あらすじ
映画化決定! 上川隆也主演「二流小説家―シリアリスト―」 全国東映系で6月公開! 残忍な手口で四人の女性を殺害したとして死刑判決を受け獄中にある男から、しがない小説家に手紙が届く。死刑執行を目前にした男が事件の全貌を語る本の執筆を依頼してきたのだ。世間を震撼させた殺人鬼の告白本! ベストセラー間違いなし! だが刑務所に面会に赴いた小説家は、思いもかけぬ条件を突きつけられた……史上初! 年末ミステリ・ベストテンで三冠達成の傑作が電子書籍化。
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タイトルや装丁が今ひとつピンと来なくて、読むのを後回しにしていたけど、すごく面白かった!
主人公のマネージャー的存在が女子高生だったり、殺人現場のグロい描写が印象的だったりと、妙に自分に刺さる要素が多かった気がします。
アメリカではそれほどヒットしなかったそうなのだけど、日本では高く評価されたというのをネットで見かけて、なんとなく納得。
ユーモアもあって、女性とイチャイチャしたり、しんみりしたり……
長かったー!
Posted by ブクログ
おおいに楽しめる小説だった。まず『二流小説家』という邦題がなんともよろしい。原題では「The Serialist」(連載作家)となっている。主人公であり語り部である「ぼく」は、大衆雑誌にヴァンパイア系小説やポルノ小説を書いたり、バイトで家庭教師をしたりと気ままに暮らす「二流小説家」。その「二流小説家」がある日、連続殺人鬼で死刑が迫る囚人からファンレターを受け、独占の告白本執筆を持ちかけられるが・・・という物語。ミステリー小説なのに私小説風で、最初のうちは「ライ麦畑でつかまえて」のような感触を持ったが、主人公の書く連載作品が微妙な関連性を示唆しつつ並行して挿入され、読んでいるうちに「ぼく」の実在感覚が幻惑されていく巧みな構成に入る。そして「ミステリー」らしく、ちゃんと猟奇連続殺人に「ぼく」は巻き込まれ、作家から探偵に流れが変わり、本格推理を気取った「読者への挑戦状」まで用意されている。やがて明らかになるのは連続殺人犯人と被害者たち、そして「ぼく」の皮肉で悲しい人生の交錯。物語の横軸には愛と別れが綴られる。残されたのは小説家としての「ぼく」独り。そんな終わり方に、なぜかハードボイルドな爽快さが感じられた。評判通りの傑作。
Posted by ブクログ
「ミステリが読みたい」「このミステリーがすごい」「週刊文春ミステリーベスト10」の海外部門1位との触れ込みも、本国ではあんまり評価が高くないと聞き、ちょっと手を出しにくかった本作。
正月休みに思い切って手を出してみたら・・・大正解!
面白い!
ちょっと自虐的な、皮肉交じりの一人称スタイルは「女王陛下の魔術師」を彷彿とさせる。
(まぁさすがにあっちの方が皮肉屋だけど)
途中で挿入されるハリーの小説もいい雰囲気を作り、もうこのままクレアちゃんとダニエラといちゃいちゃしてればいいんじゃないかと思い始めた中盤から一気に物語が加速する。
そこから最後まではもう目が離せない。
ミステリとしては謎解きはちょっと弱いんじゃないかとも思うけど、ハリーの語り口や哀愁漂うラストを評価して星5で!
Posted by ブクログ
展開の予想が全くつかなかった。二転三転する物語に引き込まれること間違いなし。
自分を偽ってばかりのハリーの成長の話でもあるし、ミステリーでもあるし、サスペンス、ロマンスでもある。
様々なジャンルが絶妙に重なりあっていて、とても素敵だった。
Posted by ブクログ
あらすじを読んで衝動買い、積読後、ようやく読み終わりました。ジャンルでは探偵モノになるみたいですが、描写が結構キツいところもあり、好き嫌いが分かれるところかもしれません。文体的には読みやすく、ニューヨークの情景を思い描くこともできました。
Posted by ブクログ
異なるペンネームでポルノ雑誌のライター、SF小説、ヴァンパイア小説を手がけている中年の作家が主人公。キャラ設定は軟弱だが、中身はハードボイルド、サスペンス、謎解ミステリー要素がしっかり。更に作中には、主人公の数々の小説が挿入されているので散漫に読むと楽しめないかも。逆に集中するととんでもなく面白い。
またアメリカンジョークや往年のミステリー談義等もあり、この辺は読者を選ぶ内容かもしれない。
Posted by ブクログ
半分で意外な展開、後半スピーディーだしどんでん返しもあって楽しめた。
ハリーの愛すべき負け犬っぷりは好きじゃないけどヴァンパイアの話は読んでみたいと思ったよ。読書は旅。
Posted by ブクログ
ポルノやSF、伝奇小説等ジャンルを問わずに小説を書いていた売れない作家ハリーの元に1通の手紙が届く。差出人は4人を殺して死刑判決を受けたダリアンだった。その内容は自分の告白本を書いてほしいと言うことであった。
その話にあまり乗り気ではなかったハリーだったが、マネージャを辞任する教え子の女子校生クレアに促され刑務所に向かう。待ち構えていたダリアンはハリーの小説のファンデ、そのために原稿を依頼したいと言うことだった。ただ、一つ条件がありそれは、ダリルにファンレターを送ってくる女性達に会い彼女らを元にしたポルノを書いて自分に読ませてほしいとのことだった。
仕方なしに話を受けたハリーが教えられた女性達を訪れると、やがて彼女らがダリアンと同じ手口で殺害され始める。ダリルは無実なのか、そして警察とFBIに目をつけられたハリーはクレアと、犠牲者の一人の妹ダニエラとともに捜査を開始する。
長編の割にはテンポがよく、話の起伏もちょうど良い。真犯人が判明した、と思った割には残りページが多く、最後にそう来たか、という感想。
Posted by ブクログ
ミステリへの愛に溢れた秀作で、ゴードンの才気溢れる筆致が堪能できる。売れない小説家ハリーを主人公に一攫千金のチャンスを掴みながらも、一筋縄ではいかない壁をどう乗り越えるかという展開がとにかく読ませる。メインプロットとは直接関係ないものの、ハリーが創作したホラーやハードボイルド、SF小説を抜粋して挿入する遊び心も楽しい。人物造型が巧く、特にハリーのビジネスパートナーとなる少女の多感な心の揺れの表現などが見事なのは、著者が普段から繊細な観察力を持つが故にだろう。さらに残忍/狂気性では突出する殺人鬼が登場する点でも忘れがたい印象を残す。時にオフビートな捻りを加えつつも、最後にはミステリとしてきちんと成立させたデイヴィッド・ゴードンの剛腕が冴え渡る。
Posted by ブクログ
海外物のミステリなんて読むのいつ以来かと思うくらい久しぶりに読みました。猟奇犯罪の犯人からの依頼を受けてから受難に塗れるお話でした。
途中エログロがかなり出てきて僕好みでしたが、この辺毛嫌う人もいるかもしれませんね。
でも、それ以上に物書きについて書かれていたのが良かったです。
やっぱ書いて書いて書きまくるしかないようです。
うん、面白かった。
Posted by ブクログ
殺人鬼ダリアンが、色んな面があって興味深い。
主人公ハリーの違ったペンネームで書いている小説が、所々に挿入されるのも面白い。
それにしてもハリーはモテるなあ。
著者近影ってあんまり信じない方がいいのかな?
スピード感があって好き。
Posted by ブクログ
久しぶりに、真っ当な人気海外ミステリを読みたくて選択。
いつぞやの海外ミステリランキングを総ナメにした作品。
面白かった。読んで損はない一作。ミステリちっくな、サイコちっくな、スプラッタちっくな内容が盛り沢山ながら、キャラクタの良さでまた違う雰囲気を出している、楽しめる作品。
楽しんでよみ終わりつつも、もう一ひねり足りないなぁ、と思うのは贅沢か。ミステリ好きよりも、エンタメ好き(その定義は何?)のための一冊か。
Posted by ブクログ
パッとしないゴーストライターの私(ハリー・ブロックという名前)のもとに、死刑囚が自身の犯した事件について告白する本を執筆してくれと依頼してきたが、いざ面会のために刑務所を訪問したところ、思わぬ事態に巻き込まれてしまったので、その一部始終を(関係者等の実名は変えて)サスペンスストーリーとして執筆してみました…という体裁のサスペンス。
事件の謎解きは、どんでん返しが複数回あって面白いが、ところどころにある猥雑なシーンは必要なのかな…と首を捻らざるを得ないが、主人公のハリー・ブロックが「ポルノ雑誌に雑文を書いていたゴーストライター」という設定で、本書はハリーが執筆したという体裁のため、仕方がないところ。
ややメタな表現が散見されるのも、それが理由かと考えられる。
章立ては細かく区切られていて読みやすいが、それでも全体として冗長な印象は受けた。
Posted by ブクログ
冴えない小説家が死刑囚から事件の全貌についての執筆を依頼される。そしてその条件として、自分を慕っている女性とのポルノ小説の執筆も依頼される。二流小説家から脱却するため主人公はそれらの女性にインタビューを行うと新たな事件が発生し、主人公は第一容疑者になってしまう
本筋の物語は面白く、助手との会話もユーモラスで楽しいが間に挟まれる主人公の作品による劇中作や作者の小説のような部分は読み飛ばした。また作者がポルノ業界の出だからか性的な用語が頻繁に出てくるので人を選ぶと思う
Posted by ブクログ
本名を出さずに仮名で色々なジャンルの小説を書いている小説家が主人公。
主人公のハリーがある日、収監されている死刑囚の連続殺人鬼からの依頼である条件と引き換えに告白することを出版してもいいという依頼があり、死刑囚のダリアンに会うこととなる。
ハリーの仕事を手伝う女子高校生、双子の姉妹を殺されたダニエラ、ハリーの弁護士のキャロル、その助手のテレサ、刑事のタウンズ等が登場し物語が進んでいく。
出筆作業中にダリアンの手口と同じ殺人事件が起こり、その第一発見者がハリーであったことから、容疑者扱いされたりする。
その殺人事件を解決する為にハリーが活躍していくのが、中盤からの流れになる。
本書の戸途中でハリーの著作が出てくるので、それが謎解きと何か関係があるのかと考えながら読んだが、結局何も関係なかった。
全体的に読みやすく、ユーモアもあり登場人物にも個性があり面白かった。
が、焦点が分かりにくいのと、余分な文章が多いためページ数が増えた感があるのでマイナス面も多く、評価を低めにした。
このミス等では、1位に輝くだけあり面白いのは面白い。
Posted by ブクログ
このミス海外編2012年版1位。この年の海外ミステリーの年間ベスト1位を独占したもよう。主人公である様々なジャンルで異なるペンネームで小説を出版している二流小説家が、死刑目前の連続殺人魔から刑務所に届いたファンレターの相手への取材を依頼されるところから始まるお話。主人公を取り巻く女性が魅力的なのは現実的にはあまりないとは思うけど小説的には好き。他の登場人物もきっちりかけてる。新たな殺人事件が発生するとこはビックリしたし、他にも意外な展開がときどきあって面白い。たんたんとした文体は論理的で好感が持てるしユーモアもあって緊迫したとこ多いけどあまりドキドキしすぎないのも良い。ただ、なぜか地の文が突然理屈っぽくなったり筆者の主張めいたものが長くなったりしてところどころ退屈なところあって残念。そのせいで寝落ちしそうになってなかなか一気読みまではいたらなかった。
Posted by ブクログ
初デヴィッド・ゴードン 犯人の意外性とか話の面白さとかより端々に書かれている表現の方が強く刺さってくる。
冒頭主人公は、元カノから別れを切り出されるとき「最後に詩を書いたのはいつだった?」ときかれる。 これは、何かを作りたくて心の何処かで野心を飼いながら、日々の忙しさに紛れさせてしまう人たちに刺さるのではないだろうか。 小技が綺麗に効いている一冊
Posted by ブクログ
時にはポルノ小説家、時にはヴァンパイア小説家、SF小説家と様々な売れない小説家の顔を持つハリーを主人公に、
妹を殺害されたストリッパーのダニエラ、チャーミングな女子高生クレアとともに凶悪な殺人事件を暴いていく。
序盤は、その後の布石のためか、少なからずダラダラとしてしまうが中盤からのスリリングな展開、そして予想を覆す結末。
全体的に「二流小説家」通り、B級ポルノ、B級スプラッター感が満載だが、これもまた読み終わってみれば魅力の一つ。
Posted by ブクログ
無駄に長かった気が。
ハリー・ブロック以外の全ての人物像が中途半端だった気も。
所々気が逸れてしまったので、作業片手に2時間ドラマを見て、あーこの人が真犯人だったのかあ、という感じで終わってしまいました。
訳が合わなかったのかな…。
Posted by ブクログ
映画を観たくて、逃してしまったので原作を読んでみようと読み始めたものの、結構想像と違った。
邦画でやろうとする感じじゃなくて意外。。。
推理が甘い感じが洋モノだなぁって感じ。
一生一生が短くてサクサク読めるのは良かった。
Posted by ブクログ
図らずも本に関するミステリを続けて読んだのですが、
先に読んだ「死の蔵書」のインパクトが強く霞んでしまったかな。
ミステリとして最後のオチまで非常に良かったと思います。
最後の独白シーン(めっちゃ早口で喋ってそう)も圧巻でした。途中で挿入される主人公の小説も面白く、テレサみたいにのめり込んでみたい気もしました。
作家の精神論や悲哀、虚しさ、生活の糧としてゴーストしつつ、でもそれでも芸術として向き合いたい葛藤等々、著者本人の常々思う所が、ミステリの形を取って書いた作品と云ったらしっくりくるような。
Posted by ブクログ
条件付きで死刑囚から告白本の執筆を受けたしがない小説家。
しかしインタビューをした女性たちが次々と惨殺されていく・・
途中からかなりグロテスクな場面が多く寝る前に読むには向かなかった・・
クレアとのコンビは微笑ましく、ダニエラが邪魔に思えるほど。
Posted by ブクログ
帯に惹かれて購入し今読んでいる途中です。
アメリカ特有のジョークや言い回しが読者を選ぶ印象があります。前半は大分エロティックな描写が多いので嫌悪感を覚えるかと。
後半から事態が動き出すのでそこまでは読み進めるのに苦労します。
Posted by ブクログ
"そうすべきだと判断したなら、思いきった省略もする。天気だの、ソファーの見た目だのについて、どうでもいいような細部をだらだら並べ立てるつもりはない。"
とは、この作品の主人公であり二流小説家のハリー・ブロックの言葉なのだが、ココ、読んで笑ってしまう。
なぜならこの作品、全編通してどうでもいいような細部をだらだら並べ立ててばかりいるから。
"冗長"とはまさにこのことだな、と実感せずにはいられない。
映画を観て、アメリカの小説を日本に置き換えたにしてはなかなか悪くない出来だったと思ったんだけどなー、
大抵は原作を超える映像化作品てないから期待しちゃって映画の帰りに本屋で購入。
・・・本題にたどり着く前に1度挫折。
そのまましばらく放置。
ようやくまた手にとって、半ば意地で読み切った!
結論はといえば、確かにつまらなくはない。
けど、不要としか思えない部分が多すぎて。
それでも、読み切ってみればまぁまぁと感じるのだから、ある意味"このミステリーはすごい!"と、思う。
Posted by ブクログ
映画化するってことで面白いのかと読んでみた。
こんなエログロ小説だとは思ってなかったので驚いた。
なんでこれを映画化するのか分からない。どこまで原作に忠実に作るのかな。