小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ殺人現場を見てしまった凄腕の営業マンが、殺されそうになったとき、そのスキルを総動員し商談を始める!?殺し屋の世界では素人だが営業のプロ鳥井は、「私に任せればすべてうまくいきます」と言い切った。事あるごとに「私、目標を達成できなかったことがありませんから」と言い、意外と有能?な3人のメンバーと共に、精神分析学や行動経済学を応用しながら、今まで磨き上げてきた話術で窮地を脱すると、次第に、本人も自覚していなかった本性が現れてくる。エージェントとしての才能に溢れる美女と一流の殺し屋コンビとの対峙も、「ガラクタ同然の商材を、千を超える客たちに売りつけてきた」鳥井にとっては障壁にならない。商材の質ではない
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Posted by ブクログ
ずっと気になっていたけど、読んでいなかった本。
やっと読み終えましたが、、、
心につっかえたモヤモヤした感情を、シャールさんが温かく、優しく拭き取ってくれる感じ。最高です。
もっと早く読めばよかった!!!!
最後の、ドリアン・ロロブリジータさんの解説も読み応えがあり、解説まで含めて、何度も読み返したい本になりました。
続編も絶対読みます。
こういう夜食カフェどこかに無いかなぁ。
あと、作中に出てくる音楽がどれも落ち着く曲調で、とってもすきです。
・モーツァルト アイネクライネハトムジーク
・ガムラン
・ドビュッシー アラベスク
・サティ ジムノペディ
この音楽を流しながら、本を読むと至福 -
Posted by ブクログ
私は震災をきっかけに石巻に就職し、数年間生活していました。震災から4年後のことでした。私は日和大橋を通りながら見る工場夜景が好きでした。そんな景色に、様々な人の思いが詰まっていることを、この本を読んで今更初めて知りました。
震災当時を知らない者として、色々な場所に行ったり、人の話を聞いたりしましたが、残念なことに記憶は薄れていきます。また、実際に震災を経験していないので、残念ながら他人事のようにも思っていたのでしょう。
この本を読んでいる時に、地震が来ました。普段の地震より、恐ろしく、自分事に感じました。幸い被害はありませんでした。もしもの時のために防災グッズを見直しています。
こうして、震災 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二つの中編小説を読む順番を変えて読むとストーリーが大きく変わるという小説。
私は本をさかさまにして読むのが面倒だったので、後半の『ゲオスミン』から読みました。
『ゲオスミン』
形成外科医の田釜雪夫56歳は野宮という三十年以上刑事をやって今、ホームレスになってしまった男と知り合います。
野宮は娘の明日美を去年、風邪薬の摂取過多で亡くしていました。
田釜もまた中学生の一人娘を自殺により亡くしていました。
田釜は娘を死に追いやった者たちを殺したいと思い野宮にとある相談を持ちかけますが…。
『ペトリコール』
高校一年生の小峰夕歌は両親を殺された有名な惨殺事件の生き残りでした。
とあるきっかけ -
Posted by ブクログ
染みた。切なさなのか、それとも別の何かなのか分からないが、確かに心に染み渡った。
読み進めるうちに、私の頭の中には北山杉のまっすぐな情景が浮かんでいた。序盤では、北山杉のように真っすぐで、親の言いなりに生きる娘なのだろうかと想像していたが、そこに描かれていたのは、静かでありながら力強く生きる女性だった。
登場人物たちの心情は痛いほどに伝わってきて、日本人特有の感情の機微が丁寧に表現されている。良いか悪いかは別として、こうした心情は少しずつ失われつつあるのかもしれない。そう思うと、この物語そのものが、まさに「古都」のように感じられた。
伊豆、雪国、古都と読み進めてきて、古都が一番好みかも!