あらすじ
この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。
結城真一郎氏絶賛!
読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。
読み終えて思った。「まんまと騙された」と。
昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。
しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。
感情タグBEST3
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色々、登場人物の気持ちになって考えながら読んだ。
だけど私は障害者でもなく交通事故の被害者でもなく加害者でもないから
私の想いは軽いものなんだろうな。
すごく面白かった。
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やっぱり辻堂ゆめは面白い!
エピローグでの掴みから始まり、前半はSFファンタジーと思わせて、後半に入るとすぐにSFではなかった事を知らしめて、ヒューマンドラマ的展開からミステリー要素を含んだ謎解きへと話が進んで行き終始飽きずに楽しめました。
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なんかやられたなぁ〜という感じ。
夜歩いている人は誰?という謎の他に
登場人物たちの運命を変えた出来事の真相まで盛り込んで
しっかり回収して。
あっと言う間に読み切ってしまった。☺️
さすがの辻村作品。
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後半はハラハラドキドキが続いた。人間の二面性ってすごいな。
でも茜が幸せなのは2人が真実を隠しているからで、それがわかるとじわじわと優しい気持ちに包まれます。
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サキと咲子の通じる部分はわかるような当事者にしかわからないような…
まっすぐな茜が少しかわいそうにも思いましが、3人の中で1人だけ未来があるのも、なんだかんだ2人の気遣いから、悲しい真実を知らないままでいるのが救いに感じました。
最後、次々に真実が明かされていくのが面白かったです。
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最近、辻堂さんの小説にはまっています。
「昼のはなし」は、高校3年生の鈴木茜の視点。「夜のはなし」は、≪サキ≫という名の女性の視点で、同じ内容のストーリーを描いています。
そして、「夜のはなし」を読んだ後で、もう一度「昼のはなし」を読むと、最初とは、全く違う感情や印象を抱きました。
同じ日常を一緒に過ごしているとしても、その人自身の考えや感情というフィルターを通してみているので、やはり同じ景色ではないってこと。
「昼のはなし」の主人公である茜自身も、幼少の時のつらい経験からなかなか立ち直れず、それが日常に影を落としていたが、同じような経験を持ち、その影響から寝たきりになってしまった女性「咲子」に出会ったことから、私だったら彼女の力になれると、そしてそこに生きがいを感じていく。
「夜のはなし」の主人公である≪サキ≫もまた、咲子と出会って、彼女が10年以上にわたる寝たきりの生活の中で、介助してくれる人たちに、常に穏やかな性格で接しているが、それはその善意によってしか生きることが出来ない彼女の精いっぱいの対応だということを知る。ただその中にも、卑屈になっている自分もいて、いやな感情は常に湧いてくるということも。
実際には、ちょっとした体勢でさえ一人で変えられない。すべてにおいて人の介助が必要な現状、これから先も変わることのない生活、この辛さや孤独感、絶望感から解放されるのは死しかない、でもその死ぬことさえ自分で行動に移すこともできないという、この思いを≪サキ≫だったらきっとわかってくれると、自分の運命を託そうとする。
≪サキ≫という名の女性のことはここでは詳しく触れていません、小説をぜひ読んでくださいね。
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「真実」を知りたい人間と、無意識に「真実」に蓋をしている人間の話だと思った。無意識に作られた蓋が別人格の自分を生み出す。無意識ってちょっとこわいなと思った。交通事故のトラウマや家族を失う経験が幸いにもない自分には、一見遠い話のように思える。けれど、無意識にやってしまうことって結局別人格の自分がやっていることなのかもしれない。
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事故で障害者になったからと言って、誰しもいい子ではないんだなぁと、そういう人も所詮、人。人だから色々な感情があるし、色々な生い立ちがある。
にしても、この1冊で色々なことが起きすぎて、頭が処理していくのに必死だった。笑笑
こんな展開なる!?とか、ページめくる度に、驚かされたり、好奇心に駆られたり。。。
辻堂さんの作品はやはり、おもしろい!!!
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交通事故にあってから睡眠障害を抱えることになった茜。交通事故で寝たきりになった咲子。祖母の友人がきっかけで、二人は友情を通わせる。
「二人目の私」とタイトルにあるけれど、単なる多重人格の話というわけでもない。
昼の私によって語られる章。夜のもう一人の私による章で明かされる真実。
二章の始めの方では、なるほどなるほどと思いながら読み進めていたものの、終盤になって、そんなことが!とまんまと驚かされた。少しショックでもあるかも。
それにしても、茜は本当に優しくていい子だなぁ。辛い記憶は全部あの人が持っていって、この先心穏やかに生きていけることを願う。
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昼と夜で一つの体を共有する二人。彼女たちがそれぞれに見ていたものとは?
初めは人間ドラマ系かなーと思いながら読んでいましたが、後半でコレはミステリだと確信しました。
何を言ってもネタバレになりそうなので、「騙されたと思って読んでください」としか言えないのがもどかしいですねw
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まずミステリーとして面白くて、個人的には3-4回くらいどんでん返しがあった。
そして、交通事故をきっかけにベッドで寝たきりになる咲子の話を通して。どんな人であれ、「かわいそうな人」として一方的に何かを与えられ続けることほど、本人にとって辛いことはないのだと思った。それが例え善意からのものであったとしても。
お互いに何かを与え合うという関係性が必要になる。
また、夜の茜に乗り移っていたのは咲子ではなく、自分の二重人格である「サキ」であったという真実を通して。世の中には知らない方が幸せということも本当にあるのだと思った。
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メルヘンチックな話で終わるのかと思ったら、二転三転四転五転くらいしました。大変考えさせられます、国により法律も違うし。車の事故には気をつけねば
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昼、夜の2部のパートにお話は分かれている
夜パートが物語りの真実、真相解明的なパートになっているのですが、昼パートで抱いたイメージをひっくり返してくる意外性
多少強引なようにも感じたストーリー展開も、交通事故という不幸な出来事により心を寄り添わせていった茜と咲子、その他にも元彼・親友などの心情はそれぞれ表裏がある、まさに昼夜の関係
人の心は多面的だろと作者から言われているようでした
結果的にすべてを知り得たわけではないが茜はこれからも生きていく
自分の抱える闇の部分を光に溶け込ませて、強く生きていって欲しいと思った
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タイトルから想像がつく。
前半と後半はガラリと趣きが変わる。最後の最後で仕掛けがあって。妙に納得させられてしまう。この作者にしては若干物足りなく感じた。
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なぜだか感想が書きにくい。
可も無く不可も無く…
単純な感想としては、茜が可哀想だし、バカだなぁと思った。
子どもみたいな感想だけど、結局のところ…それかな。
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むっちゃファンタジー!!と昼のはなしを読んで思ってたら夜のはなしを読んで印象が変わりました。
けど ちょっと無理があるような...
という部分もあります。
咲子からみたボランティアの人の見え方や
周りからどういう風に思われてるか...
そういう部分はすごく納得しました。
全ての人がそんな真っ白で綺麗でない
真っ黒な部分もあるのはそうだろうと思いました。
にしても チューブ等の指紋とか
調べたりしないのかなぁ?と思ったりしてしまいましたが...。
Posted by ブクログ
ある日高校三年生の茜が出会ったのは、事故で寝たきりとなった咲子。お話ボランティアとして咲子の元へ通ううち、夜中に自分が出歩いていることに気づく。机に残された「サキ」のメモ。咲子が茜の体を使って夜動き回っている?茜は咲子に協力することに…。
「昼のはなし」と「夜のはなし」の二部構成で、「夜」では「昼」では語られなかった、茜の知らない秘密が明かされる。咲子と茜、そしてサキの繋がり。咲子の事故の真相。
誰が加害者で誰が被害者なのか。どうしてあの日事故は起きてしまったのか。サキの見つけた真実が悲しい。咲子とサキが茜へと繋げるやさしいラストがよかった。
Posted by ブクログ
昼と夜で1人の体を共有する茜と咲子の話。事故により人生が変わった2人が出会い、距離を縮め、と各々の事情に飲み込まれながらどんどん読み進めた。で、2部以降はどうなっていくのか妙にハラハラしてしまいこの子達の進む道から目が離せなくなる。
Posted by ブクログ
たぶん二転三転を狙った構成なのだと思う。
登場人物はそれほど多くなく、場面もイメージしやすいのだけれど、2部以降から同じ人物が発言の意図を意図的に隠していた事実を打ち明け始め、そうする事で登場人物達のイメージが180度変わるようなトリック。
大どんでん返しとか、トリックとか、伏線回収とかあんまし興味なくて、どちらかと言うと人間の心の機微を読み取りたい私なので、言ってる事が変わる所から着いていけず、どうしても“イヤイヤ、人間ってもっと自分の思いにはストレートなのでは⁈”と、反発心が沸き起こってしまった…
Posted by ブクログ
相手に勝手にイメージを募らせてしまいがちだけど、どんな人にも2面性がある。知らなかった自身の裏の顔に向き合うのも辛い。ずっと知らないで済んで、相手を傷つけた事もあるんだろうと思うと辛い。ちょっとしたすれ違いで大きな事故に繋がる。そういうことに気をつけながら生きていくの、辛くて怖い。
Posted by ブクログ
昼間は高3の茜がボランティアとして、脊髄損傷で首から下が動かせなくなった30ぐらいの女性と話し、気が合う事。夜中にその女性が茜に入り込み自由に活動してる事。咲子から依頼された高校の同級生を訪ねて歩いた結果、大学受験が終わり、咲子を再び訪ねようとすると亡くなっていた事が、明るく綴られる。
夜の部では、咲子が茜に入り込んでだのではなく、事故のPTSDから多重人格になってる茜自身が、毎夜咲子に会いに行ってること。生きる意味を見出せず、自殺の手助けをして欲しいとサキに願う事や、元同級生と仲違いした真相や、茜と咲子の事故の真相などが明かされる。
昼間は問題編。夜は解決編という感じ。
描き方自体は面白いが、咲子が死にたい理由にしている事のほとんどが軽くて、リアリティが感じないのが残念。サキが突然歩き回りだし、咲子の家に忍び込むようになったのも不可思議。
全体的に茜は常にいい人で、対照的に咲子は無理に悪意を引き摺り出そうという感じが苦手だった。
また、夜中に大人を訪ねたり、好きとはいえ知り合って間もない咲子に安くはない服をプレゼントしたり、無理がある箇所も何箇所かある。
Posted by ブクログ
前半は主人公の視点で、後半は2人目の私の視点で語られていて、同じ時間軸、登場人物なのに、全く異なる側面が語られています。関わる人によって相手の内面からでてくるものも変わってくるのですね…。
障害を負った咲子さんの苦しみは、献身、愛情、共感をもってしても癒されることはなかったのでしょうか。そこがもやもやしています。
Posted by ブクログ
人は誰しも二面性があって、表の顔と裏の顔を使い分けて生きている。
温かなヒューマンドラマかと思いきや何重にもトリックが重ねられていて、第一部と第二部のギャップがミステリーとして面白い。
散りばめられた伏線の回収も鮮やかだった。
Posted by ブクログ
雰囲気が好き。辻堂さんの作品の中でいちばん良かったかも。
1部と2部でタイトルの意味がガラッと変わって、昼と夜が入れ替わる感じが好きです。