あらすじ
村山由佳が描く、業界震撼の“作家”小説!
「どうしても直木賞が欲しい……!」
賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める、あるベストセラー作家と彼女を取り巻く人間たちの、破壊的な情熱が迸る衝撃作!
あらすじ
ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。
――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。
過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの?
*
『南十字書房』に勤める緒沢千紘は、天羽カインの担当編集者である。学生のころから大ファンで、編集者になってからは必死のアピールのすえカインの担当となった。〈直木賞〉が欲しいとのたまうカインに振り回されつつも、彼女の情熱に応えるべく、自らのすべてを懸けてカインに没頭するようになってゆき――。
*
一方『文藝春秋』のカイン担当、「オール讀物」編集長の石田三成は当惑していた。文春から出す新作を「絶対に候補作にしろ」とカインに詰め寄られたのだ。そしてその日カインが宿泊するホテルのカードには、手違いで「石田三成」の名前が載っていて……。
果たして天羽カインは直木賞を獲得することができるのか。
あまりのリアリティに業界震撼! 文芸を愛するすべての人に捧げる容赦ない作家小説。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
小説を出せばたちまち10万部を超えるヒットを叩き出す小説家「天羽カイン」
その担当編集者である、緒沢千紘。
互いが信頼し合う二人がどうしても取りたい、直木賞への奮闘を描いた物語
作家がどのような思い出作品を描き、編集者とどのように伴奏し世に放たれていくかが綴られていてすごく面白かった。
Posted by ブクログ
どうしても直木賞が欲しい作家とその側で伴走する編集者。距離が近くなりすぎてどんどん狂っていくところがじわじわ怖い。作家天羽カインが村山由佳さん本人を連想してしまうぐらい、すごいリアルで一気読み。本を作る過程が詳しく描かれていて興味深かった。
Posted by ブクログ
この小説は、紙の本で読めてよかった。
承認欲求やら女性同士の生々しい感情やら本に携わっている人たちの熱量やらで、一晩経っても余韻がすごい。
芥川賞と直木賞の違いや選考までの流れ、編集者の仕事、本ができるまでの流れなど、かなり詳細に書かれていて興味深かったです。
1ページに何文字印刷するか、字体はどうするか、カバーや帯のデザイン等々…一冊の本がどれだけの手間をかけて私たちの手元に届くんだろうと思うと感慨深いものがありました。電子書籍も便利だし使ってるけど、やっぱりなるべく本屋さんに足を運びたいな。
Posted by ブクログ
私が読書好きになったきっかけの本は、村山由佳先生の『天使の卵』でした。
ラストの1行に感情が揺さぶられて、読書の楽しさを知り、それ以来たくさんの本を読んできました。もちろん、村山先生の本もたくさん読みました。特に初期の頃の作品ですが。
村山先生の本では、たった一文で、心を鷲掴みにされることがよくあります。
今回は、とても久しぶりの村山先生の作品でしたが、やはり、ある一文で心を鷲掴みにされました。
ラストのほう、作中の小説家、天羽カインが、編集者にあてた手紙です。
その展開にも驚いたし、そこに繋がるまでの流れも最高でした。
余韻に浸りながら、本を閉じました。
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネート作品。
この本もブクトモの皆様のレビューから読みたくてたまらなかった本。
初期は店頭であまり見かけることが出来ず、なかなか購入出来なかったのですが、本屋大賞ノミネートになった途端、あちこちの書店に平積みされるように*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*
やっと購入出来ました(*´꒳`*)
主人公は売れっ子作家・天羽カイン。
女性作家さんです。
読み始めからこの作家さんの自己中心的な振る舞い、言葉遣い、超気になりました。
が、それがこの人物の魅力なのか、全然好きなタイプじゃないのに目を離せなくなります^^;
それからこのカインの旦那がクソ過ぎて(ー ー;)
蹴っ飛ばしてやりたくなったり。
カインもこのクソ旦那を蹴っ飛ばしてやれば良かったのに(-。-;
年度末の3月、今週も本を読める時間が全然捻出出来なかったのですが、ほんの10分とかの隙間でも、一気に物語の中に入り集中して読めてしまいました。
凄い魅力的な本だなって、読み始めて直ぐに感じられました(∩ˊᵕˋ∩)・*
直木賞の選考について考えたこともありませんが作家さんの気持ちがかなりリアルで、これからの直木賞発表の時はこれまでとまた違った思いでドキドキワクワク出来そうです。
この文章がここに効いてくるのかぁ!と思うような伏線が楽しく、ミステリ好きの私にも楽しめる作品でした (๑˃̵ᴗ˂̵)و
この作品もめっちゃ面白かったですが、今の所本屋大賞、私の1番は殺し屋の営業さんだな(*´艸`*)
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今日は旦那がゴルフなので娘とデートです (๑˃̵ᴗ˂̵)و
久々にレストラン『さわやか』に来ています。
何年か前からめっちゃ流行ってきてしまい、県外からもお客さんがわんさか押しかけてきて、開店時間に入ったのに1時間以上待ってます(~_~;)
お腹すいたー(ㆀ˘・з・˘)
Posted by ブクログ
作家ってめちゃめちゃ頭いい人だからキレたりしないって思ってたので。ほんとなのかと疑いたくなる、カイン先生のぶちギレ具合にぐいぐい引き込まれたり。千紘の先生への熱意にドン引きしたり。最後は、直木賞取れるの。取れないのー
ってドキドキしながら読んだ。
あー。余韻が…。最後まで読んだので、ネタバレを気にせずyoutubeで関連動画を見まくる。そうなのか。そうなのか。そんな伏線は、わたしはいつものごとく全く気づいていなかった。もう1回よもう。
わたしの好きな文
どんなに過酷でも最後には何かのかたちで報われる物語を書き続けてきたのだ。
一緒にショッピングに行くとか、カフェでお茶するとか?私、どっちも一人がいい。人に気を遣うのがほんと苦手なの
千紘ちゃんが初めてなんだって。なんでかな。へんに気を遣わなくて済むの。
Posted by ブクログ
直木賞、芥川賞、本屋大賞。
世の中にある賞のうち、作者が本当に欲しいものとそれを手に入れる難しさを知った。
編集者の血をみる努力、作家という職業。
私はどれも素敵だと思うし、簡単には言い表せない希望と未来と絶望を知った。
ひとつ分からないのは、天羽カインが『知らなければ良かった』と言ったフレーズ。
千紘が加筆した事実を「知った事」に対する後悔があったが、果たして本当に後悔していたのか?
だとしたら直木賞を断る理由に繋がらない気がする。
知ったからこそ、本物じゃないと思ったわけで、この事実に気づいた自分に感謝しているのではないか?
そして、表紙の女性は千紘なのか、はたまたカインなのか。
間違いなく言えることは、素敵なデザインです。
Posted by ブクログ
ギスギス、バチバチ、ビリビリ…。
人間関係の緊張感がクセになる小説。
超売れっ子作家が直木賞を取ることを目指す。
いかにテーマを深め、文章を削ぎ落とし、表現を高めるかという作家一人の孤独な作業を思い浮かべる筋書きなのだが、実際のところそうではないのが面白かった。
まず、編集部と大先生との関係。
本を売るための執念が強い大先生からの罵倒を受け、言葉も出ない編集部という場面が冒頭で繰り広げられる。
冒頭からは、想像と違うなといい意味で裏切られた気分になる。
ストーリーは女性編集者、作家、男性編集者の3者から展開されるのだが、このストーリーラインがまあ面白い。
シスターフットものを想起させる女性編集者と作家との関係、作家の運命を転落させる可能性を匂わせる男性編集者の視点…。
どんなふうに展開するのかと思っていたが、終盤でも予想を裏切られた。
人間関係の面白さもさることながら、やはり小説をテーマにした作品だけあり、評価される小説とは何か、賞とはなにかにも踏み込んでいて、これまた面白い。
社会問題を入れたらいいってわけじゃない。
心理描写が深けりゃいいってものじゃない。
過去に直木賞を受賞した作品をわたしも何冊か読んでいるが、エンタメ性の中にもこれまで読んだことがないような感覚に陥る作品が多かったと思う。
どうやって直木賞が選考されているのかの裏事情も含めて、ゴシップ的な興味も惹かれた。
ストレートに、そしてエネルギッシュに何がダメなのかを罵倒語を含めて捲し立てる作家の姿は、個人的には清々しいくらいだった。
場面的には完全にパワハラではあるのだが、小説だからこそ一歩ひいて読めるからかもしれない。
村山由佳はこんな作品も描けるのかと驚く作品だった。
小説が好きだからこそ、この世界は作家の書きたいという純粋な思いがあるに違いない、そんなふうに思っていたが、なるほど、これは禁忌に触れると評されても納得する作品だった。
Posted by ブクログ
すごく良かったです!
直木賞を求める作家と編集者のお話。
作品への作家さんの想いや、出版に関わる人達の心情がリアルに描かれていて興味深かった。
作家と担当編集者が信頼し合うこと自体は、
きっと良いことなのに、どこか不穏で...。
どう着地するのか始終ハラハラ。。
あ〜面白かった!
賞の価値についても人それぞれ色々な考え方があるんだろうなぁ。
めちゃくちゃ面白かった
ポッドキャストで社会学者の富永京子さんが紹介されていて、
「作家と編集者が距離を縮めると、まあこうなるよね……」とつぶやかれていたのが
妙に気になって読んでみました。
村山由佳を読むのは中学生の時以来だったので
『天使の卵』とか懐かしいな〜とだいぶ軽くてぬるい気持ちで読み始めたのですが
いやもう、サービス精神のほとばしりぶりがすごい。
実在の出版社や雑誌、
誰がモデルか分かり易すぎる一部の登場人物、
そしてパンチの効きすぎた小説家・天羽カイン。
読者の下世話な気持ちを満たしつつも
書く者の業の深さを濃厚に描き、
意外といえば意外なラストに着地させる。
すごいものを読んだ!という気持ちです。
やることが他にある時に読んじゃダメですよ……。
おもしろい
この小説を作る過程で、作者と担当編集者さんでどんな会話が生まれたのか…笑
後半はどんな暗い展開になるのかとヒヤヒヤしたものの、最後はスッキリした形で終わったかな。
市之丞が賞取らなくて良かった笑
Posted by ブクログ
本が出来るまでが結構詳しく書かれていて、知らなかった事に触れられた。
改めて、やっぱり紙の本っていいなあ。
天羽カインの、異常なまでの直木賞への執着、偏った承認欲求、恐ろしいまでの喜怒哀楽。
でも、それら全ては自分の生み出した作品への愛故なのだろう、と理解はできた。
あまりお近づきになりたくはないけれど。
人間関係、関係性によって適切な距離が必要、本当にそうだと思う。
きっと彼女は、これからも貪欲に直木賞を狙って、物語を紡ぐんだろう。
きっと彼女は、たった一言を支えに少しずつ立ち直っていくんだろう。
『自分はどうしてもこれを書くんだ、という志。』
なるほど、それが届いて心に響くのか。
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネート作品ということで読んでみた。
実は村山由佳さんは昔から好きで天使の卵をはじめとして、コーヒーの淹れ方シリーズなんかもよく読んでいた。
しばらく本の世界から遠のいていたので今回かなり久しぶりに村山由佳さんの作品を読んだ。
カインの直木賞に対する執着心がものすごくて、時々編集者の人達に同情したけど、作品は我が子だと考えたらそりゃそうかと思う所もあった。
最後には直木賞が取れるんだろうかとドキドキしながら読み進めると最後に一撃!Oh my God!
思いもよらない展開にびっくり。
作品とカインに対する愛ゆえの行動だったとしても、さすがに…距離感大切。
最後に何かの賞を取ったらしく、ちょっとひと安心。やっぱりカインの作品は評価される時が来た!と嬉しくなった。サカキに対してそんなにしなくても…と思う部分は多々あったけど、最後のキックはカインの照れ隠しのようなもので、ちょっと可愛いと思ってしまった。
直木賞の裏側だったり、編集者や版元の裏側だったり、本物の作家さんが書いてることだからリアルなんだろうなーと思いながら興味深く見ていました。
面白かった。
Posted by ブクログ
2026年本屋大賞ノミネート。
「 直木賞」を追い求める作家・天羽カインの熱量に、戸惑いつつ、応援してしまう、、。
編集者、石田三成への態度や、待ち会での立ち居振る舞いが目も当てられず、現実にこんな作家もいるんだろうか、、
こんな人に賞を与えるべきではない、、と厳しい目を向けつつ、
鼻持ちならない夫を見返して欲しい!と、いつの間にか応援していたり、、
千紘との関係も深くなり過ぎてどうなることかと思ったが、まさかの展開、、。
でも、PRIZEよりPRIDEを選んだカインにいつの間にか魅了されていた。
サカキへの態度は最後まで改まらず不快だった、、けど、これがカインのありのままの姿なんだろうな、、とも感じた。
Posted by ブクログ
・「どうしてもどうしても直木賞が欲しい」作家と編集の狂騒曲
・良かった点
横暴、純情、世間知らずで屈折持ち。これでもかと盛られた天羽カインのキャラが濃ゆーい!
最初の中華屋の時点で我が子ファーストなモンペを炸裂させてて「これ一緒に働いてたら胃に穴が開きそう…」って思った。売れっ子故に甘やかされてとことん周囲を顧みない、社会人というか仕事人としては絶対組みたくないんだけど、そのこだわりの強さが作品への妥協のなさに映ったりして、編集の千紘が距離感を間違えちまうのにも説得力が出るなーと。
・よくなかった点
カインは最終的に「余白」の技術を手に入れた。それは誰にも盗めない、これからの作品を生む上での力になる。新たに賞も受賞するし。
でも自業自得とはいえ、千紘はカインからのメッセージ以外の全てを失ったまま終わる。自業自得だけど!でも本人的にはあんなに心酔して献身したのに後味悪いなぁ、という気がしてならなかった。
<総評>
「なぜ賞が取れないのか」不満・憤怒・疑念の迫力に引っ張られて結構疲れた。それはもちろんいいことなんだけどちょっと怒りの分量が多すぎないか、新たな創作への意欲とか編集側の葛藤とかもうちょっと入れてくれてもよかったかも。そして時勢柄、作家に肩入れしすぎた編集の話が話題になってて、こんな踏み外した話が実はあるあるなのかもな出版社怖いな、とちょっと思ってしまった。
Posted by ブクログ
話題になる賞といえば、芥川賞と直木賞、そして本屋大賞。今はこの賞たちでさえ、受賞作を知らない人がたくさんいる気がする。生きていく上で物語を必要としない人は思っているよりたくさんいる。まさにその通りで、ただそれ以上に物語に救われる人もいるんだと信じたい。
作家を描いた小説ってこれまで意外となかった気がして、編集者とのやりとりとか、本が書店に並ぶまでの過程とか、販促方法なんかも書かれていて興味深かった。面白かった、というだけでは不十分なような、心にずしんとくる物語だった。
Posted by ブクログ
一番欲しいものが手に入らない。その思いがひしひしと伝わってきた。ここまで業界の裏側を見せてくれると思わず勉強になった。カインは承認欲求の塊みたいな人間だと思った。口悪いが読者と書店の想いは人一倍ある愛のある人間だと思った。
Posted by ブクログ
作家と編集者の関係ってここまで?いやぁこれは異常だろうと思いながら読んでいたら、やはり最後はそう来たか。でもどんな仕事でも私は人との一定距離感は大切だと思う。
それにしても本が私達に届くまでこのようなことがあるのかと興味深く読みました。
Posted by ブクログ
天羽カインの直木賞に対する執念は、小説家=芸術家としてのプライドなのだろうか。彼女はただ認められたいのではない。芸術作品として一流であると認められたいのだと感じた。
佐藤編集長や石田三成の振る舞いは社会人として常識的な行動だと思うが、天羽には嫌われる。一途に良い作品を生み出したい創作活動と会社組織の論理とは相容れないのだろう。創作は型にはまるものではないだけに、組織の論理とはどうしても衝突してしまう。そこがリアルに感じられ、面白かった。
緒沢千紘の気持ちに共感しながらも、危険な匂いを途中から放っていて心配だったが…。普通考えれば許されざる行為なのだが、千紘は罪悪感もなくやってしまう。天羽という作家、そして天羽の作品への強い好意から距離感を見失い、心が同化してしまったのだろう。良い作品を生み出したいという芸術的情熱が生み出す狂気といえるかもしれない。朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』で、推しにハマり込み、視野を狭めていく人達に似ているものを感じた。
最後、天羽が千紘に「あなたを、許さない」というメッセージ。これは何を意味しているのか?
女性ライターとのインタビューで、『あなたを、許したわけじゃない』なら「新しい関係性への最初の光」と天羽は言っている。それを踏まえると、「あなたを、許さない」は「新しい関係はない」という断絶なのだろうか?
千紘のアドバイスにより作品はどんどん素晴らしくなっていった。そして、天羽の考えに逆らって千紘が文を勝手に足したことで作品は完成し、直木賞を受賞した。プライドが傷ついた天羽は千紘との関係を断ち、千紘を超えていきたいと思った。「あなたを、許さない」は千紘の力を借りず、自分の力でさらに高みを目指していきたいという宣言なのではないだろうか?
Posted by ブクログ
凄い作品を読んでしまった。もっと早く出会いたかった。
作家と編集、素晴らしい本を作るという目的は同じだけど、秘めている信念は違う。故に衝突することもある。どちらの主張も分かるようで分からない。でも大好きな本に関わる人たちだから分かりたい。その思いで読み耽てしまった。
全体的に口は悪いけど、全員自分の信念を持っての発言・行動で、妙に説得力があって素直に聞いていられる。やっぱり自分の芯を持っている人は格好良くて、ずっと見ていたくなる。
思いもよらない結末っていう謳い文句があるけど、この作品のためにある言葉じゃないかな。信頼の構築と喪失の速度感がリアルすぎて恐ろしい。
普段から本を読む人こそ読むべき作品です!
次から読む本の印象がガラッと変わってしまった。
Posted by ブクログ
文学賞をテーマにした作品を作家が取り扱うのは勇気がいったのでは、と思いました。登場人物が全員危うい感じで、誰ひとり感情移入できる人がいなかったのですが、そこが逆に駆り立てられるような感じで最後まで一気に読めました。
Posted by ブクログ
直木賞がそもそもなんなのか、と編集者がいるから小説が成り立ってるんだなぁと初めて知れた。
確かに一文あるかないか、だけで余韻が全然違うなぁという感じ。でもこれを小説にしようと思ったのも大変だっただろうなぁ。
Posted by ブクログ
もしかして「POISON」と間違えてタイトルをつけたのではないか、と思うくらいに毒を吐くカインが終始苦手だった。直木賞への欲が全開なところは人間らしくて、むしろ好ましいと言えるかもしれないが⋯
心血を注いだ作品の栄冠に固執する心情が痛いほどに伝わって来た。栄誉に浴したいという感情はあまりにも他人事ではなさすぎたため、読んでいて何度も冷や汗が出た。
編集者の千紘の、カインへの執着がどんどんエスカレートしていく様が怖くて、果たしてどうなるのだろうとドキドキしながら読んでいた。最後はそうなるよな、と⋯
小説に限らず、ものづくりには、それに携わった人たちの様々な想いがこめられているものだと、改めて感じた。小説には、作者や編集者などの業に近いものが宿り、読者はその結晶を読み、心揺さぶられるのだ。
Posted by ブクログ
⭐️4.5
天羽と緒沢の共依存的な危うさ、誰かの一番特別でありたい、誰かの理解者でありたいそんな人間らしい欲や感情は強大で、飼い慣らさないと末恐ろしい
人間は容易く暴走してしまう…
作家の生き方や本が生まれるまで、という読者である僕らが知らない世界を教えてくれて、天羽と市之丞、緒沢と藤崎といった女と男や佳代子とカインといった公と私のそれぞれの対比や使い分けも絶妙
ふと作中に出てくる『テセウスは歌う』のテセウスの船は、天羽が作り上げた物語を緒沢が作り変えてしまったら、それは誰の物語なの?っていうことを示唆しているんじゃないかなって思い、さらに深みが増して好きになった
Posted by ブクログ
絶対に直木賞取りたい女作家
編集者、新進気鋭のいけ好かない作家
面白い。獰猛な野心、直木賞さえ取れれば全て報われる。
冷静に分析しているけども、周りの編集とかからは、やっかみがられてる。
担当につく編集も徐々に求められる快感に、危うい打ち込み方をする。
私さえ分かればいい。暴走してるように見えるが、意外に俯瞰はできていて的外れではない。それでもやはり、溺れてる。
直木賞の選考を知らないので何処まで想像なのか分からないが面白い。勝手にお笑いとリンクさせて読んでた。M-1を獲らないといけない。寄席で受ければいいとか、abc獲ったからいいじゃないとか、賞レース用の漫才を追求しても仕方ないとか。そんなことを言われながらもM-1が欲しい。そんな思い。当然に今作は直木賞であり小説なので、お客さんの反応が無いとか、文章のみの表現とか違いはあるけど。
小説の一文にかける、異常な熱い思いにも、小説を味わう側として背筋が伸びた。そんな一冊
読んでいてどうしても
村山由佳さんご本人を
イメージしてしまう
作家が主役
出版社名や
登場人物の作家もなんとなく
想像できてしまうから
つい現実と勘違いしてしまう
そこが狙いだろうけど
まんまとハマった
作家名の天羽カインと
本名の天野佳代子を使い分けることで、
作家活動とプライベートを
描き分けてるのかな?とは思うが、
佳代子の時もカインなので
まさしく表裏一体という感じ
一読者としては
賞の受賞うんぬんよりも
ストーリーありきであると思う
面白そうと思えば
知らない作家の本も選ぶし
いつも読む作家が毎回当たりとは
限らないことも知ってる
だから狭い世界でキリキリと
している登場人物が痛々しくも感じた
読者のためと言いながら
読者が見えていない気がした
けれどラストの顛末を読んで、
他人から認められたいという
承認欲求だけではなく
自分の仕事に誇りを持って向き合う、
覚悟を持ってやり遂げる、
プライドのようなものを
描きたかったのかなと思った
カインにしろ千紘にしろ
いろんな思惑や人間関係に翻弄されても、
確固としてある自我みたいなものを
貫き通す姿勢に
読後はホッとした
Posted by ブクログ
※ネタバレあり
どんどん惹き込まれる文章力は流石で、思わず一気読みしてしまった。
直木賞を追い求める作家「天羽カイン」が主人公で、その編集担当、千紘などと共に奮闘する。
個人的には「もはや千紘が主人公やろ」と思うくらい千紘は気になるキャラクターだった。
正直、登場するキャラクターは全体的にいい人じゃなくて、物語の中に入り込めないというか、少し壁を作ってしまう自分がいた。
そんな中、千紘だけは結構いいやつで、この子だけやんまともなの、と思い読み進めていた。
しかし読み進めるうちに千紘も意外とやばいやつだと思い始め、もうこの世界にお友達になれそうな人はいないなーと、そんなことを思いながら読んでいた。
でも、直木賞をとるにはそれくらいの狂気じみた気持ちじゃないととれないのかなと、直木賞作家の村山先生が書いてるからこそ感じた感情もあった。
面白いけれど好みかと言われると難しい、そんな作品だったかな。
Posted by ブクログ
ダ・ヴィンチのBOOK OF THE YEAR 2025 小説部門 第1位。
2026年本屋大賞ノミネート。
ということで、本屋大賞発表前に読みたかった。
主人公の天羽カインは本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の何が駄目なのかと憤怒の炎に燃えていた。何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に…
とにかく承認欲求の塊であるカインの熱量たるや半端ない。直木賞を獲るためには自分に妥協しないのはもちろん、他人にも妥協はしない。やれることは全部やるし、それを周囲にも求める。完璧なパワハラ気質。
カインの作品に対する情熱は尊敬に値するけれど、正直カインの言動がどうしても受け入れられず、振り回される周囲の人に同情しかない。
華々しい直木賞の、壮絶な裏側を見てしまった気がする。
Posted by ブクログ
実は読んでて途中苦しくなって一度読むのやめた作品。
題材も、とにかく新鮮で、本読みなら一度は知りたくなる選考の裏側が描かれてる。
エンタメにも富んでて面白い作品であるのは間違い無いけど、
最後まで読んで私には受け止められなかった……。
かなり重くのしかかってきて、一度も読んでて良い気持ちにはならなかったし、何よりこの一度も良い気持ちにならない作品を書店員さんが「今売りたい本」としてノミネートにまでなってらのがどうも辛くなってしまった、、、
書きたい本と売りたい本は違うのかもしれないけど、
読みたい本も本当に個人差があるんだなぁぁ
作品自体も苦しかったけど、作中の「テセウスは歌う」が小説の中で一番苦手な題材だったので多分私は天羽カノン作品と心底相性が悪い…
前職の時、同僚の編集してる先輩が作家さんとのつながりが深すぎて女性同士だけど恋人かと錯覚することがあるって言ってて全然ピンとこなかったけどこの作品読んでなんかあああ、なるほど、となった。怖い怖い。
作中で語られてた作者が先に泣き出す話。
首がもげるほど頷きました!!!!!!
Posted by ブクログ
作家と編集者の関係性が強すぎて辛い
何としても直木賞を取りたい作家にその作家に編集者以上の入れ込み方で対応する千紘さん
完全におかしな世界に踏み込んでいるようで大丈夫かと
結末が予想外で心理が読めない
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネートということで読んだが、私にはそこまで刺さらなかった。どうしても直木賞が欲しい人気作家と寄り添い、一緒になって本を作る担当編集者の物語で、出版や賞の裏側を知れたのは非常に面白かった。また、2人の距離が近付きすぎてきた時にはこの先どうなるのか?!とハラハラしたけど、最後は爽やかでよかった。