小説・文芸の高評価レビュー
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読んでいて共感することが多かった。そして印象深く忘れる事のできない作品だった。
純粋な彼は普段恩を感じている人に褒めてもらいたい、役に立ちたいその一心だったのに、天才、聡明になってみて見えた世界の正体は想像していたのと大きく違っていた。自分に足りない能力を身につけたい憧れ、知らなくていい人の感情の裏側をしってしまった落胆、それによって思いもよらぬ絶望に見舞われる。
私も人生で何度も経験してきた。
周りに反発しつつも認めてもらいたい気持ちも同時にあり、天才に憧れもあった。近づけるように少しづつ努力もしたから彼の気持ちはすごくわかる。
しかし、彼は本当に素直で純粋なだけに、世界を知った後の絶望 -
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間違いなく2026年で一番面白い本です。まだ2月ですが、これを超える本に出会える自信がありません。怖いことが起きない、優しい世界に出会えて幸せ。読み終わったあとのほっこり感が幸せ。
主人公の空想癖というか考えすぎちゃうところがあーーーだからこの人はこんなふうになっちゃったのね、と思います。それが合わない人もいるかも。トントン拍子で起承転結に欠けるって思う人もいるかも。でもそれを上回るトータルプロデュースの力を感じました。
装丁、帯、構成、ねこ‥全てが完璧です。
テレビや音楽はプロデューサーの力を感じますよね。あーこれが売れたのはこういうプロデューサーがいたからなんだなーーープロデューサー天才 -
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ネタバレトルストイ56歳の作品だ、しばらく休筆した後でもう死を見つめたのか。彼は壮絶なイリイチの死を内側から見ている。気力のあった頃に大作の後で読んだのだが、その頃はあまり記憶に残らなかったが、再読してみた。
まず、イリイチの死が知らされ、裁判所の同僚の噂話から始まる。彼らの関心は空いた椅子に座る人物についてだった。イワン・イリイチはまだ45歳の判事だった。
イリイチがどんなに俗人であったか、トルストイは容赦なく述べる。
彼は秀才で礼儀正しく順調に地位を登っていった。しかしそれには用心して人と付き合い、尊敬され好ましい人物と思われるように、要領よく仕事をした。そのための努力を惜しまずに、方法を自然に -
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あまりにみんなが面白いというこのベストセラー小説を読むことを、天邪鬼な私は躊躇っていた。漫画チックな表紙も、どうも好きになれなかった。しかし、読者が会いたがるというこの成瀬という少女が気になって、いよいよ読んでみることにした。
成瀬は私の想像を超えたおもしろい奴だった。他人の目を気にぜず我が道をいく成瀬。しかも、いちいち言う事がデカくて、なんでも自分で検証してみようとする。その優秀な頭で考えれば、答えは得られそうなものだけど、あえて体験することを選ぶ、地元密着型の女の子。
同年代の人達からすれば、堂々と自分の思う通りの発言をし、行動する成瀬は、良くも悪くも一目を置かれる存在。10代の頃は、 -
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私は「死神の精度」を読んでから、(後書きでこの作品の登場人物が存在すると知って)読みました。
かなり初期の伊坂さんの作品は、ちょっと怖いイメージがあって敬遠してしまってたのです。
でもやっぱり読んで良かったです!
春は私(泉水)の母親が強姦された時に身籠った子だったんですね。それを知った春の気持ち…計り知れないです。
何で周りがその事を知ってそんな目で見るの?とか、春が知らなければこんなにも苦しむ事はなかったのに、どうにか知らないままで守れなかったの?とか色々考えてしまいました。(いやそしたらそもそも物語が成り立たなくなっちゃうし、と自分にツッコミ。)
物語が終わった後も、春の心は救われるの -
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ネタバレとても良かったです。
食とセクシャリティに不自由を抱える人たちが関わり合いながら自分の居場所を掴み取っていく物語。
高校生の冬真くんと社会人女性の紗里さんの視点が一編ずつ交互に入れ替わって物語が進みます。
冬真くんたちのお話が好きですが、紗里さんと似た食への不自由を持っている身としては紗里さんに共感しながら読みました。
最後2編は泣きました。
メインの登場人物含めクラスメイトや職場の同僚なども、間違うことはあってもみんな優しくていい人たちです。
自分の正義が誰かを傷つけることもあること。気をつけていても難しいなと思いました。
個人的にはブロマンスが好きなので、そういった目線でも楽 -
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第65回日本エッセイスト・クラブ賞受賞 あまり知らない裁判官の生活や信条について身近に感じることができた。興味深く読みやすいコラム集。
命の不思議についてよく考える。最近読んだ“ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか”
それはヒトの歴史とともに心の歴史が大きな比重を締めた内容だった(なかなか感想文が書けないけれど)
先日偶然この本を見つけて読んでみた。裁判を傍聴したこともないし直接かかわったこともないが、推理小説では最後は法廷シーンで解決することも多い。それなりになんとなく雰囲気がわかるようになってきた。
また以前法務省に勤めている人と親しくなった、ご主人は大学の、システム工学の研究者だっ -
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ネタバレこれは面白かった。
本筋とは別にジャンルを超えて幾重にも、マトリョーシカのように話が組込まれている。調べてみるとなんと、とっくに読まれている大評判のものだった。やっぱりどこからか今頃?という声が……
語り手(ハリー・ブロック)は、ミステリ、ポルノ、ヴァンパイア小説、SFなどを生活のために書いてきた、それでやっと糊口をしのいでいる冴えない中年作家。ジャンルが変われば名前も変えなくてはいけない。それぞれの本に貼る肖像写真を苦し紛れにあの手この手で、母親の写真まで細工して作り出すところがおかしい。
アルバイトに高校生の家庭教師までしている。できない子供には馬鹿にされるが、できる生徒はマネージャー -
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夫の吉村氏が舌癌で、一旦治ったと言われて改めて検査中に今度は膵臓癌がみつかる。最後は延命治療を望まず自ら点滴の管や、ポートを外し家族だけに看取られて亡くなった。静かな悲しみのこもったノンフィクション。
吉村昭氏の本はすこし読んだことがある。記憶に残っているのは「破船」と戦艦の話くらいだけれど。ほかに積み本に埋もれていたのを出して置きなおしたまま、まだ減らせていない。
舌癌は手術しない治療法を選んだが、ひどい痛みに苦しむ。少し回復し体調も良くなってきたところにみつかった膵臓癌は周りの臓器も一部を取る12時間半の大手術になった。自宅療養に切り替えて看病を続ける。
夫婦ともに世に認められた作
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