小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
高校野球に挑む息子の航太郎。その母であり、女手一つで育てる菜々子の視点で描かれる高校野球三年間の物語。息子が大阪の強豪校へ入寮するのを機会に、そばで見守るために一人見知らぬ土地へと引っ越す決意をした菜々子。新天地での人間関係の葛藤、なかなか会えない息子の変化との向き合う姿など、高校野球の裏から支える母親目線で描かれる物語は面白かった。息子の成長を読者視点で楽しみつつ、息子の成長に戸惑いや感動を覚えながらも、一人の大人として自分の人生も見つめなおしていく菜々子の物語も楽しめる、そんなボリューム満点な物語。最初は父母会や監督やなんやの問題尽くしの展開にヤキモキしてしまったけれども、そこから心に響く
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Posted by ブクログ
ネタバレこの小説には、2つのテーマが描かれていてるように思う。1つは、自分が抱えている問題を、他人に委ねることことなく、自分自身で乗り越えていくことの強さについて。もう1つは、限りある人生の中で、何と、誰と、どのように向き合い、時間を過ごしていくのかということ。
ヤングケアラーとして、切り離せない大人達に振り回され、幾度となく傷つきながらも、無力な自分ができる最大値を考え、家族を維持するための自分の役割を全うする。暁海と櫂の両者の心情が理解でき、特に、自分のことを後回しにしてでも、その役を生真面目に貫く暁海に感情が引きずられ、心に深く重く刻まれた小説となった。
人生の早い段階で、簡単には消せない問