あらすじ
俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ! 極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、作家生活20周年の節目を飾る芸道小説の金字塔。
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歌舞伎見たくなる。菊男と徳次の友情が最高。菊男の芸に一途なところ、受けた恩は必ず返すところ、粋だなと思った。順風満帆には行かないけど、厳しい世界だけど、思い続ける事で必ず夢に近づいていく。面白かった!
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映画が話題になっている。原作が元々気になっていたので手に取った。しばらく積んでいたが読んでみたら止まらなくなった。みずみずしく、欲望も渦巻く青春物語。喜久雄のサクセスストーリーかと思えば、そうではなさそう。甘ったれた俊介が出奔するが、巻末で成長して戻ってきた。当初と違う人物模様。悪意と信念と。年末に忙しいのに手が止まらなくなっている。
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歌舞伎は歌舞伎座で実際に観たことはあるが、それほど関心はなかった。「国宝」の映画が大ヒットしているとはいえ、原作を読もうとは思わなかった。しかし、妻が「国宝」の映画を観てきて原作も読んで勧めてくれたので、読まないわけにもいかず読むことに。
あまり関心がない歌舞伎のことが書かれている小説じゃ読むのも疲れるだろうなと思いながら読み始めると......!
リズムが良い独特な語り口でスラスラ読むことができた。しかもおもしろい!
歌舞伎の演目やわからない用語が出てくるたびにスマホで調べながら楽しく読むことができた。
第一章で、主人公喜久雄の父親である立花組組長、権五郎の新年会の席に、宮地組の子分たちが殴り込んで来て、真っ白な雪を血しぶきで赤く染めていくという場面が凄惨なシーンでありながら一番心に残った。
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話題作で本屋に大量に積み上げられていたので読んでみた。喜久雄と俊介という2人の役者の成長物語です。独特な語り口が特徴で慣れるまで少し時間がかかるけどこの語り口こそが物語の雰囲気を仕立てていて魅力的です。詳しい感想は下巻に。
Posted by ブクログ
間違いなく今年1番の作品。
最初は文体になかなか馴染めなかったが、その文体こそが更に歌舞伎の世界にのめり込ませてくれる。
歌舞伎に全く触れたことがないのに、舞台の香りや空気感まで感じることができ、自分が観客であるような感覚になった。長崎の少年時代ですでに映画一本創れるような情報量。見ればまだ厚さ1センチ分もなかった。各々の人物の過去や梨園の女たちの生き方と強さが細かく描かれていて、全ての登場人物に感情移入してしまう。
上下読み終えた後は放心状態…国宝になる程の人間の心の内は計り知れないなと。
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映画を見たので
そのキャストを思い浮かべながら読みました
原作は映画とは少し違っていて・・・
映画には出てこない人物が登場したりして
物語により深みが出てて、色々楽しめました
おそらく、映画を先に見ていなかったら
小説から、歌舞伎を想像するのは難しかったかもしれません
やっぱり、映画を見てから読むのがオススメかも~。
Posted by ブクログ
映画が大ヒット!ということで興味を持ち、読んでみたが、、、
「映画の脚本本」と思って舐めていたが、本当に面白く、、、読む手が止まらなかった。
時代背景、任侠の世界、敗戦後の長崎、万博前の大阪、芸妓、舞妓の世界に、義太夫。。。
とても新鮮で、でも、身近に感じられるわかりやすい説明、筆致で、本当に楽しく読めた。
Posted by ブクログ
歌舞伎というなじみのない世界を生きてゆく男の物語。非常に重厚な小説だった。語り口は古典劇の口上を聞くような感じであり、また一般の人にはあまりなじみがなくて退屈しそうな歌舞伎の舞台の場面の描写も非常に臨場感にあふれていて、実際に歌舞伎を観るよりも迫力があるのではないかと思ってしまう。主人公の喜久雄は芸の道を究めてゆくのだが、最初は多くの仲間に囲まれていたのが、年を取ってゆくこともあり、また自分がどんどんと芸の高みに登ってゆくこともあり、それにつれてだんだんと孤独になってゆく。その姿が非常に寂しそうで印象的だった。その姿はこの小説を原作にした映画でも描かれるのだが、映画ではあまり描かれることがなかったのが、主人公喜久雄を少年のころからずっと支え続けてきた徳次だった。主人公の不良仲間のような人物だが、それでも非常に男気があり、また主人公に対する忠義は強く、またチャンスをものにするための思い切りにも富む人物。いずれも私にはないもので、かっこよくもうらやましくも思えた。映画も非常に良かった、原作と映画とどちらがいいかといわれると、甲乙つけがたい感じ。映画を観た人には原作も読んでほしいと思う。
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映画はとても良かったけど、ところどころよくわからなかったので読んでみようと。いや〜…本当に読んで良かった!!
何度も心の中で「喜久雄〜!!」って叫びました。
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先週、映画「国宝」が、歴代邦画実写の興行収入ランキングで1位になったというニュースがありましたね!「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年)が22年間首位を譲っていなかったことも同時に知ることになって、そっちにも驚いちゃったな。
「国宝」は朝日新聞に2017年1月1日から2018年5月29日まで連載され、2018年に加筆修正されて書籍化された作品です。2019年がコロナ禍の始まりだったから、それが無かったら、もっと早くに映画になっていたこともあり得たのだろうか。
私の家族に作者のファンがいます。映画が公開されると初日近くに早々と一人で観に行き、「素晴らしい映画化だった!でも良い映画になった要因はなんといっても原作が良いからだよ!」と興奮気味に語っていました。映画は2025年6月6日に公開されてから驚異のロングラン。今、12月6日ですがまだ上映している映画館があります。映画がロングランとなり、テレビなどで話題が上がるたび、家族が同じ感想を繰り返すので、私も自然と「原作を読んでみようかな。」という気持ちになりました。(ちなみに映画はまだ観ていません。原作を読み終わったら観てみよう。)
上巻まで読んだ感想としては、本当に面白い小説だな、と感じました。新聞小説という毎日読ませなくてはいけない媒体だったせいか、山場の連続です。全然違う作品だけれど、次々とページをめくらせる感じはさながら「ガラスの仮面」。登場人物たちの織りなす人間模様も鮮やかですが劇中劇ともいえる歌舞伎の演目もとても華やか。
上巻は、任侠に生まれ歌舞伎役者に引き取られた喜久雄と、歌舞伎の名門に生まれた俊介という境遇の違う2人の青春時代の話。様々な出来事を経て10年出奔していた俊介と、役者として苦境に立たされていた喜久雄が再会し、喜久雄が歌舞伎役者としてもう一度一旗揚げようと決意するところで終わります。
私が上巻まで読んで「ずっとハラハラしっぱなしで、とてもつらかった。」と家族に言うと「下巻も早く読むと良いよ!」と勧められました。下巻も早く読まなくては。下巻もずっとハラハラするのかな。
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映画が良かったので、ぜひ原作を、と思って読みました。頭の中に情景が浮かび、登場人物たちの息づかいを感じました。期待どおり、おもしろかったです。
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映画「国宝」を観たあと、この原作を読みたかった。九州のとある任侠一家の息子喜久雄が歌舞伎の世界に飛び込んだ。そこで出会ったのが関西歌舞伎の名門の2代目花井半次郎の跡取り息子俊介。
優れた才能の片鱗を魅せるが血筋を持たない喜久雄と、名門を背負いどこかおっとりしている面を持ちながら喜久雄の才能に嫉妬し苦悩する俊介。
そこから目まぐるしい展開で物語は進み、やがて意外な展開に。
春江など二人を見守る女性たちの気持ちの移り変わりも見逃せない。
映画から。
映画を見ました。素晴らしくて、今も心に情景が浮かびます。映像化、アニメ化で作品を知り、原作を読みます。それがどう演出されたのかが楽しみです。今回、キャラクターの細かな背景を知ることができました。全ては原作ありき。
Posted by ブクログ
極道の子に生まれた喜久雄は、ヤクザ同士の抗争により、父を亡くしてしてしまう。父を殺した辻村という男に仇打ちを計るも失敗し、故郷の長崎を跡にすることになる。下宿先は大阪、折下、父を失ったときの新年会で喜久雄がやった余興の舞台を見た歌舞伎役者、花井半次郎の家だった。そこから喜久雄は、ヤクザとの縁を切り、歌舞伎役者となるため、厳しい修行の道に励むようになるのだった。
映画を見てきたところ、うちの母親も読みたいと言うのでついでに一緒に読もうということになり買った本。映画よりも原作の方が断然面白いようには思う。映画は、大事なところが抜けているという原作ファンの前評判を聞いていたが、原作ファンの言っていることも分からなくもない。個人的には映画の方も好きである。映画は、とにかくビジュアルが綺麗。本物の歌舞伎の舞台を見てみたくなる。
うちの母親が読み始めて第一声に言った感想は、この時代のヤクザって日本刀とか持ってたんだ、とのお言葉であった。そこなんかい、とも思ったが、たしかにこの本を読んだときに一番へぇと思ったのが、歌舞伎役者の成長話以上に、喜久雄を取り巻く芸能界とヤクザの繋がりだった。そもそも、この小説は、ヤクザを描く任侠小説のような始まり方をする。
「パン」
ひどく乾いた音でした。賑やかな新年会から大立ち回りの乱闘のあとだったせいか、それはあまりにも呆気なく、何の盛り上がりもない乾いた音で、一人の人間が死ぬ音ではありません。日本刀やドスで斬り殺されれば、必ず太鼓の音がドロドロと鳴り響きます。しかし……。
「パン」
そのとき仁王立ちの権五郎の腹に二発目が撃たれました。権五郎はまだ戸惑ったように、長年可愛がってきた弟分の辻村が見つめております。そして自分が死ぬことにやっと気がついたように、
「ん?」
と、小さく唸ったそうでございます。(p47)
喜久雄は、この物語の中で二回、父を失くすことになる。一度目は実の父権五郎の死。二度目は、役者として自分を育ててくれた師匠半次郎の死である。二人に共通しているのは、道半ばで死んでしまい、残された人々の生活を大きく変えてしまうことである。
権五郎亡き後、妻のマツは住んでいた屋敷の権利を失う。同じように半次郎が亡くなってからも、妻の幸子たちは家を失い、多額の借金が残されることになる。
切ないのは、半次郎が亡くなるシーンである。
そこだけぽつんと明るい深夜外来の扉から階段を駆け上がり、まっすぐに病室へ延びる長く暗い廊下で、喜久雄がまた、
「旦那はん、待っとくなはれ!」
と心で叫び、駆け出そうとしたそのときでございます。
「俊ぼーん! 俊ぼーーーん!」
聞こえてきたのは、そう叫ぶ白虎の声。
「俊ぼーん、俊ぼーん……」
と我が子を呼ぶ父の声なのでございます。(p315)
二代目半次郎が白虎を襲名するにあたって、三代目半次郎を襲名した喜久雄。その襲名式の最中、白虎は吐血し、倒れてしまう。
喜久雄は、その芸を認められて、半次郎という大名跡を、俊介をさしおいて襲名させてもらうことになる。しかし、いよいよ最期となる死の間際、白虎が病床で呼んだのは、名前を継がせることのなかった実の息子俊介の名前だった。
当然と言えば当然なのかもしれないが、結局、最後にかわいかったのは我が子だった。実の父のように白虎を慕い、稽古を重ねてきた喜久雄だったが、やはり本当の父は権五郎一人であり、権五郎は、中学生のときに死んでしまっていたのだった。どれだけ芸を磨いて、師匠に認められようとも、血が与えてくれる無条件の愛情を得ることは叶わないのである。
そして、喜久雄に突きつけられる現実は、血のつながりのない歌舞伎の世界で、どれだけ芸を磨いても、舞台に立つことは叶わないという現実であった。そして、舞台の役を手に入れるために、自分を慕ってくれている女に、喜久雄は手を出すのである。
身につけた芸は、どこまで通用するのか。任侠の家に生まれたという血が、どのように喜久雄の人生に影をさすのか。そういった物語が、この先展開されるのであろう。そしてそれは、案外映画が取りこぼしているテーマなのではないかと思った。
もう一つ、映画を見てから印象的に感じるのは、地の文の語り口だ。この物語の語りは、それこそお客に向けて芝居の口上のようである。この語り口によって、喜久雄たちの物語は、舞台の上で展開される芝居の様相を呈してくる。
芝居の役者には決まった役割があり、決まったセリフがある。芝居じみた語りの中で、そうした役割に抗いながら生きるところに、それぞれのキャラクターの人間らしさが表れているのではないか。
この物語は、劇的な事件で与えられた役割に囚われながらも、抗おうとする姿を通して、人間らしさを表現しようとした物語なのだと思う。そのための舞台装置が、極めて口語的な語り手の語り口調なのだ。
昭和の空気感を色濃く残した時代が、生々しく描かれる小説。どこか昔の写真のように色のボケた映像を想像させる昔語りを楽しみたいと思う本だった。
Posted by ブクログ
映画を観てから読みました
映画ではカットされていた部分がかなり多くあることに驚き
それぞれの心情やことの経緯なども映画では分からなかった部分が補完されていく
喜久雄の継母は喜久雄を大阪へ厄介払いしたのかと思ったらまったくの逆だったり
俊介の母も、実の子よりも部屋子に目をかけた夫を憎しみながらも「役者の妻」としての矜持を見せたり
市駒や娘など、女性たちの姿が印象的
Posted by ブクログ
歌舞伎という伝統芸能を題材にしながらも、現代の読者に鋭く刺さる普遍性を備えた一冊。
特に主人公二人の生き様を通して描かれる美意識は、まさに日本的なわびさびそのもの。
歌舞伎の世界観を立体的に感じられた小説。
読後には自分の視界が一段深まったような感覚すらあった。
めっちゃおもろかったし、知的な刺激と情緒が絶妙に混ざり合う読書体験。
Posted by ブクログ
映画と原作での解離を楽しめたらと思って読み始めた本作品だったが、映像で見た情景の焼き直しはものすごく絶大に胸に飛び込んできたし、早い流れで理解の及ばなかったところもしっかりと回収できたように思う。
衝撃だったのは喜久雄の父の死。辻村の存在無しには語れないし、彼がのし上がっていく過程で罪滅ぼし的な意味もあるのかな。
映画では田中泯さんの演技が鬼気迫るものがあって。やはり物語でもすごみがあって。後半どうなっていくかもわかっているのに答え合わせのようで今からたのしみにでしかない。
Posted by ブクログ
歌舞伎については、梨園とか海老蔵、内容が難しいとかそんな表現力しかないが、実際の舞台を観てみたいと思うほど話に入り込む。
極道を継がせたくない親心から、歌舞伎の世界に入った喜久雄。血を重んじる歌舞伎界では結局主役は張れないのか、、、?
ここから、どう喜久雄が這い上がるのか!がんばれ、喜久雄!俊ぼんもがんばれ!
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周囲の人から「「国宝」の映画良かったよ」との評判を聞いて、気になったので小説を読んでみました。
任侠の世界から歌舞伎の世界に挑戦する若者のことを絵が得ていました。「辻村」の存在が大きなポイントだと思いました。立花組と宮地組が対立していたときに「辻村」が言ったセリフが印象に残っています。「現在の宮地大親分個人の活躍と宮地組の凋落とを見れば分かる通り、これからのヤクザは表に出ないとならん。シマだのシノギだの小さな世界じゃのうて、日本の表経済に食い込んでいかんとならん。その希望の星が喜久雄ですたい」この言葉によって任侠の世界から歌舞伎の世界へ挑戦で来たと思います。このストーリーの流れを読んで、これは読者をひきつけ、映画で人気が出る良い作品だと思います。襲名披露の所も良かったし全体的に話の展開が分かりやすかったです。
このテンションを保って下巻を読みたいと思います。
Posted by ブクログ
第一章 料亭花丸の場
最後まで読んで、第一章に戻ると、ここに重要な内容が盛り込まれていたことに気がつく。
ここから、「国宝」までの道が始まったんだな。
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時間の流れとしては50年以上の長い物語だけれど、ぐいぐい進んで一気に読めた。映画は見ていないが、おそらくだいぶコンセプトが違いそうな気がする。
どこまで行っても、喜久雄が芸(歌舞伎)にどう向き合うか、芸を極めた先に何があるか、という軸が中心にあり、時にそこから大きく離れても、重力に引っ張られるようにまた戻ってきて、むしろ速度は上がっているような、そんな読書感。
Posted by ブクログ
感慨深く読ませて頂きました
まずは、自分より少し上の設定であるのに、「ザ・昭和」が非常に楽しめた。昔心躍らせて観た映画を思い出す!「仁義なき戦い」「修羅の群れ」「麻雀放浪記」「ガキ帝国」あげていくとキリがない!著書(上巻)では若者のガラスの様にいつ壊れるかわからない精神状態、憤りや葛藤、矛盾に理不尽とにかく青春という蒼くて切ない、登場人物それぞれの想いが表現されており、ここから円熟味や成長、道を極めんとするプロの想いが下巻に続くとなると楽しみで仕方ない!
また、物語として正しい表現かわからないが、「くどくない」あっさりと読み進めることが出来る、これは小説であるのに、邪魔にならない女性の語り部の様なナレーションによるものかと想う。
歌舞伎の知識の無い自分が読みやすく、「人間ドラマ」を楽しませていただいた、重厚な一冊!
下巻を刮目して読み進めていきたい!
Posted by ブクログ
世襲制 歌舞伎のみならず茶道や政治家、天皇家など世襲制が続いているものがあります。当事者の苦悩や、傍観者の羨望があることは容易に想像が付きます。その異質で混沌とした世界に任侠や青春が織り込まれ、女型という視点が上手く作用していると感じました。下巻が楽しみです。
Posted by ブクログ
映画に衝撃を受けてその日のうちに購入。映画では端折られてた人物やシーンがほとんどで、結末を知ってても面白く読めた。
とにかく喜久雄の周りが皆いい人すぎる。特に女性たちの強さというか器の大きさがすごい。あとは徳次が人情溢れてて魅力的。彼らが映画であんまり描かれてなかったのが勿体ない(なんなら徳次は登場すらしてない?)。だけど、この大作を映画に上手く落とし込んだのはすごいなとも思う。
辻村だけがよく分からなかった。喜久雄の父親を殺したのに恨まれてなさそうだし、仇どころかむしろ味方なの?
匿名
引き込まれました
映画が好評ということで、とても気になっていたのですが、原作が有るという事で、映画を見る前に読むことにしました。どちらが先が良かったか?はまだ分かりませんが、とても面白く、あっという間に上巻を読み終えました。早く映画がみたいです。
Posted by ブクログ
歌舞伎という血筋の色が濃い世界で、技術だけではどうしようもない限界があることを思い知る。やるせなさがあります。しかしこれは何も歌舞伎の世界だけでないでしょう。皆さんの生きる世にもそういった世界がどこかしらあるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
歌舞伎の世界ってすごく狭いんだなって思った
血筋がとても大切で、そんな中がんばっている
喜久雄。
並大抵の努力ではないだろうし
同情してしまう部分があった。
映画はまだ見ていないから観てみたいかも。
下も楽しみ
Posted by ブクログ
任侠の家に生まれた少年・喜久雄は、抗争によって父を亡くすと、歌舞伎界の名門・花井半二郎に引き取られる。半次郎には、喜久雄と同い年の息子・俊介がいた。喜久雄と俊介は、お互いをライバルとして稽古に励んでいくが、半次郎が後継者として指名したのは喜久雄だった。
22年ぶりに実写の邦画で歴代No.1の記録を更新した映画の原作。
話題につられて映画を見たら原作が気になったので読んでみた。
映画の冒頭で事件を起こそうとする喜久雄。映画では、事件はどうなったのか。その後、どのような経緯で花井半次郎に引き取られることになったのかよくわからなかったんだけど、小説ではきちんと描かれていた。
小説は、「このときやってきたのが喜久雄でございました」といったように、文体が思いのほか丁寧だった。
映画では流血シーンやベッドシーンがなかなか強烈な印象だったけど、小説ではそこまで露骨には描かれていない。映画ならではの、音と映像の迫力にあらためて感心する。
といって原作が物足りないわけではなく、細かい部分も丁寧に描かれていて、より世界に入っていけるといった感じ。
話も映画とは少し違うので、下巻の展開が気になる。