あらすじ
館に閉じ込められた江南(かわみなみ)たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か? 凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章! 第45回日本推理作家協会賞に輝く名作。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
4.9
どんどん生き残りが減っていくので、絶対犯人はこいつだ!と思っていたことさえも、綾辻先生の手のひらの上で転がされてたんだなと思いました。
トリックの内容はなんとも素晴らしい。まさかまさかです。
矛盾やケチのつけどころが全く見当たらない。シリーズの中では2番目に好きな作品です。
Posted by ブクログ
まさに『時計館の殺人』というタイトルに相応しい作品だった。ミステリー小説に対して不謹慎な表現かもしれないがブラボーとしか言いようがない。
タイトルから想像できてもいいようなものなのに、最後までまったく気づかなかった。これは私自身の察しの悪さだけが理由じゃない気がする。この小説には読者の目を曇らせる巧妙な仕掛けがあると見たね!一体何かって?……それはわからないけど。
でもそういうトリックだったから彼らは長いこと合流することがなかったんだなと今この文章を書きながらふと思った。
そりゃそうだ。最初から一緒だったのなら支障はなかったかもしれないけど、途中からの合流だと犯人にとってはすべてがご破算になりかねない状況だったんだもんね。
犯人もかなり薄氷を踏むような状況で立ち回っていたんだな。
それにしても一歩間違えば彼は本当に始末されていたんだなぁ。ラッキーで助かったようなもんだよ。生き残った理由付けは一応されていたけど、実はそれにはそこまで納得できてなかったりして。その後のシリーズ展開にも差し支えることでしょうから多少ご都合主義的なところは仕方ないけどね。
明らかに読者の納得し難い解決の形を一旦見せておいて、最終的には溜まりに溜まったカタルシスを一気に解放される展開に脳汁がドバドバ出たよ。空っぽだと思っていた私の頭の中にそんなにたくさんの汁が詰まっていたとは。
こういう流れはわりとお約束だってことは前4作を読んでてわかっているはずなのに、毎回引っかかってる気がするなぁ。学習能力がないことはミステリー小説を楽しむうえでは大切なことなのかもしれません。
しかしこれでようやく実写版を観ることができるぞ。
でも今日はもう遅いのでそれはまた後日。
Posted by ブクログ
本格ミステリーとしても、子を愛する親の心を映す史上最高の作品だと思う。
ただその想いが必ずしも子の幸せにつながるわけではないという点を踏まえても。
私はシリーズを読み継いだからこそ、最高の読書体験を味わった。
十角館、水車館、迷路館を経て、この時計館の完成度の高さが際立ったように思う。
そして館の大仕掛けを最大限に利用しつつ、最高のフィナーレを用意してくれた。
過去から未来へとつなぐ物語の顛末を一つの作品に詰め込んでいる。
それほどまでにあらゆる作品の要素を総動員して、見事に築き上げていると思う。
さらに本作は上下で700ページが全く長いとは一切思わなかった。
私が長い作品を夢中で読み進めた作品は指折りだろう。
館シリーズの一つの到達点として、この感覚を一生忘れることはないだろう。
Posted by ブクログ
上巻から普通に読んでくると、誰もが最初にこいつが犯人で、動機はこうやろ!って思う反面、読めば読むほど何かそうではないという違和感を感じてくる作品でした。
散りばめられた伏線もしっかり回収され、この作品のトリックに気付けなかった私は見事にやられました。
最後は運命の悪戯のような終末を迎えましたが、読み始めと読み終わりで印象がガラッと変わった良い作品でした。
Posted by ブクログ
トリックがかっこよすぎる!これが世紀の大仕掛けか…!しびれるね。
十角館の構成と若干似ている気がするが、そんなものは些細な問題である。全く破綻のないストーリーに脱帽した。
館シリーズ特有のもうひとつ外側、メタ的な部分に仕掛けが欲しかったのはあまりにも欲張りか。
Posted by ブクログ
面白すぎて上下二冊を2日で読んだ。
ぐちゃぐちゃに散らばった断片的なパズルピースを、たったひとつの鍵で美しい景観に纏め上げた怪作。本当に伏線回収が美しい。硬派で緻密な謎解きでありながら、大ぶりな謎で新本格ミステリーらしい楽しみ方も備えた本作は完璧だ。
謎が余りに魅力的すぎて作中はずっとワクワクしていた。こんなに頭から爪先まで楽しかった読書体験は久々かも知れない。エンタメ小説の極致。
面白かった。大好きだ。
Posted by ブクログ
これぞまさに館ものミステリーに求めるものの詰め合わせ!最後まで犯人が誰だか分からなかったし(自殺の場面あたりで怪しんだけど)。綾辻小説ならではでポンポンと人が死んでいき、瓜生君まで死んでしまった時は、あーと思った。
時計がずれていたというのも、実は穴に落ちて死んだのは永遠ではなく犯人の娘だったというのも、どうして最後埋められていた人がいたのかも、綺麗に伏線が回収されてお見事であった。
そして何より、七色に輝きながら崩壊していく館、鳴り響く鐘、そして針に貫かれて絶命する犯人と、館ものに求める最高の美しいエンディングであった。
Posted by ブクログ
館(旧館)の外と内、パラレルワールドのように交互に展開される鹿谷と江南のパート。これが後で大きな意味をなすとは!
上巻から下巻と読み進むに従って自分なりに推理したものの、その一歩上をいく真相。怪しいと思ってたんだけどアリバイがね〜。そのアリバイ工作に使われたトリックはまさに時計館ならでは。
お見事でした。
特に第16章、これまでの小さな引っ掛かりが全て解明されていく展開に圧倒される。
ただ、個人的には「沈黙の女神」の詩は余分だったかな〜。まあ、あれが綾辻的で館シリーズらしいといえばそうなんだけど。
あと、10年前の大量死は特に事件性もない単なる連続死だったのね〜。
Posted by ブクログ
旧版は25年以上前に既読。解決編ので傍点の嵐は、これぞ新本格!って思っちゃいました。こうでなくっちゃね。新館と旧館の関係が分かった後の大々的な検証作業が「どうだ!」って感じでいいですね。その大ネタはぼんやり覚えていたのだけど、この「時計館」が作られた理由や犯行の動機が美しく整っていて、この上下巻を締めくくるにふさわしいと感じました。日本推理作家協会賞受賞にふさわしい大作です。新装改訂版あとがきで本書の構想の経緯が読めて眼福の至り。
Posted by ブクログ
やっぱり名作って 時間が経っても凄いのね
トリックや犯人はなんとなくわかるけど
とにかく面白くて一気に読んだ
このトリックの過程(意味?)(裏ずけ?)もよかったし
メチャクチャ容赦なく 殺しまくるのが
凄い痺れた
一才慈悲がない
とても良い
他の作品を読んでないのに
全く影響ないほど完成されてた
Posted by ブクログ
神がかり的なトリックだと思いました。
理不尽なトリックでもなく作中でしっかり時間トリックの違和感を書いてるのでアンフェアではなくフェアだと思いました。
叙述トリックではなく読者が推理する余地があるのに解けなかったのは悔しいです。
今回は犯人が分かりきってると思っていましたが、やはり綾辻先生の仕掛けに驚かされました。犯人に仕立て上げられた青年を気の毒に思います。
Posted by ブクログ
館シリーズ、5館目。
超常現象の取材のため、『CHAOS』取材班の一行が3日間籠ることになった館、時計館。108個もの時計があるこの館で次々と殺人事件が起こり、またもやあの男が現れる。
プロローグから思わずニヤリとしてしまうやり取りがあり、読み始めからワクワクした。
108個もの時計がある時計館。
私、時計の秒針の音が苦手で…。
きっと私は時計館に入っても長くは居られないだろうな。
十角館を思わせる描き方で、十角館が好きな私としてはテンションが上がったし、迫り来る殺人鬼の影にハラハラしながら、ページを捲る手が止まらなかった。
シリーズをここまで読んできた読者だからこそ、予想できるトリックがあったり、犯人は誰なのかと思考を巡らせながら読んだりと、楽しめた。
けれど、この作品の醍醐味はきっと犯人探しではなく、ハウなのだと思った。
いやー、これはすごい!
米澤穂信さんの解説がとても興味深かった。
次の館も楽しみ。
《シリーズ好きな順》
①十角館 ②時計館 ③迷路館 ④水車館 ⑤人形館
Posted by ブクログ
素晴らしい。
個人的には十角館よりこっち派。
まさに"時計館"の殺人なのである。
その名に恥じないトリックも然る事乍ら、終始違和感を感じる文面,会話,進行が逆に心地よい。
Posted by ブクログ
綾辻行人のお話はホラーチックで少々グロテスクな所が多くある
読み手によっては賛否分かれると思う
でも、スラスラ読み進み、先が気になって仕方がなくなるのは流石としか言えない
Posted by ブクログ
もし自分が正しいと思って生きていた時間軸が外とは異なっていて、夜だと思って外に出たら朝だったら、どんな気持ちになるだろうか。16歳目前と思いきや、1年も時間が異なっていることを知ったら何を思うだろうか。
現実離れで想像も難しいですが、とんでもなく混乱するのだろうと思います。
館シリーズこれで最後ですが、本当に面白かったです!
Posted by ブクログ
読みやすい文章で面白かった。序盤はスローペースで、登場人物も増え続けるため少し苦労したが、後半から一気に加速。時計を意識した館のデザインそのものが魅力的で、数多くの時計コレクションの美しさを想像しながら読むのも楽しい。確かに映像化向きの作品だろなと思った。
犯人推理自体はそこまで難解ではないが、かなり手の込んだ本格密室ミステリ。単なる密室にとどまらず、物理的トリックを組み合わせているところが面白い。理屈で積み上げられていないとしっくりこないタイプの読書には、この構造で騙してくる感じがとても気持ちいい。一方で、「十角館の殺人」同様に、少しやり過ぎ感もある。
Posted by ブクログ
おもしろかった!
個人的には十角館の方が好き。
解説も読み応えありました。
谷山浩子さん、間接的に5年おきくらいに私の人生に登場してこられる。聴きたくなる。
Posted by ブクログ
時計館で起きた連続殺人の謎が推理小説作家の手によって解き明かされる。その驚きの真相とは。
館の内と外の二軸でパラレルに話が進んでいく視点の切り替えが印象的でした。惨劇模様の閉ざされた館内とその発生を知らない館外との対称が良い意味でもどかしさを募らせます。
肝心の謎解きの方はなかなかに突拍子もないトリックでした。これを独創的で凄いと思うか、非現実的で興覚めと感じるか、読者によるところです。
あと、自身の悪い癖ではあるのですが、論理矛盾がいくつか目に付いたので、もう少し推敲して欲しいと感じました。職業柄、どうしても科学者の目線で見てしまいます。
Posted by ブクログ
あり得ないトリック。でも読み終わったら充実感。最後の仕掛けは近所の人もびっくりしたやろな。
犯人の動機に対して、そこまでやるか?!とも思うが、小説の中なのでまぁいっか。
犯人は途中からなんとなく見抜けたし、小さなトリックの2つくらいは解けたので満足です。
Posted by ブクログ
上下巻で長いのに、スラスラ読めてめっちゃ面白かった。十角館の時も思ったけど、館の中と外で同時進行で謎を追っていく展開って、やっぱりワクワクして好き。 ただ、肝心の殺人のトリック自体は正直……このタイトルを見た時点で「7割くらいの人はこれ想像するだろうな」ってトリックが使われてた。なるほどなぁ〜とは思ったけど、想像の域は出なかったかな。 でも、時計館を作った経緯とか、10年前の永遠の謎とか、ストーリーの真相に関わる部分は凄く良かった
ネタバレあり
館シリーズ5作目の時計館の殺人。
旧館内の時間軸と新館や外側の時間軸とが交互に描かれるスタイルは1作目の十角館に通じる描き方です。
前半部分はややスローペース感がありますが、後半に進むにつれエスカレート式に展開が進んでいくのはさすがの一言です。
大元のトリックに関しては、時計が扱われていることから2つの場面には時間差はあるだろうと当たりはつけていました。最初は半日周期のずれかと考えてましたが、旧館内の時間が現実時間と徐々に開きが大きくなる仕掛けという大胆なトリックです。当たり前で考えると気付けない絢辻作品らしいトリックでした。
やや犯人の心情が掴みにくい感じはあります。主に娘の死に追いやった人物への復讐心を持つのは分かりますが、目的の障害があれば、なりふり構わず殺人を実行しており、計画的に見えて以外と考えたらずに感じます。
登場人物の大半が殺されること、また動機に直接関係ない人物の殺人が多いことなど今までの館シリーズではやや後味が悪いかなと初見で思いました。
私的な意見で島田潔こと鹿谷門実の「今日の一本」は好きなフレーズでしたが、今回ヘビースモーカーに戻っちゃいました。そういう面では、結構彼もそれなりにやられた感があったのかもしれませんね
次回作では、また喫煙衝動を抑えつつ華麗な推理を披露してもらいたいです
Posted by ブクログ
登場人物がさくさく死んでしまうので、消去法的に犯人がうっすら分かってしまったのが残念。トリックは映像ばえしそう、映画化されてるみたいだし今度みてみようかな。
Posted by ブクログ
館シリーズをここまで読んできて、十角館の次に好きでした。
しっかりストーリーの誘導するがままに怪しい人物はなかなか見極められず、犯人は最後まで見破ることができず。
ただ時間がずれているというトリックには早めに気がつくことができました。
108個もの時計を、ずれた時間に合わせる犯人の苦労を考えたら途方もないな…なんてしょーもないことを思ってしまった。
Posted by ブクログ
トリックが想像もつかない事ばかりで
壮大だなあと思ってしまった。
犯人の目星がつきそうでつかないところの描写もまた面白くて一気に読んでしまった
Posted by ブクログ
もうこれ以上になる前に、気づいて!って思ったけど、そういう訳にはいかず、犯人もそんな一筋縄ではいかないだろうな…もしかしてそうかなと思ったけれど、カラクリはすごかった。が、真相を読んでいる時には、目眩がした。
Posted by ブクログ
大胆すぎるトリック、この発想1つを屋台骨に完成させたのがすごい。
一方で作品の世界があまり好みではなかった。
浮世離れすぎていたり単純すぎる、型通りのキャラクターの登場人物たち。それなりの年齢の女性1人で家事労働をこなしながら9人も襲って遺体を運んで来客までもてなして、大活躍すぎない??と現実的な視点で腑に落ちなかった。