ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • わたしに会いたい

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    女性の病気や性の問題を通じて自分の身体と向き合うことをテーマにした短編集。

    口に出すのが憚られることや目を逸らしたくなることを西さんは逃げずに描く。(VIO脱毛とかネットのあり得ないくらいゲスイ書き込みとか) だからこそ、当たり前に踏み躙られている尊厳やその大切さに強制的に目を向けさせられる気がする。心がざらざらするのに惹かれてしまう本。

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    2025年12月13日
  • センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)

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    環境保護の先駆者レイチェルカーソンが、甥と共に自然と触れ合う喜びを描いた世界的ベストセラー。子供には不思議や神秘に深く感動する能力「センスオブワンダー」が備わっており、それを育てることが何より大事だと説く。

    美しい詩のような文章と写真に浸りながら、人間が生き物として満たされるためのヒントを得ることができた。海の石をしげしげ眺めていられなくなったのはいつだろう。子育て中に読めて良かった。

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    2025年12月13日
  • 死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発

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    当時本当に死を意識しながら、決死隊として尽力されてきた人たちのリアルを知った。ここまで危機的状況だったとは。とにかく菅首相がいらんことしてくれるなぁーと思ったけど、東工大の出身で意外と物理の基礎知識があったこととか、情報がない中であの動きに至るのはやむを得ないのかなとか、少しわかることもあった。政府、東電本部と現場の動きとか、自分の会社でシステム障害起こした時の感じを思い出した。とにかく吉田所長のリーダーシップ。東工大大学院出身でどちらかというとエリートコースだったのかと思うけど、現場の作業員達とも関係性深く、学生時代から持っていた仏教への深い知識や関心のベースがあったからこそ、死の淵であれだ

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    2025年12月13日
  • 一次元の挿し木

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    行方不明の義理の妹と200年前の人骨のDNAが何故か一致する。愛する妹を探すため謎を解き明かすミステリー。ミステリーなのに文章が綺麗。視点や構成がくるくる変わり飽きないが読みづらくない。ドキドキして一気読み。面白かった。

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    2025年12月13日
  • りりかさんのぬいぐるみ診療所 わたしのねこちゃん

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    かんのゆうこさんの「りりかさんのぬいぐるみ診療所」シリーズ第2作の「わたしのねこちゃん」
    個人的には、「モーツァルトの願い」が一番好きでした。
    理由は、かんのゆうこさんの「はりねずみのルーチカ」の主人公であるルーチカが出てきたからです!!

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    2025年12月13日
  • 変な地図

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    今作は、一枚の地図に隠された謎を、青年時代の栗原さんが追うミステリー。
    謎が謎を呼ぶような展開と、その圧倒的な読みやすさで、今回もページをめくる手が止まらず一気に読み終えてしまいました。

    作中には、ときに「これは必要なのだろうか?」と感じるほど色々な図解が挿入されています。でもこれは、読書に慣れていない方や、怖いのが苦手な方でも物語の世界にスムーズに入り込めるよう工夫された、雨穴さんならではの仕掛けなのだろうと感じました。

    今回印象的だったのは、単なる謎解きミステリーに留まらず、登場人物たちの感情に焦点が当てられていた点で、切なくも爽やかな読後感でした。

    雨穴さんの作品は、いつも物語にぐ

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    2025年12月13日
  • 戦士の遺書 太平洋戦争に散った勇者たちの叫び

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    とても感銘を受けた1冊です。
    書かれているどの人物も皆記憶に刻みつけられる話ではあるが、特に岡田資、大西瀧治郎、満淵正明、有泉龍之助、本間雅晴、阿南惟幾の話は非常に考えさせられるものでした。

    我々はこういう人達のことをあまりに知らなすぎる。自分達の国は、この様な立派な方々の人生と死の上に成り立っていることを、しっかりと学ばねばならない。この本に書かれている人達の前で、誇れる日本を我々はつくれているだろうか。恥ずかしいことをしていないだろうか。自分の利益ばかりを追い求めていないだろうか。

    この本は、多くの日本人に是非とも読んで頂きたい1冊である。そして、恥ずかしくない人生を送ることを決意させ

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    2025年12月13日
  • イクサガミ 神

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    読み終えてしまった。
    非情なデスゲームがようやく終わるのに、心強い仲間たち、愛すべき兄妹、みんなの活躍が見れなくなってしまうのが切なくなってしまった。
    兄妹の想いをつないでいく京八流は「奪う剣ではなく託す剣」
    京八流700年、刀の時代の長い旅が終わり、新しい明治の旅路を歩みだしていく。
    最高に面白い作品でした。
    ありがとう!

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    2025年12月13日
  • 星の王子さま

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    2025.5.20
    いちばんたいせつなことは、目には見えない
    大学院という場に身を置いているわけで、今後社会でせわしなく働く前に見直すことがある

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    2025年12月13日
  • 連続殺人鬼カエル男

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    刑法第39条、心神喪失状態での犯罪がテーマの小説。主人公の新米刑事がベテランで凶悪な顔をした班長とのバディで残酷な連続殺人事件の犯人を追うストーリー。グロテスクな描写が多いが、未知数の犯人に迫っていくハラハラ感が面白すぎた。中山七里先生らしいどんでん返しも圧巻。三巻あると知って即続きを買いました

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    2025年12月13日
  • 変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館

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    友人と民博に行く前日に存在を発見。
    電車の中でツラツラと読んでいたら思いの外興味深く、家に帰りすぐに読み終わってしまった。
    既に自分の中で興味を失っていた文化人類学がもう一度光を放ったような感じ。
    民博にもどんどん足を運んでもう一回文化人類学に触れたい…。
    将来を見つめ直すいいきっかけになった。

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    2025年12月13日
  • 凍りのくじら

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    ネタバレ

    プロローグで語られた、「その光を私は浴びたことがある」という言葉は、抽象的な表現だと思ったが、決してそうではなくそのままの意味だった。それが分かるのは、本当に最後の最後でありながら、冒頭のその言葉がそのシーンまで記憶に残されていたのは、たまたまではなかったと思う。何気ない言葉のようで、知らず知らずのうちにこころに引っ掛らせる力があったのだろう。

    主人公がつらつらと語るシーンは、良くも悪くも、頭の良さが垣間見れた。人を見下すというのは、どう考えても良くない部分ではあるけれど、特別なものではない。みんな口には出さなくても、自分より下の相手を見つけて、人のダメな部分を心の奥底で馬鹿にすることで、安

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    2025年12月13日
  • マリエ

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    千早茜さんの最新作を読みました。
    大好きな作家さんということもあり、主人公マリエが離婚後に出会う年下の恋人との関係が気になって、数時間で一気に読み終えてしまいました。

    マリエの性格が自分と少し重なり、自然と親近感を覚えました。

    「人は役割に流されて、欲しいものや本当の気持ちを忘れていく」
    「確かなのは、嫌悪や別離に至るまでもない小さな幻滅や諦めは生活のあちこちに散らばっていて、こうして離れるまで私はそれに目をつぶっていたということだ」

    これらの言葉を読みながら、
    これを言ったら相手にどう思われるだろう。
    私は相手にとっていいパートナーでいられているだろうか。
    自分の気持ちを我慢してまで「

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    2025年12月13日
  • 代償

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    ネタバレ

    人間の黒い部分をこれでもかと描いたサスペンス小説。幼少期から大人へと至る過程を描くことで、過去が現在を締めつける感覚がじわじわと迫ってくる。子供の頃の傷が人格にどれ程の影響を及ぼすのか、その重さを実感させられた。胸糞展開が重なり、読むのが辛くなる箇所もあったものの、一気に読み進めさせる引力があり、強い読書体験を残す作品だった。初めての作家さんでしたが、この方向性なら他の作品もぜひ読みたい。

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    2025年12月13日
  • 暁星

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    ネタバレ

    宗教2世の苦しみを感じた作品。
    前半の暁闇、後半の金星、両方読んで初めてこの物語の前葉が見えてくる。
    最初に想像していたのとは少し違って、盛大なラブストーリーでもあった。
    宗教団体の弱者から金を巻き上げる様には虫唾が走ったし、主人公たちの母親は愚かだと思うけど、心が弱っている時は取り込まれやすくなってしまうのかな。
    実際にも宗教から抜け出すのって難しいのだろうか。
    暁と星子の2人に幸せが訪れてくれるといいなと思った。

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    2025年12月13日
  • 龍潭譚/白鬼女物語

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    今時珍しい新版の文語体の作品が入っていて飛びついて呼んでいます。
    華麗な漢字を多用した鏡花の霊幻な怪異作品は読んでも素晴らしく、そしてその音楽的表現が頭の中でも音声としても心地よい。そしてもっと言うなら書き様がとてもビジュアルです。細かな描写が多く読み終えると映像で見たような気がするほど。今途中だがまだまだ楽しませてもらいます。

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    2025年12月13日
  • 空、はてしない青 上

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    旅行先の本屋さんで、綺麗なジャケットの本だなと思ってなんとなく購入した。期待をしてなかったけど、期待以上の本だった。一言で言うとタイトルの通り「美しい」本だった。

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    2025年12月13日
  • 狼少年ABC

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    ネタバレ

    梓崎優先生の最新刊が読めるなんて!嬉しすぎる!!

    普段は風景描写が苦手で目が滑るけど、梓崎先生は本当に目に浮かぶ様に描かれててずっと読んでいたい。そして着地があまりに素晴らしい「美しい雪の物語」。
    「重力と飛翔」を読んでて思い出したの(大好きな!)宮部みゆきさんの現代青春モノ。淡々としていた語り手が最後に辿り着いた感情の正体に気付いた時の切なさたるや…!
    キャラの立った3人の学生が魅力的な謎について語り合う表題作の「狼少年ABC」は(やっぱり大好きな!)伊坂幸太郎さんのよう。少し鬱屈とした現状を吹き飛ばすような、愉快な未来を感じさせてくれるラストも素敵!

    そして、個人的に人生で1番好きな短

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    2025年12月13日
  • 女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ

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    楽しみに待っていたマカン・マランシリーズの番外編。
    ドラァグクイーンの話が温かくて面白い。
    台湾へ出かけたシャールら3人とお留守番メンバーの各々一話。
    台湾の料理、ドラァグクイーン、珈琲の話など考えさせられたり楽しんだり。
    またの続編を待ってます!

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    2025年12月13日
  • シークレット・オブ・シークレッツ 下

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    相変わらずのクォリティ。新しい科学的知見をベースにものすごい話を作っている。今回は脳科学の発展と死後の世界に関する最新の研究結果を悪用しようとする悪者の動きに巻き込まれるラングドン達。もちろんハッピーエンドという安心感もあり、とても楽しめた。年末年始の読書に超オススメ。

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    2025年12月13日