あらすじ
吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す
ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」!
日常にふと口をあける世界の裂け目。
生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。
天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。
木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より)
民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。
これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!
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Posted by ブクログ
遠野物語がばなな流になると…どの短編も温かくて優しい世界。怖い話も民話っぽさもあまりなく、「遠野?」とは思ったけれど、とはいえばなファンとしては大満足の1冊でした。
あらためて思ったが、ばななさんが描く家族は、どの家族も本当に自然体で愛し愛され幸せな家族だ。もしかすると、私がばななさんの作品が好きなのは、センスよくスピっているからではなく家族のカタチが最強にステキだからなのかもしれない。
Posted by ブクログ
遠野物語を作者の視点で描いているのかと思っていたが、違った。
よしもとばななさんの書く恐ろしい話、ちょっと奇怪な話だった。
それは本当に、角を曲がった先、隣に座った人くらいの近さで、よく目を凝らせばそこにあるのではないかと思うような話。怖いというよりは不思議でちょっとヒヤッとする。短い短編が多いので読みやすい。
Posted by ブクログ
実は遠野物語を知らないのだが(;^_^A
霊的な不思議な出来事についての短いお話を集めた短編集
ホラーではない笑
どちらかというと、不思議だけど心温まるお話が多いので、生と死を考えながら、生きるも死ぬも悪くないかもって思える
優しい語り口がとても良かった(*´ω`)
Posted by ブクログ
『ヨシモトオノ』とは吉本ばなな版遠野物語。
少し不思議なお話が13編。そのうち一つは実話ということ。
この実話が私にはズドンと残りました。
“人が人にできることがあるとしたら、ただなんとなく明るい感じでいる、それだけ。身も蓋もないがそう思う”
私もそうなのだけれど、吉本ばななさんも全てを説明したいタイプのようで、いつかこの世を去る時までにはそんな人に近づけたらいいなと思っているそう。私もそうありたいな、と思いました。
全体を通して、怖いというよりはノスタルジックな雰囲気が漂っていて、いつまでも読み続けていたい、本を閉じたくないという気持ちになる。
それは多分、物語のほとんどが仲の良い家族が背景にあるからかな、と思われます。その出来事だけをピックアップするとゾッとするようなことも、「そんなこともあるんじゃない?」と家族が普通に受け入れてくれる、そしてそれが家族の大事な思い出に繋がっていく‥‥
そんな、なんとなく優しい気持ちになる一冊でした。
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これは今年一番かもしれない
すこしふしぎな短編たち
自分の意志や力で生き抜くのはもちろんだけど、大きな世界の流れの中で私たちは生かされてもいて、ふとした縁で出会うナニカや裂け目から大切なものを受け取ったり気付かされたりする
自分を大切にしようと思える
Posted by ブクログ
本家(というのか?)遠野物語は未読なので比較はできませんし、そもそも吉本ばなな作品も初なのでどのように読めば良いのかと構えていたのですが、案外スッと心の隙間に入ってくれた作品集でした。
文章の平易さとか人々の日常の生活感の描写は町田そのこさんに似てるなと思いつつ、そこからさらにドライにした感じを受けました。
あとがきにもあるように、「怪談!」というより「幽霊的存在の介在するすこしふしぎ物語」ばかりで、ホラー(読書での恐怖)を楽しみにする方には全く期待外れに終わると思います。
ただ怪談というか霊異譚あたりが好きな人にならハマるんじゃないかなと思いました。当方上手くハマったので星5進呈でございます。
大体の話に共通していたのは人同士の愛のやり取りの尊さかと思いました。そこに幽霊(亡くなった人の意思の表れ)を挟む事で奇妙な味わいになっているなと。
どれも因果があるような無いようなふわっとした感じで、また時間経って読むとその時の立ち位置によって違った感想になりそうだな、なんて思いました。
Posted by ブクログ
世界は広い。世界はひとつだけではない。それを本書でいう「裂け目」というのだろう。感受性が強い人はきっと日常の中で普通に経験しているのだと思う。
私は霊が視えたり、ここは前世で来たなとわかったり、そういうタイプではないけれど、どきどき言葉にできない「あっ……」となる瞬間を感じることがある。その瞬間を振り返ると、人生の分岐点になっていたり、何かから救われていたりすることがある。
本当に受け取りが強い人は、そんな穏やかな経験だけで済むわけではないのかもしれない。それでもきっと意味があることなのだろう。
どきどきこの本を読んで、自分がみえている世界だけが全てではないことを思い出したい。
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文學界に載っていた話が面白かったので手に取りました。
ちょっと不思議で暖かい短編集
子どもの時は不思議な体験をしても「世の中そういう事もあるよね」となんとなく受け入れていた、あの気持ちを思い出しました
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怖い話が苦手だが、たまたま遠野物語を少し読むことがあり、えっ❗️ばななさんの遠野物語それは読みたいと思った 遠いむかしに人が当たり前のように見えていたものが、段々見えなく感じなくなってきているだけで 科学では証明できない事があるんだと思う
Posted by ブクログ
若い頃に「キッチン」読んだなあって思い出しながら、久しぶりに吉本さんの本。ちょっとホラーな短篇13篇。とても楽しかった。怖いよりもココロが温まる。
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ご本人も書かれていらっしゃるとおり、あの遠野物語とは別物であり、日常の裂け目を見たような、すこしふしぎな感じのお話たちの本です。たぶん、読む人によって好きな話が違うのではないかと思います。わたしは「わらしどうし」「最良の事故物件」「思い出の妙」と、最後の方に収められている話が好きでした。感性の変化や縁の描き方がすき。そういった意味では「炎」も良かったけど、リアルにあったらこわい…。「思い出の妙」もありそうな感じだからちょっと不気味かも…笑 でも、読後に嫌な気持ちは残らない。
天井や壁のシミ、木目など、小さい頃はいろんなことを見つけて、気にしていたものです。あれは子ども独特の感性で、あの頃特有のものだったんだなと歳をとった今感じています。
Posted by ブクログ
ヨシモトオノ=吉本版遠野物語という意味らしいが、ばななさんによると、現代版遠野物語というような大層なものではなくて、藤子・F・不二雄の「SF・すこしふしぎ」みたいなものらしい。
山中で道案内してくれた男の子、友だちの空間移転引き出し、亡くなった従姉妹のノート、死んだはずの海外の元カノからのメール、ホントは死んでいるボク、自死した知り合いの女子のこと、水子からの警告、失踪した彼のお下がりベッドの夢見、夢見で許された話、現代のわらし童子、母親の死産だった兄を庭に埋めたという話、安下宿に出てくる優しい幽霊、旅の宿の天井に浮かぶ顔の思い出‥‥。
まぁ、そうだよね。
少し不思議な譚(はなし)なら
多分ぼくだって持っている。
妹はもう50代オッサンの私に
法事のときに初めてぼくに言った
小さい頃発達障害的な所あって
よくふらりと居なくなった、て
そう言えば詳しい事は忘れたけど
そう言えば庭とか近所の道とか
たくさん面白いものがあった
ような気がする。
わらし童子と仲良くしていた男も
今回出てきたけれども
私も右手と左手で
ありんとこりんという異能者の
長い長い戦いを毎晩紡いでた
時には火星まで行き
時には何億年も時を跨いだ
昔のベッドの暗がりの中で
空間移転引き出しのこと。
⸺その後、中学生くらいのとき、別の学校に行ったたつみちゃんにばったり会った。
「まだ、私あのどんぐり大事に持ってるよ」
と私は言った。彼女は悲しそうに言った。
「ある朝、引き出しを開けたら、真っ黒い紙が入ってた。海苔みたいな。それで、おじいちゃん死んだんだな、と思ったの。そのあと親に知らせがきた。もうあのシステムがどういう仕組みだったのか一生わからない」
いや、いずれにしても一生わからないでしょ、そのシステム。
と思ったけれど、言わなかった。(24p)
まぁ、そんなこと、時々あるよね。
Posted by ブクログ
第一話は確かに遠野物語みたいで
少しほんわかとして期待したが
読み進むと現代風で
ちょっと期待がしぼんだ
でも残りの12話もそれぞれちょっと
ゾクッとする内容で
あっと言う間に読み終えた
現代にも起こりそうな不思議
Posted by ブクログ
吉本ばなな版遠野物語。
霊とか、妖怪が出てくるお話でした。
怖くはなく、むしろ物悲しいお話が多かったです。
生きている人と死んだ人双方への優しさに溢れた話だったと思います。
Posted by ブクログ
遠野物語をモチーフとした短編集。中でも、「光」という著者の実話を基にした話で人との距離の取り方、付き合い方に関する記述があって苦しさを乗り越えた中での著者のスタンスに惹かれた。できることは限られている。
Posted by ブクログ
カテゴリーはホラーにしたが、決めつけるのはもったいない。
どこにでも身近にある気がつかない様な不思議なおはなし短編集。『遠野物語』
「あらゆるところに僕たち家族がしみこんでいるあの家の魂よ。」「ふとんが友だちじゃない夜」
吉本ばななさんのこう言う表現が好きだ。
Posted by ブクログ
「すこしふしぎ」な死や霊を題材にした短編集。ばなな氏の手にかかると、怖さより優しく寄り添う気持ちになる。どの作品もどこか夢に出てきたりとかの懐かしさを感じる。狐にスカウトされた子供の話しとかわらしの話しとかクスッとさせるものが楽しかったが「唐揚げ」と「花」が切なかった。
Posted by ブクログ
オカルト、心霊好きな私をして、最近の心霊動画のクオリティには辟易するものがある。
また、
実話と謳ったその筋の文章作品にしても似たり寄ったりなものが多く、読みながらコレって前に読まなかったっけと首を捻る機会が増えている。
そんな中、怖がらせるというよりむしろ不思議な世界の存在を淡々と語る作品。
キツネに見込まれた少年のおはなし、最高でした。
Posted by ブクログ
あとがきから読むことをおススメ。
あとがきにあるとおり、「吉本ばなな版、遠野物語」ではあるものの恐怖や気味悪さといった後味の悪さは無く、少しだけ暖かさすら感じるような終わり方が秀逸でした。
Posted by ブクログ
実話を元にした「光」の自殺への考察がいろいろ考えさせられて良かった。後の短篇たちは言うならば白魔女に守られた不思議話という感じで、ちょっと怖い感じも醸しつつ温かい雰囲気に包まれている。
大家さんを守ろうとする幽霊や道案内をする子どものお話が良かった。
Posted by ブクログ
ヨシモトオノの意味を把握せずに手に取った。
『遠野物語』をモチーフにした話とのこと。
遠野物語っぽさや怖さというよりは
いつものばななさんのエッセイに近い印象。
「現代版の遠野物語」という宣伝文句に期待して読むのはおすすめできないと思う。
Posted by ブクログ
この著者はあまり読んでないんやけどたぶんそれが特徴かなとおもわれる、あっさりしてたどたどしくぎこちないでもどこか理屈っぽい文章で、今回はちょっとだけ奇妙かもしれないおはなしをたんたんとえがいている。『遠野物語』のように土着的ではなくもっと個人的・家族的。全体的にはメメント・モリという感じ。
Posted by ブクログ
幽霊、小さなおじさん、悪夢を見るベッドなど、不思議な話や残された人たちの想い。
死について考える話が多かったかな。
重苦しくなく、サラッとした読後感だった。
Posted by ブクログ
どの話も読んだ直後からすっと消えてしまうというか印象に残らなかった。本家の遠野物語はもちろん読んだことがあるけど、共通点がいまいち分からず。著者がちょっと不思議な話とあとがきに書いていたけど、まさにそれ。タイトルが合ってないのかもしれない。
Posted by ブクログ
ちょっぴり感想が難しいのだけど…
自分なりの見解は、要はあの時奇妙だった出来事はもしかしたら化け物の仕業かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
人生において、不思議だったこと、怖かったこと、奇妙だったことって1人3回はない?いやもっとか。
その出来事を掘り返してる感じ、
めちゃくちゃこわい!ってほどでもないけど
これってなんか奇妙で不気味だよねーみたいな
ストーリーがたくさん詰まってる感じ。
でも、ぎりぎり吉本ばななさんの文才なのか
やわらかく、こわくない。
不思議どまりの本って感じです。
Posted by ブクログ
ヨシモトオノ。最初このタイトルと表紙絵を見た時に、よしもと、斧???どんなホラーかと思ったけれど、藤子・F・不二雄さん的なSF(少し不思議)現代版の遠野物語という意味だそうだ。中学生の頃キッチンを読んで以来、20年以上よしもとさんの著作を読み続けていて、繊細な表現に心を掴まれたり、ときに励まされ、エッセイに笑い、日々のキラキラを大事にしたいと思ったりさまざまな感情と時を共にしてきた。最近の著作はあまりぐっとこころに来なくなり、合わなくなってしまった…と思っていたが、久しぶりに読んで良かったなと思える作品だった。どれも不思議というか、現代科学では証明できないエピソードつきの短編集だが、その中で人生で大切、それって素晴らしいと思える核心が垣間見れ、こんな不思議なできごともあるかもしれないと思える。
『光』だけちょっと恐くて、どちらかというと妬み恨み怨みみたいなものを感じて好きになれなかった。
『思い出の妙』は年をとって家族と過ごす中で、子ども時代の自分をきゅっと切なく抱きしめたくなるような気持ちになれた。
『楽園』は一見すると毒親?だが、主人公の心の描写からするとそれは愛された感触であり、自分自身が自分の体にはあらゆる種類の愛の痕跡しか感じないと言えるのがなんか良い。
『引き出し』のような不思議なエピソードってありそうだし、よしもとさんらしい話だと思った。
Posted by ブクログ
吉本ばなな版遠野物語
不思議がいっぱいでした
好きな短編は「幽霊」
恋は盲目だ。生きてるんだ、僕も彼女も生きてる。
触れる。明日も会える。
これ以上のことがこの世にあるだろうか。
あとはなんにもいらない、そう思った。
うん素敵!!
Posted by ブクログ
遠野物語の現代版といった作品集。身の回りで起こる少し不思議なことなど綴られている。スマホやLineなど現代のデバイスが出てきてギャップが面白いなと思った。
Posted by ブクログ
吉本ばななは「キッチン」のころ、いいなと思っていたのが、突然スピリチュアル系の話が混ざるようになり、その唐突感が気持ち悪くて避けていた。
でもこの本はすべてそういう系の短編なので、逆にこれはこれでアリなのだろうと思う。でもやっぱり好き嫌いは分かれるのではないか。
どの話も怖いようで最後はいい話、という流れになっているので怖い話が苦手な人も大丈夫。最初のうちは遠野物語的なオチのなさがあって、そこが良かったのだが、最後の方に向かうにつれ、作り話っぽさも感じた。