小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
この本を読むために「汝、星のごとく」を読んだのだと思えるくらい素敵な一冊だった。
3つのお話で構成されており、それぞれ前作の登場人物が強く優しく幸せに生きていた事を感じられてとても温かい気持ちになれた。
「春を翔ぶ」は北原先生と奈々さんの過去と結の出生の秘密
「星を編む」は櫂と尚人の担当編集として2人の漫画をヒットさせた植木さんと、尚人が亡くなってから櫂に書き物の才能を見出し鼓舞していた二階堂さんのその後
「波を渡る」北原先生と暁海の家族のその後
幸せの形はいわゆる「普通」じゃなくても良いんだなとか
こうやって人は支え合って生きいてくんだなとか
激しく燃えるような愛だけが愛ではなくて静か -
Posted by ブクログ
十月十日正午。場所は渋谷のスクランブル交差点。ひとりの老人の異様な死から物語ははじまる──。
十月十四日。興信所を営む鑓水と修司のもとに 思わぬ人物から件の老人についての不可解な依頼が舞い込む。
報酬 一千万 期限は二週間。
同日 刑事課から交通課に飛ばされ停職中の相馬に公安部の前島が接触した。
用件は失踪した公安部の資料係である山波という男を秘密裏に探し出せというものだった。
老人のスーツの内ポケットに入っていた名刺…。
山波の部屋に仕掛けられた盗聴器…。
まったくバラバラに思われたピースが少しずつ形を成していく。
そして終盤。舞台は老人宛の葉書にあった瀬戸内海のある島へ──。 -
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ネタバレ前情報が「信用できない語り手」しか無く、この言葉を理解できていなかったため、変に期待して読み進めてしまったためあっさりとした読後感になった。
この本は、というかカズオイシグロというかキャシーは(トミー〜ヘームシャル含め)記憶をテーマにしていて、p426に一度だけ「これをお読みの方も」と出てくる。これは、私が途中から感じていたこの回想は誰に向けてと語りだろうというものの終着点であると感じた。つまりキャシーに、ヘームシャルのことを、読者である私たちが教えてもらう体験型小説のような感覚のため、没入して読めたのかもしれない。
回想形式で進められて行くためたった1人の語り手であることに気付いてからそ -
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ネタバレリアル本にて。
コーチャンフォー若葉台店にて、ランキング1位で短編集だったので、気楽に読めるかなーと購入。
「異国より訪れし婿墓洗う」における主人公、琴子の気持ちが沁みる。琴子は夫を病気でなくしている。しかし、近年見つかった治療法を使えばらもしかしたら回復していたかもしれない。家族の事情、本人の信条などが絡んで、その治療法は使わなかった。なんとかそのことに折り合いを付けようと生活している矢先に、夫の墓参りでその治療法をうけて回復したご近所さんと邂逅する。しかもそのご近所さんは、その治療法を使わなかったことを影でバカにしていた。当然琴子は腸が煮えくり返っているが、その治療法に副作用が見つかること -
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この作品が半世紀以上も前に書かれていたとは、驚きです。まさしく現代の社会を映し出しているようです。
完全無欠のビビガールはさながら数年前のロボット人形だし、カシオペイアというかめはまさに現在のAIロボットです。
この作品がひときわよいと感じた点は、モモのことば(セリフ)がいかにも子どもらしいことです。
多くの児童書が、言語化のお手本のように主人公のことばをすばらしく表現している点は、すてきな主人公にあこがれをもつ一方、こんなふうに豊かに表現できる子どもばかりじゃないと多少違和感を感じていました。
モモは信念を持ち勇気をふるいたたせて、奪われた心を取り戻しに行きます。孤独な少女がひとりで行 -
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私はあまり恋愛に生きたことがないしテルちゃんが恋愛中心でマモちゃんみたいなどうしようもない男に振り回されているのが、全然理解できないと思ってた。けれど、読み進めていくうちに、マイナスであることもすべてひっくるめて好きになってしまう、そういう男を中心に生きてしまう、というかっこ悪くて一生懸命なテルちゃんが可愛く思えてきて、だんだんとテルちゃんの考え方や生き方もなんだか共感できる部分が出てきて。角田さんの描く人物ってものすごく人間らしくて、かっこ悪いところも嫌なところもマイナスの面がしっかり描かれていて逆にそういう部分が魅力的というか、愛おしく思えて、私はすごく好きだなあと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読むとほっとする
読むと少し笑うことができる
読むと少し想像力が豊かになる
読むと心が温かくなる
読むと明日からの活力が湧いてくる
読むと少し勇気が出る
読むと今まで感じてきた思いが書いてある
読むとその思いに肯定できるようになる
そんな本。
p. 194
「今、想がお母さんのためにできることを考えるのは大切だけど、お母さんの人生はお母さんのもの。だから、お母さんの判断を尊重すること。そして、想も自分の気持ちに正直になって、やりたいことを言うべきだ。どちらも無理して自分を犠牲にする必要はないんだよ」
わたしは、自分の母親のことを可哀想だからなんかしてあげなきゃ。
可哀想な所から、助け出さ