【感想・ネタバレ】国宝 下 花道篇のレビュー

あらすじ

鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある──。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、『悪人』『怒り』につづくエンターテイメント超大作!

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ネタバレ 購入済み

映画より面白い

映画が面白かったので、原作を読んでみた。
大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。

1
2025年09月13日

ネタバレ 購入済み

《歌舞伎》への底しれぬ愛情。

2025年7月読了。

話題に成っている映画の方を先に観て、映画は映画でとても素晴らしかったのだが、3時間の尺でも『何かのダイジェスト版を見されられている』様な気がして、速攻で原作を読んだ。
映画を先に観ていたお陰で、名前と顔が直ぐに浮かび、劇場で「喰い足りない感」が有ったのを、原作を読むことで本当に心から堪能した。

ただ、劇場版が笑いなしのシリアスタッチだったのに対し、原作は笑い有り涙ありの波瀾万丈な物語だった事が一番意外に感じた事だ。まぁこれだけの作品を映画化するには、ストーリーを相当にカットしなければ3時間どころでは済まないことに成ったのであろうから、致し方無かったのかもしれないが…。

本当に、吉田修一が此処まで《歌舞伎の素晴らしさ》を描き出せるとは思っていなかったので、その事も意外で有り、こうした伝統芸能について《がっぷり四つ》でぶつかった文芸作品は早々出会えないので最大の賛辞を送りたい。
又、映画の方も原作とは異なる解釈では有ったが大変素晴らしかったので、原作と映画、両方とも違う味合いで魅了された事が何よりの喜びだった。
映画はスゴい興収に成っているそうだが、原作ももっともっと多くの人に読んでいただきたい《大傑作》である。

映画を観て、原作を読んで、今また『映画』が観たいな…と思っている。つくづく《歌舞伎の世界》は素晴らしい…。

#深い #感動する #笑える

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「白河集団公司」!!!(嗚咽)
徳ちゃんって最後の最後まで本っっ当に義理堅くてなんていい奴なの!!!

私は映画が先、原作が後になったけど、結果的に正解だったと思う!
歌舞伎の繊細な大胆な美しさとか、俳優陣の演技の上手さを堪能するために映画がすごく良かったんだけど、映画化で省かれたたくさんの部分があまりにも良すぎるため、「映画に反映されてなくて残念」の気持ちの方が上回ってしまうと思う。

映画では、俊ぼんが逃げて、喜久雄の元カノと子供作って、結構ぬるっと実家と歌舞伎界に帰ってきたようなイメージだったんだけど、原作では戻ることを決めてから父親に許可もらうために踊るシーンもあったし、腕の中で第一子が突然死したショックで廃人になってそこからの復活で糖尿病で結果両足を切断したし、相当苦しみもがいていたのが分かって、すごく感情移入した。つらかったね、がんばったね、俊ぼん。泣
息子の一豊がひき逃げしてしまう俊ぼん譲りな一時の心の弱さも描かれてた。

喜久雄の娘の綾音が、自宅の家事で娘が火傷を負って集中治療室とはいえ、病院に駆けつけた喜久雄に思いっきり”お父さんが成功するたびに私が不幸になる”ってぶつける場面もかなり良かった!映画は「悪魔と取り引きする」っていうシーンはあったけど、原作ではかなりはっきりと喜久雄に対する憎しみの感情が現れてた。(そこの印象がかなり強く残ってるけど、綾乃が付き合ってる関取と結婚を決めたり、孫が産まれたりして喜んでる喜久ちゃんかわいかったな)

狂人となってしまった喜久雄だけど、美しい世界の中で最後まで生きられて幸せだったんだろうなぁ。。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

任侠の世界から始まる。
主人公の喜久雄は、複雑な家庭で育ち、ヤンチャな少年時代を過ごし、芸能の道へ。

マツや徳次は、派手な存在ではないけれど、喜久雄の最も核になる人物だなと思う。
感情がないわけじゃないけれど、何処か人情の薄さを
感じてしまう喜久雄。そんな喜久雄を熱く支えてくれる2人。そういう人に恵まれて、あぁ、うらやましいなと思う。
妻、彰子は不憫で仕方がなかったけれど、長い年月を経て、変わることってあるんだね。
1番不便なのは「悪魔と取引」を聞かされた綾乃だね。子供にそんな事言うのって、大馬鹿なんじゃないのって思ってしまう。

終わりにかけての喜久雄の変容。
「国宝」って「幸せ」とトレードなんかな。

闇を抱えた多様な人間模様を描きながらも、品のある文章がこの小説の魅力。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画→上下巻
映画と小説は別物。でもどっちも良かった。
3時間長いしトイレも心配…と思ってたけど
原作の内容は正直3時間じゃ全然足りてへんなと感じたし、本筋はもちろん同じやねんけど重要なシーンやったり登場人物が違ってたりと、本を読んでみてビックリしたことがたくさん。
上巻の冒頭からの感じてた違和感が、最後の方で解消されて、(あれやっぱおかしいよな?どういうこと?)てのが最後に分かって、でもモヤ晴れ切らんくて、
喜久雄の親父さん殺したのはあの人で…、でもそのシーンを2代目も目撃してたよな?
とか、その上で引き取った?とか乏しい理解力でなんとか読み切ったけど、これはもう一度映画も見ておきたい。

国宝ってタイトルも小説の方がしっかり回収されてたかな

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤にかけて周囲から孤立していく喜久雄。読みながら、自分だけが喜久雄の傍らにいるような感覚になっていった。

徳次、なんでこのタイミングなの?
ペルシャ絨毯は持ってきた?

ラスト25ページくらいからの、息が詰まりそうな展開。
これを超える読書に、これから先いつ出会えるかな…と、楽しみになりました。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観て、登場人物達の心情をもっと知りたくなり本書を購入した。
読後真面目に「えっ?!」って声が出た。
映画とはまるで違う結末で衝撃的だった。

俊介は歌舞伎から一旦逃げ、更に春江に頼った。
喜久雄はいつも独りで立ち向かい、歌舞伎から少しも逃げなかった。その姿がとても痛々しく、応援しながら読んでいた。

喜久雄が探していた景色。
雪の白。
飛び散った血の赤。
そう言えば文庫版のカバーの背景は「上巻が白」「下巻が赤」。そう言う事なのかと少し鬱々としながら本棚に片付けた私であります。

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2025年11月24日

ネタバレ 購入済み

上下巻とも夢中に読みました。

既に映画は公開されていますが、上巻を読み、どこを切り取って映画化したのか、上巻だけでも色々切り取っても迫力ある映画になりそうで、下巻に進むと更に、幾らでも映画として切り取れるストーリーが幾つも展開していく本です。一体映画は何処を切り取り作ったのか、そう考えながら読んできました。そして思うのは主人公は、歌舞伎役者それとも歌舞伎役者を取り巻く多くの女性達どっちなのか、複雑にからみあう女性達の、なんたる不思議な信頼関係というか線引き潔さよさ、それを許しあう主人公を取り巻く歌舞伎の世界、この微妙な関係や繋がり、寄りかかり助け合う世界を表現する作家の本の構成の妙が素敵な本です。締めに向けては、女形、歌舞伎役者の目に見えぬ心、本人も理解していない境地の世界を表現していき、夢中にさせてくれる素晴らしい本でした。ありがとう。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観てから読みました。
映画の最後の方は急足になった印象がありましたが、小説では俊介の死以降の喜久雄の状況が詳しく描写されており、映画で感じたモヤモヤが解消されました。

また、映画では出てこなかった歌舞伎の演目も出てきて興味深く読めました。

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2025年11月29日

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