あらすじ
ライアン・ゴズリング主演、2026年公開の映画原作!
未知の物質によって太陽に異常が発生、氷河期に突入しつつある地球。ひとり宇宙へ飛び立った男は、人類を救うミッションに挑む!地球上の全生命滅亡まで30年、人類の命運を賭けた一大プロジェクトに挑む宇宙飛行士の奮闘を描く、極限のエンターテインメント!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
かなり個人的な感想。夫が面白いと言うので何気なく読んだけれど、私自身が微生物学専門で普段嫌気性微生物の研究をしているので、(珍しく)かなり親和性の高い内容で強く惹きつけられてしまった。同僚は映画版を観たらしく登場人物が遠心機をアンバランスのまま回したことを面白おかしく揶揄っていたけど、私自身は太陽側のエネルギーを保存して、金星で二酸化炭素を得るという大スケールなアストロファージや、異星生命ロッキーの成り立ちに感心してしまった。(ファージという命名にはすこし引っかかったけれど)もしかしたら宇宙にこういう生命がいるかもと、少し妄想したりもした。捕食者がメタンを大量に出すことと、アストロファージの代わりに大量繁殖するであろう事実が問題視されないのは少し気になったけど、まぁ良いんだろう。細かいところを除けば専門的立場でも興味深く読める内容であるどころか、普段ミクロ視点しかもたない私にマクロな世界を見せてくれたし、久々に読書魂に火をつけられた。でも、宇宙の軌道まで計算できる微生物学者なんて聞いたことないから、主人公の超人性はあくまでもSFファンタジー的なものとして補足しておく。(世界を見渡せばいるのか?)
ラストも納得がいくし、一つの最良な結末だったのだろうとは思う。けど個人的には主人公が地球に帰って、宇宙で何が起こったか話したり、ストラットと再会するところを見たかったなーとも思う。
Posted by ブクログ
とても、とても、とても、面白かった!
下巻途中で、もうすぐ読み終わってしまうのが悲しいなと思った本は久しぶりだった
読み進めると、え、これ本当に下巻?中巻だった?これちゃんと終わる?となる展開。無事に下巻で終わって、しかも終わり方もとても好きだった。
映画はまだ観てないけど、確実に小説も読んだ方がいい。映画の尺でここまで感情移入できないと思う。でも映画も楽しみに観る予定。
同じ作者原作の「火星の人」は映画のみ観て、こちらも良かった。「アルテミス」も読んでみたいな。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、過去と現在を行き来する形で、主人公は全てを思い出していきます。
私たちが普段感じているリアルからは良い意味で大きく逸脱し、その中でもどこか本当にあるのではないか?近い将来起きるのではないか?
と不安と少しのワクワクが入り混じるような複雑な感情になりました。
SFらしい設定はさることながら、主人公グレースの心情変化も見ていてグッとくるものがあります。
どんな状況に置かれてもなんとかなる、という勇気を与えてくれる一面もありました。
Posted by ブクログ
上巻を買ってから、二日で上下巻ともに読み切ってしまった。
なぜ、読書家がこぞって面白いと絶賛し、
読むべきと薦めたのかが、読み終わってみてわかった。
いつか読もうと思っている間に映画化され、
映画よりも先に小説で読みたいが、
300ページ越の上下巻を読む時間などない……。
そんなことを思っているうちに、
映画の劇場公開の終了が間近に迫ってきて、
腹を括って読み始めた本作。
Webで、『小説が先か、映画が先か』論を読んでから
小説を先に読むことを決めたが、
結果正解だったと思う。
なぜならば、
まだ映画を見ていないからなんとも言えないのだけれど、
おそらくまず間違いなくグレースの心理描写が小説の方が豊かだからだ。
子供っぽく、悪態をつき、うまくいった時には無邪気に喜ぶ。
勇敢なヒーローなどではなく、ただ自分の研究分野にまつわる研究が何より好きな一般人。
映画はエンターテイメントだし、
見せ所が小説とは違う。
もっと、宇宙とか、宇宙船とか、
惑星とか、ロッキーとか、
絵的な感動と面白さを楽しむものだと理解しているので、
そこが両立しなくてもいいと思っている。
だけど、だからこそ先に、
根底にこんな情緒があるというのを
先に読んで知ることができてよかったなと思う。
逆に、読みながら宇宙船の内部とか
宇宙の表現を想像したりもしながら読んだけれど、
その部分は映画が多分に補ってくれると思うと、
それはそれでまた映画を見る楽しみができる。
あまりに良評価が多い故に、
悲惨な結末になることはないだろうと思ったが、
結末についても文句のつけようもなかった。
SFって面白いな、
と純粋に思える名著でした。
Posted by ブクログ
上巻のワクワクを減退させず、SFエンタメ小説として真っ直ぐ突き進んでいく。
ずっとワクワクさせ続けるの、本当にすごい。とても楽しかった。
上巻で出会った宇宙人ロッキーと、自分たちの星を救うための試行錯誤を共にする、というのが下巻のメイン。
嬉しいことも、悔しいことも二人で共有していく。そして、お互いを信じ合って乗り越えていく。
上巻は人間グレースの記憶を行き来することで物語が進む面白さがあったけど、下巻は現在進行形で物語が進む。だからか、より果敢にミッションに挑んでいく二人の臨場感やその時々の感情の爆発があって、それがとてもよかった。
上巻の「宇宙にたったひとりである」という面白さも好きだけど、「一人じゃない、同じように孤独に浮遊していた仲間がいる」というのも素晴らしいなと思った。心強い。
ひたすら二人で鎖の輪っかを作り続けるシーンと、ロッキーの衝撃の食事シーン、面白くて思わずふふっとなった。
強制的にヘイルメアリーに乗り込むことになったグレース。
「人類の為だとしても、僕は死にたくない。」というのがリアルでとても良い。望んで自分を犠牲にするような、立派なヒーローではない。選ばれた人間ではない。でもやるしかなかった。諦めと怒りと覚悟が混ざったような感情に勇気づけられる。
ロッキーたちの協力でなんとか生き延び、エイドリアンで日々を過ごすグレース。
子供達に教鞭を執るチャーミングな終わり方。
最後まで完璧だった。
解説にあった、「科学を次の世代に継承していくという点もSF小説の大好きなところだ」的なことが書かれており、グッとくる。
読み終わった時、面白い作品を読めた満足感と共に、じんわりと、私も人生頑張るぞ〜という気持ちになった。
Posted by ブクログ
上下巻合わせて1週間ほどで読み終えました。
各章、気になる終わり方をするので早く読みたいと思わされ、これまで本を読んでこなかった私の趣味が読書になっていました。
彼らの絆に涙腺が刺激されることもありました。
本を読むことがこんなに楽しいものだと教えてくれたこの作品は、私のお気に入りのものとなりました。
Posted by ブクログ
本格的SFでは「三体」の次が、これだった
いや~おもろい!すごい! 終わり方も、完璧!
相変わらず細かいところまで、よく考察されて書かれているのには驚く
のうえで、こいれだけの感動的な物語
大森望氏も三体の次に読むならこれしかない!といっていたが、正に!という感じでした。
Posted by ブクログ
面白いんだが…なにこれ?!
が、率直な私の感想だ。
ラストが私にはものすごくささる大好きな終わり方をしていて、感動…
状況は極めて厳しい状況でありながらも、ユーモアがそこら中に散りばめられていて肩の力が抜けるし、優しさは全宇宙を救うと込み上げるものがあるし、゛希望゛は星のように輝き続ける。それが、どんな場所の誰といようとも。
ユーモアと優しさ、そして、相手へのリスペクト。これを教えてくれた大切な一冊になりました。
Posted by ブクログ
太陽を蝕むアストロファージ、そしてそれを捕食するタウメーバ。地球とエリドを救うための星間航行ミッションを描く本作は、その壮大なスケールを一切中だるみさせることなく描き切っている。
その構成力には舌を巻くが、何よりも上手いと思わされたのは、主人公グレースと異星の相棒ロッキーの関係性の描き方だ。
二人は同じ志を抱き、同じ境遇に晒され、同じ窮地に立たされる者同士でありながら、その生存圏は、互いの領域を侵犯すれば即座に死に至るほど隔たっている。この心理的な距離の近さと物理的な距離の乖離が、両者の絆を描くための素材として見事に機能している。
コミュニケーションは人に得難い経験と知識、そして絆を与える。一方で、時には心の痛みも伴う。グレースとロッキーの間では、それが物理的な現象として表現される。相手を救うためには、自分にとって死に至るほど危険な領域へ踏み込まなければならない。そしてその代償は、重度の火傷や昏睡として実際に彼らの身体へ降りかかる。
友情という原始的な繋がりが、科学的な事象を伴って、誰の目にも明らかな形で表現されているのだ。
本作は、地球とエリドという二つの母星を救うための、広大な星間航行ミッションの物語である。用意されたあらゆる要素と舞台は、そのミッションを成立させるための装置となっている。
しかし本作の中核を為すのは、たった二人の絆の話だ。死を恐れ、特攻ミッションを拒絶したグレースは、ロッキーの窮地を前にして、自身の命を賭ける決断を下す。壮大なSF設定のすべてが、最終的にはグレースがその決断に至るための道程として収束していく。
だからこそ本作は、SFに馴染みの薄い人々にも受け入れられ、深く感動させる力を持っているのだ。
Posted by ブクログ
日常の悩みがどうでもよくなるほどの壮大な物語。ラストも一つ盛り上がりがあり良かった。
オチもかなり綺麗にまとまっていて好みであった。
Posted by ブクログ
「イエスイエスイエス。しあわせ。質問?」
上巻よりはるかに難解な科学的(物理的)な表現が増えて苦戦したが
なんとしても、映画の上映期間中に読み終わってギリギリ映画を見るんだと決意。
期待してた結末とは違う。でもやっとこれで映画が見れる。想像でしかない宇宙のEVA活動を動画で見ることができる。ヤッホー
Posted by ブクログ
最後どう終わるのかドキドキして一気読みしたけど、想像を超える意外なラスト!!!
宇宙って果てしなく広い。
まさに宇宙規模の友情には感動!
映画観てないので観てみたい。
Posted by ブクログ
友人からのおすすめで読みました。これを人に勧めたくなる気持ち、とってもわかる!何を書いてもネタバレになるので感想が書きづらいけれど、とにかく登場人物たちの賢さに脱帽です
Posted by ブクログ
上巻に続き下巻を一気読み。
人類からグレースに託されていた重大なミッション。それはアストロファージに感染していない恒星系へ行き、理由を探し出すこと。地球から遥か11.9光年の彼方。予期せぬ出会いと続発するトラブル、グレースは地球を救うことができるのか…
読み終わってしまった… 上下巻合わせて約900ページ。壮大なスケールで描かれた友情の物語は、最初から最後までずっと面白かった。
ネタバレなく感想を書くのは難しいけれど、とにかく評判に違わない傑作。私のように普段あまりSFを読んでいない人も、騙されたと思って読んでもらいたい。映画も観たかったな〜
Posted by ブクログ
面白い、面白い、面白い!
あの莫大な宇宙で2人が出会えてなかったらと思うと奇跡でも言い表せないぐらい凄い!
地球とエリドの2つの異星間の知識と技術を駆使して問題を乗り越えていくのが面白いです。
そして2人とも仲間想いで最高のパートナーだった!
Posted by ブクログ
上下巻読み終わったので感想を
先に映画→その後に原作
原作読んだ人らの「映画より先に読んで」と言う気持ちもよくわかった
自分の場合は映画キッカケで作新に触れることになったから、それはそれで良いかな
皆が言うように、映画版は原作のエッセンスを抽出して一部改変もありつつ、全体の軸は変わっていない内容。正直言って細かい科学設定や描写は100%理解できていない部分はあるが、注釈が本文中に書いてあるおかげでストーリーの流れをストップせずに読み進めることができた。プロジェクトに関わる人物模様が原作だと人数も増えてて(映画で描きたかった/カットされた部分も多いだろう)、グレースの人物像も色濃く残る。
最終章の書き方は、書物じゃないとできない方法でインパクトあったしとても良かった。ロッキーのことも
Posted by ブクログ
映画を観たので(面白い!)、おさらいで再読。
スピード感があって、終わりまで飽きさせない、面白さがずっと続くすごい小説だと思う。
私はストラットさんが好きなので、小説版の方が好み。
今この世界に同じ様なことが起きたら、彼女の様に決断できる人はいるだろうか。(そして世界はそれを許すだろうか)
Posted by ブクログ
面白すぎた!
ここ数年でのベストかも
こんな本が書ける人と同じ種族を名乗っていいのか…?
ロッキーが出てくるのが予想外すぎた、まさかバディものとは!
まじで事前情報なしで読めて良かった
グレースもロッキーもキャラが良すぎる…
オデッセイの映画もかなり好きで、絶望的な状況なのに、主役のマット・デイモンのキャラがウィットに富んでて最高だったんだけど、きっとアンディウィアー自体がユーモア溢れる人なんだね、最高
地球編もかなり練り込まれてて素敵〜
ストラット、覚悟ガンギマリ姉さんで好き
映画はどうなんだろ〜
Posted by ブクログ
何も知らずに読んで欲しいすぎるので何も言えないし、おすすめするにしても何も内容を話せない!
もうヘイル・メアリーのことで頭がいっぱいの数日間で一気読みでした。
ワクワクするし、ハラハラもドキドキもするし、ずっとおもろすぎた。
Posted by ブクログ
ドラえもんと星新一で育った自分には嫌いになる理由がなかった。攻殻機動隊のタチコマも好きなので、ロッキーの動きや表情がありありと想像できる。日本のSFとの親和性が高い作品だなあとしみじみ。
下巻からのロッキーとグレースのやりとりは脳内で藤子不二雄風に再現されてた。
ストラットの行動原理に理解が深まってきて、いよいよ恋愛要素が絡みそう…になったところで最後にスパッと吹っ切れさせる展開には小気味良ささえ感じたり。女性心理がうまく表現されてるなぁと思ったら、奥さんがチェックされていたとか(あとがき)。
そりゃ納得の解像度。
読んだ人の熱い感想を見聞きするまでが楽しくて、いつまでも味のする作品。
実は最初にAudibleで聴いて、ロッキーが可愛くて最高で好きすぎたので文庫本を買いました。(邪道?すみません…)
Posted by ブクログ
文句なしにおもしろい。
久しぶりに、早く続きが読みたくて本ばかり読んでいる日々を過ごした。
上巻同様、以下にがっつりネタバレする。
最後の最後の結末まで書いているので、未読の人は気をつけて!!!!!!!!!!
多くの記憶を失った状態で、地球から11光年離れたタウ・セチ星系で、宇宙船のなかで目覚めた主人公グレース。だんだんと記憶を取り戻し、異星の宇宙船を発見し、さらにその宇宙船に乗っていた宇宙人(エリディアン)ロッキーとファーストコンタクトをし、さらにさらになんとコミュニケーションを取ることまでやってのけた。
下巻は、グレースとロッキーの宇宙船をトンネルで接続し、ロッキーがグレースの宇宙船に入ってくるところから始まる。
彼らは、互いに全く別の星に生まれながら、全く同じ理由でタウ・セチにやってきて、同じようにひとりぼっちになってしまったのだった。
なんといっても、本書の魅力のひとつは、ロッキーのキャラクターだ。見た目は大型犬サイズの岩でできたクモ、ということだが、めちゃくちゃかわいいのである。真面目で、冷静で、しかしエンジニアとしての興味と腕前を持ち、主人公にできないことをできる。また、主人公と力を合わせることになんの衒いも疑いもない。真摯なのだ。彼らエリディアンたちは同時に複数の音を出す音楽のような喋り方をするが、それを地球の言葉に翻訳して書かれている。質問するときは必ず文末に「質問?」をつけるし、強調するときは3回同じ言葉を重ねる。「よい、よい、よい!」、「しあわせ、しあわせ、しあわせ!」といったように。
ロッキーが本当にいいやつなんだ。上巻の終わりごろから、本書はいわゆるバディものになる。お互いが最大限の力を持ち合い、互いに検討と抜けのチェックをし、お互いの目的達成のために奔走する。
2人は互いに言葉を交わし合う。主人公は新しい言葉が出るたびにスプレッドシートにメモし、ロッキーは一度聞いたことは忘れない。次第に、主人公はスプレッドシートを見なくてもロッキーの言葉を解するようになる。身振り手振りでの感情表現も感じ取れるようになるし、ジョークだって伝えられるようになる。下巻からはもうほとんど言葉の問題は発生しない。
さて、彼らがタウ・セチ星系にやってきたのは、「太陽エネルギーを食べるアストロファージがいるのに、なぜタウ・セチの太陽は光度が落ちていないのか?」を探り、その結果を故郷に持ち帰ることである。まずはタウ・セチのペドロヴァ・ラインの試料を採取する。
そこには、アストロファージだけでなく、さまざまな生命体がいることを発見した。
そして結論に達する。「ここにはアストロファージを食べる捕食者がいるから、太陽の光が減じていない」のだと。その捕食者はタウ・セチ星系のアメーバのような見た目なので、タウメーバと名づける。
方針は決まった。タウメーバを地球とエリド、それぞれの環境で繁殖できるようにし、それぞれ持ち帰ることだ。
エリディアンたちが住む星、エリドでは、アストロファージによる絶滅は約72年ほど先らしい。が、地球は、14年で半分の人類が死んでしまう。30年でなんとか解決法を地球に送らなければならない。だが、このプロジェクトヘイルメアリーは、片道切符である。帰りの燃料はない。
それをロッキーに伝えると、意外な答えが返ってきた。なんと、ロッキーたちの船にはまだ大量の予備の燃料(アストロファージ)があり、主人公にあげても十分な量だという。死を覚悟していたグレースの旅に、初めて光がさした。ロッキーは言う。「ぼくはしあわせ。きみは死なない。惑星たちを救おう!」。最高だぜロッキー。
しかしなぜ、エリディアンたちはそんなに大量の燃料を積んでいたのだろうか?
ロッキーたちは放射線を知らなかったので、ロッキー以外の船員たちは死んでしまった。そして、彼らにとって予定の半分の時間でタウ・セチに辿り着き、ロッキーは混乱した。本来残るべき量よりずっと多くの燃料(アストロファージ)が残った。そう、エリディアンたちは相対論的物理学を知らなかったのだ。時間の遅れ効果により、大量の燃料を残したままここに辿り着いた。グレースはロッキーに2時間かけて授業をした。
それはそれとして、問題を解決しなければならない。タウ・セチの大気近くにある生命体のサンプルを採取するために、大量の輪っかを作って繋げ、10kmにもなる鎖を作った。それを惑星に向かって投げ、サンプルを取ったら回収する。しかしまた問題発生、重力が強くなっている。船に穴があき、燃料ベイのアストロファージが外にさらされてしまい、不必要な推進力が発生。一部の燃料ベイを投棄する。が、回転による求心力で、グレースは身動きが取れなくなる。どころか、呼吸もできない。
だが突然、呼吸ができるようになった。後ろを振り向くと、ロッキーが倒れている。彼が身を挺してグレースを救ってくれたのだ。体から煙が出ている。彼らは生存できる環境が全然違う。重力も圧力も温度も。だからロッキーは自分が移動するためのトンネルをヘイルメアリーの船内に作成していた。だが、グレースの危機を見て、地球人側に入ってきたのだ。そのためロッキーの体は焼けこげた。今度はグレースがロッキーを助ける番だ。
なんとか回復したふたり。しかし体は怪我だらけだ。しかもヘイルメアリーの燃料は足りない。一度、ロッキーの船に戻って燃料を取ってくることになった。
さて、地球とエリドを救うための微生物、タウメーバの実験を進める。どうやらタウメーバは窒素に弱い。地球もエリドも、大気の80パーセントほどが窒素だ。このままタウメーバを持ち帰ってもすぐ死んでしまう。しかし、生物には防衛力、防疫力があり、それは世代を追って進化することがある。つまり、窒素に負けないタウメーバを繁殖させればよいのである。
ほかにもいくつかの問題に対峙し、お互いのアイデアで乗り切っていく。ついに条件の整ったタウメーバを生み出すことに成功。彼らはお祝いをする。あとはお互い、帰るだけだ。
グレースとロッキーは別れを告げ、互いの星に向かってそれぞれ出発した。
2人が別れて約1か月後、また問題発生。グレースの船でタウメーバが漏れ出している。つまり、船内のアストロファージを食べ始めている。いくつかのステップを経て原因を探り対応する。進化したタウメーバは窒素に強くなったが、同時に、ロッキーが作ってくれたキセノナイト製の容器を通り抜ける能力まで身につけてしまったのだ。グレースはなんとか対処し、キセノナイト以外の地球産の素材で梱包し直した。
しかし……。ロッキーの宇宙船にそんな素材はない。すべてキセノナイト製だ。ロッキーの船は今まさに、漏れ出したタウメーバがアストロファージを食べ尽くしてしまい、宇宙で漂ってしまっているだろう。……ああ!
ロッキーを助けに行くとした場合いくつか問題があるが、燃料の問題はなんとかなるはずだ。ロッキーを助け、エリドに立ち寄り、燃料をもらえばいい。しかし食糧がないのだ。地球に帰るまでか、エリドに行くまで、そのどちらか分しか、ヘイルメアリーに食糧はない。そしてエリディアンたちの食糧はほとんど重金属であり、人間には食べられない。
つまり、このまま地球に帰ってヒーローになるか、エリドに行って異星人たちを救ってから餓死する、どちらかだ。
グレースは決断した。ここで得た情報と、進化したタウメーバを帰還用の小さな宇宙船ビートルズに乗せ、発射した。自分は地球とは反対方向、ロッキー船があるであろう方向へ。
ここでもさまざまの科学知識を使い、ついにロッキーの船を見つける。無線、閃光などで交信を試みるが応答がない。エリディアンの船に窓はなく、意図的に船内のセンサーで周りを確認しなければ気が付かないだろう。しかたない、この旅で何度も何度もやってきたEVA(船外活動)だ。ロッキーの船のすぐそばまで接近し、ヘイルメアリーに命綱をつけ、宇宙服姿で飛び出す。無事ロッキーの船にしがみつく。船体をレンチで何度も何度も叩く。声をかぎりにロッキーの名を叫ぶ。EVAスーツの無線はオンにしてある、いつもの周波数だ!
ロッキーの声が返ってきた。彼の声がいつもより甲高いことから、興奮が伝わる。
2人はまたトンネルをつなぎ、再会する。
タウメーバの対処法を伝える。しかし、グレースはもう帰れない。その話をすると、ロッキーは言った。タウメーバを食えばいいと。タウメーバは生きている。ミトコンドリアがある。エネルギーを蓄えている。アストロファージと違って熱々で食べられないこともない。そして、ロッキーの船には今、アストロファージをたらふく食べて増殖した2200万キログラムのタウメーバがある。決まりだ。
最終章。
グレースは、ロッキーの故郷エリドで暮らして16年になる。エリディアンたちは彼を生かすために最大の努力を払い、地球人がエリドで暮らすためのあらゆる方策をうった。食糧はタウメーバから作ったシェイクに始まり、ついにはグレースの筋肉のクローンを作り、ハンバーガーまで作った(ミーバーガーという最高の名前)。
そしてこの日、ついに待っていたニュースが届いた。ロッキーが説明する。エリドから観測したところ、地球の輝度が元に戻ったと。計算すると、人類はビートルズが地球にたどり着いてから一年の速さでアストロファージの駆逐に成功したことになる。
しかしさて、グレースはどうするのか。地球に帰るのか、ずっとエリドにいるのか。勝手なことを言わせてもらうと、ぼくはきみにここにいて欲しい、というロッキー。もうロッキーは英語を解するし、当然グレースはエリド語を解する。
まだ分からない、とグレース。それより、仕事に戻らなきゃ。
グレースは、仕事部屋に行く。そこでは、透明な分離壁の向こうで、小さなエリディアンたちが飛び跳ねている。さぁみんな、授業の時間だ。
Posted by ブクログ
読み応え抜群のSF作品。
翻訳物には苦手意識があり、SFにもほとんど触れて来なかった私でも十二分に楽しめた。
前情報を一切入れず、「なんか映画が面白いらしい」というただそれだけの理由で読み始めたけど、結果として満足している。
出てくる専門用語の大部分は何のこっちゃ分からず、
頭の中の映像としてイメージするのが非常に困難ではあったが、
読み終えてみれば特に問題はなかった。
xxxxがxxxxになって、xxxとxxxが○光年離れているから……
みたいな文章を読み飛ばしたとしても、大筋のストーリーとしては楽しめるので
私のようなSF・宇宙の超初心者でも大丈夫。のはず。
読後感もとても良い。
真のMAXハッピーエンドかと言うと違うのかもしれないが、これはこれで良いね。という終わり方。
これは映画を観たくなった。アマプラを待ちます。
Posted by ブクログ
映画を先に見たのだが、小説の方は地球時代も含め、かなり細かく描写されている。映画ではよくわからなかった部分も小説で補完できるところもある。ロッキーの姿は小説だけの場合は思い浮かべるのは難しい。
読みやすい文章に翻訳されているのにもかかわらず、読むのに時間がかかった。SFだけに科学的な内容が多く出てくるが、知識不足により理解に至らないところもあり。科学知識をスルスルと理解できるようになりたいと考えさせられた。
Posted by ブクログ
導入から主人公と共に混乱しながらストーリーは進んでいくけど、次第に過去と現在が交錯して「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の目的とは? が次第に明らかになるにつれて作品に引き込まれていく作品だったな。
小説読んだら、俄然映画にも興味が湧いた!
Posted by ブクログ
三体が人智を超えた究極のSFストーリーを楽しむものだとしたら、ヘイル・メアリーはめちゃくちゃ愛らしい地球外生物との交流を楽しむ本だ。とにかくロッキーが可愛い。グレースには申し訳ないのだが、とにかくロッキーを助けて!地球にはビートルズを送っておけばいいから!という気分になった。やはりエイリアンと友達になりたい、というのは全人類の夢だし、ロマンなんだなと思う。
グレースの最初の印象はハリウッド映画でよくみるアメリカ人という感じ。落ち込んでしまう局面でもユーモアを飛ばし、ちょっとノリが軽くて、本当にこういう状況でもアメリカ人はこんなふうに考えて行動するのだろうかと疑問に思うような人だった。でも後半に行くにつれて自分の命を賭けるのが怖く逃げ出そうとしていたことを知り、感情移入できるようになった。銀河を超えた友情のために命を捨てても救いに行く姿は、あの時の記憶との対比で、すごく美しく見えた。
ラストシーンもよかったなあ。
映像化に向いている作品だと思うから、映画もきっと面白いだろう。見なきゃ。
Posted by ブクログ
映画化で話題となっていたので読んでみました。
科学や物理の専門的な言葉はわからなかったけど、多少難儀しながらも読めました。
ロッキーとの友情が羨ましい。
終わり方が良かった。
Posted by ブクログ
映画が話題だったため、読んでみた。宇宙が舞台のSF小説。地球をとある危機が襲い、それを解決するために宇宙へ冒険に出るといった、SFでは定番とも言える内容である。しかし、奇妙な始まり方、そして徐々に明らかになっていく過去編が現在と同時進行で語られること、前編の終盤に衝撃の展開を迎えることがこの作品を他とは決定的に違う特別なものにしている。
小説内では物理や化学の知識が多く使われており、かなり専門的なことが描かれているのであろう。自分にもっと科学の知識があれば、さらに楽しめたに違いない。プロジェクトの途方もない時間と空間を想像することで、今の自分から乖離してその世界観にどっぷりと浸かり、暫し我を忘れて没頭できた。
科学的な細かい描写が読みづらかったため(自分の科学への関心不足)、映画で見た方が良かったかなと途中から思った。
宇宙について考えると、この星に人間として生まれて、あーだこーだ考える脳を持ち、こんな風に小説の感想なんかを書いていることをつくづく不思議に、そして奇跡に思えてしかたがない。
ネタバレ厳禁に騙された人
大ピンチの部分は続きが気になるし、上巻から続くバディものとしてもうるっとくるところもあった。
映画公開発表時のネタバレ厳禁という話で、勝手にどんでん返しがあるのか!と思ったので、「普通の話だった」という感想になった。
ネタバレ厳禁は上巻の導入部分だけね。
小説を読むのはもう何年ぶりにもなるのだけど、文章は読みやすく、回想をなんども挟んだり、バディものだったり、危機が訪れたり、刻々と変わるストーリーも飽きがこなくて良い。
でも、どんでん返しがなかったので、刺激が足りなく思ってしまう。
何度も読み返すくらい好きな人もいるそうだけど、どういうとこが他の小説と違うんだろうな
Posted by ブクログ
上下巻の感想をまとめて
物語は記憶を忘れ宇宙船で目覚めるところから始まり、現在パートと過去パートからなる。
宇宙から見て地球の人類が発見発明してきた歴史はとても先進したもののように感じる。相対性理論を見つけたことや食材に関する文明さまざまなものごとが物語の今に生きていた
専門用語や計算、状況把握がわからず面白いけど頁が進まない…やっぱりSF作品はあまり得意でない
ネタバレ
アストロファージは地球でそんな方法でそんな数の繁殖は理論的に増えるんやろかと疑問があったりなかったり
そして未知との遭遇の展開がまさか起きるなんて、そして会話ができるようになるなんて、宇宙菌の解決方法が見つかるなんてワクワクしながらだった
まさに夢のようなSF、もちろんそれまでの大小な問題を一つ一つ解決していく探求する精神が見事で、ラスト主人公の決断が物語を生んでよかった
恐らく避けられない争いが生まれている一方で、垣根を越えた展開が熱く、科学の分野の進歩が新たな物語を作っていくように思えた
好きなフレーズ引用
人類初の知的異星人種属とのコミュニケーション ミス そこにかかわることができてうれしい