまった。
自分たち9人しかいない無人島で殺人事件が起こり、犯人がいることは確定なのに犯人を特定することができないといったミステリーなのに謎解きをしてはいけないという新しい展開だった。
綾川さんが犯人を証言しますと言って語った内容はなんかあっけないなと思ったけど、エピローグでの主人公と真犯人である綾川さんの会話で全部持っていかれた。
おもしろいのは主人公が真犯人を序盤からわかっていたこと。そして綾川さんは主人公が真犯人を言及しないか、主人公は綾川さんに何もされないかという心境が物語の隅々まで散りばめられていたこと。
また、前作の「方舟」を読んでるからこそわかる真犯人の素性などもあって面白かった。
個人的に印象に残っているのは、犯人がわかってよし帰るぞと船に乗っている時にいきなり「わたしは犯人に声をかけられた。」と何事もないように地の文で語られたところが一番衝撃が大きかった。
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Posted by ブクログ
大藪春彦『長く熱い復讐』光文社文庫。
750ページに及ぶ大藪春彦の代表作の1つが新装版として復刊。最近ではなかなかお目にかかれないハードバイオレンス・アクション小説といったところだろうか。
このボリュームにさすがに読み終えるのに丸2日掛間を要した。自分の場合、朝、会社でメールを捌いた後から始業時間まで、会社の昼休み時間、午後3時の休憩時間、帰宅後の就寝までの時間が読書の時間だ。
1973年から1974年にかけて上下巻に分けて刊行された本作は、今読んでも違和感を感じない。もっとも携帯電話やスマホは登場せず、主人公が公衆電話や固定電話を利用しているところに時代を感じる。
ハードバイオレンス・アクション小説というと必ず山谷があり、山が長過ぎると疲れて集中力が失われ、谷が長過ぎるとダレてしまうのだが、本作の場合は最初から最後まで全くダレることがなく、緊張感が持続する。
銃火器や車、バイク、ハンティンググッズやアウトドアグッズ、ワイルドな男の料理まで微に入り細に入り事細かに描かれており、それがまたリアリティと迫力を感じさせ、ストーリー全体の良いスパイスとなっている。
作中に度々、スリーピングバッグの素材としてデュポン社のダクロンが描かれているが、自分が初めて購入したスリーピングバッグはダクロンを使ったmont-bell製のものだった。
読み進めば読み進むほどに闘いは激しさを増し、終盤の急展開と自らの生命を賭けての復讐の描写には背筋が凍る思いだった。
記憶を失ったまま終身刑の判決を受けた鷲尾進は韮釜刑務所に収監されていた。どうやら鷲尾はかつて自衛隊の特殊部隊に所属しており、どういう理由か暴力団組員10人を殺害し、自らも頭部に銃弾を受けたことで記憶を失ったらしい。
ある日、他の囚人から脱走計画を持ち掛けられた鷲尾は他の囚人たちと共に刑務官を襲い、刑務所から脱走する。囚人の1人である武山と行動を共にし、警察官の追跡をかわし、山中に潜んだ鷲尾と武山は、脱走騒ぎのホトボリが冷めるのをじっくり待ち続ける。
山に潜んで1ヶ月半、鷲尾と武山は山を下り、都市部にマンションを借り、強盗の計画を練りながら、襲撃の準備を進める。2人がターゲットに選んだのは農地が宅地に変わりつつある郊外の農協だった。農家が不動産屋にまとまった土地を売り、手にした6億円をその農協に預けていたのだ。
農協の襲撃は首尾よく完了し、鷲尾と武山の2人は6億3千万円を手に入れる。鷲尾と武山は奪ったカネを山分けし、鷲尾は自分の過去と暴力団組員殺害の真相を追う。
鷲尾は自分の過去を知ると思われる暴力団組員を1人ずつ襲い、拷問を加えて情報を集めていく。次第に明らかになる驚愕の自身の過去と復讐すべき巨大な敵の正体……
本体価格1,300円
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーとかサスペンスみたいにドキドキハラハラってわけでもなく、伏線が散りばめられていてどんどん先を読み進めたい!という感じではないのに、なぜか読む手を止められないおもしろさでした。なんなんだろう?書き方?話し言葉というか本当に人がラジオのように話しているような書き方で難しい言い回しも少なくて、目を離さずにざぁーーーっと読める感じ
自分のせいで我が子に会えない気持ちをずっと燻らせて懸命に生きて生きて、たまに失敗しながら生きて生きて、最後に一縷の光がさした感じ。
この後、少しでも、ほんの少しでも拓にもかおりにも温かい光が注ぎますように。少しでも幸せだと思える瞬間が二人の間にありますように。
まじで、咲ちゃんグッジョブ。いい子だな。 -
Posted by ブクログ
シリーズ4巻目も期待以上の素晴らしさでした
主要な登場人物たちが大活躍(という表現が合うかわかりませんが笑)しています
彼らの物語も大きく動きました
これから先、彼らはどうなってしまうのでしょう
本作は性産業で使い捨てにされる女性たちにスポットライトをあてた内容になっています
相変わらずの胸糞ですが、ただの胸糞では終わりません
何度も問題提起され、それについて深く考えさせられます
なんて惨いんでしょうね
この惨さに気付かないまま女性を性的に搾取し続ける男性を心の底から軽蔑します
この作品に低評価つける男性はミソジニストなのでは…?
わざわざ4巻目まで読んだ上で、この世界観を理解しているはずなのに低評価をつける意味がわかりません
女性軽視の思想の持ち主以外に低評価をつける人なんていないのでは…?
グロい描写が苦手な人はそもそも4巻目まで読みませんよね、1巻目で挫折するはずです
高評価をつけろという話をしているのではありません
わざわざ4巻目まで読んだ上で低評価をつける意味がわかりません、と話しています笑 -
Posted by ブクログ
心臓移植を題材にした物語で、フィクションの面白さと医療制度についての学びを同時に味わえる一冊。現実にはどこまで起き得るのだろうと設定を自分なりに推し量りつつ、読み終える頃には制度や倫理への理解が少し深まった気がした。
心臓移植を受けた主人公が、術後に自分でも説明のつかない変化を感じ始めるところから物語が動き出します。ドナーの記憶や仕草が移るという設定は物語ならではだと思いながらも、食の好みや体質の変化なら現実にも起こり得る気がして、フィクションとリアルの距離が少し近づくような不思議な読み心地でした。また、自分の身に起こる変化を不思議に思いながらも、ただ翻弄されるのではなく“救われた命を大切にしよう”と前を向く主人公の姿がとても気持ち良かったです。
さらに、作中では移植医療の制度や術後ケアについて丁寧に触れられていて、物語を追いながら自然と知識が積み上がる構成。脳死判定や臓器提供の流れなど、普段あまり考える機会のない領域に触れることで、倫理観について立ち止まる場面も多かったです。
展開に都合の良さを感じる部分もありましたが、それ以上に「学び」の比重が大きく、読後は満足感が勝ちました。エンタメとして楽しめて制度の理解も深まる、今回は迷わず☆5です。
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