あらすじ
【第171回直木賞受賞作!】大学を中退し、夜の街で客引きをしている優斗。仕事中に話しかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った――「違う羽の鳥」 失業中で家に籠もりがちな恭一。小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人にもらったというそれを煙草代に使ってしまった恭一だが――「特別縁故者」 鮮烈なる“犯罪”小説全6話
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Posted by ブクログ
最初の2話は、なんか怖すぎ。なので、ここで一旦読むのが止まった。数日おいて第3話。話がキレすぎてコワ。でも、よく出来ている。第4話、なんかホッとした。やっぱり、こういう系が好き。第5話も大変だけど明るめで終わって良かった。第6話、こんなおぞましい話、ありましたよね、怖っ。でも、なんとかホッと終わって良かったです。さすが、この短編集、どれもストーリーよく出来ていて、日本語も上手。著者の腕が光る作品だと思いました。
Posted by ブクログ
どの話も面白かった。
特別縁故者という話が特に面白かった。主人公は妻と子がいる無職の男性で過去自分より仕事ができなかった人が店長の甥であったために優遇されたため縁故を恨んでいる。しかし、隣にいた金持ちで家族がいない老人を助けたことで特別縁故者になり金銭を援助してもらえた。縁故によってたすけられたことで縁故によって見放されることもあれば助けられることもあるという話で面白かった。
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【あらすじ】
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」 調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」 先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。
《私の印象に残ったこと》
ロマンス
イケメン配達員に会いたくて、デリバリーにハマる主婦の話。結局イケメンには会えず、別の配達員に好意を持たれ、家に入ってきた配達員を正当防衛?で殺してしまう話。夫婦同士の不満がリアルだった。
特別縁故者
お店がコロナの影響で人員整理することになり、辞めさせられた夫の話。
『嫁さんもお前の悔しさを酌んで大黒柱引き受けてくれたんだろ。それこそ、縁ゆえに、だよ。縁あって夫婦になったから、頑張って支えてんだ。』
胸が熱くなるすごくいい話だった。
祝福の歌
『最初から騙すつもりの嘘より、ついた時点では本心だった嘘のほうが悪質だ』
『淡々とした語り口は、コップのふちぎりぎりで盛り上がってふるえる水面のような危うさに満ちていた。その下に湛えた暗い水の深さは、母にしかわからない。』
さざなみドライブ
『あたしが子供だから、あたしの悩みは大したことないの?死ぬほどのことじゃないって否定されるの?あたしのつらさはあたしにしかわかんないのに!』
【個人的な感想】
最初の3話の内容がなかなか重たくて、読み切れるか不安だったけど、4話目の特別縁故者の話の内容が温かくて読んでいて幸せな気持ちになった。4話目〜6話目はどれも読んでいてしんどくならず、好きなタイプの話だった。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
あの訳の分からない恐怖のパンデミックの頃の話。
コロナ禍の時代をそれぞれの主人公がもがいたり苦しんだり希望をもったり。
一穂ミチさんの本は面白いです。今回もとても良かった。
どれも良かったのですが「ロマンス⭐︎」「燐光」「特別縁故者」が特に好きです。
Posted by ブクログ
コロナ禍の辛かった負の感情を思い出した。実際にありそうな話ばかりで、物語が面白くてあっという間に読み終わった。
コロナ禍に自粛した行事や会議やらが、なぜか無理やり復活してきて、その時は長く感じたパンデミックは一体何だったんだろうと改めて考えてしまった。
Posted by ブクログ
記憶に新しいコロナ禍の悶々とした空気、誰にとっても身近な今の時代感が反映された短編集。イヤミスあり、ほっこりあり、人の心のリアルな表裏、飽きずに一気読みしました。ほっこり系の話が好きだけど、印象に残ったのはありそうで怖い「ロマンス☆」。
〈心に残った言葉〉
"まっすぐ前を向いた娘はその未来をみじんも恐れていないように見えた。愚かさがいまいましく、まぶしい。"
Posted by ブクログ
直木賞受賞作品ということで、読み始めた。
6つの短編は全てあのコロナ禍でのお話。
ホラーか!?とゾクゾクしたり、胸に迫る感動ものだったり、もうページをめくる手が止まらなかった。
この1冊で何冊分もの作品を読んだかのような満足感。
最近、難解すぎる受賞作品を読んで途中でやめてしまうことが多かったので、誰にでも手に取りやすく読みやすい本が受賞してよかった。さすが直木賞‼️
Posted by ブクログ
質の高いミステリーが揃った短編集でした。
なかでも、都市伝説を題材にしたような冒頭の「違う羽の鳥」は、展開が面白く、さまざまな想像をかき立てられる作品で、特に気に入りました。
一方、読後に最も強いインパクトが残ったのは、三作目の「憐光」です。柔らかく無邪気な語り口と、描かれる内容とのギャップが巧みで、結末には意表を突かれました。
総じて粒ぞろいで、どの短編も読む価値のある一冊だと思います。
Posted by ブクログ
コロナ禍という特殊な状況下で生まれた、様々な「罪」を巡るミステリ短編集。
一話目の「違う羽の鳥」は、アングラな世界観ながらも物語に引き込む力が強く、結末のその先を想像させる力強いエネルギーに溢れている。
一転して二話目の「ロマンス☆」では、どこにでもある家庭の風景が描かれる。自粛生活の閉塞感が生むリアルな軋みから、些細な掛け違いで日常が崩壊していく様は、誰の身にも起こりうる恐怖として迫ってくる。
本作に収められた物語は、どれもコロナ禍という異常事態が招いた「罪」に基づいている。悍ましい結末も、救いのある結末も、すべてが予測不能だ。当時、世界を覆った「まさか」という感覚が、ここでは登場人物たちの運命を狂わせるトリガーとなっている。
あの時代を生き抜いた私たちだからこそ、この「まさか」という手触りに共感し、翻弄されながらも立ち上がる人間の逞しさに光を見出せる。あの厄災に苦しめられた人にこそ、手に取ってほしい一作だ。
Posted by ブクログ
コロナ禍を舞台にした短編小説。当時の雰囲気を思い出すには十分すぎる一穂さんらしい丁寧な描写だった。今思えば、天然痘やペスト、コレラ、結核なども環境は違うが、同じように大変だったのだろうな。そう考えられるということに日常の生活が戻ってきていることを実感できた。最初は不穏な感じが重たくて暗いが、徐々に明度が上がっていく流れで、読後は良かった。特に「特別縁故者」と「祝福の歌」は、人間関係の面白さを感じながらも、前向きになれるような話で好きだった。
Posted by ブクログ
ゾッとする話しもあればほろっとくる話しもありで、どっちに転ぶか最後まで分からなずに読めるのが一穂さんの作品らしいなと思いました。でもやっぱりほろっとくる系が私は好きでした。
Posted by ブクログ
短編ミステリーでしたが、視点が面白くてページをめくる手が進みました。特に1話目が面白くて引き込まれました。コロナ化の日常、今となってはこんな時もあったなぁと懐かしくさえ思えますが、先の見えない不安と人の不安や葛藤が描かれていて面白かったです。
ふと日付を見て今日は5日、11月に入り、残り2話になり、すぐに読み終えるなぁと思ってたのに、5日もかかってしまい、バタバタして、本を読む時間がないのはよくないなあと思いました。11月は5冊ぐらい目標にして、12月は冬休みにいっぱい読んで二桁目指しまーす!
Posted by ブクログ
コロナ禍のパンデミックに繋がる短編集。慌てふためいたあの頃のパニックから派生する、ちょっぴりダークな短編集。
人の犯した罪や心の奥底の闇みたいなモノは目には見えないけど、人のそれらが、あのパンデミックのようにふつふつと湧いて浮かび上がってくる感じがおもしろかったです。
ダークな結末からは1番遠かったかもしれないけど、「特別縁故者」が好きだったな。
Posted by ブクログ
11/25?〜11/29
面白かった!とても読みやすいし、だいたい体の底が震えるような怖さがあった。コロナ禍にフォーカスを当てていて、コロナ前ならナニコレという感じだが、自分の経験と反芻して、確かにそうだったな、いや今もそうなのだけど、懐かしく思った。
母が面白いというので読んでみたが、たしかに面白かったな。
①違う羽の鳥
死んだはずの同級生に似た、いや似ていない女が現れて…という話。
実際は替玉自殺で別人として生きていたというオチ。こわい。
②ロマンス☆
夫婦関係のうまくいかない妻が、イケメン配達員との巡り合わせを求めて、デリバリーしまくる話。オチ怖すぎ。
③燐光
短いのに、かなり緩急と引きつけるストーリーでしびれた。私は実は死んでいて、死の真相を意図せず追ってしまう話。父母もクズ、まさかの想い人の先生は最悪のクズ、親友も生活環境はあれど、お金に目が眩むクズだったという胸糞。主人公だけがクズでなかったという話でした。
④特別縁故者
これだけ、怖くないハートフル(?)ストーリー。コロナ禍で飲食の食を追われて、無職のぬるま湯につかっている夫が、子どもの意図せぬラッキーに味をしめて、謎のお金持ちおじさんにたかろうとして、改心して…というような話。もとは夫も悪い人ではなかったし、コロナが人生を人をネガティブにしてしまったんだな〜と悲しくもなる話。
⑤祝福の歌
娘が妊娠して、それとはまた別で母(祖母)の認知症疑惑から、家族で色々話をするうちに、親子関係のあり方みたいなところの多様性などを見つつ、社会情勢と合わせて考える話。これ、一番真面目で、社会のあり方がどんどん変わってるんだなと思った。
⑥さざなみドライブ
Twitterで集まった5人は自殺志願者で、死のドライブを始め、なぜ死のうと思ったのか語り出す。そのうち、みなあなたは死ぬ必要がないのではと互いに思い出し、先客がいたこともあり思いとどまるが…。本当は、主催者の男が自殺に見せかけた他殺の常習者で、殺されそうになったが、中にいた自殺を止めるマンのおかげで皆無事に帰ったというオチ。
うーん、本当に読みやすくて面白くてよかったよ。
Posted by ブクログ
個人的に短編集は大好きでテンポ良く、あっという間に読み終わった。
コロナ禍でいつまでこの閉塞感が続くのだろう。とモヤモヤしていた頃の感情を思い起こした
Posted by ブクログ
前半読んで色んな罪の話かなぁと思ったが
後半はパンデミックの話が多かった
罪を期待していたので後半は少し肩透かし感があった
ロマンスと燐光はよかった
Posted by ブクログ
『ツミデミック』
第171回 直木賞 受賞
こちらは 一穂ミチさん の直木賞受賞作品
赤地に黄色い菊の花……
なんかそれだけで ザワザワしちゃう
黄色い菊の花言葉
長寿と幸福
わずかな愛
破れた心(破れた恋) ですって
タイトルの 『ツミデミック』
こちらは 『罪』 と 『パンデミック』 とを
かけあわせた 一穂ミチさんの造語 で
コロナ禍 で 人々が犯す 罪 ということ
……って、もっとはやく読むべきだったのかしら?
六つの短編集
『違う羽の鳥』
大学を中退して、夜の街で
客引きのアルバイトをしている優斗。
バイト中に話しかけてきた
派手な女に優斗は動揺してしまう
その女が名乗った名前というのは…
中学時代に死んだはずの同級生の名前だった。
『ロマンス☆』
街でみかけたデリバリー。
颯爽と自転車で走る姿…
百合は何故かその配達員に
もう一度会いたくて
毎日毎日 デリバリーを注文をするようになる
『憐光』
三本松葉と和歌とをセットで
木の根っこに置いて願をかけると
失くしたものが見つかる───
という おまじないが伝わっていた
そんな嘘のような話を信じてやってみたところ
十五年前に行方不明になっている少女の
白骨死体が見つかった…
そして少女は霊となって彷徨う……
『特別縁故者』
調理師の職を失い、働かずに家にいる恭一。
ある日、息子の隼が遊びに行って帰ってきたら
聖徳太子が描かれている旧一万円札を持っていた。近くに住む老人に貰ったと言う。
次の日、恭一は澄まし汁を持って老人宅を訪れる……。
『祝福の歌』
印刷工場に勤務する達郎
高校で音楽を教えている美津子
夫婦の一人娘 菜花(なのか)は
高校生で妊娠が発覚してしまう……
『さざなみドライブ』
SNSで知り合った
アカウント名しか わからない五人
"キュウリ大嫌い" "マリーゴールド"
"あずき金時" "毛糸モス" "動物園の冬"
この五人のドライブが始まる……
一穂ミチさんは…
『恋とか愛とか優しさなら』 しか
読んだことがないんです。
一穂さんのBLも読んでみたい…♥と思う私
が、しかしであります∠( ̄^ ̄)
BL読んじゃうと戻れなくなる…という懸念
(おびのりさんにご教示頂いてね(*´艸`))
まずは普通の作品を読むこととします♪
…で、手にとったのが こちら✨️
もう…面白かったなぁ♡
なんか すごく 面白かったなぁ♡♡
一穂さんの 文が 読みやすい読みやすい
短編だからか、一話読んだら…
眠っちゃってもいいんだしね(๑•̀ㅂ•́)و✧
「ロマンス☆」 では…
自分のお目当ての美形君に自分の注文で
再開できるかもしれない…というチャンスを
ガチャに勝利したい♥
★5を引いて満足して終わりたいのだ。
……とか
一瞬すれ違った男と再開するため、
我が子に一服盛るなんてどうかしている…
と描くあたり…センスを感じちゃう✨️
「憐光」 では…
"ブルベ春" というパーソナルカラーとか
使っちゃうのも凄いなってね(*´艸`)
「あたしブルベ! 〇〇ちゃんはイエベだね?
ママは〜? ブルベ冬じゃない……草」
…みたいな、日常会話が
わが家でもあるもんだから…
感情移入しちゃうわね (*´艸`)
「特別縁故者」では…
スマホに大量にインストールしてある
漫画アプリを巡回し、
無料のものを読み逃していないか
チェックしたが、すべて既読だった。
読んだことさえ忘れているくせに
続きが気になるなんておかしな話しだ。
この一文が、なんか笑っちゃって……(*´艸`)
「祝福の歌」では…
「『粉ミルクでも発達は変わらないから大丈夫よ』って言ってほしかったらしい」
「え〜? 察してちゃんすぎる!」
って、この会話もいいですよね
察してちゃん♥だなんて…
まるで娘と会話してるみたい
「さざなみドライブ」では…
どんな些細なフックでも、他人に興味を持たれ、質問されたこと自体が嬉しくてたまらないと言わんばかりのテンションに僕は軽く苛ついた。同族嫌悪だ。わかりすぎていやになる。
わかりみ〜♪だわね
読みやすくて…そこまでダークでもなく
サクサク読めたなぁ
普通の小説がこんなに★つくんだもの
あぁ はやくBLよみたいな (b´∀`)ネッ!
Posted by ブクログ
ひとつひとつの話が犯罪にかかわるもので時には心がひやっとした。一方で、自分がこういう展開になったらいいな、と願う小さな幸せ・ぬくもりを感じられるようなものもあった。著者の他の本も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
突然のパンデミック。
誰もが思ってた通りには進まなくなって、先の見えない不安に襲われる。
時間が経つと、アレって一体何だったんだと考えずにはいられない。
そんなコロナ禍での犯罪小説短編集。
ぞわぞわくる話から心温まる話まで。
犯罪というのは意外と身近なものなんだなと感じてしまうリアルさがあった。
作者の描く登場人物たちのパンデミックとの距離感が絶妙で、そんな中でも変わらない人間の本質に、なんだか共感してしまう。
Posted by ブクログ
コロナが猛威を振るい街から人が消えた日から、もう5年以上が経つなんて、そりゃあ私も結婚もするし子供も産まれるし40代に突入するしでライフステージ変わるわな。
すわ21世紀のペストかと世界中が混乱の坩堝に叩き込まれて、ワクチンだ三密だGOTOトラベルだと騒ぎまくっていた狂乱の日々。気付いたら終わってた、なんて言ったら当時奔走した人々に申し訳ない気もするけど、実感としてはそうなんだよな。なんか、ビビってはいたけど、どこか全てが嘘っぽく感じたと言うか、フィクションの世界を見せられているような、変な感じ。
だから、本作に登場する物語の主人公達が体験した奇妙な出来事も、「ああコロナ禍の時ならそういうこともあったかもね」と不思議に現実味を帯びて読めてしまいました。
そんなわけないのに、あの時の世界は、どんな不可思議な現象も許容しちゃえるような歪な寛容さがあった。
今では観光客やキャッチで溢れる繁華街から、人が消えて信号機とコンビニの明かりだけがあったあの夜の暗さを、いまだに鮮明に覚えている。
あの非現実な夜を知っているから、私の中で奇妙なものをそのまま受け入れられるポケットができたのかもしれない。
◎違う羽の鳥…新しい感染症が流行り始めた夜の繁華街。客足の鈍る街で居酒屋のキャッチで何とか糊口を凌ぐ日々を送っていた優斗は、かつての同級生と同姓同名の女と出会う。同一人物のはずはなかった。何故なら彼女は、線路に飛び込んで自殺したのだから。
◉ロマンス⭐︎…口うるさい夫、小生意気だけど可愛い娘。感染症が蔓延し、子育てに追われながら思うように再就職が進まない百合は、ある日、町中で美貌の青年を見かける。このご時世に一気に流行ったデリバリーサービスの配達員。彼にもう一目会ってみたいと、ガチャを引くような気持ちで夫と娘の不在の日中にデリバリーを注文する百合だったが、マンションの住人の告げ口で夫にデリバリーを多用していることがバレてしまう。
◎憐光…気付いたら学校の松の木の下にいたあたしは、自分が死んでいることに気付いて、とりあえず家に帰ることにした。ぼんやりした記憶はそのままに、帰る道中で見かけたかつての親友と担任と共に15年ぶりの帰宅を果たしたが、生前の朧げだった記憶を遂に全て思い出した時、あたしは誰を恨むこともなく幽霊としての短い時間を全うした。行ってきまーす。
◉特別縁故者…まだまだ感染症の猛威が振るう中、恭一は息子をきっかけに知り合った老人の家に通うようになる。ある日、妻が病に倒れ、家庭の経済状況が思っていた以上に逼迫していた現実を突きつけられた恭一は、老人に金を貸して欲しいと無心するが…。
◎祝福の歌…高校生で妊娠した娘に頭を抱えていた達郎は、ある日いつも通りに訪ねた母親から、気になる夫婦の話を聞く。もうすぐ子供が産まれると幸せそうに語っていた隣人が、別人のように痩せこけていて気になるのだと言う。あまり深入りはしないようにと念を押した達郎だが、その日を境に女に首を絞められる悪夢を見るようになる。
そんなある日、娘と共に母のマンションを再訪した時に、事件は起きた。
◉さざなみドライブ…感染症のために自死を選んだ老若男女5人がSNSを介して集まった。それぞれの身の上話を始めた彼等が目的地に着いた時、そこには同じように自死を選んだと思われる、窓に目張りがされま車を発見し…。
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コロナ パンデミックの頃の短編集。
あんなに大騒ぎしたのに もうずいぶん前のことの様に感じてしまう。
オドロオドロしいミステリーやホラー系もあるけど どれも怖いと言う感情より 悲しさや優しさが伝わって来ました。
そんな中での「特別縁故者」は通常で読むより 更にホッと出来るいいお話に感じますね。
Posted by ブクログ
コロナ禍を過ぎた今となっては、懐かしさする感じる短編集。パンデミックがありきの話だからか、全体的に暗い重い話が多い印象。個人的には希望が持てるような明るい話もあって良かったかなと思う。
Posted by ブクログ
6話全部面白かったけど、これが直木賞??と言う感じでした。短編としては十分に面白かったのですが、短編故にちょっと物足りない感が有りました。
直木賞受賞作との事で、期待を込めて読みましたが、そう言う意味では少し期待外れでした。
他の作家さんの作品でも同じ様なレベルの話な沢山あります。ただ6作全て同一レベルで面白かったので、6作合算での直木賞?!と言う事なのかなぁ?!
それぞれを長編にして、深堀した作品にすれば更に良かったのでは、と思いました。
Posted by ブクログ
短編が6話収録されている
それぞれ想定していなかった展開があるので、軽く読むのに良い。
後に救いが想定できないものだとゾワゾワするので展開を勝手に考えてしまって、面白い。
個人的にはロマンスが面白く感じた。
また、文章がとても読みやすく作者の技術が感じられた。
稀代の犯罪小説と言うには短編だから展開が限定的で少し弱く感じた。
Posted by ブクログ
罪+パンデミックという造語がタイトルになった作品。
未曾有の大惨事で世界の価値観が大きく変わったあの日々が、ずっと昔のように思える。
それほど今の情報社会では時間の経過が早い。
だからこそ、パンデミックでの人々の苦しみを様々な物語として綴ったこの作品の価値は大きいと感じた。
罪を題材にしている分、気が重くなる話もあったが情景や心の機微が絶妙に表現されていて物語に引き込まれた。「さざなみドライブ」が好き。
Posted by ブクログ
タイトルの意味と内容に気づいてから、そわそわしすぎてすこし怖かった。ホッコリで終わる話もあったんだけど、悪い方で考えてしまってそわそわしながら読んじゃったのが個人的にもったいなかったかも。