小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズ宛の手紙。
コナン・ドイルの生み出した架空の人物宛の手紙。
実在したアビー・ナショナル住宅金融組合、ベイカー街221B宛の手紙。
それらの手紙に返事を打つ仕事に就いたハリー。
あらすじだけでワクワクしてしまった。
シャーロック・ホームズの引退した後の時代設定というのも面白い。
男爵の孫娘という恵まれた生まれながらも、自立していて、とても自分を持っているハリー。
危なっかしい所も多々あるけれど、正義感が強くて、弱さの自覚もあるし、驕らないところがすごく応援したくなる主人公。
冬に第2弾刊行決定の帯、シリーズ化はとても嬉しい。映像化しても、とても面白そう。 -
Posted by ブクログ
中年という枠も後半に差し掛かっている今、老後をどのように過ごすのかは、私にとってかなり関心の高いテーマだ。正直、健康に楽しく老後を過ごせるイメージはあまりなく、自分の気力や体力があるうちに、自分で人生をたたみたいとすら思っている。
そんな老後観を持つ私にとって、本作で描かれる、人生の最終盤で楽しく集まる老人たちの存在は、とても明るく、素敵な営みに見えた。
彼らを見つめる若年層もとても優しい人たちだし、心理描写もすっと腹に落ちてくるような言葉が多く、深く共感しながら楽しめた。私にとっては、シリアスになりがちなテーマをコミカルに、そして温かくまとめた素敵な一冊であった。 -
Posted by ブクログ
「スーパーセックスワールドってなんなんだよ」と思ったコミカルなスタートだったが、テーマは意外と重いものだった。アセクシャル——たしかに無味無臭で、なんとも実感が湧かない定義ではあったが、それと向き合うことがこれほど深い悩みを抱えるということなのだな、とあらためて感じたし、勉強になった。
総じて心理描写がわかりやすく、気楽にスイスイ読めて、それでいて味わい深い箇所もいくつもあり、読後の満足感は高い。
> 「自分には帰る場所があり、愛してくれる家族がいるということに。でも、生まれながらに与えられたそれらの愛は尽きていく。来年、再来年、いや、明日にだって親は倒れ、死ぬ。」
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この一節 -
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Posted by ブクログ
東京生まれで家は自営業、イケメンで女性には困った事のない架と群馬で生まれ幼い頃から大事に育てられた真実。結婚式目前で真実は姿を消してしまい、架は彼女を探すため彼女の過去に向き合う。
ミステリーを題材にしたが小説のテーマは、選択の心情だと思った。結婚や恋愛、就職あらゆる局面で多様な選択肢から選択を迫られる。相手や対象をどう捉えて選ぶか、その選択で自分という存在も浮き彫りにされる。作中で架が婚活アプリで出会う人々の事を“ピンとこない”と表現していた事に対して、ある人物がそれは貴方が自分につけている値段です、と言い切るシーンがあった。選択する事で自らの傲慢が露見するという発見は、身につまされるよう -
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『医療では人は救えないんだよ』がキラーフレーズ
スピノザの診察室の続編
主人公の雄町哲郎は、むつかしい手術を成功させる腕を持ちながら大学病院をやめ地域病院の終末期医療に携わる。
とういのも、旦那を亡くした妹が亡くなり甥っ子を引き取り育てることになったからだ。
小さな病院は、大学病院のような最先端医療が求められる症例は少なく、その分勤務時間を抑えられ、甥っ子と過ごす時間にあてられていると考えたからだ。
患者1人1人と向き合い、終末期の医療のありかた、人の命を考える日々。
そんなおり…
元々いた大学病院の友人(准教授の花垣)から難しい手術を手助けして欲しいと協力を求められた…その患者とは!…
本 -
Posted by ブクログ
ネタバレ痛みを知った人間だけが与えられるものがある、失ったこそ得られるものがある、届かないからこそ届けられるものがある、ということを教えてくれる作品だった。私はノルウェーという小国で、父の祖国だというだけで日本と両親の過剰な愛情から自立したい一心で30代になった。孤独と闘い、それに伴う体の疾患や心の不安定さと闘いながら毎日を過ごしている。浮き切ったあと沈みかけていた時にこの作品に出会った。 この作品の表題である「52ヘルツのクジラ」について主人公のみさきが自己を投影した孤独な少年にこの鯨について説明した時、ノルウェーの春の匂い漂う孤独の夜を散歩しながら、僕のことだ、と確信した。そこでほろっと涙が出
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Posted by ブクログ
久々に、作者が書きたいものを書いた作品を読んだ気がする。
読者の期待など、どこ吹く風。
誰の為でもなく、自分の為に書いたような感じが、最高に清々しい物語にしていると思う。
だって、主人公は暴力大好きな女。
暴力は、どんな理由があってもダメだよねって声高に言われるこの時代に。
舞台は、今どきこんなヤクザいるのかって思うくらいにベタなヤクザの屋敷。
そんな、時代に全くそぐわないこの物語が、面白かった。著者の思いが全くぶれないからだろう。
純粋にエンタメとして面白かったが、解説を読んで、ただのエンタメでなく、固定観念の破壊という凄さに、唸った。
ちなみに、「ババヤガ」は東スラヴ(ロシアなど)の