小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
だれもが一度は読むべきと思う本当に素晴らしい本でした。わたしは自分自身を「職業による偏見は持っていない人間である」と信じていましたが、誠に恥ずかしながら、路上駐車してハンドルに足を上げて休んでいるトラックの運転手さんを「サボっているんだ」と認識してしまうことがありました。本著を読みこれが全くの誤解であり、そんな簡単には片付けられない、日本の物流や雇用に潜む根深すぎる問題が顕在化しただけであることを知りました。日本で年間運ばれる宅配便個数は2018年時点で43億701万個。そのうちトラック運送は約98.9%だそう(2024年度:約50.3億個)で、10年連続で最多を更新し続けているようです。それ
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Posted by ブクログ
ネタバレ止まらなくて、眠れないまま夜中3時に読み終えた作品。
フィクションである「暁闇」と、ノンフィクションとして描かれる「金星」。最初は名前が違う意味もよく分からなかったけれど、読み終えてから「ああ、そういうことか」と気づき、宗教2世の苦しさや複雑さが強く残った。
読後すぐよりも、時間が経ってからじわじわと「すごい作品だった」と実感している。
“すべてはフィクション”という言葉も、星子を守るため、愛しているからこその手記だったのだとしたら、本当に鳥肌が立つ。
まだ完全には理解しきれていない気もするけれど、だからこそもう一度「暁闇」を読み返したくなる作品だった。 -
Posted by ブクログ
しんどいけど、強く心に残る物語だった。
櫂と暁海は、お互いを大切に思い合っているのに、家族や環境、周囲の事情に振り回され続けていて、読んでいて何度も苦しくなった。
本当ならもっと自由に自分たちの人生を選べたはずなのに、背負わなくていいものまで背負ってしまう二人が痛々しかった。
でも同時に、人生は正しさだけでは割り切れないし、家族だから切れない関係や、愛しているからこそ離れられない弱さもあるのだと思った。
読後に残ったのは、ただ悲しいというより、
変えられないものを抱えながら、それでもどう生きるか
という問いだった。
周囲や環境に振り回されることはある。
過去も、家族も、起きてしまったこ -
Posted by ブクログ
ネタバレろくに事前情報を得ていなかったので、「家族のために尽くしてきた女性だが、実は家族はそれぞれ後ろ暗いものを抱えており、それに気づいた女性が家族から離れて自由になる」……そんな物語を予想していた。
が、蓋を開けてみると、まったくの正反対。悪意なき支配で家族を縛り、しかもそれを正当だと信じて疑わない愚かな女性と、そんな彼女に反抗できず、自らの自由を勝ち取る心意気も無い情けない夫の話だった。
強い思い込みを持ち、自己満足で行動し、挙句に己の過ちや不都合なことから目を背け続けるジョーン。何となく身内を思い浮かべると同時に、自分自身にもジョーンの片鱗があったのではないか?とも考え、これまでの内省とは比べ -
Posted by ブクログ
しんどいけど、救われた。
『汝、星のごとく』の物語を、別の視点からもう一度深く受け止めるような作品だった。
櫂も暁海も北原先生も、自分自身の問題だけでなく、家族や周囲の人間関係に振り回されながら生きていた。特に若い頃の人生は、傍から見てもかなりしんどい。
それでも最後には、それぞれが起こってしまったことや変えられない事実を抱えながら、自分の人生を歩いていた。そこに救いを感じた。
一番印象に残ったのは櫂の母親との関係。
優しさゆえに突き放せない櫂を見て、もっと自分の人生を生きてほしかったと思った。優しさは尊いけれど、自分の人生を削ってまで誰かを抱え続けることが本当にいいことなのか、考えさせ -
Posted by ブクログ
リアルとは実に厳しいものである。
フィクションであればこうした展開には、けしてならないだろうという流れになった。
徹底的資料に基づいて史実に忠実に書いていこうとする吉村昭氏のスタイルがふんだんなく発揮されている作品である。
主人公の二宮忠八は、こうした小説には珍しいほどの非の打ち所のない性格である。
しかしそれは、あまりにダメな兄によって築かれたところも大きい。
ネタバレにならないように注意しながら書くが、どんなに優れた才能と情熱があったとしても、それが簡単に理解されるわけではなく、国として持つ時代背景が制限された場合、その実現は難しいというおよそ小説にはないパターンの展開となった。
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