【感想・ネタバレ】国宝 下 花道篇のレビュー

あらすじ

鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある──。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、『悪人』『怒り』につづくエンターテイメント超大作!

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《歌舞伎》への底しれぬ愛情。

2025年7月読了。

話題に成っている映画の方を先に観て、映画は映画でとても素晴らしかったのだが、3時間の尺でも『何かのダイジェスト版を見されられている』様な気がして、速攻で原作を読んだ。
映画を先に観ていたお陰で、名前と顔が直ぐに浮かび、劇場で「喰い足りない感」が有ったのを、原作を読むことで本当に心から堪能した。

ただ、劇場版が笑いなしのシリアスタッチだったのに対し、原作は笑い有り涙ありの波瀾万丈な物語だった事が一番意外に感じた事だ。まぁこれだけの作品を映画化するには、ストーリーを相当にカットしなければ3時間どころでは済まないことに成ったのであろうから、致し方無かったのかもしれないが…。

本当に、吉田修一が此処まで《歌舞伎の素晴らしさ》を描き出せるとは思っていなかったので、その事も意外で有り、こうした伝統芸能について《がっぷり四つ》でぶつかった文芸作品は早々出会えないので最大の賛辞を送りたい。
又、映画の方も原作とは異なる解釈では有ったが大変素晴らしかったので、原作と映画、両方とも違う味合いで魅了された事が何よりの喜びだった。
映画はスゴい興収に成っているそうだが、原作ももっともっと多くの人に読んでいただきたい《大傑作》である。

映画を観て、原作を読んで、今また『映画』が観たいな…と思っている。つくづく《歌舞伎の世界》は素晴らしい…。

#笑える #感動する #深い

2
2025年07月26日

aaa

ネタバレ 購入済み

映画より面白い

映画が面白かったので、原作を読んでみた。
大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。

1
2025年09月13日

Posted by ブクログ

全員が幸せになることは難しいとはいえ、さすがに辛すぎる。
芸に生きるっていうのは才がないと難しいよな

0
2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み応えがありとても面白かった。
喜久雄の芸が常人離れしていくにつれ、独り狂気に染まり、神の領域に踏み込んでいく様を臨場感を持って楽しめた。時間をおいて何回も読みたいと思わせるような作品だった。

0
2026年05月23日

Posted by ブクログ

audibleで。役者の世界、梨園の厳しさに圧倒され、引き摺り込まれるように下巻に突入。
喜久雄に半次郎を襲名させることに決めた訳が、下巻では明かされている。丹波屋に戻ってきて花井半弥として屋号を継ぎ、順風満帆かと思われた俊介に降りかかる不幸。それと対比するように浮上する喜久雄の運。どのように言われようとも、芸を磨き舞台に立ち観客を虜にする喜久雄。喜久雄の会話部分が少なくなっていくにつれ、孤高感が増し、哀しいほど美しいのだと感じてしまう。
しかし、狂気に取り憑かれたかのように役者であろうとする男たちを、必死で愛し支えた女たちの戦いもまた、この下巻で心に残る部分だった。
ラストは、本当に、なんと言っていいかわからない(涙)

0
2026年05月22日

Posted by ブクログ

映画を観ていなくても浮かぶ情景、圧巻でした。特に印象的なのは源氏物語のシーン、映画では描かれていないとの事で、とても残念ですが、映像に勝る小説の方が読書家としては嬉しいですね。
(ちょうど来月からアマプラで配信されるということなので、観てどう感じるか、楽しみです。)
メディアや反社との関係など、古き良き昭和という感じで、何もかも露わになって、美しさの欠けらも無い現代に警鐘を鳴らしている様に感じました。歌舞伎役者たちの生き様が(死ぬ直前まで)本当に格好良い!

0
2026年05月21日

Posted by ブクログ

上巻より下巻の方が読み応えがあった。

歌舞伎と生きる役者と、
それを支える男達、女達。

卓越した能力から来る孤独、
人を超越した存在へ。
進んだ先は、
神の領域か、狂気か。

0
2026年05月20日

Posted by ブクログ

ヤクザの親分の息子が女形の歌舞伎役者に弟子入りするお話

映画も大ヒットして小説の感想を書いている人も大勢いるので、個人的に思った事を連連と

喜久雄の特定のモデルはいないという事だけど
梨園の代々の血筋の出自ではなく、女形で大成して人間国宝となった人と言えば坂東玉三郎を思い浮かべてしまう
まぁ、あの方も料亭の息子で幼い頃から日舞を習ってたりするので
喜久雄の境遇ともまったく違うんですけどね


喜久雄と俊介
出自の違いはあったけど、俊介の父であり二人の師匠である二代目半次郎は喜久雄の方に何かを見た
その結果として俊介の出奔
これって、本当に喜久雄の方に何かの素養があったのだろうか?
その時だけのアドバンテージだったとしたら、俊介が不憫
これがなければ跡目問題はなかったのにね

そんなきっかけから噴出するあれこれの問題
血筋、興行、世間の流行、伝統芸能
梨園の中のドロドロとした人間関係
この辺はイメージ通りではあるのだけど、どの程度が本当なのでしょうね?

俊介が戻ってからも丹波屋の苦難は続く
ってか、喜久雄の元恋人 春江
俊介とそんな関係になっていて、喜久雄よりそっちを選ぶとは思わなかった
あと、出奔した後の二人の生活も中々に壮絶
自分の腕の中で冷たくなっていく息子をただ抱きしめるしかない状況というのは想像するに恐ろしい
そして薬物依存とかね……
春江、よく寄り添ったなぁ
そして丹波屋に戻ってからも安心できるような状況は続かなかったわけだしね


喜久雄の世話焼きの徳次
何だかんだ言って、最後は徳次が喜久雄を助けてくれる展開は胸熱


喜久雄の家族観も当時としたら普通なのかな?
娘 綾乃の反抗期
親とは言っても長い間一緒に暮らしてなかったしね
そこまで親子という感覚はお互いになかったのではなかろうか?
そしてやはりここでも徳次の男気が胸熱

しかし、後に綾乃も結婚して喜重に襲いかかるヤケドという災難
綾乃としたら、そりゃぁ幼い頃の父親の願いのせいと思っても仕方がないでしょうね


そんな喜久雄が何かと乖離するきっかけ
「藤娘」を舞っているときに、観客の一人が舞台に上がってきた事件
舞台という仮初めの世界と現実が入り混じってしまったわけで

それ以降「喜久雄はどうなってしまうんだろ?」という恐ろしさを感じた
人間離れというか、人ならざる領域に足を踏み入れた感があるんだよなぁ

舞台の上では、本当に人ではなかったのかもしれないなぁ……


映画は未視聴なので、機会があったら観てみたい
このまま全部を映像化出来てるとは思わないので、どこを省略して設定を変えたのか、興味はある

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俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ!

極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、
芸の道に青春を捧げていく。

芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をW受賞、
作家生活20周年の節目を飾る芸道小説の金字塔。

1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。
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0
2026年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観て小説版も読んでみたいと思い購入。映画と同じ世界なのに、全く別の人生が描かれており衝撃を受けた。最近読んだ小説の中ではダントツで人におすすめしたい。

0
2026年05月17日

Posted by ブクログ

映画が良すぎて小説も読みたくなったので購入
社会人になって本を読まなくなって長く時間が経ってしまったけど、久しぶりに読んだ本が面白かった映画を更に深く楽しめる内容で最高だった
これをきっかけにまた本を読み始めて新しい趣味ができたしたくさんいい本に出会えたのでそれ込みで大事な1冊

0
2026年05月17日

Posted by ブクログ

芸能に身を捧げた男たち、それを支える女たちの覚悟と行く末に、強い畏敬の念を感じずにはいられなくなる作品でした。
主人公が、他に何もいらないから歌舞伎が上手くなりますようにと願い、それを悪魔との契約だと話すシーンがあります。子供じみているとも、無邪気で一途ともとれる、漠然とした祈りの真ん中にある思いの強さからなのか、そう祈ってしまうくらい、既に歌舞伎に己を差し出してしまっていたからなのか、卵が先か鶏が先か分かりませんが、周りの不幸と引き換えにどんどんこの世界の神に近づいていく様を見ると、大成してくれて喜ぶ気持ちよりも、恐ろしさや危うさの気持ちが強くなってしまうのだなと知ることができました。私はそのような自分にも周りにも感じたことの無い、平和で凡庸な人生を歩んできたので、その凡庸さに少し感謝してしまうほどです。
歌舞伎のことを知らずに読んだので、歌舞伎の演目についてはよく分からずに読み進めていましたが、最後の解説にて歌舞伎の各演目とこの作品のストーリーには結び付きがあることを知り、歌舞伎を見てみたい気持ちが強まりました。
読者に物語を語りかけるような語り口で、まるで作品が舞台で繰り広げられていて、それを目の前で見ているような感覚になる楽しさがあります。歌舞伎の勉強をしてまた読み返したいなと思います。

0
2026年05月16日

Posted by ブクログ

読んだ後の満足感。どっしりとくるものがあった。すごく面白い喜久雄の伝記を読んだような。喜久雄は芸を突き詰めて幸せだったのだろうか。
映画がすごく好きで読んでみたけど、やっぱり小説のがおもしろい!ここも映画にしてほしかったと思うシーンもちらほら。でも映画を観たおかげで映像を想像しやすくてよかった。吉沢亮と横浜流星ぴったりなのでは!!

0
2026年05月14日

Posted by ブクログ

芸を極め、地位と名声が膨れ上がるほど生まれいづる孤独。そんなときに支えとなるのは、過ごして来た日々の原風景なのではないか。いつまで経ってもあの頃の記憶は薄れないものなのだなぁ。

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

2025映画化されて話題の作品。
喜久雄と徳次と俊介を中心とした話がともかく面白い、久しぶりに読み進めるのが止まらなかった作品。
映画は観ていないが、どの様に映画化されているのかぜひ観てみたい。
歌舞伎にはここまでの魅力があるのか?
ぜひ歌舞伎座で歌舞伎を観てみたい。

0
2026年05月11日

Posted by ブクログ

主人公の喜久雄の人生が幼少から晩年までのとても長い時間にもかかわらず、ひとつひとつの場面と言葉がとても丁寧で美しく描かれている作品でした。波乱万丈と言う言葉では言い尽くせない人生中で喜久雄が演じる女形が目に浮かぶようでした。残念なのは本を読み終えてから映画を観ようと思っていましたが本を読み終えた時には既に上映が終了していました。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

喜久雄の生涯を鮮やかに表現した小説で、長編だが読みやすく考えさせられる内容だった。
恵まれた容姿の女形が人生で多くの経験をしていく中で徐々に演技に重みが増してくると同時に現実社会では孤立していくという裏表の関係を美しい歌舞伎の演目と共に描かれており、数回読んでも、その時の読み手の年齢や経験により解釈が異なってくるのではないかという深みを感じた。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

喜久雄は、血筋のない極道の世界から歌舞伎の頂点へと登り詰めた。それは、幸せな人生だったのか。芸のみを追求しすべてを失い、最後は自分の肉体をも失ったってこと??考えさせられるラストシーン。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

今まで歌舞伎の世界には興味が無かったのですが、映画を観て入口から少し覗いてみた感じでした。小説を読み終えて、主人公だけではなく、その世界に携わる人たちの苦悩や葛藤、喜びや充実感が少し分かったような気がし、更に解説まで読むと、場面の背景が更に深く入ることが出来ました。また映画を観たくなり、映画→小説→解説→映画・・・と無限ループになりそう。
また、語り口調の地の文が、その場面でのエピソードを耳元で話しかけてくれているようで心地良かった。

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2026年04月30日

匿名

購入済み

映画もみましたが、こちらの巻はあまり映画では見れなかったお話が多くハラハラしながら読みました!やっぱり国宝は最高です。

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2026年01月18日

匿名

購入済み

幸せとは

やっと幸せをつかんだかと思いきやその後に起こる不幸や苦難の数々。
それをも全てひっくるめて主人公は幸せだったのだと思えた。
歌舞伎は見たことがないけれど、情景が目に浮かぶような描写は圧巻。

#切ない #感動する #深い

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

感動しました。泣きました。
衝撃的なこともあり、感情がぐちゃぐちゃになりました。私の一番の衝撃的な所では、なんで気づかないの?とびっくりしています!!気づいていればと思っても糖尿病は怖いと聞くので、命が短くなるのは知っていましたが、前向きに生きようとしていた所が人生を前向きに進んで生きよう励まされた気持ちになりました。
下を読んでも、これ実話じゃないの?と思ってしまうので最後まで疑ってしまいました。
国宝はネタバレオッケーな人と話したいぐらい、いい作品だと思っています。
映画はカットシーンもあるので、是非小説も読んでもらいたいと思いました。

0
2026年04月25日

ネタバレ 購入済み

上下巻とも夢中に読みました。

既に映画は公開されていますが、上巻を読み、どこを切り取って映画化したのか、上巻だけでも色々切り取っても迫力ある映画になりそうで、下巻に進むと更に、幾らでも映画として切り取れるストーリーが幾つも展開していく本です。一体映画は何処を切り取り作ったのか、そう考えながら読んできました。そして思うのは主人公は、歌舞伎役者それとも歌舞伎役者を取り巻く多くの女性達どっちなのか、複雑にからみあう女性達の、なんたる不思議な信頼関係というか線引き潔さよさ、それを許しあう主人公を取り巻く歌舞伎の世界、この微妙な関係や繋がり、寄りかかり助け合う世界を表現する作家の本の構成の妙が素敵な本です。締めに向けては、女形、歌舞伎役者の目に見えぬ心、本人も理解していない境地の世界を表現していき、夢中にさせてくれる素晴らしい本でした。ありがとう。

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2025年07月20日

匿名

購入済み

最高の小説だった

とにかく余韻がすごかった。
全てを語らず読者に考えさせる隙を与えていて読み終わった後も繰り返し同じ文章を往復していた。
文章がまるで詞のようで流れるように頭にスッと入ってくる。
個人的にはこれを超える作品にはなかなか巡り会えない気がする。

#アツい #切ない #エモい

0
2025年06月18日

Posted by ブクログ

喜久雄が演じる、まさに国宝にふさわしい、息を吞むような演技を歌舞伎場で観覧しているような描写で、私は下巻の方が良かったです。
映画の主演のお二人の演技も非常に素晴らしかったとは聞いていますが、ここは歌舞伎場で、人間国宝と呼ばれる歌舞伎役者さんの舞台を見てみたいと思いました。これまで歌舞伎を見に行ったことはありますが、本書を読んでからでは、また違った心持ちで、鑑賞することができそうです。

本書では、主役の2人以外にも、印象深い登場人物が複数いますが、映画では存在しなかったり、設定が結構変更されているのだなと思いました。また、ラストも映画とは違うようで、映画の方が万人受けするでしょうが、小説のラストも、狂気と紙一重のとても幻想的なもので、映像でみてみたいと思いました(個人的には、小説のラストで映画が終わったら、茫然自失のまま映画館を後にすることになりそうですが、衝撃的過ぎてこちらの方がいつまでも印象に残ったのではないかと思いました)。

映画も機会があったら、是非、鑑賞してみます。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上を読んでとてもすぐ下にいけるほど精神的にしんどかったので、少し時間を置いて読みました。その間に映画の方も見ましたが原作と映画はかなり乖離があり、それもそれなりにしんどかったです。でも俊介、喜久雄、春江、綾乃、一豊、それぞれに人生、泣ける内容ばかりでした。もう一度読んでみようと思える作品です。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごいものを見た、という気持ちになった。
芸に捧げた人生。支えるという言葉では弱いような、共に闘い伴走するような、家族や周りの人達の人生。
喜久雄は不器用で、とてもまっすぐな人なのだろう。芸と恩にまっすぐ。段々と孤独になっていく様子が痛々しかった。
俊介は大きな心を持った人。
若かった頃の2人が、自転車の二人乗りやキャッチボールをしていた場面を思い出すと切なくなる。
俊介がもっと生きていたら、徳ちゃんがずっと側にいたら、、、違ったラストになったんだろうか。
下巻では、これまでひたすら強く見えていた春江や彰子の、ちょっと弱い所やずるい所も少し見えた。
私は歌舞伎に全然詳しくないのだが、結構むごい話が多いのだろうか。この国宝の話も、上下巻通して本当に色々な事がこれでもかというくらい起こっているのだが、そういう舞台を見ているようだと思ったらしっくりきた。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

映画は見ていないので小説だけの感想を。

芸を追い求める喜久雄も、その彼の1番は“芸”であって自分は1番にはなれないと悟って離れる春江も、一時は“芸に選ばれなかった側”として共感し支えた俊介も結局“芸”に生きる人で……とても美しく少し哀しかった。

徳次と弁天が好きだな。特に弁天の「三日もテレビに出ないと世間から忘れられると恐ろしくて仕方ない」という感覚はたまらない気持ちになった。

あと、昔の贔屓文化とか読んでて今の推し活ブームみたいなものは継続性がないなと感じてしまった。そりゃ消費されなきゃ大衆娯楽にはならないけれども、、皆が皆、最低金額だけ払って客側として権利を主張するのはどうなのか… ここまでの覚悟はなくても、もう少し“コンテンツ”じゃなくて“人として”大切にしていこうよ……。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

歌舞伎の世界にも神様はいるのだろうか。歌舞伎の神様に選ばれた喜久雄と連綿と続く歌舞伎の家に生まれた俊介の一代記を読み終えた。「国宝」のストーリーが歌舞伎そのものであるように描かれており、語り手によって読者は歌舞伎の世界に誘われていく。解説もぜひ読んでほしい。歌舞伎の名場面と「国宝」の重要なシーンがリンクしていることを知り、歌舞伎を見てみたくなった。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

青春篇と比較すると、苦悩だったり逃れられない性みたいなシーンが多くて読んでて辛いシーンも多かったが、これが歌舞伎という伝統芸能が背負わせる十字架みたいなものなのか。自世代たけでなく連鎖していく。それでも狂気と隣り合わせで芸を追い求めていくのだと思った。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

 昨年の夏に映画版を見た。
 三時間超の長丁場。良かったことは間違いなく良かったのだが、それでも後半はなんだかダイジェスト版を見せられたように感じてしまった。
 原作は上下巻本なのだから、これは絶対にもっと書き込まれているはずだと確信できたので、一度きちんと読んでみたいと思った。

 最初に意外に感じたのが敬体――「です・ます体」で書かれていたことだった。
 なぜこの文体を選んだのか。
 しかも、その語り口は“神の視点”ではなく、何やら人格を感じさせるものがあり、それが若干ノイズのようにも思えたのだ。
 著者は、自身黒子として歌舞伎の現場取材を重ねた上で本作の執筆にあたったという。その取材経験を踏まえた上でこの文体を選んだのだろう。
 一読した感触としては、まさしく舞台袖に控えている黒子がそのまま語り手となっているかのように思える。歌舞伎の名舞台と対比させながら、本作を一本の“演目”として描き出そうとしたのかもしれない。

 ただ、この文体の選択については、良し悪しがそれぞれあるように思う。
 確かに、日本の伝統芸能の世界を描く作品として「~でございます」という語り口の柔らかさは好ましくもあり、この作品の世界観を形作る上でとても効果的だったと感じる。
 一方、当事者ではない第三者視点となってしまうことから、一部は伝聞形式となり臨場感に欠けてしまう部分があることも否めない。
 各エピソードのクライマックス若しくはその直前で場面転換されることもしばしばあり、そのこととも相まって、せっかくの見せ場がのちに人づてに伝え聞いたかのようになってしまい、物語の迫力が減殺されてしまっているのは純粋にもったいないと思ってしまった。
 しかしまた、だからこそ凄惨な場面であっても歌舞伎の様式美のごとくに昇華されているのかもしれない。

 映画を先に見てしまったことで、それと比較しながら小説を読むこととなったが、現実の歌舞伎界の複雑な人間関係とも通じる割り切れないどうしようもなさまでもが描かれた小説に対して、映画は起承転結・対比・山場の見せ方がはっきりとしており、ひとつの物語としてまとまっていると感じた。
 原作を改変して小説と映画は大きく異なる部分も多いが、この小説作品があったからこそ、あの映画が完成したのだと思える。それは、既に三作目のタッグとなる著者と監督の信頼関係があってこそのものなのだろう。
 本書を読み終えて、もう一度映画を見てみたいと思った。
 ああ、だからか。これまでの記録を塗り替えて興行収入歴代一位となったのは。いまだロングランを続けていることにも、十分納得できるものだった。
 吉田作品はこれが初読みだったが、せめて代表作とされるものくらいは、もう2~3作くらい読んでみたいと思っている。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

喜久雄の器の大きさがかっこいい。歌舞伎の家元の俊介とヤクザ出身で歌舞伎の女形の才能がある喜久雄が、自分たちの芸に一生を捧げた話。子供時代から大人までの波瀾万丈な人生。ひたすら歌舞伎が好きな喜久雄が素敵。

映画は観れなかったけど、本より映画の方が楽しめるだろうなと思った。
歌舞伎の演目ごとの解説があるのは面白かった。こういう知識を持って歌舞伎を観れば面白いんやろなと思った。

以下ネタバレ









ラストは解説が欲しい。
最後は歌舞伎の世界に入りすぎて現実と混同してしまった?
完璧な芸を達成できたから、悪魔の契約を回収する感じで最後は死んだってこと?
中国からの来客は徳ちゃんだと思うけど、徳ちゃんは喜久雄と生きて再会できなかったってこと?

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻よりもっと深くて、闇、、と言っていいのか、、
とにかく映画とは別物の気もするし、
でも、このセリフは!っていう物語の要になるセリフは映画でも使われていて、、。
いや原作も凄いけど、この上下巻を濃縮してあの1本の映画にした脚本もホントに凄いなと改めて感じさせられた。
そんな感想。

ラストは、、映画の方でないと、これを受け入れられる読者はなかなか、、。いるのかな。
それこそ深く理解できている人なのか、、
私はまだまだ浅いのか。。
と考えさせられる。
「盤上の向日葵」のラストも彷彿させられた。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

歌舞伎に人生を捧げる。
"家柄"が重視されて、独特の世界が広がってて全く歌舞伎を知らないけど、一般社会で生きている我々にはわからない苦労っていろいろあるんだろうなと思った。
上りつめて行った喜久雄のすごさ。
"かっこいい"では陳腐に聞こえてしまって"畏怖"の方が私的にしっくり来る。
歌舞伎に捧げるあまり周りの人たちを傷つけていたけど、やっぱりこういう人はそうなってしまうものなのかなと思ったり。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を見てから読みました。
どこかで、「映画を見てからの方がいい」というレビューを見たので。

通常、映画、アニメ、実写化など映像作品を見てから小説を読むと、映像を見た時点で登場人物のイメージが固まってしまうから小説からの方がいいという人もいるけれど、小説から映像に行くと、自分の描いた人物像と演技をしている人(もしくは声優)が全く違っているとガッカリすることがあるとも聞くし。どちらがいいんでしょうかね。

結果、読書に慣れている人は逆でもいいかもしれませんが、私のような、あまり本は読まない・・・という人にはこれは映画から見たほうがとっつきやすいかも、と思いました。
小説から読んでいたらもしかしたら途中で挫折していたかもしれません。
登場人物も多いし、昔の言葉、歌舞伎の古い慣習、演目の解説、難しい言葉も多くて物語も淡々と進むので特に。
ただ、私は映画を先に見ていたので、ここはあの場面だなーと思うと映像が頭に浮かんできて読みやすかったです。

そして、やっぱりこの内容を3時間に収めるのは無理があったんだろうなぁと思うほど、映画の方はかなり端折っていましたし、物語の流れや人物像の描き方もかなり違っていましたね。
短くするために仕方のなかった部分もあるんでしょうけど、小説の方が壮絶でしたし、人物像が深く描かれていた分、入り込めるような気がします。
父親を殺した人自体が違うというのは・・・驚きでした。最初映画の内容と合わないと思って何度も読み直してしまいました。

実は映画の方は、大絶賛されているほど私は入り込めず。
結構主人公の人間性とか・・・女性関係とかまぁまぁクズじゃなかったですか。こちらでも大きな流れは変わっていないし、もちろん主人公を完璧な人間とは描いていないけれども、人物像がきちんと描かれているので、そうか、と納得できる部分が多かったと思います。

映画では喜久雄の方がかなり実力は上みたいな扱いだったような気がしますが、小説では喜久雄と俊介は同等というか、種類が違うみたいな描き方だったような気がします。

ラストはさすがに映像化はできなかったでしょうね、とは思います。ただこの小説の内容を映像化しようとした試み、歌舞伎を習得して演技した俳優の方々の熱量はすごかったと思います。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初はとても楽しく読めた。
登場人物はそれぞれ個性的で、若さあふれるエネルギーに物語へ引き込まれていった。
一方で独特な言い回しと、距離のある語りに引っかかりながら読み進める。

物語は後半に向かい登場人物たちの成熟とともに苦難が増していく…どうなっていくのか見届けるような気持ちで読み進める中で、嫌な予感が積み重なっていった。
ラストはその不安は外れることなく、現実のものに…
読み終えたあとに残ったのは、途方もない重苦しさ。
最初は楽しく読めていたからこそ、その落差がより強烈。

喜久雄たちは舞台で“何かに見られている、何かがいる”と言っていた、その視線こそが語り手で、天井から見守るその視点は、逃げ場のない恐怖を感じた。
ラストの強烈さに耐えきれず、読むんじゃなかったと思った。

それでも、ここまで強い感情を引き出す作者の力は圧倒的だと感じた。すごい。
最初の楽しさと結末の重さ、その落差までも含めて、強く印象に残る作品だった。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻は物語に没頭し一心不乱に読み進めていたのだが、下巻は一豊の轢き逃げ、綾野家の火事など、物語を転がすための記号的な出来事が多いように感じた。終幕の予想は映画の様に人間の域を超えて神の領域まで到達した喜久雄が人間国宝になり、「とある景色」を見つけて終わるという展開だったのだがそうではなかった。これもまた良いとは思うが、喜久雄が現実から歌舞伎の世界へ行ってしまう様子が緩やかに語られたのに対して、急に劇場を飛び出した行動には驚いた。最期は轢かれて亡くなったのだろうが、先代の半次郎、一豊と同様交通事故なので、作中出てくる度々出てくる血筋、運命論がこのでも関係してくるのかと感じた。ひとつ寂しかったのは徳次が喜久雄に会えずに終わったことだ。徳次はこの作品でも特に好きな登場人物だったのであんなに側にいた喜久雄が20年近くも連絡を取らずに終わってしまうというのは何とも…「坊っちゃん、約束通りペルシャ絨毯買うてきたわ」「そんなの楽屋に置けないよ。徳ちゃんならやると思ってたよ」「ホンマかいな」という会話が聞きたかったなあ…と思ったり。ここまで書いて思い直したがやはり喜久雄がだんだんと現実から歌舞伎の世界へと行ってしまい最期はその幻想の中で死ぬというのは良い終わりな気がする。

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2026年04月30日

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