小説・文芸の高評価レビュー
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"熟柿"とリアルな柿の絵だけの表紙。
最初はなんで読むんだろう?じゅくがき?と思ってどんなストーリーか全く想像できないまま、表紙のインパクトに惹かれて読み始めました。
読み終わった上で表紙を見ると、表面的ではなく、いつか来る日を夢見て生きる主人公のかおりを映しているかのような美しさを感じました。
途中主人公の心情が纏まりきらず、本音を言うと本書読むのも疲れちゃう感じではあったけど、焦らずにじっくり本書に向き合って読み続けたら、最後に最高の読後感を味わうことが出来ました。
今や何事もネットで調べたら意見や評価、考察が出てくる時代だけど、まずはこの言葉を深く調べずに最初か -
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ネタバレ長年一つの学校に勤め続け、もはや存在が学校の伝統そのものになってしまった、チップス先生。
教師としては平凡な存在であるように書かれているけれど、長く一つのことを続けることと、どんな状況においてもユーモアのセンスを忘れないことは、得難い長所であると思う。
特に、戦時下で敵の攻撃を受けながら授業を続ける中で、生徒を一笑いさせる場面に「この人本物だ、、」と思わせる強靭さを感じた。
悲観的な状況でこそ、外からくるものに飲み込まれず、ユーモアを手放さない力強さを自分も養っていきたい。
中編くらいのコンパクトな文量に、あまり好き嫌いの分かれなそうなテーマと親しみやすい文体、最低限チップス先生だけ把握でき -
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剣崎比留子シリーズ当初に出たクセ強キャラの短編集。「〈明智恭介〉シリーズ第一短編集」と書かれてるのでまだ出るのかな?
屍人荘の殺人以前の話という事で、人が死ぬ事はないけれど、少し奇妙な謎たちに巻き込まれ?突っ込んで?解き明かしていってます。途中「これが真相?何か消化不良…」となったところで解き明かされる真相にスッキリしました。
殺人事件以外のミステリはあまり興味なかったんですが、明智くんのクセ強キャラ、ナイスな助手役の葉村くん、仕事としての探偵事務所の方々、周りを取り巻くサポートややりとりも読んでて楽しく、絶妙に気持ち悪い日常ミステリに引き込まれました。こうやって警察が関わらない謎も多いんだろ -
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問いかけから始まる文体が多いからなのか、角田光代さんとちょっとした行きつけのバーや喫茶店で恋バナやら人生やらについてよもやま話をしているような気分になる一冊。
「あなたも一度くらいあるよねえ?褒められてキャラが微妙に変わったこと」
「男運なんてものは存在しなくて、私も友人も知人も、自分のシンプルな基本設定に忠実に恋愛をしてきただけなのではないか、と思うのだ。
〜大事なことと許せないこと、つまるところこの二点を満たしている男と、人はだれでもつきあうのではないかしらん。
〜男運が悪いと言われている女の子って、つまり基本設定がゆるいというか、即物的ではないだけなのではないかと」
「当事者であり -
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ネタバレ60代のオカンである明子とダメ息子の雄大がラップバトルする話。
男の世界であるラップバトルに出て女である沙羅がまともに相手してもらえないもどかしさはわかる気がする。
親と子のすれ違いは「一緒に食事してほしかった」「え、そんなこと?」という小さいことから始まるというのもリアル。子どもがさっさと食べなかったりするから親が食事時間をずらすのも心当たりがある。子どもが「見てて」って言ってるのに目の前のことを優先しちゃったり。
ラップバトルも当然対戦すると思ってたら明子が棄権しちゃって、このまま対戦せず終わるのかとドキドキしちゃった。
担ぎ上げられたのではなく自分でやると決めて舞台に立った明子の決意が -
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①PVを稼ぐためにメディアも解りやすさを重視する+見る側も疲れやコスパタイパを求める→反知性主義、お客様重視、自分視点
②本は「情報を伝える」媒体でしかない→情報が欲しいけど本を無理矢理読んでいた層が、オーディブルや動画に移った
③話す力はあっても聴く力がない→興味ない話題はシャットダウン+話したがりで他の人の話のターンに被せてくる
読書は聴く力が高まるとXで最近見かけるが、それは著者の話を文章を通して「能動的に聴く」ターン=読むがあるからだと思う。
④無料抜粋記事で満足→本を買わない
ゲームの配信や映画の切り抜き、ショート動画で満足するのと同じ。
⑤書店の本だらけの知的な圧が強い+出 -
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大阪にあるビルで質屋の亭主、桐原洋介が殺される。
当時小学生だった、桐原洋介の息子、桐原亮司が犯人。亮司は西本雪穂と仲良くしていた、付き合っていた?が、西本雪穂が、母の西本文代から桐原洋介に売られていた。(洋介からお金をもらう代わりに娘、雪穂の体を売っていた)
その光景を大阪のビルで亮司は目撃することになり、その場で父親の洋介を殺し、雪穂を助ける。
亮司は父親が原因で、母が不倫し家族が崩れたことと、実の父親が幼女を襲った、それが自分が親しくしていた雪穂だったというショッキングな経験をする。
雪穂も、母親に売られていたという、経験を幼少期にしていた。
亮司や雪穂が共に親を殺した動機は同情するが、 -
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昼の話を特に疑うこともなく読んでいたら、夜の話の最初であれれ?となりました。昼の話も夜の話も、先が気になってどんどん読み進めてしまいました。
1番最後に明らかになった真実はなんとなく予想はしていたのですが(何か疑うような描写があったわけではなく、私の完全なヤマ勘です)、最後たたみかけるように色々な真実が明らかになるのは見事だなあと思いました。何一つ真実を知らずに咲子さんと別れることになった茜はかわいそうだなと思いますが、反面それはみんなが茜を守りきったからだと思うと、茜本人は実感することはできないけれど、こんなにみんなから大切にされて幸せ者なのだろうとも思います。咲子さんは、一つ一つは誰にでも -
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11の間取り。「共通点」から見えてくる恐ろしい企み。ミステリーというより人間ドラマと言っても過言ではないのでは。
これは一冊通して『ヒトコワ』。ここに登場するのは「どうしようもないクズ」ではなく「育ちに抗えなかった人」。みんな「ふつうの感覚」を持つことができた、あるいはできたはずの人。人生をかけたヒトコワほど恐ろしいものはない
先の予想がことごとく外れていくおもしろさを感じながらも、その展開に苦しくなる。けれどサクサク読めるのは雨穴さんの筆力こそ。雨穴さんの文章は「描きすぎる」ことがなくひたすら飄々と、淡々としているので読みやすいし、余韻が残る
そういえば買ってなかったと思い、先日購入。
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