小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
なんともまあ鮮やかな構成。
登場人物の点と点を繋ぎながら、この本のテーマである「推し活」(とそれに類似する没頭)の良し悪しを相対化していく過程が、流れが綺麗すぎてどんどん先に進みたくなるのに、一つ一つのエピソードに心当たりがあるから自分の中でも考え込んでしまう、という贅沢なジレンマを引き起こしていた。
私は絶対に物語にのめり込みたい側だけど、最近はそれがなくて悲しい。でもそれは、身近なものに迂闊にのめり込まなくていいくらいには、今の生活で事足りているということなのかも。
なんとなく経験則的にわかっていたこの感覚を、これだけ理論化して小説に落とし込んだ朝井リョウ、すごすぎる。 -
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ネタバレ面白かった。前作は、興味深い復讐譚として面白いなぁで終わってしまったが、その裏にはこうした物語があったのか、とわかったら、もう一度前作を引っ張り出して読まなければいけなくなった。
最後の悲しい結末は、それぞれが、自分にケリをつける、ということが、必要だったのかもしれない。自分のしたことに意味をつけて奮起してきたが、その意味が今度は自分を苦しめ始める。苦しんだあげく、もうここしかないというケリのつけ方が、あれだ。
私にとって衝撃だったのは、百介が二度と又市と会うことがなかったということだ。シリーズはまだまだ続くのに、もうその結論があるのが、寂しいことこの上ない。 -
Posted by ブクログ
この本をイスラム教国、マレーシアで読み切ったことを誇りに思う。
奢りではない。
数年前に買って何回か日本で読んでるがその都度途中でやめてる本である。それを、イスラム教が身近になった今ようやく読み切ることができて単純に自分を褒めてあげたい。ただそれだけの話である。貧弱で陳腐なメンタルの持ち主なのである私は。
話をこの本の感想に移そう。
表現の自由がマジで規制されてるイラン。
女子の教育の推進をかかげるも、スカーフの着用を強制させたり、西洋文学に染まってると頽廃的だと取り上げられたりもうなんだかよくわからない国だった。
彼女たちと筆者の過ごした日々を遠くから眺めてる感じだった。
特にギャッツ -
Posted by ブクログ
推し活の話と聞いて、切れ味鋭い朝井リョウに容赦なく刺されてズタボロにされる気がして、しばらく避けていた。けれど、好奇心には抗えず。
構えて読み始めたが、思っていた切り口とは違った。
色々な立場の登場人物が描かれるが、誰も正しいとか間違っている、と断罪されない。
その分、読み手によって、共感する人、えぐられる人、気味悪く感じる人物がまったく変わりそうな構成が巧みで、脱帽する。
個人的には視野拡大と視野狭窄の対比が面白かった。
特に“りんファミ”のふたり。
「視野が拡がった」と感じた瞬間に思考が閉じる逆転が起きたようで怖かったが、最後まで読むと、それを悪いことだとも言い切れない複雑な感情が残っ -
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ネタバレ短編だけどどの話もちょっと薄気味悪い感じ。でも読み終わった後は嫌な感じは残らない。
最初の話は不思議な体験だしあの子なのかそうじゃないのか結局真相は分からない。
二つ目の話は普通の主婦の話だったしどこにでもあるような家庭の亀裂だったのに最後が予想外でびっくり!人間の頭って怖い。
三つ目の話は幽霊の女の子の話。救いがなくて気が重くなるような話だけど主人公が記憶ないせいか性格なのか表現の仕方が個人的には好きで割とすっきりした。
四つ目の話はハッピーエンドだったからびっくりした。今までの流れで絶対主人公やらかすと思ってたからなんかごめんと思った。家族で幸せになってくれ。
五つ目の話はちょっとオチが物 -
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ネタバレめっちゃくちゃ大好き。ほんとに良かった、いっぱい泣いた。全部で第5章あって、全部の話がどこか繋がっているから、もちろん全部を含めて好きだけど、特に三章と、五章がほんとに良くて、涙が止まらなかった。感動した。読んでいく中で、これってもしかして、とか、うわそういうことか、!というような気持ちになるのもすごく楽しかったし、これってもしかして、が最後良い意味で裏切られて、そこもすごく感動して泣いてしまった。5人それぞれの登場人物の目線から描かれて、それぞれが思ってる気持ちとか、悩みとかを書いてくれているおかげで、いつの間にか、5人の登場人物みんなを応援していて、もちろんそれ以外の、主要では無いかもしれ
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江戸川乱歩賞受賞作とあればミステリー好きは手に取らずにいられませんでした。選考委員のみなさんがぶっちぎりで推したのも頷ける面白さでした!続編希望!
私も営業なんですよね。ですから殺し屋サイドに足を踏み入れる前の鳥井が、ノルマ達成のために積み重ねてきた事は、裏付けのあるロジックですし、意味ある努力と言えます…鳥井のようにストイックに徹底できるのは決して当たり前ではなく、ワーカホリック以上の何か、があると思うのですが、鳥井本人はそれを『空虚さ』と称しており、殺し屋サイドへ転じるごとに生の実感を得ていく変化に一気読みでした!
営業として私に足りないものは何かと考えさせられましたよ…ブラフかな…。 -
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネート作で本作のみ未読であったため、ようやく手に取り読みました。いやはや、すごいですねというか、濃密でしたね。どうオチをつけるか、気になって仕方ない展開だっただけに、このラストは素晴らしかったと思います。
本作は、伯母の葬儀に呼ばれた主人公が帰り道に交通事故を起こしてしまうところから物語が始まります。そして、あろうことか主人公は轢き逃げをしてしまい、服役することになります。服役中に出産した息子とは、離婚をキッカケに生き別れになり、途方に暮れる主人公は果たして息子と再開できるのかというストーリー。
1人の女性の人生をマジマジと読んでいるような非常に濃密な読書体験でした。住み込みで
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