小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ小夜子と修二の関係が自分の両親を見ているようで非常にリアル。
葵は心のどこかで小夜子(過去の葵)を飼っておきたかったのだと思う。だからこそ、熱海で小夜子が葵の誘いを断った瞬間、予想外の行動をしたからふたりの関係に一度ヒビが入った。
葵は過去の自分を小夜子に重ねていたが、小夜子は年齢を重ねているだけあって、当時の葵には埋められない違いがあるという現実を突きつけられる。そこで初めて、「いつまでも夢ばかり見てはいられない」ということを思い知らされたのだと思う。
読後には、切なさと寂しさが残った。なぜそう感じたのか考えてみると、時間は嫌でも流れ、すべてが変化していくという事実を突きつけられたから -
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読みたいリストに入れていたら、どうやら映画が上映中のようで、慌てて読みました。地方のため、小劇場で一週間限定でしか上映されないので、「これは観ておきたい!」という映画は即決しないと見られなくなるのです、、
中編の静かな佇まいの一冊。内容も、無駄がなく、控えめで、多くを語らないという感じ。なので、よくわからないところも正直あって、滑りだしは今ひとつだったのですが、次第に引き込まれていきました。
一般市民で、普通のささやかながら大切な生活を送っている主人公。巨大な権力には手も足も出せないのが世の常。主人公ファーロングは、偶然、権力に虐げられている人を目にしてしまう。一旦知ってしまったら、もう元 -
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やっと読み終えた!
「トム・ソーヤー」「ハックルベリイ・フィン」に現れるジム=「ジェイムズ」視点の物語。
個人的には、マーク・トゥエイン原作の2作品を読んでおいて良かったとは思ったが、それは途中まで。基本的には「ハックルベリイ・フィン」の流れを踏襲はしているものの、第一部の終盤から大いに逸脱し始め、エヴェレット独自のジムの物語へと。
物語冒頭にあったエメットの手記、その歌の意味がその辺りからやっと確かな意味を持ち始める。
ジムとハックの再会後の流れは、時代背景が「ハックルベリイ・フィン」とはまた異なり、二〜三十年後と想定されていて、よりオリジナリティなストーリーに。
最大のポイントは、ノー -
Posted by ブクログ
どんなに相手を思っていても言葉にしなきや思いは伝わらないし、全部言葉にしても自分が思い、感じている通りに相手に伝わるとも限らない。
好き同士でどんなに相手を思っていてもうまくいかないこともある。むしろその方が多いんじゃないかな。
人生どん底に落ちたと思っても下には下がいるし、希望が見つかってもそれが絶望になる瞬間だってすぐそばにある。自分で自分を守らなきゃいけない。そのためには、自分がどこへ飛び立ってもやっていける経済力とその一歩踏み出す馬鹿になる瞬間を常に心に持ち歩かなくちゃいけない。
私たちはいつも狭い世界で生きてる。本当は誰しもがもっと世界は広いと知っているはずなのに、いつの間にか見ない -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の終わりになってから一気にページをめくる手が止まらなくなり、翌日に慌てて下巻を買ってすぐ読んだ。特に下巻の後半は一晩で一気読みした。
辻村深月さんの感情描写には息が苦しくなるような没入感があって大好き。
浅葱の、一人きりで強く生きる覚悟とは裏腹にある痛々しいまでの人間くさい弱さがとても愛おしくて、月子がそれを垣間見て恋に落ちた気持ちが同じ年頃の女の子としてよく分かる。こんな風に悲しい偶然が重ならず、月子という浅葱にとっての盲目な天使が彼の人生の歯止めになることができていたなら、と誰もが思うはず。
なのに、そこに実体はない。木村浅葱の中の主人格はiでありそれが本当の生来の浅葱だから。あれほど -
Posted by ブクログ
日常の中で見落としてしまうような些細なことだけど大事なことを思い出させてくれた。
ご飯を食べること、掃除をすること、毎日たり前にやらなきゃいけないことだけどそれができなくなってしまう人もいて、それが悪いこととかそういうんじゃなくて、他人のそういう状況や自分自身がその状況になった時に気づけるかが大事なんだなって思った。
人と人が分かりあうことは不可能に近くて、愛し合ってる恋人、どんなに仲の良い友人、一緒に住んでる家族でもきっと知らないことの方が多い。
食べることは生きること。
"誰かのために”の前にまずは、『自分のために」生きる選択ができるようになりたい。
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