小説・文芸の高評価レビュー
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先日風と共に…を時間切れで読書途中で返却せざるを得ず、なんとも悲しい続編でのリベンジとなったが、引き続き面白い。
トイレの悲哀と甘い物好き。トイレの方は人ごとで大変そうだなあで終われるが、甘党は自分に重なる部分もあり、わかるわかるの連続である。文庫ではクリスマスケーキのご予定の続編がついてくる。私もシャンティフレーズの四角はなんかわからないけどつまらないなあ、と思っていたのだが、ここの四角いショートケーキへの思いを言語化してくれる甘党の神あらわるという感じだった。そうか生クリームの足りなさだったのか…
今回はエッセーを読みながらオールナイトニッポンの過去回と、現在進行形のポッドキャスト番組 -
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ネタバレ雪穂の心境は、母親に対する失望、世の男性に対する失望、貧しいだけでなぜ自分がこんな目に遭わなければならないのかという世の中の理不尽さに対する苛立ち、こうした負の感情が常に渦巻いている。
亮司の父親らにされたことが原因で、自分を好きになることができなくなってしまったから、自分を取り繕って強く大きくさせているだけ。雪穂は誰よりも他人の評価、世間体を気にしてしまう孤独な人間に、周りの大人によって変えられてしまった被害者である。
そして、亮司もまた周りの大人によって感情を素直に表現すること、倫理観をねじ伏せられてしまった被害者なのだ。彼は本来ならば義理堅い優しい人物なのだろうと想像できる。
雪穂 -
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『イン・ザ・メガチャーチ』を読み終えてまず感じたのは、これは“推し活”を描いた小説ではないということだった。もちろん、アイドル、舞台俳優、ファンダム、SNS文化といった現代的な題材が中心にある。だが本作が本当に描いているのは、「人はなぜ物語に救いを求めるのか」という構造そのものだ。
タイトルの“メガチャーチ”は巨大教会を意味する。つまり本作は、現代の“推し”やコミュニティを、新しい宗教のようなものとして描いている。神がいなくなった時代に、人は別の何かを信じるようになった。その対象がアイドルであり、界隈であり、物語だ。
作中には、「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いい」 -
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5月9日の朝日の記者コラム「多事奏論」にて著者が取り上げられていた。著者は2019年から同誌の「悩みのるつぼ」での回答者で評判を博しており、またその前から「桃山商事」というユニットで、恋バナ収集という名の女性からの相談を受けているうちに、現在はジェンダーやカルチャーや社会の問題についての相談を受けるユニットに変貌されているようだ。男性がジェンダーの問題を語ったり、フェミニズムを語ると、優等生的になるが、著者はそれを書籍の感想という形でソフトに包みながら、そして悩みながら吐露することで、男性自身の問題を語っている。そして現在がdoing(これも男性的なことだが)に偏っている世の中において、bei
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王道の幼馴染みから始まるラブストーリー。ですが、凪と圭吾は27歳でシステムエンジニアなのでお仕事小説でもあるので大人でも楽しめます。
若い時はこの人といるとドキドキする…これって恋かも!と突っ走ることができますが、大人になるとなかなかできなくなりますよね。
異性の幼馴染みってなかなかいそうでいないものです。いたとしてもお互いに知り尽くしているので、なかなか恋に発展することはないかもですが、大人になっても相談し合える相手がいる事は幸せな事ですよね。
私の息子にも10年以上の喧嘩するほど仲の良い?幼馴染みがいます。今のところは恋に発展することはなさそうですね…。 -
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探偵事務所に舞い込む依頼をこなしていく形で進む、短編が連なったような物語で、一つ一つの依頼の間にも微妙に関連があったりして、そもそもこういう構成は大好きなのだが、最後のつながり具合が美しすぎて、思わず2回読んでしまった。
小川哲さんが「言語化するための小説思考」で、"小説における文章はすべて伏線である"と表現されていたが、それを体現したような小説だった。
短編ごとにメインの謎は解けていくのだけれど、微妙に残る違和感。
この違和感が最後には「そういうことだったのか!」とか「だからか!」につながる。
この、立ち止まって考えるほどではないけど、しっかりと"違和感&q -
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奈良は法隆寺夢殿、その厨子に安置された秘仏は千年以上ほとんど誰の目にも触れることなく長い時を過ごしてきた。時は明治、開けば災いもあると言い伝えられるその扉は開かれることになった。日本美術の評価に尽力するフェノロサと岡倉天心を中心にして。ついに姿を現す夢殿の救世観音像を前にして、彼らは何を思うのか――。
ということで本書は明治期の日本を舞台にして、秘仏の開扉をめぐる人々のドラマを描いた連作集です。写真家や僧侶など様々な立場の人物が配されて、時系列を行ったり来たりさせて、それぞれの短編がゆるやかに繋がり、物語の奥行きが増していくのがとても心地の良い作品でした。ラストである人物が、「黎明の時代 -
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SNSで見かけて気になったので読みました。
過去に性暴力の加害経験がある男性たちと、何度も性被害に遭った経験を持つにのみやさをりさんが、対面での対話と往復書簡を通して、今まであまり語られることがなかった加害者側の思考パターンや認知の歪み、また対話によって見えてきたものをまとめた一冊。
価値観の変容やSNSの発展によって、今まで見過ごされていた(なかったことにされていた)性加害問題がようやく取り上げられるようになり、被害者の近しい人物や教師など、また有名人の性加害報道を目にしていく中で、自分にとっても見過ごせない問題なので、何冊か被害者側からの視点やその後のケアに関する本を読んだことはありま
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