あらすじ
圧倒的「数覚」に恵まれた瞭司の死後、熊沢はその遺書といえる研究ノートを入手するが――冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛!選考委員の圧倒的評価を勝ち取った、第9回野性時代フロンティア文学賞受賞作!
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数学は全くの苦手、どころか算数でも怪しいレベル。
当然軸となるフラッツ予想も初耳で、そんな自分でも大丈夫なのかな…と心配しながら読み始めたけど、全く問題なく読めました!
最初は居場所を見つけた瞭司をほほえましく見ていただけに、壊れていく様を読むのは本当に辛かった。
亡くなる(しかもあまりよくない形で)ことは熊沢のターンで分かっていたから、せめて少しでも早く楽になってほしいと思ってしまった。
もっと上手く生き抜いてほしかったよー。
きっと熊沢くんも同じ気持ちで、一時帰国のときに、連絡先も分からないのにわざわざ尋ねたんだと思いたい。
でも瞭司は数学でしか生きられなかった。結果的に瞭司は亡くなってしまったけど、誰も悪くない…から辛い。
でも、瞭司の「今解けなくても、死ぬまでに解ければいい。自分に解けなければ、他の誰かが解けばいい。だから問題を解くことに挫折はない」というセリフ。
最後はこれに繋がるようなラストでよかった。
Posted by ブクログ
数学界について見識もなく、ただただ人間ドラマとして魅了されました。
巻末の森見登美彦さんの解説を見るにつけ(デビュー作なのにすごい!)その深すぎる洞察を目の当たりにしたら書くことがみつかりません。
あえて自分の体験に照らし合わせると、主人公に及ぶべくもないですが比較的知能に恵まれた私の前半生は、無邪気な批判をくりかえしては社会からつまはじきになることばかり。
実際に不適応者となった時期には、通い詰めていた病院のスタッフさんに「感覚で生きている人は頭脳と肉体の衰えと共に凡人以下になる」と気づきを促され首を斬り落とされたような思いでした。
そこで積み上げることの大切さを学んだのも今では良い経験です。
数学の森で遊び、木々の間から星をつかもうとする主人公の儚さはギリシャの時代ならきっと星になれたのかもしれない。でも複雑化しすぎた現代では、誰がどう汲み取るのか。
プラトンやエッカーマンのような傍らにいる存在、私にはもう1人の主人公である熊沢勇一にこそ寄り添いたい気持ちがわきました。
というかそういう話でもあるのか!(今わかった)
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数学の天才・瞭司の生前の青春から地へ堕ちるまでのリアルと、瞭司の遺した難解な証明を旧友の熊沢が紐解いていく物語。天才だから見える世界の広さと、天才が故に人が離れていくことへの孤独・葛藤がすっごいねぇ、誰か瞭司を褒めてよ( ; ; )
Posted by ブクログ
自分の好きにまっすぐに向き合うこと、その言葉だけを見ると美しく潔い。
けれど、人にはいろんなしがらみや、プライドなんかの煩わしいものがあって、そうしたくてもできる人とできない人がいる。
この作品はそれができる人とできない人の友情の物語。
こんな言い方をするとできる人が優秀で、できない人がそうではないみたいだけど、そうではない。
まっすぐすぎて不器用で、しがらみやプライドがあるからこそ上手く立ち回れる。
同じ数学という分野に挑む過程で芽生えた友情、それが辿る軌跡の物語。
才能というのは純粋で美しい、だけどそれだけに脆く危うい。
切なさがいつまでも残る作品。
Posted by ブクログ
これが岩井さんのデビュー作だったとは、、!
なんかめっちゃ良かった。
なぜだか 気がつけば涙がぼろぼろ。
数学にひたむきに向き合った青年の 脆くも美しい物語。
圧倒的な数学の才能に恵まれた瞭司は 数学科のある大学へ特別推薦で入学する。
そこで同じく特別推薦で入学した熊沢と佐那の3人で 教授である小沼のもと 日々数学に打ちこむ幸せな時を過ごしていた。
だが、あまりに卓越した瞭司の才能は やがて人間関係を歪まし 自分をも壊していく。
天才って孤独なものなのかも知れないな。
1人取り残されるって ほんとに寂しいと思う。
瞭司の変わりゆく姿に胸がギュッとなる。
ただただ同じ夢を追いかけたいだけなのに。
岩井さん いろんな作品書かれるけど、まだ全然読めてないけど、、今のとここの作品が1番好き。
Posted by ブクログ
すっごい夢中になって2回で読んでしまった
数学の理論は理解できなくても読むのに問題ありません。
自分もこんな風に没頭したい!っていうのとか、暸司やクマはいわゆる「陽キャ」では全くないけどその青春劇、ネガティブすぎずポジティブすぎないちょうどいい温度感なのが良かった
でも天才が天才であるがゆえに孤独で堕ちていくっていうのがストーリーとして普通すぎるのでちょっと残念だった
ピンクとグレー にも似てる
てか瞭司はめちゃくちゃ純粋ですよね
後半、みんなに冷たくされても怒ったりしないし、シンプルに生きてる感じがした(その末路があれなのは辛いけど…)
最後の森見登美彦さんの解説で、
後半にかけて暸司の元から仲間がどんどん離れていってしまうというのは、
山で遊んで夢中になっていて振り返ったら友達がみんな帰ってしまっていたという暸司の幼少期の話と全く同じだと書いていたのがなるほど流石と思った
Posted by ブクログ
コラッツ予想という問題がある。どんな正整数も、偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足す操作を繰り返せば、必ず1に到達する——ただし、それを証明した者はいまだにいない。本書はその証明をめぐる物語だ。
圧倒的な才能を持つ高校生・瞭司は、真理に触れる瞬間の恍惚を知っている。しかしその美しさは同時に、彼がいかに孤独かを照らし出す。天才の光は、栄光だけではなく周囲との距離も生む。瞭司に引き寄せられ、翻弄される人々の群像を通じて、一つの才能が場に生じさせる磁力と波紋が丁寧に描かれる。
数学的真理は永遠に正しく、美しく、そして冷たい。誰かのものにはなれない。そんな真理を覗きたくなる知的好奇心を刺激する秀作。
Posted by ブクログ
「数覚」に恵まれてはいたけれど、「人並みの幸せ」にはかけ離れてしまった悲しい青年。
岩井さんのデビュー作だそうで、人物を描いていて強さも弱さも感じられるし、嫉妬という感情も理解できる。
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数学の才能をもつ旧友が遺したノートに未解決問題の証明が見つかり、当時の思い出を振り返り葛藤するお話。
"数覚"というシックスセンス的感覚をもった青年の生涯を反芻していく場面は、行き先が分かっているだけに読み進めるのも辛くて、孤独に堕ちていく過程はとても切なかったな。
やるせない気持ちを、森見登美彦さんの解説で、なんとか浄化させた感もあります⭐︎笑
という事で解説もぜひ読んでください( ᵕᴗᵕ )
ワークライフバランスなんか
良くも悪くも、ワークライフバランスなんか知ったことかという本。こういう本は好きだが、この線でリアリティを出すには、アイデアをさらに厚くしてもらうとさらに良い。
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数学の天才の話は他にもいくつか読んだことがあるが、彼らには世界がどんな風に見えているのかいつも想像がつかない。IQに差があると会話にならないという話は聞くが、本作で表現される数覚もまた同じなのだろうなと思う。おまけに瞭司はラマヌジャンを想起させる感覚派だ。以前、ビジュアルシンカーという概念を聞いた。物事について考えたり理解するのに言語より視覚やイメージに頼る人達がいるという。これは別に0か1という話では無いのだが、中には極端な人もいるのだとか。瞭司にもそうした側面がありそうだ。自分の場合はビジュアルも使うが言語の比重が高いように思う。それでも時折結論だけがイメージとして降って湧いてくることがある。仕事で要件は決まっているのに実現方法に行き詰っている時、お風呂なんかで不意に閃くのだ。そういう時には自分の中では道理は曖昧でも揺るぎない確固たる結論が見えているのに、人に説明する為にはどうしても道理を整理して言語化する必要があり、とにかくそれがもどかしい。だが頑張って言語化して同僚の納得を得た時には喜びを覚える。故に瞭司の気持ちも分かるが平賀の言う事が間違っていないのもよく分かる。確かに平賀の登場が瞭司の運命を左右するひとつのターニングポイントになったことには違いない。更に彼の支えとなっていた友人達が段々離れてしまったのもそれぞれの人生、進路があることを思えば自然なことだ。外的要因がどれもこれも仕方のないことだったのなら、では瞭司がもっとタフネスだったなら悲劇を避けられたのだろうか。だが自分の感覚を理解してもらえない孤独や世界の真理を解き明かせそうな閃きを共有出来ない寂しさを思うと責めることはとても出来ない。自分のような小さなプロジェクトの閃きでさえ神が降りてきたような気がするのに、世界を震撼させるような瞭司の発見は比ではないだろう。この興奮や喜びを共有出来ない現実は本当に寂しかっただろうなと思う。誰かに託せれば良いという本人の信条が繋がったことが唯一の救いだと思えた。
また文中に出て来る森林や星空の描写もどこか清々しくて数学の美しさに紐づいている気がした。
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数学を楽しいと思ったことがなかったので、理論とか証明とかさっぱりな部分はあったが、数学をキラキラとか、緻密な証明をしてるのに抽象的に表現してて、素敵な文だなと思いながら読んだ。
それだけが全てじゃないけど、仲間って言うのは本当に大事なんだなと思った。
三ツ矢はゼロを1にするのは簡単だけど、ゼロから1までの過程を表現するのは苦手で、それを色んな人に補って貰って1にするのにやりがいを感じたのに、あくまでアイディアと言いきられてしまったことに絶望したのかなと思う。
途中まで読んでても、冒頭から言われている、ここから三ツ矢が亡くなるというのが想像つかないと思っていたがまさかの死因だった。
変化は大事かもしれないが、ここまで変化してしまうのは誰も止めなかったのかと腹立たしかった。
最後のプレゼントはなんだかホッとした。
どんどん繋いで欲しいと三ツ矢のことも考えながら思った。
Posted by ブクログ
数学に愛され自らも数学の世界にのめり込んでいった。そこには素晴らしい極楽があった。数学を通して社会とつながり友人とも出会った。しかし、数学の世界は広い。極楽もあれば奈落もある。数学しかなかった主人公は深く深く潜っていった。そこにあったのは孤独だった。
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岩井さんの
『北極星をえがく』を読むチャンスに恵まれ、
こちらも読んだ
大学生の話で、
数学の天才が、
孤独だった子ども時代から、
大学で仲間にであい、
そしてまたその才能ゆえに孤独に落ちる
それを仲間の熊沢目線だったり
瞭司だったりしながら瞭司の死を
「証明」していく…
半分まで新幹線で読んだので、
とても集中して読めて、
話の世界に引き込まれた
野生時代フロンティア文学賞を受賞していた
なにをもって受賞なのかわからないけど
大学生の心を描くのが上手だなと思った
辻村さんが小学生の気持ちを文字にするのが上手いなと思ったときと同じ感じがした
Posted by ブクログ
悲しい結末に向かっていくことが分かってるとはいえ、ずっと苦しくて切なかった。
最後、光がみえる終わり方が素晴らしい。
感動の押し付けがなくて、すごく心地良い終わり方でした。
Posted by ブクログ
数学の研究者の物語と思ったら、青春物語だった。圧倒的な数学の才能を持つ同級生・暸司に圧倒されたクマ。暸司の置き土産は、かつての自分と向き合うものでもあるし、純粋に研究者としてその理論を解き明かすものでもあった。純粋というには少し薹が経っていて、思考の固さや発想の限界もないわけではないが、かつて、寝る間も惜しんで研究していた暸司が見ていた世界へ足を踏み入れるには勇気がいっただろう。覚悟もいっただろう。だけど、たとえ何歳になってでも、夢中になれるものがある。それは、幸せなことではないだろうか。
Posted by ブクログ
数学を中心に登場人物たちの苦悩が描かれる物語だが、数学に詳しくなくても問題なく楽しめる。
正直、登場人物たちの心情がいまいち理解できない場面が多々あったので途中(13章中、12章)まで自分には合わないかなと思っていた。内容的にしんどさもある。でも最終13章を読んでいると、その情景の美しさで胸が熱くなり心が満たされたので読んで良かったと感じる。
物語の雰囲気は決して明るくはないし、最終章で気持ちがコロッと変わるあたり自分はわかりやすいやつだなと思うので「気になる方は読んでみて」という感想に留めておきたい。
Posted by ブクログ
天才的な数学の才能をもつ瞭司は、自然界の美しさを数学で表したいと強く願うが、不器用さ故に孤独を深めていく。彼の姿が痛々しく聞いていてツラかった。彼に見えている世界は、美しい。どこかで何かが違っていれば、と思ってしまう。
Posted by ブクログ
生まれつき文系の自分には数学のことは何一つさっぱりわからなかったけどとても読みやすい天才数学者の哀しい物語だった。天才と秀才と凡人。天才に対する秀才の面々の思い、結局はついていけずに天才を死に追いやってしまうことになる友人や指導者の言動や気持ち、凡人の私にもなんとなくわかるなぁ。主人公の天才、暸司がもう痛々しくて見てられない。悲劇的最期を遂げた天才数学者がいるって話は聞いたことがある。恐ろしいほどの天賦の才能を持って生まれたが故に数学に取り憑かれる悲劇。天才ゆえの孤独、社会とも上手く関われず食い扶持も稼げずに荒れた生活の中で全人生をかけて取り組むその証明がいつ終わるかの見通しも立たず死ぬまでに何の成果も掴めないかもしれず、何十年もかけて取り組んでたものが理解されないかも知れない、間違ってるかもしれなという焦燥や絶望…そんな恐ろしい人生って。数学ができる、得意っていうだけでかっこいい!と思ってしまう私だけどここまで来るともう狂気の世界。でもこの主人公みたいに天才数学者たちには常に目の前に光輝く何かが見えているのだろうか、その導きに従って突き進む瞬間瞬間は幸せだったのだろうか。ラスト、前途有望な若き天才が登場して暸司の命が繋がる未来がみえる。どうか幸せに、そして大切に育ててほしいと願わずにはいられないと同時に後世に多くの業績を残してきた天才数学者たちの人生に思いを馳せる。そういえば私にはまだ「フェルマーの最終定理」という手強い積読本があるんだった…この勢いでまた少し読んでみるかな…
Posted by ブクログ
数学の天才に纏わる切ない物語。
一つの才能に秀でているせいで生きにくい人も、普通の生活ができるようなサポート体制が必要なのではないか。
家族や友達だけで支えるのは無理なのではないかと感じた。
Posted by ブクログ
他に生きる道はなかったのか、と考えずにはいられません。
しかし彼は死の縁で数学の真理に辿り着きました。証明こそ成し得ませんでしたが、志を継ぐ彼の友人や仲間が、きっといつの日か結実させるだろう。そんな風に、数学の夜明けを感じさせる幕引きでした。
でも、やっぱり生きててほしかった!!!
Posted by ブクログ
理論が「見える」、パァっと明るく森や空へと繋がっていく様子の描写がものすごく印象的だった。
生きてて欲しかったけど。数覚をどんどん発揮して。
Posted by ブクログ
オーディブルにて
数覚に恵まれた天才が孤独になっていく描写がしんどかった。
後半のクマがずっと嫌なヤツで胸糞悪すぎた。
結局リョウジの遺したもので拍手を浴びて、なんなのって思う。
おもしろかったけれど、二度と読みたくないかも。
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数学が本当に苦手で、どう勉強しても何時間勉強しても赤点すれすれを生きてきた自分の半生があったので、自分自身も瞭司に憧れながら、才能を妬みながら読んだ。
数学の才能がすかんぴんなわたしがこれだけ羨ましいのだから、熊沢や小沼の羨望と嫉妬は相当なものだろうと思う。
どうしても瞭司を主人公だと思って読んでしまうのでずっとしんどいし苦しかったけれど、同時に「これしかなかった」とも思える。
読み返したくはないが、記憶をなくしたらもう1回読みたい作品。
Posted by ブクログ
数学者の生涯を描いた作品。
人生を賭けてプルビス理論を展開する瞭司は、間違いなく天才だが、その特殊な感性ゆえに周囲に理解されず、苦悩に満ちた人生を歩む。
数学にすべてを捧げる姿勢や情熱的な取り組みには、強く心を打たれるものがあった。
専門的な数学の知識がなくても十分に楽しめる一冊。
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第9回野性時代フロンティア文学賞
瞭司のように、飛び抜けた才能をもつ人は孤独に陥りやすいのかもしれない。
自分には見えている世界を他者と共有できないのが寂しいのは想像できる。
研究室で仲間たちと数学を研究していた日々はわくわくしたけど、後半の展開は痛ましかった。
コラッツ予想やら超弦理論は全く意味不明で、なんとなくぼやっと想像しながら感覚で読んでいくしかないけど、問題なく物語に没入して楽しめるのがすごい。
そして岩井圭也さんは少なからず理解して文章を書いているのだろうから、やはり秀才なのだろう。知識の幅広さに感心する。
私には無縁な数学者の世界を垣間見れておもしろかった。
正しいとわかっていても証明ができなければアイデアにすぎないと言われて、社会には受け入れてもらえない、、、。
Posted by ブクログ
面白くてページを捲る手が止まらなかったけれど,何となく,色々な部分,側面が,美化されている気がしたから.特にクマの心情かな.
それでも星4つなのんは,分野は違えど,同じ大学教員,研究者として,そうそう!と共感できること,そうか!とインスパイアされるところ,がたくさんあったから.
「社会のためとか何とか言っても,結局,楽しいから数学をやっているだけだ」
「今解けなくても,死ぬまでに何回もチャレンジすればいい.それに僕が解けなくても,他の誰かが解いてもいい.だからそもそも,問題を解くことに挫折はない」
「目の裏で火花が散るような感覚.同時に視界のすべてがうっすらと光りはじめる.それまでわからなかったことを理解した時にだけ得られる,あの爽快感」
「新しい理論が生まれた時,人は数学者が理論を創造したと思いこむ.しかし数学者がそこにいようが今井が,理論は厳然と存在する.創造するのではなく,見出すのだ.」
「英語で<理論>を意味する<theory>は,ラテン語で<見る>という言葉に由来する.たったひとりの天才が目撃することでしか,理論はこの世界に姿を現さない.事実を積み重ねるだけでは辿り着けない場所が,確かに存在する」
解説より:
「真理とつながることの素晴らしさと恐ろしさ」
「証明できるから信じるのではない.信じているから証明できるのだ...しかし...証明できなければアイデアにすぎない...「数学的証明」が「社会とのつながりの証明」でもあること」
Posted by ブクログ
岩井圭也さんの他作品を読みたくて、でもそれを読む前にこちらを読まないと…!と、積読の主と化していた本書を手に取った。
確か昨年の夏に、書店で岩井さんのフェアをされていて、購入した作品。
亡き親友・瞭司が遺したノートを譲り受けた熊沢。そのノートが熊沢の人生を変えていく。
数学者たちの物語。
もちろん、数学そのものにも触れられている。
私は数学に関しては本当にさっぱり…四即演算という言葉すら本書を読むまで知らなかった。そんな私でも、問題なく読めたし、とても読みやすかった。
部活やバイトの代わりに数学の研究に打ち込む3人。
彼らのやり取りや先輩たちとのやり取りが好きだった。青春っていいな。
数学者であり続けたいために、受け入れ難い瞭司の考えや態度が、歪みを生んでいく様が瞭司目線で語られ…とにかく切なすぎる。
少しずつ不穏な空気が漂い始め…
後半は天才が天才であり続ける苦悩、孤独感がヒシヒシと伝わってきて、とにかく辛かった。
それがあったからこその、ラストの展開がとてもよくて、涙なしでは読めなかった。
作中のある人物の言葉が、読後の感情の的を射ているな、と思った。
岩井圭也さん、初読みでしたがとってもよかった。
最近、ドラマ化したみたいですね。
観てみたいなぁ。
読み応えあります
む〜ん 後半の暗さである瞭司の苦悩が、私には辛かった。その上で、熊沢の苦悩も辛い。一方で、平賀先生の対応が今の世界の普通の対応でないかとの思いが捨てきれず、現在の生き難さを示していると思う。その上、平賀先生本人は苦悩が無いのであろう。これも真実。
瞭司の凄さを理解すると共に瞭司二世が出てきたという、このような終わり方で良いのだろうかという、不満が心の底にある。
Posted by ブクログ
私自身は全然数学分からないし好きでもないけど、この本を読むと数学がとても綺麗なものに見えてくる反面、人間の汚さもすごく見えるなって思った
人の汚さを見る度に嫌な気持ちになるけど、それでも理解できなくも無いところがまた考えさせられる
全てのものが1人では成り立たないのだから、皆がそれぞれの得意を持ち寄ってそれが全員相応の評価をされる世界になればいいのにって感じた