小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「ここはとても速い川」
施設で暮らす主人公「集」は5年生。
一緒に生活している一つ下の親友「ひじり」とのやり取りや、ひょんな事から知り合う若者「モツモツ」と決行したある作戦、夏休みの宿泊訓練など、日々の出来事が集の目線で語られます。
ダダーっと一気にしかも次々に話題が移っていくこの文体がすごくいい。整っていなくて子どもが話しているそのままの感じ。あっちこっちに飛びながら時々フッと出てくる言い回しや比喩によって、この世界にググッと近づく感覚が読んでいておもしろい。
子どもらしい文章の中に急に差し込まれる、集やひじりの抱える問題にギクッとしたり。集の心境が垣間見えて切なくなったり。出てくるアイテム -
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Posted by ブクログ
嘘の木で衝撃を受けて、2冊め。
自分が小中学生の頃に読んでいたら、本当にハマって大好きだっただろうと思う。
本国では児童書とのことだが、大人が読んでも充分に面白い。
主人公が取り替えっ子側、という設定もすごいが、目線で見える家族の歪みが顕になっていき、取り巻いていたものの見え方が180度変わっていく場面。その過程で大人の弱さと過ちも残酷なまでに描写していく。
子ども向けに書いた本なのに、すごく子供を信じているのだなと思う。
昔ながらの児童書だったらこういう終わり方しないかもしれない、でもこういうところも自分が子供だったらたまらないんじゃないかと思う。
全世界の読書好き女の子に読んで欲しい。 -
Posted by ブクログ
ずっと積んでいた1冊、とっても良かった〜。
不妊治療がうまくいかず、夫と離婚し、弟まで突然失った薫子はアルコールに頼るようになるが、弟の遺した遺言状をきっかけに弟の元恋人のせつなと再会し、一緒に家事代行サービスの仕事を手伝うことで再生していく物語。
薫子の気持ちが分かりすぎて胸が締め付けられるけど、せつなやカフネを通じて知り合う人たちとの交流によって自分の人生を取り戻していく姿が力強い。何度も「私は不屈の努力で人生を切り開いてきた女だ」と自分を奮い立たせる薫子が最高。
だれかと仲良くなりたい、もっと知りたいと思うとき、どこまで踏み込んでいいものか迷ってしまって難しい。でも人間関係を築くには、や -
Posted by ブクログ
ネタバレ「私は泣いた。言葉をまだ知らない幼児みたいに泣いた。泣いて泣いて泣いて、うわあああと声をあげえ、大事なふりしてずっと抱きかかえていた、固くて重くて要らないものを破壊した。心のどこかで知っていた。私は、ずっとこうしたかったのだと」
再読。
大好きな女の子にこの本を教えてもらったのが最初。この本を最初に読んだ時から変わらず、心があたたかくなる。
連作短編小説、こんなに綺麗につながっていくなんて、まずはそこに惚れ惚れしてしまう。今ここに生きている人たちひとりひとりにこのような物語が無限にあるんだ、と思う。
特に緑の話が大好き。冒頭の文章も『カウントダウン Green/Sydney』より -
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[BOOK]2024.3.7 おやつ回しゲーム
2024年03月15日04:13全体に公開 みんなの日記21 view
本田健さんの2014年の傑作
「金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん」
なんと4日に買って7日に読み終わってしまいましたぁ
ああ、面白かった
お話はリアルに言うとヘッジファンドに国がらみでひっかる小さな村の
市民たちを、ゾウさんで面白おかしく表現した物語
あまりいうとネタバレになりますねっ
ということで
一部だけ
いちばんまともでかつお金持ちなゾウさんが
子どもたちを集めてお金の塾をひらく
そこで展開されたのが
持ってきたおやつを輪になって回しっこ
途 -
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[BOOK]2023.12.5 若松英輔「生きる哲学」
2023年12月07日04:35全体に公開 みんなの日記28 view
ちょっと読み応えのある本でした
彼の「考えて」「生かす」哲学は、とても多岐にわたり
(^O^)にはたして、太刀打ちできるかと
最後までふあんでしたが
最後に「書く」「読む」ことの示唆を
与えてくださったので、
ここを礎に
ちょっと、哲学ということを
考え直してみようかと
思います
皆さんも、ご参考までに(^^♪
smile(^O^)
若松英輔の究極の「生きる哲学」
「書く」とは、コトバを通じて未知なる自己と出会うことである。「書く」ことに困 -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語完結。
巻数を重ねるごとに癖になっていき、次巻が楽しみになっていた。
小説で続編が楽しみに思えるのは、初めての経験で、読みながら何度笑わせてっもらったことか・・・この2年間本当に楽しませてもらい、元気をもらった。
成瀬に『ありがとう』と言いたい!
本編では成瀬が進学し、京都で過ごす日々が記すされている。
新しい出会い
・坪井さくら
→大学の同期、失恋から自暴自棄に。成瀬が救う
・梅谷誠 他
→達磨研究会へ成瀬を誘う
・田中ののか
→YouTuber ぼきののか 簿記2級 偽り
→城山が再登場 助けれらる。
これまで出会ってきた人たちとの話も全てが『てぇてぇ』。
話の中で特に印象的