小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
話題の新書。
タイパやコスパから若い人たちの本離れが進み、出版物の減少や書店の減少など本を取り巻く環境が厳しいのは知ってはいたが、ここに書かれている内容は想像以上だった。
本屋に行って買って読む。こういう当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなる。
将来、本を読むこと自体が特殊な能力となり、一部の階級層しか本を読まなくなる。
暴論にも聞こえるが、本書を最後まで読むとこれが暴論ではないことがよく理解できる。
読めなくなった人々のインタビューにはハッと気付かされる話もあり、当たり前と思っていた読書習慣が一方ではこうも見方が違うのか、と驚かされる。面白かったです。
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Posted by ブクログ
物語の舞台が馴染みのある土地だったこともあり、風景を鮮明にイメージしながら楽しめました。特に家賃や住宅事情の描写は、今まさに自分たち家族が直面している課題とも重なり、他人事とは思えない切実さを持って迫ってきます。
また、ヒロインの恋愛事情については、「きっぱり決断してほしい!」と願う反面、現実の人間関係はそう簡単に白黒つけられないもの……というもどかしさにも深く共感しました。きれい事だけではない、割り切れない感情の揺れが丁寧に描かれています。
田舎特有の濃密な人間関係や、プライバシーに踏み込まれる怖さもしっかり描かれており、思わず身震いする場面も。決して大袈裟ではなく、「実際にあるかもしれない -
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ上野正彦さんの本。
何冊か読んでいるが、この本は再鑑定の事件を扱っている。
再鑑定は一度鑑定がされて、その結果に納得がいかない当事者がもう一度、鑑定を頼むということ。かなりやりにくいだろうなあ、と思う。最初に鑑定した人だとて、別に全くの無資格のものが鑑定する訳ではないのだから。あら探しをされているように感じてもおかしくない。
本庄保険金殺人と思われる事件のことも書かれていた。
あんな有名な事件でも関わっていたのか、と少々驚いた。
再鑑定では、事件からは日数が経っているだろうから、ご遺体もほぼ存在しないだろうから、撮られた写真や鑑定で書かれた書面だけが頼りだろう。それでもこんな本が出来上がっ -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまで多くの歴史小説を読んできたが、5本の指に入る傑作だった
とにかく一色五郎という武将の魅力が溢れすぎている
当主として、武将として、おつととして、父親として、友として、信長や秀吉よりも優れているのではなかったか
一方、細川忠興をはじめとする、細川家の弱さ、卑怯さ、卑屈さ、またそれゆえの葛藤が対極に描かれていて、これもまた武士なのだと感じた
よく考えれば、武士は裏切りの世界だ
自分の家を守るためには、友はもちろんのこと、家族、部下を簡単に犠牲にする
当時はそれが当たり前だったのだ
そう考えると、細川家が悪いのではなく、一色五郎が1人突出した人物だったのだろう -
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1800年代の江戸を舞台にした時代小説。連作短編集。
主人公は貸本屋をしている、おせん。毎日、何冊もの本を背負って、娯楽を楽しみにしている人々に貸し歩いている。
木版印刷しかなかった当時、本は高価だった。作家や作家や戯曲家が本文を書くと、絵師が挿絵を添え、彫師が板に彫り、一枚一枚刷られていた。故に大量生産できず、一冊がとても高価だった。そんな時代に庶民の娯楽を支えていたのが貸本屋である。蔦屋の創業者、蔦屋重三郎も貸本屋から事業を始めている。
家族に不幸があったおせんは、身一つで貸本屋として江戸に本を配り歩く。そんなおせんを知る人は、商売を支え、見守っている。
謎解き要素もあり、江戸の息 -
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「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」は、
どちらも涙なしには読めませんでした。
表題作は、広告代理店で働く女性が、マッサージ師から「ある過去の物語」を聞かされる不思議な構成のお話です。
語られたのは、戦時中の盲目の少女と、彼女にフランス語を教えに来た家庭教師との儚い恋。そして、その彼女を近くでどんなときも献身的に支え続けた女性の物語。
決して幸せな結末ではないけれど、
明日をも知れぬ刹那的な時代だからこそ、
その恋や友情が、かけがえのない尊いものに感じられました。
「長良川」は、深い夫婦愛を描いた物語。
亡き夫との思い出の地を娘夫婦と訪ね、過去の会話を思い返すなかで、自分がどれほど夫に -
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ネタバレ国際貢献のボランティアに打ち込むも、心が傷つき無気力となったみのりに、祖父の生き様が交差し、再び「使命」を見つけて行くお話。みのりの心理描写が丁寧で、とても文量が多いが、丁寧である分、読後の充実感が大きかった。
悩んで立ち止まるみのりと悩みながら突き進む玲、悩まず突き進むムーミンの関係が印象的。みのりと玲に亡くなったムーミンの声が降ってきて背中を押してくれるのは、二人の中にムーミンの純粋な「初心」が生き続けていたからかな。
また、各章に挟まれる清美の戦前戦後を生き抜く壮絶だけど素朴な描写が、陸が描いたものと分かる仕掛けには、陸の「清美の記憶を引き継ぐ」という素直な「タラント」が伝わってきて感動
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