小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
オッソーと久遠、この二人だったからこそ、手に入れることのできた景色があったのだと思う。
読みながら、いろいろな感情の涙が出た。悲しいだけでも、嬉しいだけでもない。登場人物たちが過ごした時間、越えてきた時間を一緒に歩いてきたからこそ湧いてくるような涙だった。
情景描写が鮮やかで、人物の心理も細やかに描かれている。景色そのものだけではなく、そこにいる人の感情まで色を持って見えてくるようだった。文字を追っているはずなのに、物語の中に自分も登場人物の一人として参加しているような没入感がある。
だからこそ、「うんうん、そうだよな」「分かるよ」と、何度も心の中で登場人物たちに頷きながら読んでいた。
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Posted by ブクログ
小説を読んでいると 「これはもしかして 私のことを書いているのか?」と思われて仕方がない、ということがよくある。この連作短編集5編のうち 「石蕗南地区の放火」に出てくる 大林、そして「芹葉大学の夢と殺人」の羽根木雄大 この二人が どうにも我が身のことに思えて、いたたまれない。この二人を 足し合わせ それを2で割らなくとも 私そのものだ。30代までの私は 雄大のように 「今の自分ではない何者か」になる 強迫的使命感に取り憑かれて現実を放り出していたし、40代になってからは その反動だったのだろうか?ことさらに 分別をふりかざす おじさんになった。おそろしいことに その両方とも 50代となった今で
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Posted by ブクログ
人は何を信じるかで、見ている景色が違う。
正義感が暴走すると、怖い。
誰かを「悪い奴だ」と信じた瞬間に、その人についての情報が全部その色に染まっていく。
そして怖いのは、本人たちは必ずしも、「自分は悪いことをしている」と思っていないところ。
「自分は正しい」
「真実を明らかにしなきゃ」
そんな気持ちから始まっていても、いつの間にか誰かを傷つける側に回ってしまう。
『ファイア・ドーム』の「噂」の怖さも、そこにつながってる。
人間は事実そのものではなく、「自分が信じた物語」を見て生きてしまう。だから、同じ出来事を見ても、まったく違う世界が見える。
『ファイア・ドーム』では、
「人は何を信じ -
Posted by ブクログ
優しい空色をバックにした白い文字の、穏やかな表紙にひかれて購入しました。
オムニバス形式でそれぞれの話は独立しているものの、ゆるく関連していきながら物語が進んでいきます。
私にとっては少し難しい表現もありましたが、飼い主を守るワンちゃんとか、つらい経験をした男の子と孤独な男性の交流とか、心がホンワカするお話がたくさんあって読んでてとても優しい気持ちになりました。
中でもラストの、亡くなった奥様を思う男性の物語には強く胸を裏たれ、思わず涙がこぼれるほどに感動いたしました。
美しく哀しい運命を持ち、それでも希望を待って生きていく人々を描き切った、まるでNHKの朝ドラのようなさわやかな内容でし -
Posted by ブクログ
恋愛や結婚が絡んだ途端、相手への「値付け」をしてしまい、それと高くなりすぎた自己評価を天秤にかけて相手をジャッジする、という話は現代の未婚社会を論理的に説明する納得感の高い説明だと感じた。
また物語の人物設定やそれに対する性格・背景・周りの人間関係などリアルに描写されており、のめり込むように読めた。架の交友関係や、真実の親、相談所で出会った人なども現実世界でありそうな設定で納得感が高かった。本筋に出てこない人はもう少し減らしても良かった気もするが、、。
前半のミステリーチックな架サイドの話から一転、後半は真実サイドの話になり、最後は恋愛描写になるが、正直ここはこんなに細かく描写されなくても -
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