小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ―世の中に文学賞と呼ばれるものは数あるけども、受賞が売れ行きに直結するのは、今や本屋大賞を除けば直木賞と芥川賞くらいだと言われている。
今年になって初めて本屋大賞を読みあさっている、読書初心者である私は、そんな基本的なことも知らなかった。
ちょうど2026年上半期の直木賞の候補が出たとのことで、私も今回から直木賞の作品を追ってみようと思った。
そして、肝心な本作の方は、天羽カインが実に我の強い性格で、そこが魅力的だったりもした。
編集者の緒沢千紘との緊密な関係が危うく、最後に千紘が一線を超えてしまったところは、予想だにしていなかった展開だった。
天羽カインは本当に自分の作品を子供のように大 -
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ネタバレ上下巻に及ぶ長編社会派ミステリー、言論、報道の自由について考えさせられる。下巻は所々涙腺が緩んだ。
曳船島編では白虎の判明が明らかになり戦時中の過去が明かされる。報道の制限から始まり偽報道の蔓延、気がつけば言いたいことも言えない世の中の悲惨さの失敗から正光達が命を賭け行動に移した理由が分かり胸が熱くなる。
真実を報道する番組のメインキャスターに清廉潔白な人気者が携ることに対し、国民のコントロールが効かなくなると邪魔と判断した人間を社会的に抹消する政治家、そこと繋がる警察。リアルでも沢山あるのかもしれないと思うし報道されたことだけを信じるのではなく、そこから一歩自分で考えて意見を持ちたいと気づか -
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長っ、ていう文章はそれでも読みやすい。すらすら入ってくるのは著者と自分のリズムが合うからなのか、単純に口語に近いからなのか。
自身の性(とそれに付随する身体)に社会が貼り付けた役割に対して嫌悪感を抱いている緑子。女性の身体の中には、生まれる前からたくさんの卵子がすでにあるらしい。
考えは煮込まれていって反出生主義的な考えにまで至っている様子。
母・巻子は、いくつも仕事を掛け持ちして緑子を養っている。スナックでの仕事ではお酒をお腹いっぱい飲んで、客の相手をする。ママからも足元を見られて雑用まで押し付けられるが、それで給料が上がるわけでもない。決して裕福ではない暮らし。
そんな中、豊胸手術をす -
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辛い体験をした青年サーシャが、逃げ出すように引っ越すことを決めた部屋。その向かいに住んでいたのは、90歳でアルツハイマーを患った老女タチヤーナだった。彼女はサーシャの都合など無視するように、自分の体験談を語り始める。
第二次世界大戦時、ソ連の独裁者スターリンは「我が国に捕虜はいない、あるのは裏切り者だけだ」と宣言した。捕虜となった兵士の家族までも犯罪者として逮捕し、財産を没収して強制移住させた。(ちなみに、捕虜になったソ連兵は終戦後に解放され祖国に戻っても、スパイ容疑などをかけられ、そのまま強制収容所へ送られた。)
タチヤーナの夫も捕虜となり、彼女は幼い娘と引き離され、理不尽な尋問を受け、 -
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ネタバレ洗練された緻密な描写が美しい文章、というのがこの本の第一印象だった。比喩表現や緻密な情景描写はPostludeで多用され、第一楽章からは控えめであったように感じた。これはきっと、文章のテンポに緩急をつけて場面ごとの時間の流れを表現しているのだと思い、木爾チレンさんのこだわりを垣間見た気がした。(比喩表現の多用や緻密な描写は、物語をスローテンポにさせる傾向があると私は思っている。この感覚に共感してくれる方がいたら嬉しい。)
物語の前半で、ジグソーパズルのピースがはまりそうではまらない時ような、何とも言えないもどかしさと違和感を感じ、後半でそのピースが裏返っていたことに気付くような構成に惹かれた。 -
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ベタなラブストーリーだとナメてましたが、後半からラストにかけて嗚咽が漏れるほど泣きました。切なすぎる…
本作はラブストーリーがメインでは無いです。
テーマは、戦争が残した現代人へのメッセージ。
結局日本は負けるのに。特攻はなんの意味があったのか?
ヒロインの百合が、現代人らしくストレートにその疑問を何度も投げかける。私達読者の気持ちを代弁するように。
その答えは、最後まで読むと辿り着けます。
この小説の素晴らしさは、空襲の不安と恐怖を擬似体験できるところ。
空を覆い尽くす黒い煙と赤い炎、焼け野原になった町、苦しみでもがく人々…
凄惨な光景を、目の前で見ているかのような感覚に陥ります。
な -
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ネタバレ太宰の自伝的小説。葉蔵の偏屈で冷め切っており、妙に謙って且つプライドの高さが感じられる作品。
(自分に重なる部分が多々あり苦しくなりました。
道化を演じていたり、論争ができなかったり、友人を馬鹿にしていたり)
子供の時から何にも興味がなく、食にも金にも。只、普通を演じる為、選んだ道が道化だった。
それは家族の前でもであった。
唯一、中学時代の冴えない竹一という親友には、全てを曝け出せ、
女にもてる いい画家になる が彼が私に対する予言でした。(後に前者は当たりますが、後者は微妙な漫画家止まりでした)
鎌倉の高校を行ったりサボったりしている間に堀木雅雄と出会います。内心見下した形でつるんでいまし -
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スタニスワフレムの作品を初めて読みましたが、
ちょっとレベルが違うように感じました。圧倒的。
ソラリス研究の中身のところ、研究の歴史や現象の分類のところは、まぁ正直に言えば退屈にも感じましたが(SFにありがちな)、
海と、海が生み出した、客、にどう対峙していくのかところは、圧巻の描写と考察。
これぞSF。
読んでる方もぐらつきまくる。
小説に書いてある言葉を、鵜呑みにできない。
なかなかない読書体験でした。
訳は、ポーランド語の原作から日本語への直接の訳というもので、訳者の沼野氏の解説も必見。
作中でも、解説でも言及されているとおり、人間中心主義、人間形態主義が批判されていますね。
そし -
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久しぶりに、いい本を読んだ。高校教育のあり方を学ぶことができた。
定時制高校の『宙わたる教室』伊与原新(著)の物語も良かった。こういう本が出てくるのは頼もしい。
水産高校の定員割れの中で、水産高校らしさとは?そして大きな目標を立てる。
福井県の小浜水産高校は、1895(明治28)年に開校した、日本で一番歴史のある水産高校である。
福井県南西部に位置する小浜は、古くは大陸文化の窓口として、京の都へ文化を伝えた歴史があり、「海のある奈良」とも呼ばれる。
2001年、その小浜水産高校食品工業学科に東京水産大学を卒業した一人の新米教師の小坂康之が初出勤した。彼は、神奈川県大和市で生まれ育った。スキュ
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