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Posted by ブクログ
数学は美しい。集中してると楽しい。
准教授就任の挨拶を兼ねて、恩師の小沼に熊沢は会いに行く。6年前に亡くなった三ツ矢の研究ノートが出てきたのだ。ノートにはコラッツ予想の証明が書いてある、と書いてあるが判別不能だ。
三ツ矢は特別推薦生として大学の理学部数学科に来た。熊沢もそうだ。もう一人特別推薦生に佐那がいた。三ツ矢は入学早々研究室に通い詰めるがみんな、バイトだとか部活動でやってこないが、そのうち研究室に集まり始める。
2ヶ月経ったがノートは全然解読できていない。三ツ矢の造語が至る所に転がっていて、調べてもわからないことが多い。
三ツ矢は大学2年で論文2本。飛び級卒業と学長賞、大学院入学を持ちかけられる。みなが嫉妬する中、三ツ矢はただ戸惑う。
小沼研究室夏の合宿にでかける。熊沢はここで小沼とは関係ない弦理論を発表する。
佐那から連絡があり、三ツ矢のノートを見せて欲しいという。実はネットに公開したのだ。
小沼が国立数理科学研究所に去って、新任の平賀が来る。ひらめき型の小沼や三ツ矢と違って、平賀はコツコツ正確さを積み重ねるタイプでまったくあわない。
三ツ矢は授業もろくに行わない。アルコール依存症になっている。
Posted by ブクログ
生まれついての天才的な数覚(数学的感覚)に恵まれた瞭司。
協和大学に特推生として入学し、
狂気的ともいえるストイックさで研究に没頭する姿が印象的だった。
研究に行き詰まったあげく、もともと好きでもなかったお酒に溺れてしまい、それが結局瞭司の命を奪う原因になってしまったことが何とも切なくて胸が締め付けられた。
また熊沢の、瞭司に対する友情と嫉妬で揺れ動く心情も切なかった。
コラッツ予想もリーマン予想もムーンシャインもさっぱりな私だが、瞭司の語るプルビスの魅力は分かるような気がした。
ラストで現れた瞭司2世(?)に数学の果てしない世界に想いを馳せてしまった。
Posted by ブクログ
数学界について見識もなく、ただただ人間ドラマとして魅了されました。
巻末の森見登美彦さんの解説を見るにつけ(デビュー作なのにすごい!)その深すぎる洞察を目の当たりにしたら書くことがみつかりません。
あえて自分の体験に照らし合わせると、主人公に及ぶべくもないですが比較的知能に恵まれた私の前半生は、無邪気な批判をくりかえしては社会からつまはじきになることばかり。
実際に不適応者となった時期には、通い詰めていた病院のスタッフさんに「感覚で生きている人は頭脳と肉体の衰えと共に凡人以下になる」と気づきを促され首を斬り落とされたような思いでした。
そこで積み上げることの大切さを学んだのも今では良い経験です。
数学の森で遊び、木々の間から星をつかもうとする主人公の儚さはギリシャの時代ならきっと星になれたのかもしれない。でも複雑化しすぎた現代では、誰がどう汲み取るのか。
プラトンやエッカーマンのような傍らにいる存在、私にはもう1人の主人公である熊沢勇一にこそ寄り添いたい気持ちがわきました。
というかそういう話でもあるのか!(今わかった)
Posted by ブクログ
数学の天才、三ツ矢瞭司は特別推薦生で協和大学に入学する。彼の数学に特化した世界は幼い頃から誰からも理解されず一人だったが、大学の恩師、小沼と同期の同じ推薦入学の熊沢勇一と斎藤佐那、研究室の先輩、田中と木下という始めての仲間を得て、彼の天才的な証明までの漠然とした道筋を、皆で証明する作業の楽しさを知る。しかし、その世界はどこかで崩壊したらしく、瞭司が亡くなり熊沢の手元に残されたノートに、コラッツ予想の証明が書かれているようなのだが、もちろんその内容は解読が必要な独特のメモなのだった。
これがデビュー作と知らずに読み、完成度の高さに驚かされました。誰も証明したことのないような高度な数学の世界を不自由なく体感させる表現。読むのには数学ができなくても全く問題ないです。ただ、瞭司の生き方の不器用すぎる様が、読んでいて苦しすぎる。熊沢の方もある程度普通に生きられると、雑事多くて数学に埋没できず、また、瞭司への嫉妬・羨望心が友情に勝ってしまうのも辛い。
瞭司が死んでしまっているので、凄く楽しく読める本ではないのですが、内容の重厚感と、天才の追体験できるのが良かったです。
アルコール依存の表現がやや小学生向けではないところなどあり、中学校以上向け。
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